魍魎戦記MADARA「MA・DA・RA」【ギター演奏・コード進行115】

魍魎戦記MADARA「MA・DA・RA」動画
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発売年月:1990年3月
機種:ファミリーコンピュータ(NES)
メーカー:コナミ(KONAMI)
タイトル名:魍魎戦記MADARA(Mouryousenki Madara)
曲名:MA・DA・RA
作曲:コナミ矩形波倶楽部(鈴木勝彦/藤尾敦)
演奏難易度:☆☆☆★★(易しい)

今回の演奏は、1990年にコナミから発売されたファミコンソフト『魍魎戦記MADARA』より、このタイトルの代名詞でもあるフィールド曲「MA·DA·RA」をお届けします。

魍魎戦記MADARAについて

魍魎戦記MADARA(以下、本作)からは、2020年2月に「おだやかな光の中で」を演奏していて、作品概要・作曲者などの基本情報はその時の記事にまとめてありますので合わせてお読みください。

上の記事に書いた通り、本作は今では常套手法となっているメディアミックス(一つのコンテンツを漫画、アニメ、ゲーム、小説など複数のメディアで同時展開させるマーケティング手法)の実験作ともいえるものでした。

そして、特筆すべきはその音楽です。それはファミコンゲーム音楽の最終到達点の一つと言えるもので、コナミの独自音源チップVRC6を使用した分厚いサウンドもさることながら、楽曲も名曲揃いで心に残るものばかりでした。

ちなみに、原作の漫画は未だに未完(話を広げすぎて回収出来なくなった?)ですが、昨今のレトロメディアブームに乗って突然再開されないかな?なんて期待しています。

「MA・DA・RA」ついて

今回演奏する「MA・DA・RA」はゲーム後半のフィールド曲で、曲名からもわかるように本作のメインテーマともいえるものです。

この曲は本作の中でも最も人気が高く、ニコニコ動画のゲーム音楽人気投票でも頻繁にランクインしていました。

曲の内容としては、自然にテンションが上がるテンポ感と「クサメロ最高!」と叫びたくなるような日本人好みのJMM(ジャパニーズ・メランコリック・メロディー)が魅力で、ゲーム後半の盛り上がりに大いに貢献しています。

自分は本作の楽曲の中では、前回取り上げた「おだやかな光の中で」が一番好きなのですが、「MA・DA・RA」も実際に弾いてみると自分のギタープレイスタイルにバチっとハマっていて魅力的なアレンジ演奏になりそうだったので今回取り上げることにしました。

なお、作曲者については前回取り上げた「おだやかな光の中で」の記事でも書いた通り、コナミ矩形波倶楽部のメンバーのうち、鈴木勝彦(なぞなぞ鈴木)さん、藤尾敦(すけのみや藤尾)さんのお二方の名前がクレジットされています。

ただ、具体的にどの曲が誰の作品なのか?という事までは判明していないようですので、ここでは作曲者「コナミ矩形波倶楽部(鈴木勝彦/藤尾敦)」という記載にさせていただきました。

コナミ矩形波倶楽部の紹介記事

コナミ矩形波倶楽部【ゲーム音楽作曲家列伝15】
ゲーム音楽作曲家列伝第15回は個人の作曲家ではなく、1980年代後半から90年代前半に全盛期のコナミのゲーム音楽を作っていた「コナミ矩形波倶楽部」の紹介です。

マイナー作品からの選曲について

本作は、原作が休止してしまったこともあって、現在ではマイナーな部類に入る作品だと思います。

少し現実的な話をすると、マイナータイトルからの選曲って、ブログ記事もYouTubeも悲しくなるくらいアクセスが伸びないんですよね。

実際、2020年にアップした本作の楽曲「おだやかな光の中で」の記事・動画も、メジャータイトルからの選曲に比べると半分以下のアクセスしか得られていません。

マイナー作品の曲を取り上げるのはアクセス数の面で不利になるのは明白なのですが、反面、一般的にはあまり知られていない隠れた名曲を紹介していく事にこそ、このブログの存在価値・やり甲斐も感じるわけで、バランスを取りながらやっていきたいと考えております。

具体的には「マイナー作品の楽曲も取り上げるが、作品中、選りすぐりの一曲を作品の背景とともに紹介する」という方針に落ち着いています。

そんな理由があって、このブログとしてはマイナータイトルから複数の曲を取り上げるのはかなり異例のこと(他には『悪魔城ドラキュラ ギャラリーオブラビリンス』なんかも複数曲とりあげています)なのですが、それほど本作の音楽には突出した魅力があると思うわけです。

