旧ブログから移行できていなかった記事とリンク切れなどが何カ所かあったので修正しました。このブログはリンクフリーです。(2019年3月16日更新)
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ゲーム音楽論12~ゲーム音楽のリズム要素

和音、音階ときたら、残る大きな要素は『リズム』です。
音楽は音程要素と時間要素で表現される芸術ですが、
時間要素を受け持つ『リズム』は極めて重要なものと考えます。

ゲーム音楽のリズム要素ですが、
曲単位では複雑で面白いものも相当数存在します。
ですが、全体傾向としては明快で分かりやすいものが多いです

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メロディーのリズム~ゲーム音楽っぽい符割り

メロディーのリズム表現に関しては、
ゲーム音楽っぽいノリの良さを演出する常套句として、
一拍半の符割り、符点音符、2拍3連、3拍4連の多用があげられますが、
小節感がわかりやすい範囲でやっている感じです。

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ゲーム音楽演奏の醍醐味

生楽器演奏は人間ならではの微妙な揺らぎや
個人個人違う音色やリズム感を重視するので、
ゲーム音楽とはある意味対極にあるものと思います。

ですが自分としては、
この点こそがゲーム音楽演奏に興味を持った最大のポイントだったりします。

とくに初期の電子音チックで機械的な曲に
アコースティック楽器の生演奏で
微妙な表現・人間ぽいリズム感を加え、補完できたら、
というところに一番やりがいを感じます。

生演奏化の過程で必要に応じてリズムの複雑化、微妙な表現の付加、
という方向のアレンジをやっていきたいのですが、
原曲イメージが強力なジャンルなのでそう簡単ではないです。

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ゲーム音楽に多用されるリズムアレンジ

ゲーム音楽でよく使われるリズムアレンジをいくつかあげていきます。

ロック系

ドラムスのビートがベースになったリズムアレンジです。
PSG時代はスネアドラムをノイズで表現したりしていましたが、
本格的に浸透するのは1985年以降で、
アレンジの解説のときにやったロック・フュージョン系アレンジの主要素です。
典型的なのは8ビートとその発展型ですが、
スカやスラッシュメタルなどで使われる2ビートや3連系のシャッフルビート、
さらにはダブルベースドラムを駆使したメタルビートもここに含まれます。

テクノ系

打ち込みっぽさを前面に出したメカニカルなリズムアレンジです。
一般音楽でいうと
テクノポップ、ハウス、トランス、アシッドジャズ、EDMなどが該当します。

代表的なのはキックを四分音符で鳴らす、いわゆる四つ打ちビートです。
それをベースにハイハットで複雑化させたり、
パーカッションを入れたラテンハウスのようなビートもよく使われます。

キックを複雑化させたパターンもありますが、
概ね2拍子、4拍子のビート感を強力に出すように作っています。

テクノポップを除くと、
もともとがクラブなどで発展してきたダンスミュージックなので、
どんな人でもノリやすいビートっていうのは鉄則なんだと思います。
1980年代風のディスコビートもここに含みます。

ロック系と違うのはベードラ+スネアの編成でなくても成立するところです。
ビート感が強く出てるシーケンスパターンを鳴らしておけば
必ずしも打楽器は必要ではないので、
PSG時代からテクノ系リズムアレンジは多用されていました。

ラテン系

コンガ、ボンゴなどのパーカッションを主体にしたラテン系のビートです。
サンバ・ボサノバ系もここに含みます。

ドラムスやテクノ系打ち込みと組合わさることも多く、
そうなるとちょっとカテゴリー分けは曖昧になってきます。

ロックやテクノは2拍で乗るのが多いですが、
ラテン系ビートは一拍半のノリが多いのが特徴でしょうか。

小節の頭に強い音が入ってない弱起のパターンが多いのもロック・テクノ系と異なります。

初期ゲーム音楽では『ファンタジーゾーン』(1986年セガ)がラテンリズムアレンジを採用、
強く印象に残っています。

スーパーマリオブラザーズ(1985年任天堂)も、
フレージングなどから判断するとラテン系のアレンジを狙ったものと思われます。

このカテゴリーはシェイカー一本で成立したりもしますが、
一般的にはロック・テクノ系より音色バリエーションや強弱が求められるので、
本格的にリズムアレンジとしてゲーム音楽に浸透するのはスーファミ時代あたりからです。

