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大野木宣幸・慶野由利子・小沢純子~業界初の音楽専任スタッフ【ゲーム音楽史03】

前回、ナムコ一強時代(1981年~1984年ごろ)の話をしましたが、この時代はプログラマーやゲームデザイナーがBGMや効果音も作るという制作スタイルが一般的でした。

そんな中でナムコが他社から抜きんでた理由の一つとして、『音楽・サウンド専任スタッフ』を採用したから、ということは前回述べました。

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大野木宣幸さん~業界初の音楽・サウンド専任スタッフ

ゲーム業界初の音楽・サウンド専任スタッフというのは、おそらくナムコの大野木宣幸さんが最初でしょう。

大野木さんは元々プログラマーとしてナムコに入社していますが、『ラリーX』のハイスコアBGMを作ったのをキッカケに、その後の『NEWラリーX』以降、音楽・サウンド専任スタッフとして配属されることになります。

彼が手掛けた主な作品は

  • ギャラガ
  • ポールポジション1、2
  • マッピー
  • リブルラブル
  • メトロクロス

などで、とくに『マッピー』は初期のゲーム音楽としては、すぎやまこういちさんが絶賛するほどの名曲として有名です。

マッピー
(C)BANDAI NAMCO

『リブルラブル』『メトロクロス』のメインBGMも、個人的には同じくらいの名曲と思います。

古き良きアメリカンスタイル

大野木さんの音楽は言葉で形容してみると『古き良きアメリカ』の香りがします。

  • オールディーズ
  • ビッグバンドジャズ
  • カントリー
  • ラグタイム

そういったジャンルを連想させるような曲が多いです。
ゲームセンター→カジノ→ラスベガス→アメリカンドリーム
みたいな連想でしょうか。

初期のゲーム音楽は大野木さんのアメリカンスタイルに追従したものも多く、一つの典型的なゲーム音楽の型が出現します。

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慶野由利子さん~ゼビウスの作曲者

大野木さんの少し後に、最初から『音楽・サウンド専任スタッフ』として入社したのが慶野由利子さんです。

ゼビウス』のBGMがあまりに有名ですが、大野木さんと二人で初期のナムコタイトルの大半を手がけています。

以下、慶野さんが手掛けた主なタイトルです。

  • ディグダグ
  • ゼビウス
  • フォゾン
  • パックランド
  • ドラゴンバスター

ゲーム音楽とミニマル手法

細野晴臣さんも絶賛していた有名な『ゼビウス』のBGMですが、なにが凄いかって、アルペジオの中の1音が半音下降するだけなんですが、わずか2小節のループで
CM7 C7 FM7 FmM7
というコード進行が成立してるんですよね。

これは典型的なミニマルミュージックの手法です。

ミニマルミュージックというのは『ある音型を少しづつ変化させて音楽として成立させる』というようなジャンルですが、1960~1970年代あたりに流行して、あの久石譲さんもジブリアニメをやる前はミニマルミュージックに傾倒していました。

初期の音源スペックが乏しいゲーム音楽では、和音数が少なくても成立するこの手法はかなり効果的でした。

『ゼビウス』のほかにも『エグゼドエグゼス』など、よく出来たミニマルっぽい曲は結構な数あります。

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小沢純子さん~ドルアーガの塔作曲者

ナムコ一強時代にはもう一人、『ドルアーガの塔』の小沢純子さんがいます。

慶野さんの2年後輩で、世代的にもう少し後のほうで扱おうか迷いましたが、1984年デビューでナムコ一強時代の一翼を担ったということで、本稿で紹介することにします。

通称『ZUNKO』彼女は大のナムコファンで『ニューラリーX』『マッピー』などの音楽に感化されて音大卒業後すぐにナムコに入社しています。

彼女の音楽はドルアーガの塔に代表されるように、音大でクラシックをしっかり学んだという印象があります。

ドルアーガの塔、イシターの復活に限って言えば、ジョン・ウィリアムズの影響が強いですね。

ドルアーガの塔の音楽

古代裕三さんがゲーム業界入りするきっかけになったという『ドルアーガの塔』の音楽ですが、新人研修時に作ったドルアーガの塔の曲は、はじめボツにされかけたそうです。

しかし、ナムコのチーフプロデューサーだった遠藤雅伸さんが気に入り、その曲のために『ドルアーガの塔』を作ったといいます。

ドルアーガの塔 画面写真
(C)BANDAI NAMCO

ちなみにドルアーガの塔の『イシターのテーマ』は典型的なミニマル手法で作られていて、ベースとアルペジオが一拍ずつズレていって12拍目に頭が揃う、という作りになっています。

彼女のナムコ一強時代の作品は、『ギャプラス』と『ドルアーガの塔』ですが、後に『スカイキッド』『イシターの復活』など多数の作品を手がけています。

――次回は初期の8ビットPCと初期のPCゲームについて触れたいと思います。

ゲーム音楽史 前回

ナムコ一強時代(1981~1984年)~PSGと波形メモリ音源【ゲーム音楽史02】
ゲーム音楽史 第二回。1981年~1984年頃は先駆者ナムコが他を圧倒していた時代でした。波形メモリ音源、商業的優位性など、その要因を解き明かしていきます。

ゲーム音楽史 次回

初期の8ビットPCと日本のゲーム業界事情【ゲーム音楽史04】
ゲーム音楽史 第4回は、Apple2・PC-8001からPC-8801・FM-7・X1の『御三家』といった初期PCゲームの音楽と、黎明期のPCゲーム業界についてです。

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