今回作品より曲紹介記事を先行配信しています。このブログはリンクフリーです。(2019年6月15日更新)
スポンサーリンク

ゲーム音楽史03 業界初の音楽専任スタッフ~大野木宣幸・慶野由利子・小沢純子

前回、ナムコ一強時代(1981年~1984年ごろ)の話をしましたが、
この時代はプログラマーやゲームデザイナーが
BGMや効果音も作るという制作スタイルが一般的でした。

そんな中でナムコが他社から抜きんでた理由の一つとして、
『音楽・サウンド専任スタッフ』を採用したから、ということは前回述べました。

スポンサーリンク

業界初の音楽・サウンド専任スタッフ~大野木宣幸さん

ゲーム業界初の音楽・サウンド専任スタッフというのは、
おそらくナムコの大野木宣幸さんが最初でしょう。
大野木さんは元々プログラマーとしてナムコに入社していますが、
『ラリーX』のハイスコアBGMを作ったのをキッカケにして
その後の『NEWラリーX』以降、音楽・サウンド専任スタッフとして配属されることになります。

彼が手掛けた主な作品は

『ギャラガ』
『ポールポジション1、2』
『マッピー』
『リブルラブル』
『メトロクロス』
などで、

とくに『マッピー』は初期のゲーム音楽としては、すぎやまこういちさんが絶賛するほどの名曲として有名です。

4d7c0194b81f2e1fced82e217cace6f562a6ae08d5ad1229eb1d41bc8914bdc1
(C)BANDAI NAMCO Amusement Inc.

『リブルラブル』『メトロクロス』のメインBGMも、個人的には同じくらいの名曲と思います。

古き良きアメリカンスタイル

大野木さんの音楽は言葉で形容してみると『古き良きアメリカ』の香りがします。
オールディーズ、ビッグバンドジャズ、カントリー、ラグタイム
そういったジャンルを連想させるような曲が多いです。

ゲームセンター→カジノ→ラスベガス→アメリカンドリーム
みたいな連想でしょうか。

初期のゲーム音楽はこの大野木さんのアメリカンスタイルを模倣したものも多く、
一つの典型的な『ゲーム音楽』の型が形作られていたと思います。

スポンサーリンク

ゼビウスの慶野由利子さん

大野木さんの少し後に、
最初から『音楽・サウンド専任スタッフ』として入社したのが慶野由利子さんです。
『ゼビウス』のBGMがあまりに有名ですが、
大野木さんと二人で初期のナムコタイトルの大半を手がけています。
彼女が手掛けた主なタイトルは

『ディグダグ』
『ゼビウス』
『フォゾン』
『パックランド』
『ドラゴンバスター』
などです。

ゲーム音楽とミニマル手法

細野晴臣さんも絶賛していた有名な『ゼビウス』のBGMですが、
なにが凄いかって、アルペジオの中の1音が半音下降するだけなんですが、
わずか2小節のループでCM7 C7 FM7 F-M7というコード進行が成立してるんですよね。

これは典型的なミニマルミュージックの手法です。
ミニマルミュージックというのは、『ある音型を少しづつ変化させて音楽として成立させる』
というようなジャンルですが、1960~1970年代あたりに流行して
あの久石譲さんもジブリアニメをやる前はミニマルミュージックに傾倒していました。

初期の音源スペックが乏しいゲーム音楽では和音数が少なくても成立するこの手法はかなり効果的でした。
『ゼビウス』のほかにも『エグゼドエグゼス』など、よく出来たミニマルっぽい曲は結構ありますね。

スポンサーリンク

ZUNKOこと小沢純子さん

ナムコ一強時代にはもう一人、『ドルアーガの塔』の小沢純子さんがいます。
慶野さんの2年後輩で、世代的にもう少し後のほうで扱おうか迷いましたが、
1984年デビューで、ナムコ一強時代の一翼を担ったということで、本稿で紹介することにします。

彼女は大のナムコファンで『ニューラリーX』『マッピー』などの音楽に感化されて
音大卒業後すぐにナムコに入社しています。

彼女の音楽はドルアーガの塔に代表されるように、
音大でクラシックをしっかり学んだという印象があります。
ドルアーガの塔、イシターの復活に限って言えば、
ジョン・ウィリアムズの影響が強いですね。

ドルアーガの塔について

あの古代裕三さんがゲーム業界入りするきっかけになったという
『ドルアーガの塔』ですが、
新人研修時に作ったドルアーガの塔の曲は、はじめボツにされかけたそうです。

しかし、ナムコのチーフプロデューサーだった遠藤雅伸さんが気に入り、
その曲のために『ドルアーガの塔』を作ったといいます。

smile5
(C)BANDAI NAMCO Amusement Inc.

ちなみにドルアーガの塔の『イシターのテーマ』は
典型的なミニマル手法で作られていて、ベースとアルペジオが一拍ずつズレていって
12拍目に頭が揃う、という作りになっています。

彼女のナムコ一強時代の作品は『ギャプラス』と『ドルアーガの塔』ですが
後に『スカイキッド』『イシターの復活』など多数の作品を手がけています。

次回は初期の8ビットPCと初期のPCゲームについて触れたいと思います。

スポンサーリンク

関連リンク

ゲーム音楽史 前回 ゲーム音楽史02 ナムコ一強時代~PSGと波形メモリ音源

ゲーム音楽史 次回 ゲーム音楽史04 初期の8ビットPCと日本のゲーム業界事情

コメント