フラメンコのリズム(おまけ)

ラテン系がらみの余談になりますが、
ゲーム音楽でたまに使われるフラメンコ風の音楽は純フラメンコのリズムではなく、
上にあげたラテンビートの一種がベースになっています。
時の傷痕』しかり、『熱情の律動』しかりです。
ジプシーキングスなどのジプシーロック、ジプシールンバのリズムですね。

ちなみにフラメンコのルンバは弱起でシンコペーションが多く、
4拍目の表&裏にアクセントやコードチェンジが来たりします。
後期のパコ・デ・ルシア、トマティートやビセンテ・アミーゴ、
スペインのバンド『ケタマ』などを聴くとよく出てきます。
こちらは一般的な認知度も低いしゲーム音楽では聴いたことがないです。
あと、純フラメンコのリズムは三拍子系が半分以上です。

クラシック系

クラシック系は楽器編成上、上記の三種類のリズムアレンジほどハッキリしたビートがなく、
メロディーと伴奏一体になったリズム表現になります。

ロック・テクノ・ラテン系は打楽器によるハッキリしたビートの上で
メロディーは裏拍で乗っていったりして遊びも多いですが、
クラシック系は表リズムと白玉音符(ロングトーン)主体のメロディーが多いです。

これ、自分的にはソロギターでアレンジするの逆に難しいんですよね。
オーケストラが厚く支えてくれるわけではないし、
変にリズミックにしてしまうと別物になってくるし。

クラシック系は三拍子、6/8拍子も多いですね。

鼓笛隊・マーチングバンド的なアレンジは
比較的ハッキリしたリズムセクションがありますが、ここに含みます。

ジャズ系の4ビートについて

以上のロック系、テクノ系、ラテン系、クラシック系が
ゲーム音楽でよく使われるリズムアレンジですが、
逆にあまり使われないのが、ジャズ系の4ビートでしょうか。

理由を考えてみたんですが
ジャズの4ビートはスイングビート(ハネたリズム)でのインプロビゼーションに特化したリズムで、
リズムパターンとテーマだけをやっても片手落ちです。

インプロビゼーションをアレンジしてシーケンス演奏というのも手間がかかるし、
ウォーキングベースも気が利いたラインをアレンジで作るのに時間かかったり(ルート弾きのほうが簡単で低リスク)
スイング(リズムの跳ねかた)の具合がリアルタイムに微調整されるので(そのへんが4ビートの妙味ですが)
プログラムで再現するのが大変だったりして、そもそも構造的に適してないんでしょう。

和音、フレーズ的にはジャズぽい要素の曲はゲーム音楽にも沢山ありますが、
ほぼフュージョン系のアレンジです。
4ビートのストレートアヘッドなジャズはレコーディングが当たり前になった現在ですら極小数です。

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変拍子の活用、リズムの複雑化

ゲーム音楽はノリやすい、分かりやすいリズムが主流ですが、
場合によっては複雑化が求められることもあります。
ゲーム音楽でのリズム複雑化というと変拍子が多用される傾向があります。

変拍子はプログレの常套手段であり、
変拍子を好んで使う作家はプログレ好きが多かったりするのですが、
元々、クラシック音楽でもかなり多用されてます。

作家でいうと植松伸夫さん、菊田佑樹さんあたりのプログレ派はかなり多用します。
あと思い付くのは、ドルアーガの塔とか、真・女神転生『廃墟』の5拍子とか。
2、3、4拍子とかハチロクとか以外の変則的なリズムパターンを使った曲ですね。

その他、シーケンス演奏ということを逆手に取った
人間では演奏困難なほどカオスなリズムの曲も相当数存在します。

ただ、複雑系は一つ一つがレアケースであり、
作曲者の手腕にかかってくることなので
共通の傾向を理論的に解説するのは難しいです。

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関連リンク

ゲーム音楽論11~西洋音楽理論で説明しきれないもの

ゲーム音楽論13~現在のゲーム音楽について

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