パックマン&ニューラリーX【ギター演奏・コード進行100◆動画100本達成記念】

パックマン&ニューラリーX 動画
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1980年/1981年:アーケードゲーム
メーカー:ナムコ(NAMCO)
タイトル名:パックマン(Pac-Man)、ニューラリーX(New Rally-X)
曲名:パックマン&ニューラリーX(Pac-Man & New Rally-X)
作曲:甲斐敏夫(Toshio Kai)、大野木宣幸(Nobuyuki Ohnogi)
演奏難易度:☆☆☆★★(易しい)

今回で100本目のゲーム音楽アレンジ演奏動画となりますが、動画100本達成記念として「最古のゲーム音楽を弾く」という企画をやろうと思います。

最古のゲーム音楽といっても諸説あるのですが、今回は国産ゲーム音楽の源流である、パックマンとニューラリーXの楽曲をメドレーにして演奏いたします。

動画100本達成記念企画について

2018年5月にゲーム音楽のアレンジ演奏動画を投稿しはじめて約3年11か月が経過しますが、ようやく100本を達成する事が出来ました。これも皆様の応援のお陰です!

そして、100本目には何か企画をやりたいとは思っていましたが、今回は「最古のゲーム音楽を演奏する」という企画にしました。

最古のゲーム音楽はラリーXか?パックマンか?

「最古のゲーム音楽」については当ブログ「ゲーム音楽史01」で考察していますので、まずはそちらをご覧になってください。

上の記事でも色々と書いていますが、「最古のゲーム音楽」というのはゲーム音楽というものの定義の仕方によって変わってきます。

「ゲーム音楽=ゲーム中に鳴る音階が付いた音」という事なら、1977年の『サーカス』(米Exidy社)が最古となりますが、当ブログでは「演奏する」という趣旨もあって、数秒以内で終わってしまうジングル的なものは除外して考えています。

そうすると、もう少し長さがあって音楽としての体裁が整っているものが対象となりますが、一般的には「常時流れるBGMがついた最初のタイトル」という事で、1980年11月に稼働開始したアーケードゲーム『ラリーX』(ナムコ)の音楽を「最古のゲーム音楽」としている情報が多いですよね。

しかし、当ブログでは「ゲーム音楽史01」で書いている通り、ラリーXの改訂版である『ニューラリーX』メインBGMの元ネタにもなっている『パックマン』(ナムコ、1980年5月稼働開始)の音楽を最古のゲーム音楽と考えています(ゲーム音楽史01を参照)。

そんな背景があって、今回はパックマンの音楽の演奏を考えたのですが、実際に演奏するに当たってパックマンの音楽だけだと動画にするには短すぎるんですよね。

色々考えた末、今回はパックマンのコーヒーブレイクミュージック(マンガ・ミュージック)の発展形アレンジであるニューラリーXの音楽も一緒にしてメドレー演奏することにしました。

ニューラリーXについて

「最古のゲーム音楽」有力候補の一つである初代ラリーXですが、稼働開始から3か月後の1981年2月にマイナーチェンジ版の『ニューラリーX』が登場しました。

そして、旧ラリーXはニューラリーXに置き換えられたため、旧版は出回った台数も少なく、一般的にラリーXといえばニューラリーXのほうを差す場合が多いです。

ラリーXからニューラリーXになって大きく変わったのが音楽で、旧ラリーXでは単音の6小節ループ(A-B-A構成なので実質4小節)だったメインBGMが2和音16小節に拡張され、チャレンジングステージにも専用のBGMが用意されました。

自分も圧倒的にニューラリーXの音楽のほうが馴染みがあるのですが、コンシューマ機への移植版もニューラリーXの音楽が採用されているし、一般的にも「ラリーXの音楽」と言えば、ニューラリーXのものをイメージされる方が大半なのではないでしょうか。

パックマン・ラリーX・ニューラリーXの作曲者

パックマン・ラリーX・ニューラリーXの作曲者は以下の通りです。

パックマン(1980年5月)
甲斐敏夫さん

ラリーX(1980年11月)
甲斐敏夫さん、大野木宣幸さん(ハイスコアBGMのみ)

ニューラリーX(1981年2月)
大野木宣幸さん

甲斐敏夫さん

甲斐敏夫さんについては、このブログでは未紹介ですが、ギャラクシアン、パックマン、ラリーXという初期ナムコ重要作品の音楽を担当したということで、ゲーム音楽史的にかなり重要な人物ですので、ここでご紹介したいと思います。

本名:甲斐敏夫(かい としお)
生年月日:1943年
代表作品:パックマン、ラリーX

甲斐敏夫さんは戦時下の広島に生まれ、幼少時に原爆被爆という体験をしています。

大学では美術・デザインを学び、1970年にナムコの前身である中村製作所に入社。中村製作所ではグラフィックデザイナーとして活躍し、デザイン部門の主任を務めていました。

甲斐さんはデザインが専門でしたが、当時のナムコにはまだサウンド専任スタッフが居なかったということもあって、ギャラクシアン(1979年11月)、パックマン、ラリーXのサウンドを担当されています。

その後、ラリーXの時にサウンドを共作した新人の大野木宣幸さんがサウンド専任スタッフに抜擢され、ニューラリーX以降のサウンドに関しては大野木さんに一任される事となりました。

甲斐さんから大野木さんへと受け継がれたもの

大野木宣幸さんについては、この後「ゲーム音楽の父」としてナムコで大活躍することになりますが、詳しくはこちらの記事をご覧下さい。

ニューラリーXの音楽は、ブルーノートを多用していたりして、オールドアメリカンミュージックのカラーが強いですよね。

このオールドアメリカンスタイルは大野木さんの十八番ですが、源流を辿るとパックマン→ラリーX→ニューラリーXという流れで甲斐敏夫さんから大野木宣幸さんに引き継がれたものではないか?とも考えられます。

