小倉久佳(OGR)【ゲーム音楽作曲家列伝04】

OGRこと小倉久佳さんは1980年代に活躍したゲーム音楽作家の中では、自分が一番影響を受けた人です。

1983年にタイトーに入社、1984年に作家デビューして以降、1990年代後半頃までタイトーの主力作家として、またZUNTATAの主要メンバーとして活躍しています。

小倉久佳さんプロフィール・略歴

本名:小倉久佳(おぐら ひさよし)
通称:OGR
生年月日:1959年4月2日
作曲家デビュー:1984年5月(The運動会、タイトー)

小倉さんは『クレイジークライマー』(日本物産、1980年)に触発されてゲームのサウンドに興味を持つようになったそうです。

1983年 タイトーに入社

1984年 『The運動会』で作家デビュー

2007年 タイトーを退社してフリーランスに(小倉久佳音画制作所)

小倉久佳さん作曲作品

※小倉久佳さんが手掛けた作品は最近の数作を除いて、全てタイトーのもので、表記のないものはタイトー作品です。

1984年

THE運動会(AC)

アウターゾーン(AC)

べんべろべえ(AC)

バギーチャレンジ(AC)

ザイゾログ(MSX)

スイートエイーコン(MSX)

1985年

メタルソルジャーアイザック2(AC)

影の伝説(AC)

女三四郎(AC)

スーパーデッドヒート(AC)

タイムギャル(AC)

チョロQ(MSX)

1986年

奇々怪界(AC)

アルカノイド(AC、君島正と共作)

ハレーズコメット(AC)

陸海空最前線(AC)

スーパーデッドヒート2(AC、未発売)

1987年

ダライアス(AC)

アルカノイド~リベンジオブDoh(AC)

エクスターミネーション(AC)

1988年

ニンジャウォーリアーズ(AC)

プランプポップ(AC)

ラスタンサーガ2(AC)

Dr.トッペル探険隊(AC)

1989年

ダライアス2(AC)

ヴォルフィード(AC)

1992年

ギャラクティックストーム(AC)

1994年

ダライアス外伝(AC)

1996年

東京SHADOW(PS/SS)

1997年

Gダライアス(AC)

2002年

電車でGO! 旅情編(PS2)

2004年

ゾイドインフィニティ(AC)

2009年

ダライアスバースト(PSP、1曲のみ)

2013年

ベクトロス(iOS、nenet)

2014年

みんなでまもって騎士~姫のトキメキらぷそでぃ(3DS、エインシャント、古代裕三らと共作)

※略号
AC=アーケードゲーム
PS=プレイステーション
SS=セガサターン
PS2=プレイステーション2
PSP=プレイステーションポータブル
3DS=ニンテンドー3DS

ZUNTATAについて

1983年にタイトーは音楽制作部門を設立します。

1987年からこのタイトー音楽制作部門は『ZUNTATA』名義でリアル音楽活動もするようになりました。
初代リーダーは今村善雄さん。

コナミ矩形波倶楽部、セガSSTバンドなど、当時はゲーム音楽の盛り上がりに合わせて、各社とも、演奏活動などを展開する団体を立ち上げています。

小倉さんはZUNTATA名義になる前からのメンバーであり、ZUNTATAになってからも主要メンバーとして活動しました。

メンバーの入れ替わりはありますが、現在もタイトーの音楽制作部門はZUNTATA名義での活動を継続しています。

小倉久佳さんの音楽

1980年代デビューの作曲家の中で1番好きな作家さんです。
音色も含め、本当に独特の世界観があると思います。

クール・ソリッド・重厚な中に突然コミカルにも聴こえる軽いフレーズが入ったり、コード進行も変態的な展開をしてすぐに戻ったりとか、そういうところが本当に好きです。

影の伝説と奇々怪々~初期和風路線

自分が小倉さんの音楽に初めて接したのはアーケードゲームの『影の伝説』(1985年)です。

これはタイトーのFM音源第1弾作品でしてが、琴などの和楽器+ロックアレンジというもので、この後、この路線はゲーム音楽の一つの流れを形成することになります。

そのあとの奇々怪々(1986年)も和風路線ですが、笛や和太鼓などが主体のアレンジで、お祭りのお囃子ぽいノスタルジックな感じ、でも、ちょっと不気味、みたいな雰囲気が良かったですね。

スーパーデッドヒート2

スーパーデッドヒート2は未発売のゲームで、タイトーのゲームミュージックCDでしか聴くことができませんでしてが、凄く印象に残ってます。

このCDは1987年前半あたりで手に入れたものと思われますが、ダライアス以外のタイトーの主要作品が収録されていた中で、自分はスーパーデッドヒート2が一番気に入っていました。

