天地創造「帰路」【ギター演奏・コード進行43】

天地創造 帰路 ギター演奏
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1995年:スーパーファミコン(Super Nintendo)
メーカー:
クインテット(Quintet)
タイトル名:天地創造(Terranigma)
曲名:帰路(The Way Home)
作曲:小林美代子(Miyoko Kobayashi)
演奏難易度:☆★★★★(難しい)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第43弾は、天地創造より「帰路」。

天地創造はメジャータイトルとは言い難いですが、ゲーム内容と音楽は素晴らしいもので、とくにエンディング曲の「帰路」は最も印象に残っているゲーム音楽の一つです。

今回はソフトなブレリア(フラメンコのリズム形式)にアレンジしました。

記憶に残るエンディング曲【曲紹介】

「天地創造」は1995年10月に発売されたアクションRPGです。

1995年というとスーパーファミコンの末期かつ最盛期であり、ゲーム音楽の第二次黄金期です。

ゲーム音楽第二次黄金期については「ゲーム音楽史」を参照してください。

1995年前後の1、2年でスーパーファミコンを中心に、かなりの数の名作タイトルと名曲ゲーム音楽が世に出されています。

この時期には、クロノトリガー、FF6、タクティクスオウガ、ロマサガ3、ドラクエ6、風来のシレンなどが出ています。

そんな中で本作「天地創造」はやや地味で、ひっそり出された感はありますが隠れた名作として知られるタイトルです。

自分も発売より少し後になりますが、中古で購入してプレイしていて、とくに音楽は印象に残っています。

その中でも、エンディングで流れる「帰路」は自分的鳥肌曲で、長い年月が経っても印象が薄れることはありませんでした。

この曲のメインメロディーは、主人公の生まれ故郷であるクリスタルホルムの音楽としても使用されていて、この作品のメインテーマの一つです。

作品中、他にもメロディーが被る曲がいくつかあるのですが、自分は「帰路」のアレンジが一番好きです。

エンディングの意味するところ

ちょっとネタバレになります。

このゲームは旧約聖書がモチーフになっていて、主人公が滅んだ世界を再創造していく、という話なんですがエンディングが良くも悪くも忘れられません。

主人公は孤独な戦いの末、世界を復興させることに成功したものの、ラスボスを倒すことで、その世界はまた無に帰すことになり、主人公も消滅することになります。

――全く救いのないような話ですが、神様の慈悲(?)で主人公の一番望んでいた「普通の平和な暮らし」というのを1日だけ、生まれ故郷にもどって過ごすことができる、ということになります。

「なんで1日だけなんだよー、神様なんだから30年とかにしてやれよー」

とか思ってしまいますが、そこは神様も頑張った結果なんでしょう(憶測)

そして幼なじみのヒロインや村人と1日過ごしたあと、主人公は最後の眠りにつくんですが、その眠りのなかで鳥になって発展した世界を巡るという夢をみます。

列車や都市、飛行機。その描写とともにこの曲が流れます。

最後はボカした表現になっていますが、日付が変わる直前、夢の中で鳥になった主人公は「表の世界」(主人公が創造した世界)のヒロインを訪ねます。

主人公とヒロインは「裏の世界」の住民ですが、「表の世界」にもヒロインの分身が存在していて、そちらは幸薄な身の上で行く末が気になってしまう存在なんですよね。

表の世界のヒロインと主人公は再会できたのか?

そしてこれは主人公の夢の中なのか?

それとも新たに創造された別の世界を見ているのか?

そもそも、この物語全部がこの鳥がみていた夢なんじゃないのか?……女神異聞録ペルソナのテーマにもなっている、荘子の「胡蝶の夢」みたいな話になりますが。

――というところで物語は終わり、全てはプレイヤーの想像に委ねられます。

穏やかで少し寂しげな音楽と相まって、なんとも言えない気持ちになるエンディングです。

「感動」とは少し違って、無常感に心を掴まれるというか。

曲題の「帰路」も「転生して生まれ故郷やヒロインのところに帰っていく」というのが普通の解釈と思いますが、自分は「万物は無から生まれ、無に帰っていく。全ては孤独な存在」という意味なのかな?と感じました。

