グラディウス メドレーVol.1(空中戦・1面・4面)【ギター演奏・コード進行106】

グラディウス メドレーVol.1(空中戦・1面・4面)動画
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1985年:アーケードゲーム
メーカー:コナミ(KONAMI)
タイトル名:グラディウス(NEMESIS)
曲名:グラディウス メドレーVol.1(NEMESIS Medley Part1)
作曲:東野美紀(Miki Higashino)

※演奏難易度は個別曲紹介に記載します

グラディウス(Gradius)は1985年5月に稼働開始した橫スクロールシューティングゲームの金字塔と言えるタイトルです。

これから3回に渡ってグラディウスの楽曲をメドレー演奏していきたいと思います。

Vol.2はこちら↓

グラディウスの音楽は、デビュー間もない東野美紀さんが担当していますが、これが素晴らしい出来で、当時「ナムコ一強」だったゲーム音楽の版図を塗り替えた作品といっても過言ではないでしょう。

当時の時代背景などは「ゲーム音楽史」のこちらの記事をご覧下さい。

今回のメドレー演奏について

自分個人的にゲーム音楽発展期における「シューティングゲーム四天王」と思っているのが、グラディウス(1985年5月、コナミ)、スペースハリアー(1985年11月、セガ)、ファンタジーゾーン(1986年3月、セガ)、ダライアス(1987年2月、タイトー)の4作品なのですが、この中でグラディウスだけ、まだ1曲も演奏していなかったんですよね。

本当はもっと早いタイミングで演奏したかったのですが、グラディウスの楽曲ってソロギター化の難易度が高そうだし、短い曲が沢山あるイメージなので「時間のある時にメドレーに編曲しよう」と考えていました。

しかし、中々まとまった時間が取れそうになかったため、他の事と並行して長期計画で取り組む事にして、今年(2022年)6月頃から準備を始めました。

やり方としては、昨年(2021年)の夏にファンタジーゾーンの全曲メドレーを3分割演奏した時と同様のやり方を考えていて、Vol.1からVol.3の3分割で収録し、ブログにも3分割で記事をアップしていきますが、ブログの方は頃合いをみて一つの記事に統合しようと思います。

当初、7月にはVol.1を公開予定だったのですが、出来たら3本の動画をあまり期間を空けずに連続で公開したいし、全曲録ってからの公開にしたほうが予定が立てやすいだろうということで、9月まで公開がずれ込んでしまいました。

そんなこんなで、構想開始から3か月ほどかかってしまいましたが、ようやく公開に漕ぎ着ける事が出来ましたので、どうぞお楽しみ下さい!

グラディウス作品概要

グラディウス(以下、本作)はコナミが「コナミバブルシステム」(コナミ製のアーケードゲーム基板)の第2弾作品として開発し、1985年5月より稼働開始した横スクロール型のシューティングゲームです。

ちなみに、バブルシステムの第1弾は1985年3月の『ツインビー』で、その楽曲はこのブログでも演奏しました。

本作は1986年4月にファミコン版が発売されて、そちらも100万本以上売れる大ヒットを記録したので、ファミコンで体験したという方も多いのではないでしょうか。

なお、本作の海外版は『NEMESIS』というタイトルで流通したので、日本国外ではネメシスと言った方が通りが良いかもしれません。

横スクロールシューティングゲームの金字塔

本作から遡ること4年、コナミは1981年に『スクランブル』という横スクロール型シューティングゲームをヒットさせていて、ゲームメーカーとして躍進するきっかけとなりました。

本作はスクランブルの系譜を引き継いだものと考えられますが、当時のシューティングゲームは、ゼビウス(1983年、ナムコ)の影響が圧倒的に大きく、後続のヒットタイトルも、スターフォース(1984年、テクモ)、1942(1984年、カプコン)、ツインビー(1985年、コナミ)など、縦スクロール型が主流でした。

それが、本作の登場をきっかけに、ファンタジーゾーン(1986年)、ダライアス(1987年)、Rタイプ(1987年)など、横スクロール型のものが激増したという流れがあり、本作はシューテングゲーム史のターニングポイントとなった作品と言えるでしょう。

派手なパワーアップシステムとステージ展開

横スクロール型という事の他に、本作の大きな特徴となっているのが、強力なパワーアップシステムと美麗なグラフィックスによるステージ展開です。

パワーアップシステムは、基本的には前作のツインビーでとり入れられたものを踏襲した形ですが、本作ではさらに洗練されてゲーム性の要となっています。とくに「レーザー」と「オプション」は衝撃的な発明でしたよね。

