難易度☆☆★★★(普通)
1994年:アーケードゲーム
メーカー:タイトー(TAITO)
タイトル名:ダライアス外伝(DARIUS GAIDEN)
曲名:SELF
作曲:小倉久佳(Hisayoshi Ogura・OGR)
そろそろ、お魚戦艦音楽の頃合いかな~、と思って考えておりましたが、やはり順番的にこれだろうなぁ、と思いました。
というわけで、今回の演奏はダライアス外伝より、『SELF』の演奏です。
ダライアス外伝の概要
正式なアーケードゲーム版のダライアスシリーズ作品としては3作目になります。
前作ダライアス2(1989年)から5年ぶりのアーケード作品であり、その間のハードウェアの進化を反映して、グラフィック・音楽・演出が大幅にグレードアップしていました。
ダライアスシリーズ全般に言えますが、本作はゲーム展開と音楽のシンクロ具合が全2作からさらに研ぎ澄まされて、もはや総合芸術の域と思います。
また、アーケード版ダライアスとしては初めて1画面の構成になり、汎用ハードで動いたので、前2作より設置数がかなり多かったようで、この作品で初めてダライアスシリーズに触れたという人も多いと思われます。
ダライアス外伝の音楽
ダライアス外伝の音楽は前2作同様OGRこと小倉久佳さんが担当しました。
小倉久佳さん紹介記事

小倉さん本人が書いたサントラのライナーノーツによると、『幻視』が作品全体のテーマになっていて、ユング心理学を基に作曲が行われたといいます。
全体にアンビエント系(環境音楽)の作り方ですが、ピンポイントでメロディックな展開もあり、そのバランスが絶妙でした。
前作から音源がかなり進化していて打楽器などはかなりリアルになっていました。
また、1面BGMの『VISIONNERZ~幻視人』などに代表されるように、ヴォーカル曲とまではいかないけれど、人声のサンプリングを使っていて、FM音源主体の前2作に比べて、かなり一般の音楽に近づいています。
SELFについて
今回演奏の『SELF』は最終ステージの曲です。
ダライアスシリーズの最終ステージ曲は、今まで『say Papa』(ダライアス2)、『BOSS7』(初代ダライアス)と演奏してきましたが、これで3曲目ですね。


うん、ダライアスシリーズの最終ステージBGMはやはり圧倒的ですよね。
残るはGダラの『Adam』か。
『SELF』は『VISIONNERZ~幻視人』と対になった曲で、VISIONNERZ(幻影、自我からの離脱)→SELF(自我への回帰)ということと思います。
ギターの味を生かす方向でアレンジ【ソロギター演奏】
ゲーム音楽をアレンジするときは至福の時間なんですが、ダライアスシリーズの曲は、思い入れが強いだけに凝りすぎてなかなかアレンジが完成できないという傾向になりがちです。
今回もかなり悩んで沼にはまりかけましたが、なんとか形にできました。
原曲はかなり分厚いシンセサウンドで、ソロギターと相容れない感じで頭を抱えたんですが、逆にギターの味を活かす方向で考えることにしました。
演奏キーも色々試しましたが、結局どのキーで弾いてもそんなに楽にならないので、原曲のC♯マイナーで弾いています。
SELF コード進行
イントロ
C♯m9 C♯m9 AM7 AM7/G♯sus4
Aメロ
C♯m9 C♯m9 AM7 AM7
C♯m9 A7/Gm7(リハモ) C♯m9 C♯m9/G♯sus4
C♯m9 C♯m9 AM7 AM7
C♯m9 A7/Gm7 C♯m9 C♯m9/G7
Bメロ
F♯7 F♯7 EM7 EM7
DM7(♯11) D♯m7/A13(リハモ) G♯7sus4 G♯7sus4(2拍)
G7♯7
Cメロ
C♯m9 C♯m9 AM7 AM7
F♯m9 G♯7sus4 C♯m9 B69
C♯m9 C♯m9 AM7 AM7
F♯m9 G♯m7 C♯m7 B7/F♯m9
C♯m9 C♯m9
アウトロ
C♯m9 C♯m9 AM7 AM7
コード進行分析
イントロ
■C♯マイナー
Ⅰm7 Ⅰm7 ♭ⅥM7 ♭ⅥM7/Ⅴ7sus4
Aメロ
Ⅰm7 Ⅰm7 ♭ⅥM7 ♭ⅥM7
Ⅰm7 ♭Ⅵ7/Ⅴm7(リハモ) Ⅰm7 Ⅰm7/Ⅴ7sus4
Ⅰm7 Ⅰm7 ♭ⅥM7 ♭ⅥM7
Ⅰm7 ♭Ⅵ7/Ⅴm7(リハモ) Ⅰm7 Ⅰm7
Bメロ
Ⅳm7 Ⅳ7 ♭ⅢM7 ♭ⅢM7
♭ⅡM7 Ⅱm7/♭Ⅵ7(リハモ) Ⅴ7sus4 Ⅴ7sus4(2拍)
Ⅴ7
Cメロ
Ⅰm7 Ⅰm7 ♭ⅥM7 ♭ⅥM7
Ⅳm7 Ⅴ7sus4 Ⅰm7 ♭Ⅶ6
Ⅰm7 Ⅰm7 ♭ⅥM7 ♭ⅥM7
Ⅳm7 Ⅴm7 Ⅰm7 ♭Ⅶ7/Ⅳm7
Ⅰm7 Ⅰm7
アウトロ
Ⅰm7 Ⅰm7 ♭ⅥM7 ♭ⅥM7
クライマックス部分をリハモ【コード進行のポイント】
AメロはⅠmと♭ⅥM7の2コード循環ですが、少しリハモして経過的にVm7などを入れています。
メロディーがほぼテンションとか7thとかで、この浮遊感がたまらんですね。
Bメロで少し転調ぽくなって、最後♭ⅡM7→V7というコンボが来てクライマックスをむかえます。
この♭ⅡM7→V7の部分ですが、ギターでやると音が薄い分、何かもうひとこえ欲しい感じで、色々弾いてみた結果、♭ⅡM7→Ⅱm7→♭Ⅵ6→Ⅴとしてみました。
自分としては綺麗な響きで気に入っています。
Cメロは実質的にはA´ですが、Aメロより少し使うコードの種類が増えて変化をつけています。
ダライアスシリーズ・小倉久佳さんの曲 ソロギターアレンジ

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