ハッキリと回答が提示されるより、プレイヤー自身が解釈することで、強く記憶に残るってこともありますよね。

小林美代子さん【作曲者】

「帰路」の作曲者である小林美代子さんですが、一時期はガストに在籍していてアトリエシリーズにもかなりの曲数提供していますので、ガストサウンドチームの一員として紹介いたしました。

作曲家と平行してアクセサリー作家もされているようで、天地創造がテーマになった作品も作られているとか。

ゲームカートリッジ・サントラの中古相場

天地創造は現状、権利を持っている開発元が倒産して、権利関係がそのままになっているため、ゲーム本体のリメイク・再販もサントラの再販もできない状態らしいです。

そのため、スーパーファミコンの中古カートリッジやサントラの中古価格相場が高騰しています。

ゲーム自体の出来と音楽が非常に良いうえゲームソフト・サントラの出荷数が少なかったという事情もありますが。

音楽は動画サイト等で聴くことはできますが、こういうの本当に困るので、なんとかして欲しいですよね。

ソフトなブレリアでアレンジ【ソロギター演奏】

この曲は曲調は穏やかですが、テンポは速めの3拍子です。

このアレンジでは、フラメンコのブレリアファンダンゴの語彙を採り入れて演奏しています。

難しいフレーズが出てくるわけではないですが、ソロギター化はかなり難しかったですね。

まず、曲が長いです!

多少短縮したものの、5分20秒という、今までで最長の演奏になりました。

結果、アレンジ・練習・暗譜に3週間くらいかかってますが、とくに工夫したポイントは以下のようなところです。

  • ロングトーンはトレモロやアルペジオで表現
  • Aメロが合計3回出てくるので1回目は低音域で演奏
  • とくにBメロはメロディの音程が複数出ていてどれを弾くかで迷った
  • 繋ぎのブリッジ部分のサイズを若干変更

帰路 コード進行

ブリッジ1
|A|A|Aadd9|Aadd9|
|Asus4|Asus4|AM7|AM7|
|A|A|Aadd9|Aadd9|
|Asus4|Asus4|AM7|AM7|
|A|A|

イントロ
|D|D|D|D|
|D|D|Bm7|Bm7|
|GM7|GM7|GM7|GM7|
|F♯7|F♯7|F♯7|F♯7|

ブリッジ2
|A|A|Asus4|Asus4|
|A|A|Asus4|Asus4|

Aメロ(1回目はオクターブ下で演奏)
|A|E|F♯m|E7sus4|
|D|A(onC♯)|Bm7|E7|
|DM7|A(onC♯)|Bm9|A|
|D|A(onC♯)|Bm7|A|
|G|G|E|E|
|A(onC♯)|Bm7|

ブリッジ2繰り返し

Aメロ繰り返し

ブリッジ3
|A|A|A|A|
|A|A|A|A|※1

ブリッジ1バリエーション
|A|A|Aadd9|Aadd9|
|Asus4|Asus4|AM7|AM7|
|A|A|Aadd9|Aadd9|
|Asus4|Asus4|AM7|AM7|
|A|A|Aadd9|Aadd9|
|Asus4|Asus4|AM7|AM7|
|A|A|Aadd9|Aadd9|
|Asus4|Asus4|AM7|AM7|
|A|A|Asus4|Asus4|
|A|A|Asus4|Asus4|
|A(onB)|A(onB)|B7|B7|
|A(onB)|A(onB)|B7|B7|

Bメロ
|CM7|CM7|D|D|
|Em9|Em7|Em7|Em7|
|CM7|CM7|D|D|
|Em7|Em7|Em7|Em7|
|CM7|CM7|D|D|
|Em9|Em7|Em7|Em7|
|CM7|CM7|D|D|
|Em7|Em7|Em7|Em7|
|CM7|CM7|D|D|
|Em7|Em7|Em7|Em7|
|CM7|CM7|D|D|
|Em7|Em7|Em7|Em7|
|CM7|CM7|DM7|DM7|
|Eadd9|Eadd9|Eadd9|Eadd9|

Cメロ
|Am7|Am7|Am7|Am7|
|Am7|Am7|Am7|Am7|
|Am7|Am7|Am7|Am7|
|Am7|Am7|Am7|Am7|
|Am7|Am7|Am7|Am7|
|AM7|AM7|AM7|AM7|

