バンパイアキラー「CALLING FROM HEAVEN」【ギター演奏・コード進行83】

バンパイアキラー CALLING FROM HEAVEN 動画
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1994年:メガドライブ(SEGA GENESIS)
メーカー:コナミ(KONAMI)
タイトル名:バンパイアキラー(Castlevania:Bloodlines)
曲名:コーリング・フロム・ヘヴン(CALLING FROM HEAVEN)
作曲:山根ミチル(Michiru Yamane)
演奏難易度:☆☆★★★(普通)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第83弾は、メガドライブ版の悪魔城ドラキュラ作品『バンパイアキラー』より最終ステージBGM「CALLING FROM HEAVEN」です。

バンパイアキラーは欧米向けの悪魔城ドラキュラ外伝的な作品でしたが、山根ミチルさんの悪魔城シリーズデビュー作であり、音楽が尋常ではない力の入りようで、名曲レベルのものがゴロゴロ入っています。

この作品の音楽は前々から紹介したかったんですが、今回そのうちの一曲をとりあげることにしました。

バンパイアキラー作品概要

バンパイアキラー(Castlevania:Bloodlines)は1994年にメガドライブで発売された悪魔城ドラキュラシリーズの作品です。

この作品は、絵柄やゲームの雰囲気が洋ゲーっぽいですが、元々欧米向けに開発されたタイトルであり、1994年というタイミングで敢えてメガドライブというハードで出す、というのも、欧米ではスーファミ(Super Nintendo)よりメガドライブ(Genesis)のシェアが大きかったという事情からです。

洋ゲーっぽいハードな絵柄と暗い世界観は自分は好みなんですが、日本ではあまり売れなかったようです。

実際、出荷本数も極めて少なく、他機種移植もされていないので、悪魔城ファンの間では幻のタイトルとして知られていて、中古カートリッジの価格が高騰したりしましたが、最近になってようやく『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』(2019年)や『メガドライブミニ』(2019年)に収録されて、誰でも気軽にプレイできる環境になりました。

開発当時は正規の悪魔城シリーズではなく、スピンオフ作品的な位置付けだったようですが、世界観やゲームシステムは悪魔城ドラキュラそのものです。

なお、ニンテンドーDS版の『悪魔城ドラキュラ ギャラリー・オブ・ラビリンス』(2006年)は本作品の続編的な位置付けで、世界観を共有しています。

ちなみにギャラリー・オブ・ラビリンスの音楽は山根ミチルさんと古代祐三さんで、本作品から再登場している曲もあり、アレンジの進化を楽しむことができます。

バンパイアキラーの音楽

そんなメガドライブ版バンパイアキラーですが、特筆すべきなのは音楽です。

この作品から山根ミチルさんが悪魔城シリーズのコンポーザーに抜擢されていて、以後、山根さんはコナミを退職する2008年頃まで悪魔城シリーズのメインコンポーザーを務めることになります。

山根さんの音楽性は悪魔城ドラキュラの世界観とバチっとハマっていて、とくに山根さん初担当作品である本作は非常に音楽の密度が高く、鬼気迫るものすら感じます。

REINCARNATED SOUL(ステージ1)

IRON-BLUE INTENTION(ステージ4)

THE PRAYER OF A TRAGIC QUEEN(ステージ5)

そして今回取り上げる、CALLING FROM HEAVEN(ステージ6)

この4曲がとくに素晴らしい出来で、ドラキュラシリーズ全作品の中でも屈指の名曲だと思います。

FM音源の音色が素晴らしい

ちなみにメガドライブの内蔵音源はFM音源でありバンパイアキラー発売の1994年時点では周回遅れなものでしたが、FM音源の金属質な音色と山根さんの不協和音使いが独特の雰囲気を醸し出していて、ゲームの世界観と良くマッチしています。

この曲に関してはAメロのメロディーは、いかにもFM音源シンセという感じのブラス系の音色ですが、ベースがオーバードライブをかけたような音色です。

他の曲でもこのベースの音色が使われていて、独特のダークな雰囲気を演出していますよね。

そして、この曲ではBメロで鳴っているんですが、チェンバロを歪ませたような音色(クラビネットぽい?金属を引っ掻くような音色)が、やはり作品全編で使われています。

他にもストリングス系を歪ませたような音も多用されていたりで、これら歪み系の音色が、この作品の音楽カラーを決定付けているように思います。

「CALLING FROM HEAVEN」について

今回選曲した「CALLING FROM HEAVEN」はステージ6=最終ステージのBGMです。

上記の4曲はどれも甲乙つけがたいんですが、採譜してみると4曲全部が高難易度で、ギターアレンジは至難と思えるものばかりでした。

その中で、今回は比較的音数が少なくてとっつきやすそうな「CALLING FROM HEAVEN」にしました。

とはいえ、ギターアレンジはかなりの難易度でした。以下、ギターアレンジについて書きます。

オンコードの嵐【ソロギター演奏】

詳しくは「コード進行のポイント」で書きますが、この曲はコードボイシングが凝りまくってます。

ベースが半音進行したりしてひたすらオンコードが続くので、コードフォームがイレギュラーになってきます。

でも、これを普通にルートをベースにしたコードでやってしまうと全然雰囲気が出ないんですよね。なので、ベースの動きはなるべく再現するようにしました。

ただし、メロディー音域も広いので、無理なところもあり、そういうところは4度や5度ずらして半音進行にしたりしてます。

演奏キーについては、色々試してはみたんですが、コードフォームがイレギュラーになるせいで、どのキーで演奏してもそれほど難易度が変わらない感じでしたので、アレンジ確認のしやすさを優先して原曲のC♯マイナーキーで演奏しました。

