バンパイアキラー「Iron Blue Intention」【ギター演奏・コード進行98】

バンパイアキラー Iron Blue Intention 動画
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1994年:メガドライブ(SEGA GENESIS)
メーカー:コナミ(KONAMI)
タイトル名:バンパイアキラー(Castlevania:Bloodlines)
曲名:アイアンブルー・インテンション(Iron Blue Intention)
作曲:山根ミチル(Michiru Yamane)
演奏難易度:★★★★☆(難しい)

2022年最初の演奏は、メガドライブ版の悪魔城ドラキュラ作品である『バンパイアキラー』よりドイツ面(ステージ4)のBGM「Iron Blue Intention」です。

年末年始休みにアレンジを作ったのですが、難易度が高かったのと、取り組む時間がなかなかとれなかった事もあり、発表するまでに1か月以上かかってしまいました。

採譜時からこの曲が難しいのは分かっていましたが、実際に取り組んでみると、暗譜さえ出来てしまえば他の5つ星曲(今までで4曲)ほど無茶な難しさでは無いと感じたので4つ星評価に。まぁ、5つ星寄りの4つ星ですね。

この曲、自分はDS版の『悪魔城ドラキュラ ギャラリー・オブ・ラビリンス』(2006年)で初めて聴いて、一発で作曲者の山根ミチルさんのファンになった、というくらい好きな曲なのですが、今回は自分が馴染みのあるギャラリーオブラビリンス版をベースにアレンジしています。

バンパイアキラーからは2度目の選曲

バンパイアキラーは1994年に発売されたメガドライブ版の悪魔城ドラキュラシリーズ作品ですが、1年ほど前、このタイトルから最終ステージ(ステージ6)BGMの「CALLING FROM HEAVEN」を選曲して演奏しました。

バンパイアキラーの作品概要や音楽については、「CALLING FROM HEAVEN」の演奏記事に詳しく書きましたのでご一読いただければと思います。

今回演奏するのは、この作品中でも1番好きな曲で、前々から演奏したかったドイツ面(ステージ4)BGMの「Iron Blue Intention」です。

なお、この作品の音楽を担当した山根ミチルさんについては、こちらの記事をご覧下さい。

第一次世界大戦中のドイツという世界観

バンパイアキラーの世界設定は第一次世界大戦中のヨーロッパなのですが、この「Iron Blue Intention」が流れるのはステージ4の「ドイツ兵器工場」です。

悪魔城ドラキュラシリーズでは、時計搭などの機械仕掛けがあるステージが登場する事が多いのですが、この作品ではドイツ面がそれに該当するわけですね。

第一次世界大戦は、ドイツ帝国が崩壊してナチスの台頭に繋がった戦争であり、当時のドイツは国中が鉄火場のような雰囲気だったと思います。

当時、兵器を生産していたのは主にルール地方の工業都市群であり、ドイツ面の舞台も恐らくそういう工業都市の一つなのでしょう。

Iron Blue Intentionについて

曲名の「Iron Blue Intention」は「鋼鉄の意志」というような意味と思いますが、当時のドイツの、覇道に突き進む勢いと同時に、崩壊の予兆を感じさせるような、勇ましさと切なさが同居したような曲想ですよね。

この曲は、歴代の悪魔城ドラキュラシリーズの中で幾つかのアレンジバージョンが登場していますが、自分が初めて聴いたのは、ギャラリー・オブ・ラビリンス(DS、2006年、以下GOLと略します)のバージョンでした。

ちなみに、GOLのゲーム中では「魔の13番街」で使われています。

GOLバージョン「Iron Blue Intention」は、山根ミチルさん自身によるセルフアレンジですが、同作品のスタッフロール曲「運命の肖像画」と同じモチーフを使った追加パートが加えられていて、これがまたハマっているんですよね。