ブリッジ4
|A|A|A|A|
|A|A|A|A|
|AM7(onD)|AM7(onD)|
|AM7(onD)|AM7(onD)|
|A|A|A|A|
|E7sus4|E7sus4|E7sus4|E7sus4|
|E7sus4|E7sus4|E7sus4|※2

Aメロ繰り返し

ブリッジ5
|A|A|Asus4|Asus4|
|A|A|A|A|

コーダ
|DM7|DM7|A(onC♯)|A(onC♯)|
|Bm7|Bm7|A|A|
|DM7|DM7|A(onC♯)|A(onC♯)|
|Bm7|Bm7|A|A|
|DM7|DM7|A(onC♯)|A(onC♯)|
|Bm7|Bm7|A|A|
|DM7|DM7|A(onC♯)|A(onC♯)|
|Bm7|Bm7|A|A|
|A|

※1 演奏ではこの行はカット
※2 演奏では1小節足しています

コード進行分析

ブリッジ1
■Aメジャー
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|

イントロ
|Ⅳ|Ⅳ|Ⅳ|Ⅳ|
|Ⅳ|Ⅳ|Ⅱm7|Ⅱm7|
|♭ⅦM7|♭ⅦM7|♭ⅦM7|♭ⅦM7|
|Ⅵ7|Ⅵ7|Ⅵ7|Ⅵ7|

ブリッジ2
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰsus4|Ⅰsus4|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰsus4|Ⅰsus4|

Aメロ
|Ⅰ|Ⅴ|Ⅵm|Ⅴ7|
|Ⅳ|Ⅰ|Ⅱm7|Ⅴ7|
|ⅣM7|Ⅰ|Ⅱm7|Ⅰ|
|ⅣM7|Ⅰ|Ⅱm7|Ⅰ|
|♭Ⅶ|♭Ⅶ|Ⅴ|Ⅴ|
|Ⅰ|Ⅱm7|

ブリッジ2繰り返し

Aメロ繰り返し

ブリッジ3
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|※1

ブリッジ1バリエーション
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰsus4|Ⅰsus4|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰsus4|Ⅰsus4|
■Eメジャー(属調)
|Ⅳ|Ⅳ|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅳ|Ⅳ|Ⅴ7|Ⅴ7|

Bメロ
■Eマイナー(属調の同主調)
|♭ⅥM7|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|♭Ⅶ7|
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|
|♭ⅥM7|♭ⅥM7|♭ⅦM7|♭ⅦM7|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|

Cメロ
■Aマイナー(下属調)
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
■Aメジャー(同主調)
|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|

ブリッジ4
|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|
|ⅣM7|ⅣM7|ⅣM7|ⅣM7|
|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|※2

Aメロ繰り返し

ブリッジ5
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰsus4|Ⅰsus4|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|

コーダ
|ⅣM7|ⅣM7|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅱm7|Ⅱm7|Ⅰ|Ⅰ|
|ⅣM7|ⅣM7|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅱm7|Ⅱm7|Ⅰ|Ⅰ|
|ⅣM7|ⅣM7|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅱm7|Ⅱm7|Ⅰ|Ⅰ|
|ⅣM7|ⅣM7|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅱm7|Ⅱm7|Ⅰ|Ⅰ|

※1 演奏ではこの行はカット
※2 演奏では1小節足しています

セクションごとにメリハリ【コード進行のポイント】

この曲は複雑な曲構成なうえ、コードも微妙な響きを多用していて採譜・分析はかなり大変でした。

なんというか、理論的に綿密に組まれたコード進行というより、感覚で作っていった結果複雑化した、というような感じがします。

主調はAメジャーでイントロからAメロは転調はありません。

Bメロの導入でA(onB)→B7という、なにやら意味深に感じる進行に変わって、そのままEマイナーに転調してBメロに入ります。

Bメロの最後でEメジャーにメジャー終止。

そのあとCメロで今度はAマイナーに行き、ほぼ気づかないような微妙な感じで主調のAメジャーに戻しています。

そのままもう1回Aメロをやってコーダへ、という流れです。

テンションや7thを使って浮遊感を出す所と、1度・3度・5度のコードトーンをたくさん入れて説得力を増す所のメリハリがハッキリしていて、そのあたりがこの曲の魅力に繋がっているのかな、と思います。

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