山下さんは初代悪魔城ドラキュラやメダロットシリーズの作曲者として知られています。
1986年~1989年頃、最盛期のコナミに所属後、フリーランスになっています。
山下絹代さん プロフィール・略歴
本名:山下絹代(やました きぬよ)
通称:Yamako
生年月日:12月31日
作曲家デビュー:1986年9月(悪魔城ドラキュラ)
代表作品:悪魔素ドラキュラ、メダロットシリーズ、ロックマンX3
1986年9月にファミコン・ディスクシステムの『悪魔城ドラキュラ』で作曲家デビューします。
山下さんは大学で電子工学を専攻していましたが、コナミに入社してサウンド部門に配属されてから音楽を勉強しはじめたといいます。
コナミには1989年頃まで在籍し、その後フリーランスとなりますが、1990年代はじめころはタイトーと取引があったようで、タイトーのファミコン作品をいくつか担当しています。
1993年頃からはメダロットシリーズをはじめとした、イマジニア/ナツメ関連作品を中心に手掛けています。
近年はアメリカに移住していて、2010年頃からは表だった活動をしていないですが、作曲活動は続けられているようです。
コナミ矩形波倶楽部 紹介記事

山下絹代さんの音楽
山下さんは、コナミに入るまでは理系の専攻で、音楽畑の人ではなかったのが、コナミに入ってから『悪魔城ドラキュラ』で初めて作曲に挑戦したらしいですね。
初代ドラキュラのメインテーマといえる『Vampire Killer』に関しては、共作者の寺島里恵さんの作ということですが(自分も最近知りました)、もうひとつの名曲として有名な『Wicked Child』などは山下さんの作ということで、初作曲であのクオリティーは尋常ではないですよね。
音楽の傾向的には、メダロットシリーズに代表されるような、ピコピコ系&JMM(ジャパニーズ・メランコリック・メロディー)の、レトロゲーム音楽風味なフレーズが特徴あるな~、と思います。
作曲を始めたのがファミコンやMSXの作品だったから、それに特化して作るうちに、ピコピコ系が得意になったのかも知れませんね。
この傾向は2000年代に入ってからも続いていて、レトロゲーム音楽を象徴するような作風と思います。
あいみょん『マリーゴールド』の件
これは余談なんですが、あいみょんの2019年のヒット曲『マリーゴールド』が山下絹代さん作曲のメダロット2(1999年)『Easygoing』に酷似しているということがインターネット上で話題になっていました。
これについて、自分の感じたことを書いてみます。
自分はメダロット2『Easygoing』は前々から凄く好きな曲だし、マリーゴールドも一時、嫌と言うほどメディアから流れてきて聴いてはいたんですが、そこまで似ていると思ってなかったんですよね。
で、改めて聴き比べてみましたが、マリーゴールドもEasygoingも、いわゆる『カノン進行』で出来ているし、リズムの感じも似ていますが、ネットで言われてるほど似てると思いませんでした。
カノン進行はJ-POPの王道進行の一つなので、この進行で作られたヒット曲は大量にあります。
カノン進行はCメジャーキーでやると
C G Am Em
F C F G
こんなやつですね。
あとは、これもネットで指摘されていることですが、1995年の小沢健二さん『さよならなんて云えないよ』もカノン進行で上記2曲とかなり似ています。
あいみょんがメダロット2をプレイしていた、という可能性は低そうだし、どちらかというと、あいみょんはオザケンに影響を受けたと考えるのが自然じゃないでしょうか?
