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ダライアス2 say PaPa【ギター演奏・コード分析28】

難易度☆★★★★(難しい)
※かかった労力的には★5つですが、テクニック的に凄く難しいことをやっているわけでないので★4つとしました。

最終ステージBGM【曲概要】

1989年 アーケードゲーム
作曲:小倉久佳

ダライアス2 最終ステージ
(c)TAITO

ダライアスⅡの最終ステージ曲ですね。

ダライアス・シリーズは、お魚型の戦艦が出てくるシューティングゲームです。
自分は回転寿司に行くとダライアスのお魚戦艦が頭をよぎって(イカとかタコとかウニもありますww)、そのBGMが脳内再生されるほどのダライアス・ファンです。

この曲は1980年代のゲーム音楽で自分が一番衝撃を受けた曲であり、この一曲でOGRこと小倉久佳さんを天才と認識するようになりました。

当時のゲーム音楽としては大作で、演奏動画も4:30ほどになりました。

曲の内容も凝っています。
全部で5部構成になっていて、生命の誕生というテーマです。

  1. 『兆し』~オルゴールっぽい音でシーケンスパターンのイントロ(演奏では省略)
  2. 『受精』~ベースをフューチャーしたゆったりした幻想的なパート
  3. 『成長』~ドラムが入ってメインテーマ→ブリッジ
  4. 『誕生』~『PaPa』の声をキッカケに、さらに盛り上がりを見せるもう一つのテーマ
  5. 『未来』~三拍子のエンディング

という構成です。
曲名からもわかるように、小倉さんの娘さんの誕生が作曲の動機になったようです。
『誕生』パートの入りのキッカケの『PaPa』は
小倉さんの娘さんの声のサンプリングだそうです。

こうしたことを見ても、小倉さんにとって特別な曲であることは間違いないでしょう。

ダライアスシリーズの音楽シンクロ演出

ダライアス・シリーズの特徴として、ゲーム展開と音楽をシンクロさせた演出というのがあります。
この曲もステージセレクト時から流れはじめて展開とともに曲調が変わっていきます。

この演出はこれ以降のダライアスシリーズでは、さらにブラッシュアップされてトレードマークとなっていきます。

ダライアスシリーズは強制スクロール型なので30年近く前の技術でも秒単位でシンクロ演出できたわけですね。

ラスボス戦は名曲ばかり

ダライアスシリーズは名曲が多数ありますが、とくに最終ステージ→ラスボス戦は鉄板でしょう。

1→Boss7(鯨のテーマ)
2→say PaPa
外伝→Self
Gダラ→Adam

とくにこの曲は音楽構成の複雑さとフレーズの美しさ、そしてOGRさんの独自性、全てが高いレベルで達成されていて、採譜して分析したときも唸らされました。
これ一曲で3日くらいかかったし。

自分BGMと、この曲の関わり

自分にとってもこの曲は特別なものがあります。

ダライアス2が出たころはゲームはあまりやっていない時期でした。
なんですが、たまーに冷やかしでゲーセンに入ったりしてました。

1990年ごろフラッと時間潰しに入ったゲーセンでプレイしていた人がいて、めちゃめちゃ上手かったので後ろから見ていたんですが、音楽が気になって気になって。
とくに最終ステージのこの曲。

そのゲーセンは空いていて細かいところまで音が聴こえたんですよね。
今でもおぼえてます。

早速サントラを買いに行きました。

これ以前に、タイトーのゲーム音楽のCDを持っていて、『影の伝説』『スーパーデッドヒート2』そして『ダライアス』がお気に入りだったのですが、当時は作曲者とかはまったく気にしておらず、小倉さんの存在も知りませんでした。

ゲーム音楽作曲家はすぎやまこういちさんくらいしか名前を知らなかったし、ZUNTATAもタイトーのゲーム音楽制作チームくらいの認識しか無かったです。

この曲をきっかけに色々調べて小倉久佳さんという人の作と知り、ファンになった次第です。
ゲーム音楽の作家に興味を持った最初の経験でした。

しかし1990年代前半くらいまではネットもなかったし情報を得るのも一苦労でしたね。

2000年ごろからはゲームから離れてしまい、ゲーム音楽のことも忘れていたのですが、今こうしてゲーム音楽を演奏してるのも、ゲーム音楽のイメージの中心に小倉さんの音楽があって、その憧れのイメージが潜在意識にずっと生き残っていたからと思います。

