発売年月:1995年11月
機種:スーパーファミコン(Super Nintendo)
メーカー:スクウェア(SQUARE)
タイトル名:ロマンシングサガ3(Romancing SaGa3)
曲名:ラストバトル(The Last Battle)
作曲:伊藤賢治(Kenji Ito)
演奏難易度:☆★★★★(難しい)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第67弾は、ロマンシングサガ3より「ラストバトル」。この曲は「四魔貴族バトル2」と共にに、伊藤賢治さん初の純メタル路線バトル曲です。
サガシリーズの系譜
ロマンシングサガ3は1995年11月にスクウェアから発売されたRPGで、ロマンシングサガシリーズとしては3作目、ゲームボーイのサガシリーズも合わせると6作目です。
今回はロマンシングサガシリーズ含む、サガシリーズの系譜について少しお話しようと思います。
サガシリーズ第1作のゲームボーイ版の「魔界塔士Sa・Ga」(1989年)は英題が「Final Fantasy Legend」、そして聖剣伝説シリーズ第一作のゲームボーイ版「聖剣伝説」は副題が「ファイナルファンタジー外伝」で、ともにファイナルファンタジーのスピンオフ作品として始まりました。
なので、ファイナルファンタジーシリーズとサガシリーズと聖剣伝説シリーズは兄弟・分家みたいなものですが、それぞれが独自の発展をして人気シリーズとなっています。
サガシリーズは、スーパーファミコンのロマンシングサガとなってからゲームシステムが一新されました。
フリーシナリオ、スキル制、そして技の閃きシステムといった複数の画期的システムが組み合わさって、マニアックで中毒性の高いゲームに生まれ変わりました。
ロマサガ1と2と3は、直接のストーリーや世界設定の繋がりは無いですが、システムは1の時点でかなり完成されていて、2と3はそれに追加要素が入ったりしてブラッシュアップされていきました。
自分もロマサガシリーズは3作品全部ハマってやりこんでいますが、とくに3はゲームバランス、音楽、グラフィック(究極のドット絵!)、全てがハイレベルな仕上がりになっていて、スーファミRPGの最高傑作の一つと思います。
サガシリーズはこの後、サガフロンティアシリーズなどに分岐していきますが、現在でも新作が出ている超ロングランシリーズです。
サガシリーズの音楽は、最初は植松伸夫さんが担当していましたが、2作目のSaGa2から伊藤賢治さんがメインで担当するようになり、ロマンシングサガ3作品とサガフロンティア、ミンストレルソング(ミンサガ)は伊藤さん、サガフロンティア2とアンリミテッドサガ(アンサガ)は浜渦正志さんが担当しました。
本作、ロマンシングサガ3の音楽を担当した伊藤賢治さんについてはこちらの記事で紹介しています。
ラスボスのテーマ【破壊するもの】
今回演奏する曲は、ロマンシングサガ3のラストバトルの時に流れる曲で、スパニッシュ調のイントロ+メタル調の本体部分という構成です。
伊藤賢治さんのロマサガバトル曲はそれまでも、JMM(ジャパニーズ・メランコリック・メロディー)+ロック+吹奏楽という独特のものでしたが、ロマサガ3の「四魔貴族バトル2」そして、この曲「ラストバトル」ではダブルベースドラムとディストーションギターを前面に押し出したメタルアレンジが導入されました。
当時はこの路線のゲーム音楽は他になかったので、かなり衝撃的でした。
ちなみに、ロマサガ3のラスボスは「破壊するもの」という、四魔貴族の集合体のようなモノなんですが、この設定がロマサガ2のラスボス「七英雄」と被るし、四魔貴族と七英雄がごっちゃになってしまい勝ちなんですが、「山手線の駅名がついてるのが七英雄」ということで、なんとかおぼえてます(笑)
リズムトラックに凝ってみた【ソロギター演奏】
この曲はスパニッシュな部分もあるので、フラメンコ化できるかな?と思ってやってみましたが、以外とフラメンコ化は難しく、それならばと、原曲再現に比率を置いた演奏にしました。
原曲はCマイナーキー/Cスパニッシュですが、解放弦を最大活用したいので、Aマイナーキー/Aスパニッシュに移調しています。
そして、あまりハイポジションを使わないアレンジにしたので、3フレットにカポタストを付けて、実音はオリジナルのCマイナーキー/Cスパニッシュに合わせています。
エンディングはフラメンコ調にしました。形式でいうとマラゲーニャのフレーズですね。
そしてリズムトラックですが、作り始めたら凝ってしまって、本体のギターアレンジを作るより時間かかってるかもしれないです。