ちなみにEasygoingは、話題になってるAメロ部分より、Bメロに入ってからが聴きどころだと思ってます。
山下絹代さん作曲作品
1986年
悪魔城ドラキュラ(FCD/MSX、コナミ、寺島里恵と共作)
もえろツインビー(FC、コナミ、一部)
キングコング2(FC、コナミ、一部)
1987年
魔城伝説2(MSX/FC、コナミ、一部)
ウシャス(MSX、コナミ、一部)
魔城伝説3(MSX、コナミ、一部)
火の鳥 鳳凰編(FC、コナミ、一部)
エスパードリーム(FC、コナミ、一部)
アルマナの奇跡(FC、コナミ、一部)
1988年
パロディウス(MSX、コナミ、一部)
王家の谷 エルギーザの封印(MSX、コナミ、一部)
1989年
ゴーファーの野望エピソード2(MSX、コナミ、一部)
ドンドコドン2(FC、タイトー)
1990年
パワーブレイザー(FC、タイトー)
1991年
はなたーかだか!?(PCE、タイトー)
1992年
キャプテンセイバー(FC、タイトー)
1993年
ゴーストスイーパー美神(SFC、バンダイ/ナツメ、岩月博之と共作)
全日本プロレス(SFC、NCS/ナツメ、水谷郁・岩月博之と共作)
1994年
マイティ・モーフィン・パワーレンジャース(SFC、バンダイ/ナツメ、水谷郁・岩月博之と共作)
下野正希のFishing To Bassing(SFC、ナツメ、水谷郁・倉橋真也と共作)
奇々怪界〜月夜草子(SFC、タイトー/ナツメ、岩月博之・大橋春男・A.Yamaoと共作)
1995年
全日本プロレス2(SFC、NCS/ナツメ、水谷郁・岩月博之・大橋春男と共作)
キャスパー(SFC、KSS/ナツメ、水谷郁と共作)
大物ブラックバスフィッシング〜人造湖編(SFC、アクレイムジャパン/ナツメ、水谷郁と共作)
平安風雲伝(SFC、KSS/ナツメ、水谷郁・倉橋真也と共作)
ロックマンX3(SFC、カプコン)
1996年
金田一少年の事件簿(PS、講談社/TYO)
1997年
メダロット(GB、イマニジア/ナツメ)
1998年
メダロット パーツコレクション(GB、イマニジア/ナツメ)
デジタルフィギュア・イイナ(PS、イマジニア)
スノースピーダー(N64、イマジニア)
1999年
CROC2(PS、Argonautソフトウェア/ナツメ、一部)
バス・マスターズ・クラシックス(GB、Malibu Games)
メダロットR(PS、イマニジア/ナツメ)
メダロット2(GB、イマニジア/ナツメ)
メダロット2 パーツコレクション(GB、イマニジア/ナツメ)
メダロット パーフェクトエディション(WS、イマジニア/トーセ)
2000年
携帯電獣テレファング(GB、スマイルソフト)
シルバニアメロディー 森のなかまと踊りましょ!(GB、エポック社)
メダロットR パーツコレクション(PS、イマニジア/ナツメ)
メダロット3(GB、イマニジア/ナツメ)
メダロット3 パーツコレクション(GB、イマニジア/ナツメ)
2001年
モンスターズインク(GBA、ナツメ)
メダロット4(GB、イマニジア/ナツメ)
メダロットnavi(GBA、イマニジア/ナツメ)
メダロット5 すすたけ村の転校生(GB、イマニジア/ナツメ)
2002年
メダロットG(GBA、イマニジア/ナツメ)
携帯電獣テレファング2(GBA、スマイルソフト)
2003年
メダロット弐CORE(GBA、イマニジア/ナツメ)
メダロットBRAVE(GC、ナツメ)
2004年
シナモンゆめの大冒険(GBA、イマジニア)
真型メダロット(GBA、ロケットカンパニー/ナツメ)
2007年
家庭の医学 DSで鍛える食材健康トレーニング (DS、ロケットカンパニー、一部)
ハローキティのご当地コレクション恋のどきどきトラベル (DS、ロケットカンパニー、一部)
DSではじめる こくご さんすう えいご(DS、ロケットカンパニー、一部)
きかんしゃトーマス DSではじめる知育学習(DS、ロケットカンパニー、一部)
2008年
機装猟兵ガンハウンド(PC、ドラキュー)
DSもって旅にでよ 京都(DS、JTB西日本、一部)
横軸で学ぶ世界の歴史ヨコ・ガクDS (DS、タカラトミー、一部)
しゅごキャラ!3つのたまごと恋するジョーカー!(DS、コナミ、一部)
2010年
Walk It Out!(Wii、ハドソン、一部)
※略号
FC=ファミコン
FCD=ファミコン・ディスクシステム
GB=ゲームボーイ
PCE=PCエンジン
SFC=スーパーファミコン
PS=プレイステーション
N64=ニンテンドー64
WS=ワンダースワン
GBA=ゲームアドバンス
GC=ゲームキューブ
DS=ニンテンドーDS
PC=パソコン
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