マンガ・ミュージックは4拍子化【ソロギター演奏】

今回の演奏では、以下の曲順でメドレー演奏しています。

  1. パックマン ゲームスタート(オリジナルはCメジャーキー)
  2. ニューラリーX メインBGM(オリジナルはAメジャーキー)
  3. ニューラリーX チャレンジングステージBGM(オリジナルはAメジャーキー)
  4. パックマン コーヒーブレイク(マンガ・ミュージック、オリジナルはFメジャーキー)

今回の演奏は、ニューラリーXのオリジナルキーであるAメジャーキーに統一しました。

1.のパックマンのゲームスタートジングルは凄く有名なものです。作りはシンプルなのですが、リズムが微妙に不均等だったり、ラストの上りフレーズに細かい前打音が入っていたりして、演奏はそんなに簡単ではありません。

2.のニューラリーXのメインBGMは今回のメインとなるセクションですが、ブルーノートが効いていて、なんとも味のあるメロディーですよね。

3.のチャレンジングステージBGMは、M7とブルーノートの音程が混在していて、ちょっとぶっ飛んだ感じのフレージングです。

そして、4.のパックマン「マンガ・ミュージック」を使ったエンディング部分ですが、ここが一番悩みました。

「マンガ・ミュージック」は、もともと5/4拍子で作られたようですが、ここはちょっと特殊なリズムです。

ニューラリーXメインBGM(4/4拍子)の5小節目から8小節目(下のコード譜のAメロ2段目)と似たメロディーですが、なんというか、16分音符1つ分ずつ後ろにズレていって結果的に5拍になる、みたいな感じで、めちゃめちゃとりずらいんですよね……。

ご本人直筆らしき譜面もネットに上がっていて、それも5/4拍子で書いてあるので、恐らく意図的にそういう不均等なリズムにしたんだと思われますが。

そして、その譜面を見ながら小一時間チャレンジしてみましたが、譜面通りに弾けるようになるまでには物凄い時間がかかりそうだし、出来たとしてもカッコ良くアレンジして弾ける自信はありませんでした。

そこで、このセクションは意訳アレンジすることにして、それまでのニューラリーXの感覚とテンポを引き継ぐ形で、4/4拍子にして演奏した次第です。

ですので、この部分は「ニューラリーXのマンガ・ミュージック風アレンジ」という感じで捉えて頂けるとありがたいです。「おーい、リズム違うよー」っていう突っ込みはご勘弁ください(笑)

パックマン&ラリーX コード進行

キーは全てAメジャーキーで演奏しています。

パックマン ゲームスタート(イントロ)
|A|B♭|A|E7 A|

ニューラリーX メインBGM Aメロ
|A|A|A|E7|
|A|A|A|D E7 A|

ニューラリーX メインBGM Bメロ
|A|A|DM7|A|
|A|A|DM7|A|

ニューラリーX メインBGM Aメロ繰り返し

ニューラリーX チャレンジングステージ
|Am7 AM7|Am7 AM7|D|AM7|
|Am7 AM7|Am7 AM7|D|AM7|

ニューラリーX メインBGM Bメロ繰り返し

パックマン マンガ・ミュージック(エンディング)
|A|A|A|E7 A|
|A7|

コード進行分析

パックマン ゲームスタート(イントロ)
■Aメジャー
|Ⅰ|♭Ⅱ|Ⅰ|Ⅴ7 Ⅰ|

ニューラリーX メインBGM Aメロ
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅴ7|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅳ Ⅴ7 Ⅰ|

ニューラリーX メインBGM Bメロ
|Ⅰ|Ⅰ|ⅣM7|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|ⅣM7|Ⅰ|

ニューラリーX メインBGM Aメロ繰り返し

ニューラリーX チャレンジングステージ
|Ⅰm7 ⅠM7|Ⅰm7 ⅠM7|D|AM7|
|Ⅰm7 ⅠM7|Ⅰm7 ⅠM7|D|AM7|

ニューラリーX メインBGM Bメロ繰り返し

パックマン マンガ・ミュージック(エンディング)
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅴ7 Ⅰ|
|Ⅰ7|

ブルーノートや経過音を多用した3コード【コード進行のポイント】

演奏キーのAメジャーキーでコード進行の解説をいたします。

今回、コード進行は超シンプルで、ほとんど3コード(Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ)で完結していますが、上に乗っているフレーズがブルーノートや半音アプローチが多くて、ベースラインを出しながらだと多少弾きにくさを感じました。

イントロの「パックマン ゲームスタート」は唯一、3コード以外のコード(B♭=♭Ⅱ)が登場しますが、これはⅤ7(=E7)の裏コードです。

「ニューラリーX Aメロ」は3コードですが、ブルーノート(m3・♭5・m7)や半音アプローチを多用しています。ゆっくり演奏するとブルーズ風ですが、このテンポだとカントリー風に聴こえますよね。

「ニューラリーX Bメロ」はⅠとⅣのアルペジオで出来ていますが、メジャー7thの音程を使っていたりして、ブルージーなAメロと雰囲気が変わります。

「チャレンジングステージ」も、ベースはIとⅣの2コードですが、マイナー→メジャーの細かい切り替えが特徴です。m3やM7の使い方がブルーノートっぽくなくて、なんというか浮遊感のあるフレージングですよね。

最後の「マンガ・ミュージック」のセクションは、「ニューラリーX Aメロ」の変奏という形で演奏しましたが、「ニューラリーX Aメロ」は4拍目のロングトーンがマイナー3rd(ブルーノート)なのに対して、こちらはメジャー3rdだったりして、ラインが微妙に違います。

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