メロスピっぽい疾走感を狙いましたが、ギターアレンジとうまく絡むように、色々弄っていたら沼にはまって、完成に3日間、延べ10時間くらいかかってしまいました。
ロマンシンジサガ3 ラストバトル コード進行
オリジナルのCマイナーキーをAマイナーキーに移調していますが、演奏は3フレットにカポタストを付けて実音をオリジナルと同じCマイナーキーにしています。
イントロ
|A|B♭|A|B♭|
|A|B♭|A|B♭|
|A|A|
ブリッジ1
|A7 B♭|A7 B♭|A7 B♭|A7 B♭|
|A7 B♭|A7 B♭|A7 B♭|A7 B♭|
サビ1
|Dm7 G7|CM7 FM7|
|Bm7(♭5) E7|Am Am7(onG)|
|F|Em11|Dm7 Am|Bm7(♭5) E7|
ブリッジ2
|Am B♭|Am B♭|Am B♭|Bm7 E7(♯9)|
Aメロ1
|Am|Am|E7sus4|E|
|Gm6|A7(♭9)|
|D7sus4 Dm7|Dm(onF) D7(onF♯)|
|C B7(♭5)|E7|Am|A7|
|Dm9|B7|E7|E7|
Aメロ2
|Am|Am|E7sus4|E7|
|Gm6|A7(♭9)|
|D7sus4 Dm7|Dm(onF) D7(onF♯)|
|C B7(♭5)|E7(♯9)|Am|A7|
|F Bm7(♭5)|E7|
ブリッジ3
|Am E7|Am E7|Am E7|Am|
サビ2
|Dm7 G7|CM7 FM7|
|Bm7(♭5) E7|Am Am7(onG)|
|F|Esus4|Dm7 E7|A7sus4 A7|
|Dm7 G7|CM7 FM7|
|Bm7(♭5) E7|Am Am7(onG)|
|F|Esus4|Dm7 Am|Bm7(♭5) E7|
ブリッジ3
|Am E7|Am E7|Am E7|Am|
アウトロ(アレンジ)
|F|F|G|G|
|F7(♭5)|F7(♭5)|E|E|
コード進行分析
イントロ
■Aスパニッシュ
|Ⅰ ♭Ⅱ|Ⅰ ♭Ⅱ|Ⅰ ♭Ⅱ|Ⅰ ♭Ⅱ|
|Ⅰ ♭Ⅱ|Ⅰ ♭Ⅱ|Ⅰ ♭Ⅱ|Ⅰ ♭Ⅱ|
サビ1
■Aマイナー
|Ⅳm7 ♭Ⅶ7|♭ⅢM7 ♭ⅥM7|
|Ⅱm7(♭5) Ⅴ7|Ⅰm|
|♭Ⅵ|Ⅴm7|Ⅳm Ⅰm|Ⅱm7(♭5) Ⅴ7|
ブリッジ1
■Aスパニッシュ
|Ⅰm7 ♭Ⅱ|Ⅰm7 ♭Ⅱ|
|Ⅰm7 ♭Ⅱ|Ⅱ7 Ⅴ7|
Aメロ1
■Aマイナー
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7sus4|Ⅴ7|
■Dマイナー
|♭Ⅳm|Ⅴ7|Ⅰm7|Ⅰm7 Ⅰ7|
■Aマイナー
|♭Ⅲ Ⅱ7(♭5)|Ⅴ7|Ⅰm|Ⅰ7|
|Ⅳm7|Ⅱ7|Ⅴ7|Ⅴ7|
Aメロ2
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7sus4|Ⅴ7|
■Dマイナー
|♭Ⅳm|Ⅴ7|Ⅰm7|Ⅰm7 Ⅰ7|
■Aマイナー
|♭Ⅲ Ⅱ7(♭5)|Ⅴ7|Ⅰm|Ⅰ7|
|♭Ⅵ Ⅱm7(♭5)|Ⅴ7|
ブリッジ2
|Ⅰm Ⅴ7|Ⅰm Ⅴ7|Ⅰm Ⅴ7|Ⅰm|
サビ2
|Ⅳm7 ♭Ⅶ7|♭ⅢM7 ♭ⅥM7|
|Ⅱm7(♭5) Ⅴ7|Ⅰm|
|♭Ⅵ|Ⅴsus4|Ⅳm Ⅴ7|Ⅰ7|
|Ⅳm7 ♭Ⅶ7|♭ⅢM7 ♭ⅥM7|
|Ⅱm7(♭5) Ⅴ7|Ⅰm|
|♭Ⅵ|Ⅴm7|Ⅳm Ⅰm|Ⅱm7(♭5) Ⅴ7|
ブリッジ3
|Ⅰm Ⅴ7|Ⅰm Ⅴ7|Ⅰm Ⅴ7|Ⅰm|
アウトロ(アレンジ)
■Eスパニッシュ
|♭Ⅱ|♭Ⅱ|♭Ⅲ|♭Ⅲ|
|♭Ⅱ7|♭Ⅱ7|Ⅰ|Ⅰ|
マイナーとスパニッシュの複合調【コード進行のポイント】
この曲は、マイナーキーとスパニッシュ調の複合型ですが、スパニッシュ調はイントロとブリッジ部分のみで、曲の本体部分はほぼマイナーキーです。
移調後のAマイナーキー/Aスパニッシュで解説します。
コードアナライズではとくに転調扱いにしませんでしたが、B♭→A(またはAm)という進行が出てきたらAスパニッシュ調に行っています。
この曲はイントロ後にいきなりサビから入りますが、サビはⅣmからの5度進行でマイナーキーの王道進行です。「枯葉」等がこの進行ですよね。
Aメロはマイナーの3コードに、たまにⅡ7が入るというこれまた王道な進行ですが、3つ目のGm6がポイントでしょうか。
ここは、色んな解釈ができますが、自分はDマイナーキーへの一時的転調と捉えてⅣm6(Gm6)→Ⅴ7(A7)→Ⅰm(Dm)としました。
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