自分のプレイスタイルと好相性【ソロギター演奏】

ここからはギターアレンジの解説をいたします。

原曲はCマイナーキーですが、ギターでの演奏性と演奏音域を最大化するため、Aマイナーキーに移調しました。

Aマイナーキーはオープンコードも沢山使えるし、最も指が押さえ慣れているキーでもあるので、暗譜・演奏がめちゃめちゃ楽になります。

この曲はコード進行もメロディーもシンプルなのですが、その分、ギターの味と演奏の勢いを最大限引き出せるようなアレンジを考えました。

先程も書きましたが、この曲は自分のプレイスタイルと非常に相性が良く、自然とメロディーの動きとベースラインの運び方がバッチリ決まって、演奏していても気持ちいいです。

構成面で1ループだと短いので2ループやるか?という事で多少悩みましたが、2ループだとちょっと冗長な感じがするので、今回は1ループ+イントロ追加という形でいくことにしました。

そんな感じで、自分としてはあまり苦労した所も無かったので星2つの難易度にしましたが、Aメロの6連パッセージやBメロの16分音符シンコペーションフレーズ、Cメロのリズムが一部イレギュラーなところがあったり(そこがカッコいいんですが)、人によっては星3つ以上の難易度に感じるかもしれません。

MA・DA・RA コード進行

※オリジナルのCマイナーキーをAマイナーキーに移調

イントロ(アレンジ)
|Am|G(onA)|F(onA)|G(onA)|
|Am|G(onA)|Dm7|Em7|

Aメロ
|Am|G|FM7|E7|
|Am|G|FM7|E7|
|Am|G|FM7|E7|
|Am|G|FM7|E7|

Bメロ
|F|F |G |G|
|E7(onG#)|E7(onG#)|Am7|Am7|
|FM7|FM7|Em7|Em7|
|Dm7|F|E7|E7|

Cメロ
|Am|Am|F|F|
|G|G|Am|Am|
|Am7|Am7|F7|F7|
|G|G|Am|Am|

エンディング
|Am|G(onA)|F(onA)|G(onA)|
|Am|G(onA)|Dm7|Em7|
|Amadd9|

コード進行分析

※オリジナルのCマイナーキーをAマイナーキーに移調

イントロ(アレンジ)
■Aマイナー
|Ⅰm|♭Ⅶ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|
|Ⅰm|♭Ⅶ|Ⅳm7|Ⅴm7|

Aメロ
|Ⅰm|♭Ⅶ|♭Ⅵ|Ⅴ7|
|Ⅰm|♭Ⅶ|♭Ⅵ|Ⅴ7|
|Ⅰm|♭Ⅶ|♭Ⅵ|Ⅴ7|
|Ⅰm|♭Ⅶ|♭Ⅵ|Ⅴ7|

Bメロ
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ |♭Ⅶ|
|Ⅴ7|Ⅴ7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|Ⅴm7|Ⅴm7|
|Ⅳm7|♭Ⅵ|Ⅴ7|Ⅴ7|

Cメロ
|Ⅰm|Ⅰm|♭Ⅵ|♭Ⅵ|
|♭Ⅶ|♭Ⅶ|Ⅰm|Ⅰm|
|Ⅰm7|Ⅰm7|♭Ⅵ7|♭Ⅵ7|
|♭Ⅶ|♭Ⅶ|Ⅰm|Ⅰm|

エンディング
|Ⅰm|♭Ⅶ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|
|Ⅰm|♭Ⅶ|Ⅳm7|Ⅴm7|
|Ⅰm|

マイナー下降進行がメイン【コード進行のポイント】

ギターアレンジのコード進行を移調後のAマイナーキーで解説いたします。

コード進行はシンプルで、メインメロディーに当たるAメロはこちらの記事で解説しているゲーム音楽王道進行の一つ「マイナー下降進行」の典型です。

メロディーの音使いとしても、E7コードのG♯音以外の臨時記号がほとんど出て来ないというシンプルさなのですが、CメロのF7ところでE♭音を使っているのが絶妙なアクセントになっていますよね。

このE♭音はダイアトニックコードであるFM7の長7度音であるE音への半音アプローチとしても良いですが、自分としてはE音よりE♭音のほうが音価が高く感じるので、ここのコードはF7とし、E音はE♭音からのエスケープノートという扱いにしました。

以前演奏した悪魔城ドラキュラ「Vampire Killer」のBメロでも同じ動きが出て来ますが、この時代のコナミ矩形波倶楽部お得意パターンだと思われます。

イントロとエンディングについては、ベース音をAに固定した上でAm→G(onA)→F(onA)と動いていきますが、AマイナーキーならA音を開放で出せるので、こういうオンコードも楽々です。

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