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ゲーム音楽のメロディー【ゲーム音楽論05】

前回は初期のゲーム音楽に使用されていた音源や音色について掘り下げてみました。

今回は、ゲーム音楽のメロディーの特徴について考えていきます。

初期のゲーム音楽のメロディーが強い理由

初期のゲームはグラフィックや容量も貧弱で、『比較的メモリを食わない内蔵音源による音楽で盛り上げるという手法が効果的である』ということをゲームメーカーも認識していました。

音楽で盛り上げるといっても、前回までに述べたようなきつい制約があるので、アレンジや雰囲気で攻めるのは無理で、必然的に印象的で強いメロディーが求められました。

これが昔のゲーム音楽のメロが強い理由です。

ゲーム音楽に求められるメロディータイプ

ゲームのジャンルによって求められる音楽性も変わってきます。

アクションゲームならノリの良さ・集中しやすいテンポ感、RPGなら場面に合わせたドラマ性のある展開、などです。

いずれにしろ制約された音数と音色でやらなければいけないのですが、いくつか典型的なメロディーのパターンが出現してきます。

JMM(ジャパニーズ・メランコリック・メロディー)型メロディー

いわゆる『クサメロ曲』です。

クサメロという表現は少しネガティブな感じもするので、ジャパニーズ・メランコリック・メロディーJMMと呼ぶことにします。

日本人の深層心理に根付いている切ないメロディーで、アレンジ次第でどんなテンポにも適合するし、シューティングからRPGまでなんでも合います。

JMM度合いが高い作家としては古代祐三さん、伊藤賢治さんあたりが代表的です。

対して、すぎやまこういちさん、浜渦正志さん、崎元仁さんあたりはJMM度合いは低めの印象です。
曲にもよりますが。

1980年代のニューミュージック全般JMMですし、X-JapanはJMMをヘヴィメタルサウンドに乗せて大成功しました。
日本の大衆音楽の王道といってもいいでしょう。

エンターテイメント型メロディー

『楽しさ』『ワクワク感』といった演出に特化したタイプのメロディーです。

初期ナムコの大野木さん作品群がルーツと思いますが、わかりやすいメジャーなところでは、『スーパーマリオ』『スターソルジャー』『バブルボブル』などですね。

テンポもだいたい決まっていて、アクションゲームやパズルゲームに特化した印象です。

クラシック音楽型メロディー

クラシック音楽の語法がベースになったメロディーです。
最初期はクラシック楽曲の丸コピーも結構ありました。

クラシック型メロディーといっても幅広いですが、初期のゲーム音楽では和音数が少なくても成立しやすいバロック~古典派的なものが多いです。

ちなみにスーファミ時代以降、オーケストラアレンジが増えますが、楽器編成などはアレンジの話になるのでそちらは次回解説します。
今回はメロディーの話です。

クラシック型メロディーを好む作家は、すぎやまこういちさんが代表格ですが、悪魔城ドラキュラシリーズなんかはバロック調のフレーズが定番ですね。
悪魔城シリーズの作曲者、山根ミチルさんはクラシカルベースですがJMM度も相当高いです。

テクノミュージック型メロディー

テクノ系の曲は電子楽器のシーケンスパターンがベースになっているのが特徴ですが、初期ゲーム音楽は音数が少ないため、シーケンスパターンがそのままメロディーになってたりします。

以前少し触れたミニマルミュージック手法とも密接な繋がりがあります。

難点は口ずさみにくいことw

代表的なのは『ゼビウス』、『エグゼドエグゼス』、『ボンバーマン』、『グラディウス』の火山のテーマ・モアイ面のテーマなどなど。

忍者龍剣伝』はJMM+テクノの組み合わせがはまってていいですよね。

音源が発達してきた1990年代以降、一曲通してこのパターン、というのはほとんど無くなってきますが、ゲーム音楽っぽいの表現の一つです。

――これらのメロディー要素が音色を含めた様々なアレンジ要素と組合わさることで、他のジャンルに無い個性=ゲーム音楽らしさというのが出てくるんではないかと感じています。

ゲーム音楽論 前回

初期ゲーム音楽の音色【ゲーム音楽論04】
ゲーム音楽論 第4回は、PSG・波形メモリー音源・FM音源など、初期のゲーム音楽の『音色』ということにスポットライトを当てています。

ゲーム音楽論 次回

ゲーム音楽における作曲と編曲の関係【ゲーム音楽論06】
ゲーム音楽論 第6回は、ゲーム音楽における『作曲』と『編曲(アレンジ)』の定義とアレンジタイプの分類・メロディータイプとの組合せなど独自理論を展開してみました。

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