スーパーデッドヒート1は対戦型のレースゲームですが、CDに収録されていた2の音楽は、どちらかというとシューティングのBGMぽくて、ノリの良さと哀愁を兼ね備えたものでした。

今聴くと音色とかメロディーセンスとか、もろにOGR!!という感じです。
これがお蔵入りになってしまったとは、惜しい話です。

まあ、当時の関係者も同じことを思ってCD収録になったと思うんですが、ゲーム音楽ファン必聴のトラックと思います。

ダライアス

1980年代のゲーム音楽で自分が一番衝撃を受けたのが初代ダライアスです。

1987年頭あたりと思いますが、ダライアスが登場した当時、そのドデカイ筐体と音楽にハマってダライアスをやるためにゲーセンに通いつめていました。
重低音+ボディソニックも衝撃的でした。

当時、まだギターはやってなかったのですが、音楽やシンセサイザーで作るサウンドに興味を持ち始めていた自分はダライアスの斬新な曲とサウンドに夢中になりました。

小倉さんの名前すらまだ知らなかったですが『FM音源の打ち込みだけで、なんて素晴らしいものを作るんだ』と思っていました。

ゲームの世界観、水棲生物を戦艦にするという発想もグッときたし、そのデザインや色使いも独特で、あれは本当に総合芸術だと思います。

音楽はメタリックなFM音源の音色を主体に、今聴いても、かなり作り込まれている感じで、海中にいるような、神秘的な、あるいは重苦しい感じがよく出ていました。

初代ダライアスからは、現時点までに2曲演奏しています。

スタート直後にかかる『Captain Neo』は毎度聴くのでしっかり刷り込まれている曲です。

そして、ラスボスの鯨の所まで辿りついたときの緊張と興奮、そして圧倒的インパクトの曲『Boss7』です。
まだ純真な子供だった自分も脳内から何か出て一気に血が沸き立つのを感じましたよ。

初代ダライアスについては『Captain Neo』『Boss7』の演奏記事内でも色々書いてますので、記事の下にあるリンクよりご覧ください。

ダライアス2

1980年代当時、自分はゲーム音楽作曲家の名前をほとんど知りませんでした。

小倉さんの名前を知ったのは『ダライアス2』(1989年)の時です。

ダライアス2が出たころは進路で悩んだりしていた時期でした。
なんですが、たまーに冷やかしでゲーセンに入ったりしてました。

1990年ごろフラッと時間潰しに入ったゲーセンでプレイしていた人がいて、めちゃめちゃ上手かったので後ろから見ていたんですが、音楽が気になって気になって。
とくに最終ステージの『say PaPa』

そのゲーセンは空いていて細かいところまで音が聴こえたんですよね。
今でもおぼえてます。

早速サントラを買いに行きました。

先ほど書いた通り、自分はタイトーのゲーム音楽のCDを持っていて、『影の伝説』『スーパーデッドヒート2』そして『ダライアス』がお気に入りだったのですが、当時は作曲者とかはまったく気にしておらず、小倉さんの存在も知りませんでした。

ゲーム音楽作曲家はすぎやまこういちさんくらいしか名前を知らなかったし、ZUNTATAもタイトーのゲーム音楽制作チームくらいの認識しか無かったです。

ダライアス2の『say PaPa』を聴いたのがきっかけになって、色々調べて小倉久佳さんという人の作と知り、ファンになった次第です。
ゲーム音楽の作家に興味を持った最初の経験でした。

当時はネットもなかったし情報を得るのも一苦労でしたね。

その後2000年頃から自分はゲームから離れてしまい、ゲーム音楽のことも忘れていたのですが、今こうしてゲーム音楽を演奏してるのも、ゲーム音楽のイメージの中心に小倉さんの音楽があって、その憧れのイメージが潜在意識にずっと生き残っていたからと思います。

ダライアス2『say PaPa』の演奏記事は下にあるリンクよりご覧下さい。

1990年代以降

小倉さんの独特の音楽性は変化と発展を続けながら、『ダライアス外伝』あたりで一つの完成形に達した感じはします。

その後、もともとテクノ傾向も多分にありましたが、キャッチーなメロディ志向は後退して急激にハウス/トランス系のサウンドに傾いていきます。

最近は単発の曲提供はありますが、タイトー時代のような活発な活動はされてないようです。
ファンとしては、もっともっと彼の独特の音楽を聴いていたいのですが……

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