ゼノギアス「飛翔」【ギター演奏・コード進行76】

ゼノギアス 飛翔 動画
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1998年:プレイステーション(PlayStation)
メーカー:スクウェア(SQUARE)
タイトル名:ゼノギアス(Xenogears)
曲名:飛翔(Flight)
作曲:光田康典(Yasunori Mitsuda)
演奏難易度:☆☆☆★★(易しい)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第76弾は、光田康典さんが音楽を手掛けた1998年の作品『ゼノギアス』の音楽の中でも、人気が高い「飛翔」を演奏いたします。

ゼノギアス 作品概要

ゼノギアスは1998年2月にスクウェアより発売されたRPGですが、ファイナルファンタジーや聖剣伝説など、それまでのスクウェアRPG作品の主流であったファンタジー作品とはカラーが異なり『エヴァンゲリオン』に代表されるような1990年代のロボットアニメ的な世界観です。

作中で多用されたクオリティーの高いアニメーションも話題になりましたが、ダークで難解なストーリーがマニア層中心に熱狂的なファンを生んだ作品でした。

ゼノギアスには当初から壮大な世界設定が存在していて、初代ゼノギアスは6つあるエピソードのうち5番目のものである、という事がエンディングで示唆されています。

そんな事から続編が待望されていましたが、結局スクウェアから直系の続編が出ることはありませんでした。

初回作の売上がスクウェアの設定した基準に達しなかった、という商業的な理由だったようですが。

ゼノギアス関連作品は「ゼノシリーズ」としてゼノサーガ、ゼノブレイドといった作品群が出ていますが、ゼノサーガシリーズが実質的なゼノギアスの続編(設定としてはゼノギアスの過去の話)になります。

一方、ゼノブレイドシリーズはストーリー上の直接の繋がりは無いものの、ゼノギアス&ゼノサーガと同一の世界の話であることを暗示する演出があり、その世界観を一部共有しています。

ゼノシリーズの開発陣は、もともとはスクウェアでゼノギアスの続編を作るつもりだったのが、スクウェアがゼノシリーズの打ち切りの方針を出した事が原因になってスクウェアを離れています。

スクウェアを離れたゼノギアス開発陣は、ナムコの出資でモノリスソフトを立ち上げ、そこでゼノサーガシリーズを作り、後にモノリスソフトが任天堂傘下に入ってからはゼノブレイドシリーズを作っています。

ゼノギアスは、そんな紆余曲折を経た20年越しの壮大なシナリオをもつゲームシリーズの第1作なんですが、まだ当初の構想の半分も形になっていないと思われます。

いつか完成形を見たいものですが、永遠に未完のままっていうのも、ある意味、このシリーズらしいですよね。

「飛翔」について

ゼノギアスの音楽は、発売当時一番勢いがあった作曲家、光田康典さんが担当しています。

今回演奏する「飛翔」はゼノギアスの音楽の中でも非常に人気が高い曲です。

作品中、何回か流れるタイミングがありますが、やはりアハツェン対ゼプツェンの戦いで流れる時の印象が強烈で、一般的にもゼプツェン操縦者のマリアのテーマ曲という認識なんではないでしょうか。

このシーンの背景には、マリアと家族の悲しい物語があり、ゲーム中一つのクライマックスとなっています。

光田さんの書く曲は、アイルランド民謡をはじめとした民族音楽色を帯びることが多いですが、この曲はストリングス中心のアレンジのせいか民族音楽のカラーは薄く感じます。

でも、ギターで弾いてみるとシンプルで素朴なメロディーで、アレンジによっては民謡的なカラーになる曲だな、と思いました。

メロディーのパワーが強い曲ですよね。

移調しまくりました【ソロギター演奏】

原曲はストリングス中心の分厚いアレンジとなっていますが、ギターアレンジでは上で書いた通り、メロディーの持つ素朴な味わいを強調したくて、音数は少な目のアレンジにしました。

原曲はA♭メジャーキー(主題部分)という、ギターで弾きづらいキーなので、最初は半音下のGメジャーキーに移調して1カポでオリジナルキーに戻して練習していました。

でも、この曲はメロディーの音域が広いので、Gメジャーキーだとオクターブ変更が増えてしまい、原曲イメージと離れてしまうので、さらにCメジャーキーに移調しました。

さらに実際の演奏では、1フレットセーハのストレッチがキツいので2フレットにカポをつけているために実音はDメジャーキーとなっていて、自分でもわけがわからなくなってきました(笑)

コード進行・解説などはCメジャーキーで表記します。

原曲は以下のような構成です。

イントロ→ABAB→ブリッジ→以下ABABとブリッジをループ

ギター演奏ではAB繰り返しは冗長に感じたので、ABは1回にして、そのかわりにエンディングを作り足しました。以下の構成になります。

イントロ→AB→ブリッジ→エンディング

イントロは少しフラメンコギター的なアレンジをして、コードもリハモしています。

AメロBメロ部分は音数を少なめにして、原曲メロディーを味わうようなアレンジにしました。

エンディング部分は、動画演奏用アレンジをどうしようか、ギターで音を出しながら色々やってみて、なんとなく決まってきましたが、結構こういう遊びで面白いコード進行思い付いたりするんですよね。

