影の伝説 「走!」【ギター演奏・コード進行81◆謹賀新年】

影の伝説 走!動画
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発売年月:1985年10月
機種:
アーケードゲーム(Arcade Game)
メーカー:タイトー(TAITO)
タイトル名:影の伝説(The Legend of Kage)
曲名:走!(BGM1)
作曲:小倉久佳(Hisayoshi Ogura”OGR”)
演奏難易度:☆★★★★(難しい)

2021年、明けましておめでとうございます!

今年は「年始に何かお正月ぽい曲を演奏したいな」と思っていましたが、影の伝説「走!」を選曲しました。影の伝説のメインBGMですね。

この曲はとくにお正月がテーマになっているわけではないんですが、お琴などの和楽器をフューチャーしていて、和音階のメロディーがお正月の雰囲気だなぁ、と思いまして。

子供の頃、ゲーセンでこの曲を聴いて、こういう音楽(和楽器+ロック)は聴いたことが無かったし「うわ、なんだこれ、カッコいい!」ってビックリしたものです。

影の伝説 作品概要

影の伝説はタイトーが開発して1985年10月から稼働開始したアーケードゲームで、タイトーとしては初のFM音源採用タイトルです。

翌1986年4月にはファミコンに移植されてヒットしたので、ファミコンでプレイした人も多いんではないでしょうか。

ゲーム内容は、サイドビューの忍者アクションゲームで、主人公も敵もやたらとジャンプ力がありました。10メートル位ジャンプしてんじゃね?ってくらい(笑)

敵キャラも、火炎を吹く坊主とか、ラスボスの天草四郎もどきとか、いかにも忍者漫画チックで味がありました。

巻物を取ると敵が蚊取り線香食らった蚊のようにバタバタと落ちてくる「雅の術」なんてのもありましたね。

そして、姫様は何回助けてもすぐ拐われてしまう(笑)

そんなゲームでした。懐かしすぎる。

影の伝説の音楽

影の伝説の音楽を作ったのは、ダライアスシリーズなどで有名な小倉久佳(OGR)さんです。

自分が小倉久佳さんの音楽に触れたのは、このゲームが最初だったんですが、影の伝説をはじめてゲーセンでプレイした時は、ゲーム音楽のイメージをひっくり返されるようなカルチャーショックを受け、ゲーム音楽にハマっていく一つのキッカケになりました。

最初に体験したのがアーケード版でFM音源だった、というのもありますが、和楽器の音色と和音階メロディー+ロックアレンジというのに度肝を抜かれましたねー。

この後、奇々怪々とか、源平討魔伝とか、がんばれゴエモンシリーズとかが出てきて、和風路線は一つの大きな流れになるんですが、1985年10月時点としては非常に斬新なものでした。

今でこそ、和の要素をフュージョンさせたゲーム音楽はスタンダードなものになっていますが、影の伝説はその元祖といえる作品です。

アーケードゲーム版の音色

アーケードゲーム版の影の伝説には2種類のバージョンがあって、初期バージョンはFM音源ではなくPSG音源の基板が出回っていたようです。

自分はPSG版はやったことがないんですが、音色やアレンジはファミコン版に近いんでしょうか。

わざわざコストをかけてまで流通後に基板を変更している、というのは、音楽を重視したタイトーが他社に対抗してFM音源対応を急いだ、ということのあらわれでしょう。

小倉さんの作ったFM音源の音色も、影の伝説の音楽の重要なファクターなので、ファミコン版しかやったことが無い人も、是非アーケード版の音色を聴いてみてもらいたいです。

お琴の感じを出すのに、わざとピッチを少しずらしたりしてるところがグッときます。

ニンテンドーDS版「影之伝説-THE LEGEND OF KAGE 2-」

2008年に本作の続編「影之伝説-THE LEGEND OF KAGE 2-」がニンテンドーDSで発売されました。

ストーリーや設定は本作のものとほぼ同じなので、続編というよりはリメイク作に近いですが、ゲーム内容は大幅に拡張されていて全く別物になっています。

音楽も全て刷新されていますが、エンディングで本作メインテーマ「走!」のアレンジバージョンを聴くことが出来ます。

テクニカル系の高難易度曲【ソロギター演奏】

この曲、コード進行はシンプルですが、テクニック的に弾きこなすのがかなり難しい部類です。

イントロのアルペジオがまず高難易度で、アコギの場合このキーでないと弾けないんでは?と思います。

本当はイントロは自由リズムでやって、途中からリズムトラック入れてインテンポにしたかったんですが、プログラムや録画が面倒になりそうなので、イントロもインテンポでクリック聴きながら演奏してます。