今回はそんな思い入れのある、この曲に挑んでみたいと思います。

今までで一番時間をかけた曲【ソロギター演奏】

今回は今までで最長の曲で撮影も今までで一番大変でした。

やっぱり1分の動画を撮るのと4分半の動画を撮るのでは、かかる労力がちがいますね。
詳しくは次の項でお話します。

この曲は組曲形式でドラマチックな展開をするので、前々回の『決戦!サルーイン』同様、リズムトラックのプログラムをしました。

構成も凝っていますがコード進行もかなり複雑で覚えるのも一苦労でした。

原曲のキーは♯が6つとか7つとか調号が多いですが、ギターアレンジの結果、結構解放弦が使えることが判明したので、原曲どおりのキーで演奏しています。

先週一回録画したものの撮り直し

先週、一旦録り終えていたんですが、チェック時に原曲と比べてみて、あらら?っていうところがあったので、アレンジを色々修正して週を改めてとりなおししています。
それでも予定アレンジ全部弾けてませんが……

アレンジをはじめるときに原曲は聴くのですが、とくにこういう長い曲だと細かいアレンジをおぼえきれずに、何回も演奏するうちに、かなりの部分自己流になってきてしまうんですよね。

自己流も意図的にやるならいいんですが、思い込みや手癖で原曲の重要な音が変わってしまってることがあるので、そのへんがゲーム音楽演奏の難しいとこかもしれません。

実は予定アレンジほぼ全部弾けてるテイクもあったんですが、そちらは正確に弾こうとしすぎて演奏が硬く、勢いとかタッチの艶とか、演奏として色気が全く無いんですよね……難しい。

迷った末、アレンジは一部再現できてないけど、演奏として感じのいいほうのテイクにしました。

イントロ『兆し』について

先週録画のバージョンはイントロの『兆し』の部分も演奏していたのですが、この部分はどうもアレンジが上手くいきませんでした。

曲の頭という重要なポイントだし、いろいろ試した結果、いっそ無いほうがいいのでは?という判断で新バージョンでは思いきってカットしました。

ちなみにイントロとエンディングは三拍子(正確には二分の三拍子)です。

DARIUS2 “Say Papa” コード進行

『兆し』~イントロ(演奏では省略)
F♯M7

『受精』~テーマ1
BM9 BM9 F♯7 F♯7
G♯m7 G♯m7 F♯M7 F♯M7

BM7 BM7
BM7 Bm7 F♯M7 D♯(onG)
BM7 Bm7 F♯M7 D♯(onG)
C♯sus4

『成長』~テーマ2
B69 B69 B69 B69

BM7 BM7 E7 E9
BM7 BM7 E7 E9
A A FM7 G7
BM7 BM7 E9 E9
BM7 BM7 E9 E9

D Dm6 E7(13) E7(13)
D Dm6 E7(13) E7(13)
D D Dm E7
D D Dm E7
AM7 AM7 AM7 AM7

ブリッジ
G♯add9 G♯add9  E7(♯11) E7(♯11)
G♯add9 G♯add9 E7(♯11) E7(♯11)
E69 E69 E69 E69
E69 E69 E69 E69
E69 ※このへん演奏では短縮

『誕生』~テーマ3
F♯ F♯9 F♯ F♯
F♯ F♯9 F♯ F♯
G♯7sus4 G♯7 B BM7
EM7 EM7 C♯7 C♯7

F♯ F♯9 F♯ F♯
F♯ F♯9 F♯ F♯
G♯7sus4 G♯7 B BM7
EM7 EM7 C♯7 C♯7

D♯m7 D♯m7 C♯7 C♯7
D♯m7 D♯m7 C♯7 C♯7
BM7 BM7 G♯7 G♯7
D♯m7 D♯m7 D♯m7 D♯m7
BM7 BM7 G♯7 G♯7
D♯m7 D♯m7 D♯m7 D♯m7

BM7 BM7 E7 E7
A9 A9 FM7 G7
A A

F♯madd9 Gadd9 F♯madd9 Gadd9
F♯madd9 Gadd9 F♯madd9 Gadd9
F♯madd9 Gadd9 ※このへん演奏では短縮

『未来』~オルゴールエンディング
F♯ F♯ G♯m7 G♯m7
G♯m7 G♯m7 F♯ F♯
D♯m7 D♯7 G♯‐ C♯7
(F♯)

コードアナライズ

『兆し』~イントロ(演奏では省略)
■F♯メジャー
ⅠM7 ⅠM7 ⅠM7 ⅠM7

『受精』~テーマ1
ⅣM7 ⅣM7 Ⅰ7 Ⅰ7
Ⅱm7(Ⅳ代理) Ⅱm7 ⅠM7 ⅠM7
ⅣM7 ⅣM7
ⅣM7 Ⅳm7 ⅠM7 Ⅵ7
Ⅴ7sus4(BメジャーのⅡ7と共用)