ちなみに過去に「運命の肖像画」も演奏していますので、是非そちらも聴いてみて下さい。

「Iron blue intention」は、その他にも『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』(Wii、2008年)でエリック・リカード(本作バンパイアキラーの主人公)のテーマに使われたりしていますが、自分はGOLバージョンが一番馴染みがあるしアレンジも素晴らしいので、今回のギターアレンジもGOLバージョンをベースにしました。

コードチェンジが激しい曲【ソロギター演奏】

原曲はDマイナーキーですが、ギターだと音域の関係で原曲が持つ重厚感が出しにくいので、最低音である6弦解放(E音)がフル活用出来るEマイナーキーに移調して演奏しました。

今回のアレンジは、とくに派手な速弾きや特殊な技巧をやっているわけではないのですが、メロディーの跳躍とコードチェンジが激しく、息をつけるポイントが殆んどありません。

山根さんの作曲の特徴の一つとして、ディミニッシュコードやセカンダリードミナントを使ったコードの細分化がありますが、この曲はその最もたるものです。

テクニック的なポイントとしては、全体に強引なポジション移動が多いため、ポジション移動前後の音が出にくいのと、追加パート後半(ブリッジ2)で出てくるpi奏法が難関だと思います。

このpi奏法の部分は原曲は高音のバイオリンフレーズなのですが、フラメンコで良く使うpi奏法で雰囲気を再現してみました。ここは右手も左手もきついです。

Iron Blue Intention コード進行

※オリジナルのDマイナーキーをAマイナーキーに転調。メガドライブ版の原曲はイントロ→Aメロ→Bメロの後、Aメロ→Bメロをループ

イントロ
Em D CM7 D
Em D C D

Aメロ
Em C6 D♯dim/B7(♭9) Esus4/Em
C Bm7 Am7 B7
Em C6 D♯dim/B7(♭9) Esus4/Em
C Bm7 Am7 A♯dim
B7sus4 B7

Bメロ
Em7/Esus4 Am6/F♯m7♭5 Em7/Esus4 D7(onC)/B7(♭13)/E7(onD)
Am(onC)/E7(onG♯)/Am/A(onC♯) D/B7(onD♯)/Em/B7(onD♯) Em/A♯dim B7sus4/B7

A’メロ(GOLバージョンのみ)
Em C6 D♯dim/B7(♭9) Esus4/Em
C Bm7 Am7 B7
Em C6 D♯dim/B7(♭9) Esus4/Em
C Bm7 Am7 A♯dim/B7

ブリッジ1(GOLバージョンのみ)
Em A(onE) Em A(onE)

Cメロ(GOLバージョンのみ)
Fm G7♭5/C7 Fm(onA♭)/F7(onA) B♭m/E♭
A♭/D♭ Gm7♭5/C7 Bdim/C7sus4/C7
Fm G7♭5/C7 Fm(onA♭)/F7(onA) B♭m/E♭
A♭/D♭ Gm7♭5/C7 Bdim/C7

ブリッジ2(GOLバージョンのみ)
Fm7 B♭7 Fm7 B♭7
F♯m7 B7 F♯m7 B7
Gm Gm/D7(onA) Gm Gm/D7(♭9)

Dメロ(GOLバージョンのみ)
Em Am6(onE) B7(onE) Em
Em Am6(onE) B7(onE) Em

A’メロ繰り返し

エンディング(アレンジ)
Em Aadd9 Em Aadd9

コード進行分析

イントロ
■Eマイナー
Ⅰm ♭Ⅶ ♭Ⅵ ♭Ⅶ
Ⅰm ♭Ⅶ ♭Ⅵ ♭Ⅶ

Aメロ
Ⅰm ♭Ⅵ6 Ⅶdim(=Ⅴ7♭9)/Ⅴ7 Ⅰm
♭Ⅵ Ⅴm7 Ⅳm7 Ⅴ7
Ⅰm ♭Ⅵ6 Ⅶdim(=Ⅴ7♭9)/Ⅴ7 Ⅰm
♭Ⅵ Ⅴm7 Ⅳm7 ♯Ⅳdim(パッシングdim)
Ⅴ7sus4 Ⅴ7