Aメロに入ってからは一息つけますが、Aメロラストの和音階の16分音符が曲者で、そこから先はずっと難所となります。

Bメロはメロディーを固定してコードだけ変えてますが、ポジション移動が激しく、かなりの練習を要しました。

Bメロラストは16分音符にしてフラメンコのピカードのタッチで弾いてます。

エンディングは自分が付け足したアレンジですが、クライマックスぽく盛り上げたかったので、16分音符和音階スケールをダブルでかまして締めくくってます。

全体にテクニカルで高難易度ですが、比較的暗譜もしやすくて、今まで星5つ付けた曲ほどの労力はかからなかったので、難易度は星4つとしました。

影の伝説「走!」コード進行

イントロ
|E7sus4|E7sus4|E7sus4|E7sus4|
|E7sus4|

Aメロ
|Am|Am|F|F FM7(♯11)|
|Dm6|Dm6|E7|E7|
|Am|Am|F|F FM7(♯11)|
|Dm6|Dm6|E7|E7|

Bメロ
|FM7|FM7|Em7|Em7|
|Dm69|Dm69|Em7|Em7|
|FM7|FM7|Em7|Em7|
|Dm69|Dm69|Em7|Em7|

エンディング(アレンジ)
|E7susu4|E7sus4|E7sus4|E7sus4|
|E7sus4|

コード進行分析

イントロ
■Aマイナー
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|
|Ⅴ7sus4|

Aメロ
|Ⅰm|Ⅰm|♭Ⅵ|♭Ⅵ|
|Ⅳm|Ⅳm|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅰm|Ⅰm|♭Ⅵ|♭Ⅵ|
|Ⅳm|Ⅳm|Ⅴ7|Ⅴ7|

Bメロ
|♭ⅥM7|♭ⅥM7|Ⅴm7|Ⅴm7|
|Ⅳm|Ⅳm|Ⅴm7|Ⅴm7|
|♭ⅥM7|♭ⅥM7|Ⅴm7|Ⅴm7|
|Ⅳm|Ⅳm|Ⅴm7|Ⅴm7|

エンディング(アレンジ)
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|
|Ⅴ7sus4|

シンプル進行+和音階【コード進行のポイント】

コード進行はいたってシンプルで、マイナー3コードと♭Ⅵコードしか出てきません。

以前、ゲーム音楽論「ゲーム音楽の王道的コード進行」という記事でとりあげましたが、これら王道的コード進行のうち、マイナー3コード進行と、マイナー下降進行の組み合わせですね。

とくにⅠm→♭ⅥM7という進行は、この時代のゲーム音楽で非常に多用されていて、典型的なJMM(ジャパニーズ・メランコリック・メロディー)進行です。

そして、この曲は全編にわたってマイナースケールのかわりにペンタトニックの和音階が使われています。

演奏で使われているAマイナーキーだと「A,B,D,E,F」という音階ですが、度数でいうと以下のようになります。

ⅠのA音をルートにした場合
1,N2,4,5,m6

ⅤのE音をルートにした場合
1,♭2,4,5,m7

ヨナ抜き音階(演歌や日本民謡で使う)ともブルーノートペンタトニックなどとも違って3度を抜く和音階で、以前演奏した月風魔伝「龍骨鬼戦」の和音階と同じものですね。

半音が入るので陰旋(陰音階)の一種ですが、ギターで速いフレーズ弾くのが難しい音の並び方なんですよねー。

コメント

  1. 匿名 より:

    はじめまして。
    影の伝説、アコースティックの優しい音色もいいですね(。˃ ᵕ ˂ )b
    OGRさんは偉大です。

    • BGM より:

      コメントありがとうございます!影の伝説はエレキギターのカヴァー演奏はいくつか見たことありますが、アコギは少ないですね。走!は、和音階なのにロックぽいフィーリングですよね~

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