演奏曲紹介記事を演奏・コード進行記事へ統合しました。サイト改装・全面リライト進行中です。このブログはリンクフリーです(2019年8月3日更新)
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バテンカイトス2 The valedictory elegy【ギター演奏・コード分析09】

難易度☆☆★★★(普通)

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バテン2 闘技場のテーマ【曲解説】

2005年 ゲームキューブ
作曲:桜庭統

バテンカイトスⅡ
(c)Nintendo

意表をついて少し新しめの曲いってみました。といっても13年前か……

バテンカイトス2は未プレイなので、ゲームについてはほとんど何も語れませんが、この曲は闘技場でかかるバトル曲ですね。

自分は2016年~2017年にかけて、古いものから新しいものまで様々なゲーム音楽を聴いて、気になった曲は未プレイでも採譜したんですが、これもその中の1曲です。

泣きのバイオリンと軽快なロックアレンジがうまくマッチしていい味を出していると思います。

メロディーが非常に美しいし、テクニック的にもソロギターで弾きごたえがあるかな、と思って取り上げました。

作曲者の桜庭統さんは累積仕事量で言ったら、おそらくゲーム音楽界でトップだと思いますが、この曲は一体何曲あるのかもわからないほど沢山ある桜庭さんの曲なかでも傑出した一曲だと思います。

曲の作りも桜庭さんらしさが出ているし、桜庭さんの曲の中で好きな曲トップ3に入ります。

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桜庭統さん【作曲者】

植松伸夫さん、菊田裕樹さんもそうなんですが、桜庭さんはプログレマニアとして有名です。
大学在学中は『Deja-VU』というプログレバンドをやっていたようです。

自分の知る限り、ゲーム音楽家はクラシックかプログレをバックボーンに持つ人が多いと思います。

例えばスクエアの安藤まさひろさんのように、フュージョン畑の人がゲーム音楽を作ったらすごく評価されたみたいな例はありますが、基本、ゲーム音楽専業の作曲家はクラシック・プログレ出身者が多いですね。

桜庭さんがゲーム音楽を作りはじめたのは1989年にウルフチームに入社してからです。

デビュー作は『斬2~陽炎の時代

ウルフチーム時代の桜庭さんのアシスタントには、あの光田康典さんがいたのは有名な話です。

桜庭さんはプログレバンドでプロを目指していただけあって、鍵盤奏者としても高い技術を持っています。

光田さんいわく、桜庭さんの制作はリズムトラックに合わせて鍵盤をだーーっと弾いて、後は適当にやっといて、みたいな制作スタイルだったらしく、コードの構成音やメロディーの一音までこだわりぬいて作る光田さんとは対極なのが面白いです。

バテンカイトス・シリーズのほか、彼が手掛けた中で特に評価が高いものは

  • テイルズ』シリーズ
  • スターオーシャン』シリーズ
  • ヴァルキリープロファイル』シリーズ
  • 黄金の太陽』シリーズ

あたりでしょうか。これだけでも40タイトル以上ありますね……

彼の凄いところは、1989年のデビューから現在までずーーっと一貫して大量の仕事をこなしていることです。

普通の作曲家は一時は大量の仕事をしても数年で仕事量が減ったりするものですが、桜庭さんに限っては『ゲーム音楽界の鉄人』といえる仕事ぶりです。

やはり、曲のほとんどの部分を鍵盤の手癖フレーズで作るような、彼の制作スタイルがそれを可能にしている気がします。

一曲一曲、頭を悩ませて神経をすり減らして作っていたら、あの仕事量だと精神病になりそうですw

まあ、それであれだけのことが出来てしまうのだから、ほんとに凄いと思います。

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多彩な展開で暗譜に一苦労【ソロギター演奏】

今まで演奏した中では一番新しめの曲ですが、プレステ以降、ハードの容量の余裕がでてきて、ゲーム音楽もだんだん1ループが長くなる傾向があります。
演奏も過去最長で、憶えるのが大変でした。

曲中、セクションごとに転調が入って、演奏し甲斐のあるものになっています。

演奏のポイント

テクニック的にもポジション移動が大きかったり、細かいフレーズが入ったりと、結構難しいです。

Aメロの二段目、B7からのフレーズはクラシカルで綺麗ですが、指弾きで弾くのはなかなか難しいです。

Bメロの分数コードはG音がペダルになっていてます。
Cメロはコードが細かく動きますが、こういうのはスパルタ式に何回も繰り返し練習で指に覚えさせるのがはやいです。
一度動きをおぼえればそんなに難しくはないです。

その後はB音ペダルのトライアドコード上昇~一気にポジションを飛ばしてEメジャーへの同主調転調。
このへんは勢いが大事ですね。

間奏部分はフラメンコ的な処理をしました。

いろいろ盛沢山で、こういう曲は演奏していて楽しいです。

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Batenkaitos2 “別れの挽歌” コード進行

イントロ
Em B7(onD♯) D7 Cdim/D♯dim(B7の代理)

Aメロ
Em CM7 Am7 D7
B7 Em E7 Am/B
C D7(onF♯) E7sus4 B7
C D7(onF♯) Asus4/A CM7
F(♯11) FM7

