真・女神転生「エンディング」【ギター演奏・コード進行74】

真・女神転生 エンディング 動画
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1992年:スーパーファミコン(Super Nintendo)
メーカー:アトラス(ATLUS)
タイトル名:真・女神転生(Shin Megami Tensei)
曲名:エンディング(Ending)
作曲:増子司(Tsukasa Masuko)
演奏難易度:☆☆★★★(普通)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第74弾は、真・女神転生より「エンディング」です。

真・女神転生からは(ようやくですが)2曲目の選曲です。一昨年の7月に「銀座」を演奏してから、もう2年以上経つんですね。

今回は前々から演奏したかったエンディング曲ですが、癒し要素とドラマチックな展開が両立した名曲と思います。

真・女神転生の世界観

真・女神転生はめちゃめちゃハマったゲームなので、エンディングも多分10回くらいは見ていると思います。

少し真・女神転生の世界観について語ってみます。

この作品は、ゲーム中の行動によって「ロウ=秩序」と「カオス=混沌」の間で主人公の属性とシナリオが変化していき、最終的な属性によって3種類のエンディングが用意されていました。

この属性システムは、古くは「ウィザードリィ」(1981年、AppleⅡ)に善(GOOD)・悪(EVIL)という性格の概念がありましたが、それを拡張してシナリオにも密接に関わるようにしたものですね。

メガテンの場合はNPCや敵キャラにも属性が設定されていて、同じ属性のNPCや魔物などと協力して反対勢力を駆逐していくことになります。

ザックリ言うとロウサイドは天使や神様、カオスサイドは悪魔や鬼の類いが中心でしたよね。

でも、必ずしもロウサイドが善として描かれてないところがメガテンの伝統です。

真・女神転生2のロウエンディングでは地球ごと粛清されてしまうし……。

現実の神話に出てくる悪魔や鬼にしても、多くは戦争で負けた民族の神様が貶められた姿だったりして、そういうところもしっかり検証されていて、作り手のこだわりを感じます。

そしてもう一つ、ロウとカオスどちらにも属さない第3の道であるニュートラル(中庸)という生き方も用意されていて、一見これが正しい道なのかな?とも思えます。

しかし、自分的には真・女神転生のニュートラルルートは、調和というより「神も悪魔も皆殺しにして、全てを破壊していく修羅道」と感じました。

結局、明快な「正しい道」というのは存在せず、どのルートを選んでも「これで良かったんだろうか?」という思いが残る、リアルな大人の世界を体現したような世界観でした。

女神転生シリーズ共通の世界観として自分はこんなことを感じます。

――ものごとは善悪の尺度ではかれるほど単純ではない。ただ一つ確かなのは、力が無いと蹂躙されてしまう。生命の歴史が繰り返してきた、この世界の厳しい現実。

平和な文明社会で生きていると、忘れがちな事ですよね。

今回演奏のエンディング曲は、そういう複雑な思いの中で聴くことになる曲です。

エンディング曲について

この曲はエンディングのデモシーンが終わったあとのスタッフロールで流れますが、数ある増子司さんのメガテン曲の中でも、屈指の名曲だと思います。

メロディーに増子節が色濃く出ていることと、増子さんの曲にしては珍しく多彩な展開をしていて、多くの要素がこの一曲に凝縮されています。

増子司さんについてはこちらの記事で紹介しました。

増子さんのメガテン曲について、冒頭で紹介した「銀座」の演奏記事の中で、ロック系・癒し系・宗教系の3つに分類しています。

その分類でいうと、この曲は癒し系をベースとしながら、途中から盛り上がる展開があって、ディストーションギターやキーボードのソロが入ってきたりして、ロック系の要素もあります。

前半の癒し系の雰囲気から、後半のドラマチックな展開への変化が、この長い物語のエンディングに相応しいですよね。

この癒し系+ロックアレンジの路線は「真・女神転生if…」のエンディング曲にも引き継がれています。

循環コードで構成【ソロギター演奏】

詳しくは下の「コード進行のポイント」で解説しますが、この曲は2パターンの循環コードのみで作られています。

じゃあ、暗譜も楽か?というとそんなことはありません。

同じコード進行に色んなメロディーが乗ってくるし、純粋な繰り返しというのがほとんど無いため、コード進行や転調で色々展開する曲と、おぼえる大変さは変わりません。

循環コードの曲って、ピアノだと左手の伴奏はずっと同じ形でいけたりして、メロディーが変わっても右手だけ変えれば良いんですが、ソロギターの場合コードが同じでもメロディーが変わると、大きく指の形が変わることが多く、そのぶん暗譜が難しくなります。

