ドラゴンクエスト2「この道わが旅」【ギター演奏・コード進行50】

ドラゴンクエスト2 この道わが旅
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1987年:ファミリーコンピュータ(NES)
メーカー:
エニックス(ENIX)
タイトル名:ドラゴンクエストⅡ(Dragon Warrior2)
曲名:この道わが旅(My Road,My Journey)
作曲:すぎやまこういち(Kouichi Sugiyama)
難易度:☆☆★★★(普通)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第50弾は、ドラゴンクエスト2よりエンディング曲「この道我が旅」。

記念すべき50曲目の演奏は、鉄板の名曲にしました。

50曲演奏するまで思ったより時間かかりましたが、次は100曲目指して頑張ります!

ドラクエ2からは初選曲

今回演奏する「この道我が旅」は『ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々』のエンディング曲で、単体でもかなりの有名曲ですよね。

後から歌詞が付いたりして「鉄板の卒業式ソング」という側面もあります。

この曲は少し前に公開したドラゴンクエスト3「村のテーマ」と同時にアレンジしたものですが、テンポやリハーモナイズがすぐに決まらず、少し寝かせていました。

考えてみると、このブログではドラクエ「2」の曲は初出ですので、まずはドラクエ2の解説からいきましょう。

ドラゴンクエスト2作品概要

『ドラゴンクエスト2 悪霊の神々』は1987年の1月にファミリーコンピュータ用のソフトとして発売されました。

前作からわずか8か月後という異例のスピードでリリースされましたが、前作は徐々に人気が出たのに対して、本作は前作の評判を引き継いで最初から売れに売れて、入手が困難なほどでした。

前作は一人旅だったのがパーティー制になったり、マップが6倍の広さになったりと、前作から格段にスケールアップしています。

主な制作スタッフは前作同様、堀井雄二・すぎやまこういち・鳥山明の最強トリオです。

この開発期間の短さを考えると、前作制作中から構想はあったのだろうな、と思います。

前作に入りきらなかった要素を再構築して本作に入れたという話もありますし。

ここでは今回演奏している「この道我が旅」を中心に、ドラクエ2の音楽面について書いてみようと思います。

ドラクエ2の音楽

ドラゴンクエスト2の音楽ですが、ドラクエ全作品中でも異色なものと思います。

ドラゴンクエストシリーズの音楽イメージはクラシックをベースにした格調高いものですが、ドラクエ2の音楽は、すぎやまこういちさんのポップス作家の面が強く出ているものです。

すぎやまこういちさんは、元々は「亜麻色の髪の乙女」に代表されるような歌謡曲や、CM音楽等を手掛けていた職業作曲家です。

なので、本来はポップス系の作曲も得意分野なのですが、ドラゴンクエストシリーズではクラシック寄りの表現が中心で、すぎやまさんのポップス作家としての面は影を潜めています。

ドラクエ2では、恐らく意図的・実験的にポップスの作曲手法を積極的に使っていっているものと思われます。

ですが、全編ポップス寄りかというと、そういうわけでもなく、クラシック寄りのものと半々くらいのバランスでしょうか。

ドラクエ2の中で印象に残っている曲を例にあげてみます。

クラシック寄り
「城」「遥かなる旅路」など

ポップス寄り
「LoveSong探して」「果てしなき世界」「この道わが旅」など

こんな感じですが、「クラシック寄り」「ポップス寄り」の相違点は以下の3点と思います。

コード進行の作り方
ポップス系はコード進行を先に作ることが多いので、パターン化している。クラシック系は後からコードを付ける場合が多いのでイレギュラーになりやすい。

メロディーのフレージング
ポップスのメロディーは裏拍に重要な音を持ってきたり、7度音やテンションを積極活用する傾向。クラシックは表リズムとコードトーンが主体。

アレンジ
ポップスはドラムスとベースによるハッキリしたリズムセクションとメロディーの担当が明確なアレンジが多い。クラシックは重奏的な旋律同士が絡むアレンジが多い。