CALLING FROM HEAVEN コード進行

イントロ
C♯m7 B6sus4 F♯(onA♯) F♯m6(onA)
C♯m7 B6sus4 F♯(onA♯) F♯m6(onA)

Aメロ
C♯m(onG♯) D♯7(onG) G♯7(onC) G♯7(onC)
B6 B6 F♯9 F♯7
F♯m(onA) F♯m(onA) C♯m(onG♯) C♯m(onG♯)
Gdim D♯7(onG) G♯7sus4 G♯7

C♯m D♯7(onC♯) G♯7(onC) G♯7(onC)
B6 B69 F♯9(onA♯) F♯9(onA♯)
F♯m(onA) F♯m(onA) C♯m(onG♯) C♯m(onG♯)
Gdim D♯7(onG) G♯7sus4 G♯7

Bメロ
C♯m D♯m7♭5(onC♯) G♯7(onC♯) C♯m
C♯m D♯m7♭5(onC♯) G♯7(onC♯) C♯7
F♯m7 E6 G♯7(onC) C♯7(onB)
A7 D♯7(♭9) G♯7 G♯7

エンディング(アレンジ)
C♯m(onG♯) D♯7(onG) G♯7(onC) G♯7(onC)
B6 B6 F♯7 F♯7
A A G♯7 G♯7

コード進行分析

イントロ
■C♯マイナー
Ⅰm ♭Ⅶ Ⅳ Ⅳm6
Ⅰm ♭Ⅶ Ⅳ Ⅳm6

Aメロ
Ⅰm Ⅱ7 Ⅴ7 Ⅴ7
♭Ⅶ6 ♭Ⅶ6 Ⅳ7 Ⅳ7
Ⅳm Ⅳm Ⅰm Ⅰm
♯Ⅳdim(=♭Ⅲdim、パッシング)Ⅱ7 Ⅴ7sus4 Ⅴ7

Ⅰm Ⅱ7 Ⅴ7 Ⅴ7
♭Ⅶ6 ♭Ⅶ6 Ⅳ7 Ⅳ7
Ⅳm Ⅳm Ⅰm Ⅰm
♯Ⅳdim Ⅱ7 Ⅴ7sus4 Ⅴ7

Bメロ
Ⅰm Ⅱm7♭5 Ⅴ7 Ⅰm
Ⅰm Ⅱm7♭5 Ⅴ7 Ⅰ7
Ⅳm ♭Ⅲ Ⅴ7 Ⅰ7
♭Ⅵ7 Ⅱ7(♭9) Ⅴ7 Ⅴ7

エンディング(アレンジ)
Ⅰm Ⅱ7 Ⅴ7 Ⅴ7
♭Ⅶ6 ♭Ⅶ6 Ⅳ7 Ⅳ7
■G♯スパニッシュ
♭Ⅱ ♭Ⅱ Ⅰ Ⅴ7

コード進行は複数の解釈が成立【コード進行のポイント】

複雑な転調は無いのでコード進行の大枠はシンプルですが、ベースラインやボイシングで聴かせる好例です。

コードボイシングが転回形やオンコードを多用しているので、一つのコードに対して、複数のコードネームの可能性が考えられます。

例えば、F♯m(onA)はベースのA音をルートにすればA6という解釈もできます。

多くの場合は代理コードになるのでコードネームはどちらでも良いし、実際の演奏上は弾いている本人が覚えやすいコードで解釈すればokです。

今回のコード進行表記も自分がギター演奏する上でおぼえやすいコードネームで書いていますが、他の解釈も成立すると思います。

コード進行上のポイントは、Ⅳ7などのメロディックマイナー系のコードと、ディミニッシュコードを上手く使っている点です。

ディミニッシュコードは短3度ずらしが可能なので、ギターアレンジ上かなり助かるんですよね。

Bメロの前半はベースのC♯音がペダルになっています。

Bメロ3つ目のコードのG♯7(onC♯)の所はAdim(=Cdim=D♯dim=F♯dim)が鳴っていますが、G♯7(♭9)と構成音が同じなので、どれで表記しても良いと思います。

ここはC♯のベースペダルとぶつかってますが、こういう場面でのⅤ7(onⅠ)→Ⅰ・Ⅰmっていうのは結構普通に出てくるんですよね。

最後のエンディングは、フラメンコ調にしてG♯スパニッシュの自由リズム(リブレ)で締めくくっていますが、G♯スパニッシュ調はフラメンコギターのソロ曲などで好んで使われます。

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