そして、本作が大ヒットした最大要因は派手なステージ展開だと思います。

ステージ毎の詳細は個別曲解説で触れようと思いますが、ビジュアル・ゲーム性・音楽の全てがステージ毎にガラリと変わるメリハリのある展開は、当時のシューティングゲームの常識を覆すものでした。

グラディウスの音楽

本作の音楽を作ったのは、この年(1985年)の1月に『イーアルカンフー』でデビューした東野美紀さんで、当時まだ大学生だった東野さんは学生アルバイトとしてコナミに楽曲提供をしていました。

本作の楽曲の全体的な特徴としては、プログレ的なテイストを基調としつつも、打楽器を使わずに副旋律が忙しく動くようなクラシック音楽的な手法を組み合わせて作られている事でしょうか。

そしてもう一つ、実際に採譜・アレンジして感じた事ですが、以下のように「同タイプコードの平行移動」をベースに構成されている場面が非常に多いのです。

メジャー系コード平行移動
空中戦、1面、7面

マイナー系コード平行移動
2面、5面、6面後半

同タイプコード平行移動はプログレ系音楽の常套句なのですが、曲の構造からも一貫した作曲コンセプトを感じられますよね。

モーニングミュージックについて

今回、アーケードゲーム版の電源投入時に流れる「モーニングミュージック」も演奏すべきか迷ったのですが、この曲は前作の『ツインビー』が初出であり、他の多くのコナミタイトルにも使われているので、「グラディウスの曲」として扱うのは微妙かも、という理由で今回は割愛しました。

それに「モーニングミュージック」は単体で演奏動画1本分のボリュームがあるし、機会があれば単体で演奏しようと思います。

なお、この曲は東野さんの作ではなく「コナミの先輩のN氏」が作ったということで詳細は不明です。

グラディウスメドレーVol.1について

「グラディウスメドレーVol.1」は、Beginning of the History(空中戦BGM)、Challenger 1985(1面BGM)、Free Flyer(4面BGM)の3曲です。

なぜ1面BGMの後、2面と3面を飛ばして4面BGMを繋げたか?というと、1面BGMと4面BGMはキーとテンポと曲調の面で繋げやすかったのと、2面BGMと3面BGMはアレンジに手間取って時間がかかりそうだったため、先に4面BGMを演奏することにしました。

以下、収録順に曲紹介とステージの解説をしていきます。

Beginning of the History(空中戦BGM)

演奏難易度:☆☆★★★(普通)

本作は各ステージの序盤に空中戦のセクションが設けられていますが、空中戦で得たパワーアップカプセルでどういう装備を揃えるかで、その後の難易度が大きく左右されるというシステムでした。

空中戦BGM「Beginning of the History」は、ゲームスタート直後から流れてきて、その後もステージが変わる毎に聴くことになるので、全曲中、聴く頻度は一番高いのではないでしょうか。

曲の内容としては、まず、イントロのアルペジオがとても印象的ですよね。

その後はメジャー7thコードの平行移動を中心としたコード進行になりますが、それぞれのコードに対してリディアン旋法(メジャースケールのファが♯したもの)が割り当てられています。

ギターアレンジについては、イントロのベースラインに前打音を入れると難易度が跳ね上がるのですが、この前打音があるのと無いのでは原曲再現度に雲泥の差が生まれるので、そこは頑張って練習しました。

Beginning of the History(空中戦BGM)コード進行

オリジナルのEマイナー/EメジャーキーをAマイナー/Aメジャーキーに移調しています。

イントロ
|Asus2|G69|FM7(♯11)|G69|
|Asus2|G69|FM7(♯11)|G69|

Aメロ
|AM7(♯11)|AM7(♯11)|
|GM7|DM7(onF♯) DM7|
|AM7(♯11)|AM7(♯11)|
|GM7|FM7(♯5) D♯M7(onA♯) C♯M7|

コード進行分析

イントロ
■Aマイナー
|ⅠM7|♭Ⅶ|♭ⅥM7|♭Ⅶ|
|Ⅰ|♭Ⅶ|♭ⅥM7|♭Ⅶ|

Aメロ
■Aメジャー(Aリディアン)
|ⅠM7|ⅠM7|♭ⅦM7|ⅣM7|
|ⅠM7|ⅠM7|
|♭ⅦM7|♭ⅥM7 ♯ⅣM7 ⅢM7|※1

※1 この行はメジャー7thコードが長2度(全音)間隔で下降している

Aメロは調性的解釈を優先してAメジャーキーで表記してありますが、実際はメジャー7thコードの平行移動で作られていて、それぞれのコードにリディアンスケールが割り当てられているという構造になっています。