この曲「この道わが旅」はポップス寄りの作りですが、アレンジによってはクラシックぽくもなる曲です。

なんというか、ハウス名作劇場の終わりの歌(懐かしい!)とかに出てきそうな優しい曲ですね。

Ⅳm(onⅤ)をドミナントコード代理に使うのは日本のポップスの常套句ですが、すぎやまさんはこれを巧みに使います。

他にも同主調の音の混ぜ方、転調の仕方など、すぎやまこういちさんの作曲手法が良く表れている曲だと思います。

以下、音楽の内容的な解説は次のソロギター演奏の章で書きます。

原曲の雰囲気を大事に【ソロギター演奏】

ギターアレンジ中に演奏キーは幾つか試しましたが、結局そんなに難易度に差が無かったので、原曲キーのまま演奏しています。

後半のE♭メジャーキーは管楽器や鍵盤だと良くあるキーなんですが、ギターだと開放弦があまり使えないため少し弾きにくいです。

前半はCメジャーキーなので弾きやすいですが。

曲中は適宜、音階やアルペジオ、リズムプレイなどで隙間を埋めてギター的に味付けしました。

ちなみに最後(原曲はトリルでやってるところ)は最初ラスゲアードでやってたんですが、うるさくてバランス悪く感じたので細かいアルペジオに変更しました。

この道わが旅 コード進行

イントロ(演奏では省略)
C C

Aメロ
C CM9 Dm9 Dm/DmM7(C C7 FM7 FM7にリハモ)
Dm9 DmM7 G7 C/CM7/C7
FM7 FmM7 Em7 A7
Dm9 DmM7 F(onG)/G7(♭9)(=Fm(onG)) C

Bメロ
C/C7(onB♭) F(onA) FmM7 C
B7sus4/E7 Am9 D9 G9

Aメロ
CM9 CM9 Dm9 Dm/DmM7(C C7 FM7 FM7にリハモ)
Dm9 DmM7 G7 C/C7
FM7 FmM7 Em7 A7
Dm7 DmM7 F(onG)/G7(♭9)(=Fm(onG)) C/B♭7

A’メロ(短3度転調)
E♭ E♭M9 Fm9 Fm/FmM7(E♭ E♭7 A♭M7 A♭M7にリハモ)
Fm9 FmM7 B♭7 E♭M7/E♭7
A♭M7 A♭mM7 Gm7 C7
Fm9 FmM7 A♭(onB♭)/B♭7(♭9)(A♭m(onB♭))E♭

コーダ
Fm9/FmM7 Fm7(=A♭(onF))/Fm6(=Dm7♭5) A♭(onB♭) A♭(onB♭)/B♭7(♭9)
E♭ A♭ A♭m E♭M7 E♭M7
E♭M7

コード進行分析

イントロ(演奏では省略)
■Cメジャー
Ⅰ Ⅰ

Aメロ
Ⅰ Ⅰ Ⅱm Ⅱm(Ⅰ Ⅰ7 ⅣM7 ⅣM7にリハモ)
Ⅱm Ⅱm Ⅴ7 Ⅰ/Ⅰ7
Ⅳ ⅣmM7 Ⅲm7 Ⅵ7
Ⅱm Ⅱm Ⅳ(onⅤ)(=Ⅴ9sus4)/Ⅴ7 Ⅰ

Bメロ
Ⅰ/Ⅰ7 Ⅳ ⅣmM7 Ⅰ
Ⅶ7sus4(Ⅵmに対するⅡ7)/Ⅲ7 Ⅵm Ⅱ7 Ⅴ7

Aメロ繰り返し 最後は♭Ⅶ7(次のE♭のⅤ7になる)

Aメロ転調版
■E♭メジャー
Ⅰ Ⅰ Ⅱm Ⅱm(Ⅰ Ⅰ7 ⅣM7 ⅣM7にリハモ)
Ⅱm Ⅱm Ⅴ7 Ⅰ/Ⅰ7
Ⅳ ⅣmM7 Ⅲm7 Ⅵ7
Ⅱm Ⅱm Ⅳ(onⅤ)(=Ⅴ9sus4)/Ⅴ7 Ⅰ

コーダ
Ⅱm/ⅡmM7 Ⅱm7/Ⅱm6 Ⅳ(onⅤ)(=Ⅴ9sus4)Ⅴ7
Ⅰ Ⅳ Ⅳm Ⅰ
Ⅰ Ⅰ

今回はリハーモナイズが多め【コード進行のポイント】

今回のアレンジでは、何か所かリハーモナイズしています。

Aメロ出だしですが、原曲は以下のような進行です。

C CM7 Dm Dm
Dm DmM7 G7 C/C7

内声のクリシェで流れを作っている感じなんですが、ソロギターだともう少し大きなコード変化が欲しいと感じたので、ここを以下のように変えました。

C C7 FM7 FM7
Dm7 Dm6 G7 C/C7

後半E♭メジャーキーに転調後も同様の処理をしてます。

この曲はメジャーキーの中に同主調マイナーキーの音を微妙に入れていってるのがポイントですが、この手法、すぎやまさんの曲にはかなり多用されています。

Aメロ3段目のFmM7とか、めちゃめちゃ効いてますね。

AメロとCメロの締めくくりのドミナントにⅣ(onⅤ)→Ⅳm(onⅤ)を使ってるのも、すぎやまさんぽいです。

コーダの部分はまた少しアレンジを加えていて、Fmのところのベース半音進行追加と、最後のコードボイシングを少し変更。

今回はリハモがやや多目になりました。

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