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スケール(音階)とモード(旋法)【ゲーム音楽論10】

前回、前々回でゲーム音楽の和音的な特徴をやりましたので、今回は音楽のもう一つの大きな要素である、音階(スケール)、旋法(モード)にも話を広げてみたいと思います。

音楽理論の話は、楽器や作曲をやっていない人にとっては退屈な話かもしれませんが、専門知識がない人でも理解できるようコンパクトに解説できないものか、やってみようと思います。

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音楽理論は色んな体系・解釈がある

音楽理論といっても色んな理論体系が存在し、人によって色んな解釈をしています。

これが絶対正しい、みたいのは厳密には無いんですが、ゲーム音楽を分析・アレンジするにあたり、自分はこういう理解・解釈でやってます、というのを知っておいてもらったほうが理解度も上がりますよね。

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メジャー・マイナーのスケール(音階)について

音階(スケール)とは、ドレミファソラシドのことで、西洋音楽の7音階が基本になります。

西洋7音階は
ドからはじめると長音階=メジャースケール
ラからはじめると短音階=ナチュラルマイナースケールとなります。

マイナースケールはさらにもう二種あります。
ラ(ルート)への導音として、ソ(7th)が♯したハーモニックマイナースケール
導音が二つ付いて、ソとファ(6th)が♯したメロディックマイナースケールです。

ちなみにメロディックマイナースケールとメジャースケールは、3番目の音が半音違うだけです。

メジャースケールを基準に考えると以下のようになります。

  • メジャースケール~すべてナチュラル
  • メロディックマイナースケール~3rdが♭
  • ハーモニックマイナースケール~3rdと6thが♭
  • ナチュラルマイナースケール~3rdと6thと7thが♭

――ドレミとかCDEの階名音名、123の度数(インターバル、ディグリー)を混ぜて使うと煩雑になりますね。

ここではルートから数えて何番目の音かが重要なので、ここからは数字の度数表記を中心に解説します。

普通の1、2とかのアラビア数字は音階やコードの中の音の度数を、コード進行分析記事にも出てくるⅠ、Ⅱとかのローマ数字はそのキーの何番目のコードか、というコードの度数を表しています。

このブログでローマ数字が出てきたらコードのことを言っていると思ってください。

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ダイアトニックコード

上記4種類の音階の音で作ったコードをダイアトニックコードといって、メジャーキー、マイナーキーを表現する基本要素になります。

マイナースケールは三種類あるので、ダイアトニックコードもバリエーションが多いです。

メロディックマイナーはメジャーに近いので、メロディックマイナーのダイアトニックコードであるⅡm7、Ⅳ7、Ⅵm7♭5などが同主調転調の橋渡しに使われたりします。
ゲーム音楽はこの手法かなり多いと思います。

実際の曲では臨時記号が付いて、ダイアトニックから外れる音やコードがでてきますが、これらをノンダイアトニックトーン、ノンダイアトニックコードと呼びます。

このノンダイアトニックな音をどう解釈するかが、音楽を理解する上で重要なポイントです。

以上がメジャーキーとメジャースケール、マイナーキーとマイナースケールの大雑把な概要です。

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モード(旋法)について

現代の音楽は複雑化し、メジャー・マイナーの概念だけでは対応しきれないケースが多く、もっと細分化された理論が必要になってくるのですが、そこで登場してくるのがモード(旋法)の概念です。

モードは教会旋法が基礎になっていて、その歴史はメジャー・マイナーの概念より古かったりするんですが、マイルス・デイヴィスジョン・コルトレーンなどのジャズアーティストによって作曲・インプロビゼーションの方法論として提唱されたことで一般化しました。
以後、現代の主要な音楽理論として定着しています。

具体的には7音階であるメジャースケールを7つに細分化したものです。
ドから始めた音階、レから始めた音階・・という具合に。

  1. ドから~イオニアン(=メジャースケール)
  2. レから~ドリアン
  3. ミから~フィリジアン
  4. ファから~リディアン
  5. ソから~ミクソリディアン
  6. ラから~エオリアン(=ナチュラルマイナースケール)
  7. シから~ロクリアン

これらを各ダイアトニックコードに対応させ、ノンダイアトニックコードに対しても特定スケール(これは沢山の種類あります)を当てはめていくのがコードスケールという考え方で、あらゆるコード進行でのメロディー生成、アドリブ演奏が可能になります。

ゲーム音楽の作曲でも、バンド系の人はコードバッキング+コードスケール的な発想で作曲する場合が多いです。
1980年代なら川口博史さん、増子司さんあたりがそういう作り方しますね。

逆にクラシック系の人はメロから作って、伴奏を後付けするような作り方が多い印象で、結果的にコード付けが細かくなったりイレギュラーになったりします。

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モードを活用したゲーム音楽

モードの活用法の例を以下に列挙してみます。

  • Ⅰコードにリディアンを当てる(グラディウスの『空中戦』が典型)
  • Ⅰmコードにドリアンを当てる(LIVE A LIVEメインテーマとか)
  • ⅠmやⅠコードにフィリジアンを当てる(スパニッシュぽくなる)
  • 同一コード上でスケールを切り替えて『モードチェンジ』を強調する(ロマサガ3の四魔貴族2はエオリアン・ハーモニックマイナー・フィリジアンのモードチェンジを使用)

一般的に聴かれる音楽のほとんどがそうなんですが、ゲーム音楽も西洋系の響きのものは、ほぼメジャー・マイナーとモードで出来ていると思っていいと思います。

理論の話が続いていますが、次回はこういう一般的理論の範囲外のこともお話していこうと思います。

ゲーム音楽論 前回

ゲーム音楽で特徴的なコードテクニック【ゲーム音楽論09】
ゲーム音楽論 第9回は前回に続きゲーム音楽のコード進行についてですが、今回はゲーム音楽の常套句になっている細かいコードテクニックを解説しています。

ゲーム音楽論 次回

西洋音楽理論で説明しきれないもの【ゲーム音楽論11】
ゲーム音楽論 第11回です。ゲーム音楽では多様な表現が求められます。今回は西洋音楽理論だけでは捉えきれない民族音階などの特殊な表現について触れています。

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