ですので、調性的解釈としては難解になりますが、コードチェンジ毎に転調していると捉えた方が良いのかもしれません。

Challenger 1985(1st.BGM)

演奏難易度:☆☆★★★(普通)

ゲームスタート後、間もなく到達する1面は「火山ステージ」で、上下に陸地があるトンネルのような空間です。

上側の陸地にも重力があるのか、敵が天井を歩いて攻撃してきたり、山にトンネル(?)が掘られていたりと、独特の世界観(当時流行っていた地球空洞説的なもの?)を感じます。

1面BGMの「Challenger 1985」は「グラディウスと言えばこれ!」というくらい有名な曲です。

Challengerの曲名通りの勇ましい曲調で、空中戦が終わってこの曲に切り替わる瞬間、一気にテンションが上がりますよね。

演奏技術面では前半部分が難関で、細かいパッセージからの無理矢理なポジション移動が多く、動画の演奏でもパッセージの最後の音が一部綺麗に出せていません。

Challenger 1985(1st.BGM)コード進行

オリジナルのCメジャーキーをEメジャーキーに移調しています。

Aメロ
|E|G|A|C D|
|E|G|A|B7|

Bメロ
|CM7|GM7|A B|C D|
|B7sus4|B7|

コード進行分析

Aメロ
■Eメジャー
|Ⅰ|♭Ⅲ|Ⅳ|♭Ⅵ ♭Ⅶ|
|Ⅰ|♭Ⅲ|Ⅳ|Ⅴ7|

Bメロ
|♭ⅥM7|♭ⅢM7|Ⅳ Ⅴ|♭Ⅵ ♭Ⅶ|
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7|

コード進行的には、メジャーキーを基調にしつつ同主調のコードが入ってくるという、ゲーム音楽王道進行の一つ「同主調混在メジャーキー」です。

そしてこの曲の場合、メジャー系コード(メジャー7thコードとドミナント7thコード)しか出てこないのですが、それらが長2度・短3度の音程でシフトする動きを中心に構成されており、とても面白い作り方だと思います。

Free Flyer(4st.BGM)

演奏難易度:☆☆★★★(普通)

今回は、1面BGMに繋げやすかったのと、2面・3面BGMのアレンジに時間がかかりそうだったという理由で、先に4面BGMの「Free Flyer」を演奏したのは前述の通りです。

4面の「逆火山ステージ」は、1面の火山ステージを上下逆さまにしたようなステージで、ヴィジュアルも、ゲーム性も、音楽も、1面と共通する雰囲気を感じますよね。

ちなみにですが、本作の翌年にデビューする事になる古代祐三さんは、影響を受けたゲーム音楽として『ドルアーガの搭』『スペースハリアー』のメインBGMと共に、この曲「Free Flyer」を挙げています。

演奏技術面では「この曲はVol.1の3曲の中では易しい部類かな?」と思ったのですが、実際に弾いてみると、前半はメロディーのオクターブ跳躍があったり、後半には速くて長い音階パッセージがあったりと、結局はそこそこの難易度になったので、星3つとしました。

Free Flyer(4st.BGM)コード進行

オリジナルのCメジャーキーをEメジャーキーに移調しています。

イントロ
|A B|C D B7|

Aメロ
|E|E|E7(onD)|E7(onD)|
|AM7(onC♯)|F♯m7 G♯m7|
|Am7|Bm7 B7(♭9♭13)|
|E|GM7 A7|Esus4|

コード進行分析

イントロ
■Eメジャー
|Ⅳ Ⅴ|♭Ⅵ ♭Ⅶ Ⅴ7|

Aメロ
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ7|Ⅰ7|
|ⅣM7|Ⅱm7 Ⅲm7|Ⅳm7|Ⅴm7 Ⅴ7|
|Ⅰ|♭ⅢM7 Ⅳ7|Ⅰsus4|

コード進行は、1面BGMと同じく「同主調混在メジャーキー」ですが、こちらは普通にマイナー系コードも活用されています。

Aメロ冒頭のⅠ→Ⅰ7(on♭Ⅶ)→ⅣM7(onⅥ)は、ゲーム音楽で頻繁に登場する進行ですが、このタイプの進行は複数のコード付けが出来る事が多いので、毎回迷うポイントなんですよね。

例えば、以前演奏したスペースハリアーメインテーマのAメロ出だしも、この曲とほとんど同じような展開をするのですが(古代さんはこの進行が相当お好みのようで)、あちらはメロディーと前後の関係を考えてⅠ→♭Ⅶ69→Ⅵm7という解釈にしました。

――次回のVol.2では今回飛ばした2面と3面の曲も演奏しますので、どうぞお楽しみに!

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