発売年月:1993年8月
機種:スーパーファミコン(Super Nintendo)
メーカー:スクウェア(SQUARE)
タイトル名:聖剣伝説2(Secret of Mana)
曲名:天使の怖れ(Angel’s Fear)
作曲:菊田裕樹(Hiroki Kikuta)
演奏難易度:★★★★★(激ムズ)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第21弾は聖剣伝説のオープニング曲「天使の怖れ」です。
この曲、ずっとやりたかったんですが、やるならフラミンゴが飛んでくる所の6連符のフレーズをどうしても再現したかったので、なかなかその練習時間がとれずに後回しになっていました。
今回は連休中に時間がとれそうだったのでチャレンジしてみることにしました。
聖剣2のオープニング曲【曲解説】
聖剣伝説2は1993年にスクウェアから発売されたアクションRPGです。
前作のゲームボーイ版「聖剣伝説|ファイナルファンタジー外伝」は聖剣伝説「|Rising Sun」の記事で取り上げていますが、前作とは全くの別の世界観・システムのゲームです。
初代聖剣伝説はファイナルファンタジーの世界観がベースになっていますが、聖剣伝説2以降は、シリーズ通して共通の独自世界観があって「マナの力」というものがテーマになっています。
開発経緯についてはWikipediaに詳しく載っていますが、スクウェア社内で本作とFF4とクロノトリガーは同時進行的に開発されたらしいですね。
ちなみに聖剣伝説2は、元々FF4やクロノトリガーに使われる予定だったものの、採用されなかったボツ案を流用して開発されたといいます。
「天使の怖れ」と聖剣伝説2の音楽
今回演奏する「天使の怖れ」はオープニングテーマで聖剣伝説2の象徴的な曲です。
自分、ゲームのほうはあまりちゃんとやってないんですが、オープニングは音楽とともに強く印象に残っています。
密林の中で佇む主人公たちの目の前をフラミンゴの群れが横切るだけなのですが、密林の深緑とフラミンゴのピンクが絵的に強烈な美しさで音楽もピッタリでした。
音楽担当の菊田裕樹さんはコンポーザーとしては、聖剣伝説2がデビュー作です。
だいたいデビュー作の音楽って気合が入っていて良いものが多いですが、本作も音楽は素晴らしい出来です。
聖剣伝説2にはこの曲の他にも「子午線の祀り」「少年は荒野を目指す」「危機」など、ゲーム音楽史に残るレベルの名曲が多数収録されています。
そして、菊田さんはプログレの影響が色濃い作曲家です。
「天使の怖れ」は比較的シンプルにまとまったピアノ曲ですが、途中の例の6連符のフレーズが1拍半で進行して4拍子の伴奏とズレていくところが特徴的で、そういうところはプログレっぽい作りと思います。
「危機」「子午線の祀り」あたりはストレートにプログレ路線炸裂してますね。
また、本作の曲題には有名な著書や戯曲などからとっているものが多く「天使の怖れ」はグレゴリー・ベイトソン(文化人類学・精神医学者)の著書からとっています。
フラミンゴの場面の6連フレーズに拘る【ソロギター演奏】
アレンジは最初バラード調でやっていたんですが、試しにインテンポでやってみたら、そのほうが説得力がある演奏になりそうだったので、シェイカー&途中から重めのトランス系リズムパターンを入れてみました。
途中の32分音符駆け上がりから6連フレーズがずっと続くところが最難関です。
月風魔伝の龍骨鬼戦も技術的な限界付近のプレイでしたが、これもそんな感じでした。
理想は全音しっかりとしたアポヤンド・ピカードのタッチで弾きたかったんですが、ベース音を入れながらだと4弦のベース音を止めてしまうので、アルライレのタッチを混ぜたりしてます。
ベース音入りの速いフレーズの途中でアルライレに変えて、またアポヤンドに戻すという細かいコントロールまではなかなか難しく、全体にアルライレ気味になって、どうしても音が軽くなってしまいます。このへんが現在の自分的限界点なのでしょうね。
ゲーム音楽の演奏はこういう限界に挑む場面が結構あるので、動画を撮るために一生懸命練習することで技術向上も期待してたりします。
天使の怖れ コード進行
Aメロ
|Am7|D7|Am7|B♭M7 Am7|
|F|C|A♭M7 Fm|G7|
|Am7|D7|Am7|B♭M7 Am7|
|F|C|A♭M7 B♭6|C7 C|
Bメロ
|F G|F G|Am7 D7|Am7 D7|
|F G|F G|Am7 Bm7|Am7 Bm7|
アウトロ
|F D7|G7sus4|
|CM7 B♭M7|B♭M9(♯11)|Amadd9|
コード進行分析
Aメロ
■Cメジャー
|Ⅵm7|Ⅱ7|Ⅵm7|♭ⅦM7|
|Ⅳ|Ⅰ|♭ⅥM7 Ⅳm|Ⅴ7|
|Ⅵm7|Ⅱ7|Ⅵm7|♭ⅦM7|
|Ⅳ|Ⅰ|♭ⅥM7 ♭Ⅶ|Ⅰ7 Ⅰ|
Bメロ
|ⅣM7 Ⅴ7|ⅣM7 Ⅴ7|
■Gメジャー
|Ⅱm7 Ⅴ7|Ⅱm7 Ⅴ7|
■Cメジャー
|ⅣM7 Ⅴ7|ⅣM7 Ⅴ7
■Gメジャー
|Ⅱm7 Ⅲm7|Ⅱm7 Ⅲm7|
アウトロ
■Cメジャー
|ⅣM7 Ⅱ7|Ⅴ7sus4|ⅠM7|
■Aマイナー
|♭ⅡM7※1|♭ⅡM7|Ⅰm|
※1 Cメジャーキーの♭ⅦM7と共用
プログレ要素もあり【コード進行のポイント】
AメロはAマイナーキーでも良さそうですが、最終的にCコードに抜けているのでCメジャーキーとしました。
Ⅱ7・♭ⅥM7・♭ⅦM7で上手く変化を付けています。
Bメロの6連のところはCメジャーキーとGメジャーキーの交互転調ですが、ここは「同一キー内でのモードチェンジ」と捉えても良いでしょう。
エオリアン→ドリアンとか、イオニアン→リディアンとかは、♯1つ増えたり減ったりさせればokですので、属調/下属調への転調と同じことになります。
あとは最後のB♭M9(♯11)が印象的ですね。
パッと聴いた感じでは、あまりそう感じさせませんが、全体的にコード進行や作曲手法がプログレっぽいと思います。
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