飛翔 コード進行

オリジナルのA♭メジャーキーをCメジャーキーに移調していますが、演奏では2フレットにカポタストを付けて実音はDメジャーキーになっています。

イントロ
|Em|Em|CM7(onE)|CM7(onE)|
|A7(onE)|A7(onE)|
|GM7(onB)|GM7(onB)|※1
|Em|Em|CM7(onG)|CM7(onG)|
|Am7|Am7|B7|B7|
|Em|Em|CM7(onG)|CM7(onG)|
|Am7|Am7|FM7(♯11)|G7|

Aメロ
|CM7|CM7|G7(onB)|G7(onB)|
|Am7|Am7|FM7|FM7|
|CM7|CM7|B♭M7|B♭M7|
|Am7|FM7|G7|G7|

Bメロ
|Am7|Em7|F|G7|
|Am7|FM9|G7|G7|
|Am7|Em7|F|G7|
|Am7|FM7|G7|G7|

Aメロ繰り返し(演奏では省略)

Bメロ繰り返し(演奏では省略)

ブリッジ
|Em|Em|FM7|FM7|
|Amadd9|Amadd9|G7|G7|

エンディング(アレンジ)
|CM7|CM7|G7(onB)|G7(onB)|
|B♭M7|B♭M7|Am9|Am9|
|FM9|FM9|G11|G11|
|A♭M7|A♭M7|G|G|

※1 この段理ハーモナイズ(【コード進行のポイント】参照)

コード進行分析

イントロ
■Eマイナー
|Ⅰm|Ⅰm|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅳm7|Ⅳm7|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅰm|Ⅰm|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅳm7|Ⅳm7|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅰm|Ⅰm|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅳm7|Ⅳm7|
■Cメジャー(下属調の平行調)
|ⅣM7※1|Ⅴ7|

Aメロ
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅵm7|Ⅵm7|ⅣM7|ⅣM7|
|ⅠM7|ⅠM7|♭ⅦM7|♭ⅦM7|
|Ⅵm7|ⅣM7|Ⅴ7|Ⅴ7|

Bメロ
|Ⅵm7|Ⅲm7|ⅣM7|Ⅴ7|
|Ⅵm7|ⅣM7|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅵm7|Ⅲm7|ⅣM7|Ⅴ7|
|Ⅵm7|ⅣM7|Ⅴ7|Ⅴ7|

Aメロ繰り返し(演奏では省略)

Bメロ繰り返し(演奏では省略)

ブリッジ
|Ⅲm7|Ⅲm7|ⅣM7|ⅣM7|
|Ⅳm7|Ⅳm7|Ⅴ7|Ⅴ7|

エンディング(アレンジ)
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅴ7|Ⅴ7|
|♭ⅦM7|♭ⅦM7|Ⅵm7|Ⅵm7|
|ⅣM7|ⅣM7|Ⅴ7|Ⅴ7|
|♭ⅥM7|♭ⅥM7|Ⅴ|Ⅴ|※2

※1 Bメジャーキーの♭ⅡM7と共用
※2 最後の段はGメジャーキーに転調して♭Ⅱ→Ⅰという解釈もできる

メインテーマに抜ける転調がミソ【コード進行のポイント】

イントロはEマイナーキーで始まっています。

オリジナルはEm→CM7→Am7→B7という循環コードですが、Em→CM7(onE)→A7(onE)→GM7(onB)というふうにリハーモナイズしてフラメンコギター的な展開にしてみました。

Eマイナーキーの平行調はGメジャーですが、イントロの最後でGメジャーキーの下属調に当たるCメジャーキーに転調して、爽やかなんだけど、マリアの悲痛な覚悟を表現しているようにも感じるメインテーマへと抜けていきます。

ここの転調しつつメインテーマに入る所が前半の聴かせどころと思いますが、転調の入口がFの♯11から入っているのがグッときますね。

メインテーマ=Aメロに入ってからは、♭Ⅶ、♭Ⅵのサブドミナントマイナー系の同主調コードが出てくるくらいで、シンプルなCメジャーキーの進行です。

メインテーマが終わって、ブリッジが入りますが、ここはEマイナーキー(=Gメジャーキー)とAマイナーキー(=Cメジャーキー)どちらでもとれます。

ここはメロディーからするとEマイナーキーに転調していて、最後のG7から主調のCメジャーに戻している感じかと。

作り足したエンディング部分は、コードの高音部分を固定して、低音部分を動かしていく手法です。

最後のA♭M7→Gが面白くないですか?

最後の所は、ナポリコードからのGメジャーキー終わりと解釈してもいいですが、作曲の意図としてはCメジャーキーの♭Ⅵ→Ⅴで止めて含みを持たせて終わってるイメージです。

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