Bメロ
Ⅰm Ⅳm/Ⅴ7 Ⅰm ♭Ⅶ7/Ⅴ7/Ⅰ7
♭Ⅵ/Ⅲm7(クロマチックAP)/Ⅳm7/♭Ⅲdim(=♯Ⅳdimパッシングdim)♭Ⅶ/Ⅴ7/♭Ⅲ6/Ⅴ7 Ⅰm/♯Ⅳdim(パッシングdim)Ⅴ7

A’メロ(GOLバージョンのみ)
Ⅰm ♭Ⅵ6 Ⅶdim(=Ⅴ7♭9)/Ⅴ7 Ⅰm
♭Ⅵ Ⅴm7 Ⅳm7 Ⅴ7
Ⅰm ♭Ⅵ6 Ⅶdim(=Ⅴ7♭9)/Ⅴ7 Ⅰm
♭Ⅵ Ⅴm7 Ⅳm7 ♯Ⅳdim(パッシングdim)/Ⅴ7

ブリッジ1(GOLバージョンのみ)
Ⅰm Ⅳ7 Ⅰm Ⅳ7

Cメロ(GOLバージョンのみ)
■Fマイナー(半音転調)
Ⅰm Ⅱ7/Ⅴ7 Ⅰm/Ⅰ7 Ⅳm/♭Ⅶ
♭Ⅲ/♭Ⅵ Ⅱ7/Ⅴ7 ♯Ⅳdim(=♭Ⅵ7)/Ⅴ7
Ⅰm Ⅱ7/Ⅴ7 Ⅰm/Ⅰ7 Ⅳm/♭Ⅶ
♭Ⅲ/♭Ⅵ Ⅱ7/Ⅴ7 ♯Ⅳdim/Ⅴ7

ブリッジ2(GOLバージョンのみ)
Ⅰm Ⅳ7 Ⅰm Ⅳ7
■F♯マイナー(半音転調)
Ⅰm Ⅳ7 Ⅰm Ⅳ7
■Gマイナー(半音転調)
Ⅰm Ⅰm/Ⅴ7 Ⅰm Ⅰm/Ⅴ7

Dメロ(GOLバージョンのみ)
■Eマイナー(短3度転調)
Ⅰm Ⅳm Ⅶdim(=Ⅴ7♭9)Ⅰm
Ⅰm Ⅳm Ⅶdim(=Ⅴ7♭9)Ⅰm

A’メロ繰り返し

エンディング(アレンジ)
Ⅰm Ⅳ Ⅰm Ⅳ

追加パートの転調が天才的【コード進行のポイント】

この曲のコード進行は、部分部分で見ると「マイナー3コード」や「マイナー下降進行」などのゲーム音楽王道進行がベースになっていますが、前述の通り、ディミニッシュコードやセカンダリードミナントによる細分化が激しいです。

「マイナー3コード」「マイナー下降進行」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

Bメロ後半部分は1拍毎にコードチェンジしていますが、ここはクラシック音楽的な手法ですよね。演奏時は集中しないと脳ミソが追い付きません(笑)

そしてGOLバージョンで加わった追加パート(ブリッジ1、Cメロ、ブリッジ2、Dメロ)ですが、Im→Ⅳ7という山根さんの十八番進行の助走(ブリッジ1)の後、「運命の肖像画」と同一モチーフが出てくる所(Cメロ)で、いきなり半音転調(Eマイナーキー→Fマイナーキー)しています。

いやぁ、ここの転調、天才過ぎでしょう!このタイミングでこう来るとは。

そして、Fマイナーキーで「運命の肖像画」のモチーフ(Cメロ)をやった後、ブリッジ2でF♯マイナーキー→Gマイナーキーと半音ずつ上方転調して行き、Dメロの入り口で短3度転調して主調のEマイナーキーに戻しています。

山根ミチルさんは、こういう技巧的な転調が本当に上手ですよね。

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