この曲は鍵盤や二重奏なら、もっと楽に弾けるんではないかと。

演奏するにあたって、コードボイシングやベース音の選び方が何パターンも出来るので逆に迷いましたが、ギターでの響きかたと運指のしやすさで音を選びました。

原曲のソロっぽい部分は、なるべく忠実に再現しましたが、最後のほうの6連符フレーズなど、ソロギターだと難しい所が何か所かあったので、そういう所はフレーズを変えています。

真・女神転生「エンディング」コード進行

※コードネームはギター的に分かりやすいものをつけていますが、2種類の循環コードをリハモしたものです。詳しくは下の【コード進行のポイント】を参照。

イントロ
C C7(onB♭) Am7 FmM7(onA♭)
C C7(onB♭) Am7 FmM7(onA♭)

Aメロ
C C7(onB♭) F(onA) A♭
C C7(onB♭) F(onA) A♭

C C7(onB♭) F(onA) FmM7
C B♭M9 Am7 FmM7(onA♭)

C C7(onB♭) FM9(onA) A♭
C C7(onB♭) F(onA) A♭M7
A♭M7/E7(このへんはアレンジ)

Bメロ
FM7 Em7 Dm7 Em7
FM7 Em7 Dm7 Em7

FM7 Em7 Dm7 Em7
FM7 Em7 Dm7(onF) Em7

Cメロ
C C7(onB♭) Am7 A♭M7
C C7(onB♭) Am7 FmM7(onA♭)

C B♭69 Am7 A♭M7
C C7(onB♭) F(onA) FmM7(onA♭)

C C7(onB♭) Am7 A♭M7
C C7(onB♭) F(onA) A♭M7

アウトロ
C C7(onB♭) Am7 A♭M7
A♭M7

コード進行分析

イントロ
■Cメジャー
Ⅰ Ⅰ7 Ⅵm7 Ⅳm
Ⅰ Ⅰ7 Ⅵm7 Ⅳm

Aメロ
Ⅰ Ⅰ7 Ⅳ ♭Ⅵ
Ⅰ Ⅰ7 Ⅳ ♭Ⅵ

Ⅰ Ⅰ7 Ⅳ Ⅳm
Ⅰ ♭Ⅶ Ⅵm7 Ⅳm

Ⅰ Ⅰ7 Ⅳ ♭Ⅵ
Ⅰ Ⅰ7 Ⅳ ♭Ⅵ
♭Ⅵ/Ⅲ7(このへんはアレンジ)

Bメロ
ⅣM7 Ⅲm7 Ⅱm7 Ⅲm7
ⅣM7 Ⅲm7 Ⅱm7 Ⅲm7

ⅣM7 Ⅲm7 Ⅱm7 Ⅲm7
ⅣM7 Ⅲm7 Ⅱm7 Ⅲm7

Cメロ
Ⅰ Ⅰ7 Ⅵm7 ♭ⅥM7
Ⅰ Ⅰ7 Ⅵm7 Ⅳm

Ⅰ ♭Ⅶ Ⅵm7 ♭ⅥM7
Ⅰ Ⅰ7 Ⅳ Ⅳm

Ⅰ Ⅰ7 Ⅵm7 ♭ⅥM7
Ⅰ Ⅰ7 Ⅳ ♭ⅥM7

アウトロ
Ⅰ Ⅰ7 Ⅵm7 ♭ⅥM7
♭ⅥM7

たった2つの循環コード【コード進行のポイント】

AメロとCメロは原則的には同じ循環コードです。

Ⅰ→Ⅰ7(または♭Ⅶ)→Ⅳ(またはⅥm)→Ⅳm(または♭Ⅵ)

こんな進行でずっとループしますが、ベース音や内声のとりかたによっては2番目、3番目、4番目のコードは2通りの解釈ができます。上の表で()がついているところです。

これらは、コード理論を厳密に適用すると代理コードではないものもありますが、実際に演奏してみると、どちらで弾いても大きな違和感はないので、このアレンジでは代理コードとして扱っています。

音楽理論って後付けしたものも多いし、こういうアバウトな所はありますよね。

Bメロは隣り合ったダイアトニックコードを行ったり来たりする増子司さんの十八番進行であり、この曲ではこんな進行が使われています。

ⅣM7→Ⅲm7→Ⅱm7→Ⅲm7

また、この曲では出てこないですが、以下の進行も増子さんの十八番パターンです。

Ⅱm7→ⅠM7→Ⅱm7→Ⅲm7

これらは、増子さんの癒し系メガテン曲は半分以上こういうパターンでできているんじゃ?と思うくらい出てきます。

この多彩な展開をするドラマチックな曲も分析してみると、たった2つの循環コードで出来ているのが分かりますよね?

循環コードの使い方のお手本のような曲だと思います。

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