発売年月:1994年9月
機種:アーケードゲーム(Arcade Game)
メーカー:タイトー(TAITO)
タイトル名:ダライアス外伝(DARIUS GAIDEN)
曲名:SELF
作曲:小倉久佳(Hisayoshi Ogura”OGR”)
演奏難易度:☆☆★★★(普通)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第72弾は、ダライアス外伝より「SELF」。
自分個人的にダライアス外伝の音楽は、ダライアスシリーズの中でも総合的なバランス感覚と完成度が優れた作品と思いますが、今回は代表曲である最終ステージ曲「SELF」の演奏です。
ダライアス外伝の概要
ダライアス外伝はタイトーが開発して1994年より稼働したシューティングゲームで、正式なアーケードゲーム版のダライアスシリーズ作品としては3作目になります。
前作のダライアス2(1989年)から5年ぶりのアーケードゲーム作品であり、その間のハードウェアの進化を反映して、グラフィック・音楽・演出が大幅にグレードアップしていました。
ダライアスシリーズ全般に言えますが、本作はゲーム展開と音楽のシンクロ具合が全2作からさらに研ぎ澄まされて、もはや総合芸術の域と思います。
また、アーケード版ダライアスとしては初めて1画面の構成になり、汎用筐体で動いたため、前2作より設置数がかなり多かったようで、この作品で初めてダライアスシリーズに触れたという人も多いと思われます。
ダライアス外伝の音楽
ダライアス外伝の音楽は前2作同様OGRこと小倉久佳さんが担当しました。
小倉さん本人が書いたサントラのライナーノーツによると、「幻視」が作品全体のテーマになっていて、ユング心理学を基に作曲が行われたといいます。
全体にアンビエント系(環境音楽)の作り方ですが、ピンポイントでメロディックな展開もあり、そのバランスが絶妙でした。
前作から音源がかなり進化していて打楽器などはかなりリアルになっていました。
また、1面BGMの「VISIONNERZ 幻視人」などに代表されるように、ヴォーカル曲とまではいかないけれど、人声のサンプリングを使っていて、FM音源主体の前2作に比べて、かなり一般の音楽に近づいている印象です。
SELFについて
今回演奏の「SELF」は最終ステージの曲です。
ダライアスシリーズの最終ステージ曲は、今まで「say Papa」(ダライアス2)、「BOSS7」(初代ダライアス)と演奏してきて、これで3曲目になります。
残るはGダラの「Adam」か。
ちなみに「SELF」は「VISIONNERZ 幻視人」と対になった曲で、VISIONNERZ(幻影、自我からの離脱)→SELF(自我への回帰)ということと思われます。
ギターの味を生かす方向でアレンジ【ソロギター演奏】
ゲーム音楽をアレンジするときは至福の時間なんですが、ダライアスシリーズの曲は、思い入れが強いだけに凝りすぎてなかなかアレンジが完成できないという傾向になりがちです。
今回もかなり悩んで沼にはまりかけましたが、なんとか形にできました。
原曲はかなり分厚いシンセサウンドで、ソロギターと相容れない感じで頭を抱えたんですが、逆にギターの味を活かす方向で考えることにしました。
演奏キーも色々試しましたが、結局どのキーで弾いてもそんなに楽にならないので、原曲のC♯マイナーキーで弾いています。
SELF コード進行
イントロ
|C♯m9|C♯m9|AM7|AM7 G♯sus4|
Aメロ
|C♯m9|C♯m9|AM7|AM7|
|C♯m9|A7 Gm7※1|
|C♯m9|C♯m9 G♯sus4|
|C♯m9|C♯m9|AM7|AM7|
|C♯m9|A7 Gm7|C♯m9|C♯m9 G7|
Bメロ
|F♯7|F♯7|EM7|EM7|
|DM7(♯11)|D♯m7 A13※1|
|G♯7sus4|G♯7sus4※2|G♯7|
Cメロ
|C♯m9|C♯m9|AM7|AM7|
|F♯m9|G♯7sus4|C♯m9|B69|
|C♯m9|C♯m9|AM7|AM7|
|F♯m9|G♯m7|C♯m7|B7 F♯m9|
|C♯m9|C♯m9|
アウトロ
|C♯m9|C♯m9|AM7|AM7|
※1 リハーモナイズしています
※2 この小節は半分サイズの2拍
コード進行分析
イントロ
■C♯マイナー
|Ⅰm7|Ⅰm7|♭ⅥM7|♭ⅥM7 Ⅴ7sus4|
Aメロ
|Ⅰm7|Ⅰm7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅰm7|♭Ⅵ7 Ⅴm7※1|
|Ⅰm7|Ⅰm7 Ⅴ7sus4|
|Ⅰm7|Ⅰm7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅰm7|♭Ⅵ7 Ⅴm7※1|Ⅰm7|Ⅰm7|
Bメロ
|Ⅳm7|Ⅳ7|♭ⅢM7|♭ⅢM7|
|♭ⅡM7|Ⅱm7 ♭Ⅵ7※1|
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4※2|Ⅴ7|
Cメロ
|Ⅰm7|Ⅰm7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅳm7|Ⅴ7sus4|Ⅰm7|♭Ⅶ|
|Ⅰm7|Ⅰm7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅳm7|Ⅴm7|Ⅰm7|♭Ⅶ7 Ⅳm7|
|Ⅰm7|Ⅰm7|
アウトロ
|Ⅰm7|Ⅰm7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
※1 リハーモナイズしています
※2 この小節は半分サイズの2拍
クライマックス部分をリハモ【コード進行のポイント】
AメロはⅠmと♭ⅥM7の2コード循環ですが、少しリハモして経過的にⅤm7などを入れています。
メロディーがほぼテンションとか7thとかを当てていて、この浮遊感がたまらんですね。
Bメロで少し転調ぽくなって、最後♭ⅡM7→Ⅴ7というコンボが来てクライマックスをむかえます。
この♭ⅡM7→Ⅴ7の部分ですが、ギターでやると音が薄い分、何かもう一声欲しい感じでした。
色々試してみた結果、ここは♭ⅡM7→Ⅱm7→♭Ⅵ6→Ⅴとしました。自分としては綺麗な響きで気に入っています。
Cメロは実質的にはA’ですが、Aメロより少し使うコードの種類が増えて変化をつけています。
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