『成長』~テーマ2
■Bメジャー(下属調)
Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ

ⅠM7 ⅠM7 Ⅳ7 Ⅳ7
ⅠM7 ⅠM7 Ⅳ7 Ⅳ7
■Aメジャー(全音転調)
Ⅰ Ⅰ ♭ⅥM7 ♭Ⅶ7
■Bメジャー(全音転調)
ⅠM7 ⅠM7 Ⅳ7 Ⅳ7
ⅠM7 ⅠM7 Ⅳ7(AメジャーのⅤ7と共用) Ⅳ7
■Aメジャー(全音転調)
Ⅳ Ⅳm6 Ⅴ7 Ⅴ7
Ⅳ Ⅳm6 Ⅴ7 Ⅴ7
Ⅳ Ⅳ Ⅳm Ⅴ7
Ⅳ Ⅳ Ⅳm Ⅴ7
ⅠM7 ⅠM7 ⅠM7 ⅠM7

ブリッジ
■G♯メジャー(半音転調)
Ⅰ Ⅰ ♭Ⅵ7 ♭Ⅵ7
Ⅰ Ⅰ ♭Ⅵ7 ♭Ⅵ7
♭Ⅵ(F♯メジャーの♭Ⅶと共用) ♭Ⅵ ♭Ⅵ ♭Ⅵ
♭Ⅵ ♭Ⅵ ♭Ⅵ ♭Ⅵ
♭Ⅵ

『誕生』~テーマ3
■F♯メジャー(全音転調)
Ⅰ7 Ⅰ7 Ⅰ7 Ⅰ7
Ⅰ7 Ⅰ7 Ⅰ7 Ⅰ7
Ⅱ7sus4 Ⅱ7 ⅣM7 ⅣM7
♭ⅦM7 ♭ⅦM7 Ⅴ7 Ⅴ7

くり返し

Ⅵm7 Ⅵm7 Ⅴ7 Ⅴ7
Ⅵm7 Ⅵm7 Ⅴ7 Ⅴ7
ⅣM7 ⅣM7 Ⅱ7 Ⅱ7
Ⅵm7 Ⅵm7 Ⅵm7 Ⅵm7
ⅣM7 ⅣM7 Ⅱ7 Ⅱ7
Ⅵm7 Ⅵm7 Ⅵm7 Ⅵm7

ⅣM7 ⅣM7 ♭Ⅶ7(AメジャーのⅤ7と共用) ♭Ⅶ7
■Aメジャー(短3度上)
Ⅰ Ⅰ ♭ⅥM7 ♭Ⅶ7
Ⅰ Ⅰ

■F♯マイナー(平行調)
Ⅰm ♭Ⅱ Ⅰm ♭Ⅱ
Ⅰm ♭Ⅱ Ⅰm ♭Ⅱ
Ⅰm ♭Ⅱ

『未来』~オルゴールエンディング
■F♯メジャー(同主調)
Ⅰ Ⅰ Ⅱm7 Ⅱm7
Ⅱm7 Ⅱm7 Ⅰ Ⅰ
Ⅵm7 Ⅵ7 Ⅱm Ⅴ7
(Ⅰ)

非常に複雑な難曲【コード進行のポイント】

コード分析めちゃめちゃ大変でした。

音取ってコード付けてみても、キーがどこでやってるのかわからないので、コードネームも正しいのかわからない、という状態でした。

こういう難曲の分析・アレンジに取り組む時は、曲中の分かりやすい進行を探して、まずその部分だけコード付けと調性の分析をして、そこを起点に前後に広げていきます。

キーの決定は前回のFF5メインテーマ同様、部分演奏しながらそこのキーの中心であるⅠコードを判断しました。

この曲の最大の特徴として、同音ルートのメジャー・マイナー切り替えをとても効果的に使っています。

それから小倉さんの作曲の特徴として、同じフレーズを三度違うコード上で繰り返すのがあります。
第一弾として取り上げたCaptain Neoでも出てきましたが、この曲でも使ってますね!

あとポイントになるところは
『成長』のBM7→E7が続いた後にいきなりA→G7→FM7とか
『誕生』のⅠ7→Ⅱ7sus4とか、変態的かつ美しいですね。

キーはF♯とメインテーマのBが軸になっていまが、いろんなキーが入り乱れます。
分析も複数成り立ちそうですが、最もシンプルと思われる形でまとめました。

ダライアスシリーズ・小倉久佳さんの曲 ソロギターアレンジ

ダライアス Captain Neo【ギター演奏・コード分析01】
演奏動画第1弾。ダライアスより『Captain Neo』をギターならではのスピーディーなアレンジで!コード進行や作曲者の小倉久佳さんについても解説。
ダライアス Boss7『鯨のテーマ』【ギター演奏・コード分析39】
ダライアスより『BOSS7』の演奏。圧倒的威圧感を感じる最終ステージBGMですが、自分の中では『鯨のテーマ』です。コード進行分析のほか、この曲への思い入れも語っています。

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