Em CM7 Am7 D7
B7 Em E7 Am/B
C D7 E7sus4 B7
C D7 Esus4 E

Bメロ
Gm Gm E♭(onG) E♭(onG)
F(onG) F(onG) Gm F(onG)
Gm Gm E♭(onG) E♭(onG)
F(onG) F(onG) Gm F(onG)

ブリッジ
E♭ C F D(onF♯)(F♯dimで代理)
Gm D♭dim Dsus4/D Esus4/E

Cメロ
Am/G Dm/E  Am/G C/D7
Em/D G/A B C(onB)
D(onB) E(onB) F(onB) G(onB)

Dメロ
F♯m7 E F♯m7 Esus4/E
F♯m7 E F♯m7 C♯7
D D

間奏
Am7 Am7 D7 D7
Dm7 Dm7 Em7 Em7
Am Am D7 D7
Dm7 Dm7 Em7 D7(onF♯)

Eメロ
F F F F
Dm Dm Dm Dm
Em B7 G E7(onG♯)
Am B7sus4/B7 Asus4/A Gsus4/G

※Aメロに戻る

コードアナライズ

イントロ
■key=Eマイナー
Ⅰm Ⅴ7 ♭Ⅶ7 Ⅴ7

Aメロ
Ⅰm ♭ⅥM7 Ⅳm7 ♭Ⅶ7
Ⅴ7 Ⅰm Ⅰ7 Ⅳm/Ⅴ
♭Ⅵ ♭Ⅶ7 Ⅰm Ⅴ7
♭Ⅵ ♭Ⅶ Ⅳ7 ♭ⅥM7
♭ⅡM7 ♭ⅡM7

Ⅰm ♭ⅥM7 Ⅰm7 ♭Ⅶ7
Ⅴ7 Ⅰm Ⅰ7 Ⅳm/Ⅴ
♭Ⅵ ♭Ⅶ7 Ⅰm Ⅴ7
♭Ⅵ ♭Ⅶ Ⅰsus4 Ⅰ(メジャー終止)

Bメロ
■key=Gマイナー(短3度上)
Ⅰm Ⅰm ♭Ⅵ ♭Ⅵ
♭Ⅶ ♭Ⅶ Ⅰm ♭Ⅶ
Ⅰm Ⅰm ♭Ⅵ ♭Ⅵ
♭Ⅶ ♭Ⅶ Ⅰm ♭Ⅶ

ブリッジ
♭Ⅵ Ⅳ ♭Ⅶ Ⅴ7
Ⅰm ♭Ⅴdim(=Ⅱ7♭9) Ⅴ7(AマイナーのⅥ7と共用) ■key=Aマイナー(1音上) Ⅴ7

Cメロ
Ⅰm/♭Ⅶ Ⅳm/Ⅴ Ⅰm/♭Ⅶ♭Ⅲ/Ⅳ7(Eマイナーの♭Ⅶ7と共用)
■key=Eマイナー(属調)
Ⅰm/♭Ⅶ ♭Ⅲ/Ⅳ7 Ⅴ7 ♭Ⅵ
♭Ⅶ Ⅰ ♭Ⅱ ♭Ⅲ

Dメロ
■key=Eメジャー(同主調)
Ⅱm7 Ⅰ Ⅱm7 Ⅰ
Ⅱm7 Ⅰ Ⅱm7 Ⅳ7
♭Ⅶ ♭Ⅶ(AマイナーのⅣと共用)

間奏
■key=Aマイナー(同主調の下属調)
Ⅰm7 Ⅰm7 Ⅳ7 Ⅳ7
Ⅳm7 Ⅳm7 Ⅴm7 Ⅴm7
Ⅰm7 Ⅰm7 Ⅳ7 Ⅳ7
Ⅳm7 Ⅳm7 Ⅴm7 Ⅴm7/Ⅳ7

Eメロ
♭Ⅵ ♭Ⅵ ♭Ⅵ ♭Ⅵ
Ⅳm Ⅳm Ⅳm Ⅳm
Ⅴm Ⅱ7 ♭Ⅶ Ⅴ7(EマイナーのⅠ7と共用)
■key=Eマイナー(属調)(Aマイナーのままでも解釈可能)
Ⅳm Ⅴ7 Ⅳ7 Ⅲ7

Aメロ(Eマイナー)に戻る

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激しく転調【コード進行のポイント】

イントロ~Aメロはシンプルに始まりますが、Bメロ以降、これでもかと転調していきます。

A(Eマイナー)→B(Gマイナー)→C(Aマイナー、Eマイナー)→D(Eメジャー)→間奏,E(Aマイナー)という具合です。

転調内容も、短三度転調、1音転調、属調・下属調転調、同主調転調などバリエーションに富んでいて、しかも効果的なので、作曲技巧の高さを感じます。

なお、当ブログでは転調の際によく(~の~と共用)というコードの表記を使ってますが、これはピボットコードといって、転調前・転調後、両方のキーに属するコードです。
ピボットコードは転調をスムーズにする接着剤のような役割を果たしていて、曲の構造上重要なポイントになります。

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