発売年月:1987年2月
機種:アーゲードゲーム(Arcade Game)
メーカー:タイトー(TAITO)
タイトル名:ダライアス(DARIUS)
曲名:キャプテンネオ(Captain Neo)
作曲:小倉久佳(Hisayoshi Ogura”OGR”)
演奏難易度:☆☆★★★(普通)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第1弾は、ダライアスより「Captain Neo」を演奏します。
初代ダライアスは、1980年代のゲーム音楽では自分が最も影響を受けたものです。
ダライアスの1面BGMであり、ゲームスタート直後から流れるメインテーマとも言える「Captain Neo」を演奏動画第1弾として選曲しました。
なお、現在公開している動画は2023年2月17日にアップした再リメイク版(Ver.3)です。バージョンの情報などはこちらの記事をご覧ください。
2018年5月2日にアップした初版はこちらの「旧バージョン・没テイク集」に収録されています。
ダライアス作品概要
ダライアスは1986年にタイトーが開発し、1987年2月より稼働開始した横スクロールシューティングゲームで、3画面を横に連結した大型シートの筐体と海洋生物をモチーフにした敵キャラのデザイン、そして当時のゲーム音楽の概念を打ち破るプログレッシブな音楽が話題となりました。
ダライアスが登場した当時、自分はそのドデカイ筐体と音楽にハマってダライアスをやるためにゲーセンに通いつめていました。重低音+ボディソニックも衝撃的でした。
ゲームの世界観、水棲生物を戦艦にするという発想もグッときたし、そのデザインや色使いも独特で、あれは本当に総合芸術だと思います。
ダライアスの音楽は海中にいるような、神秘的な、あるいは重苦しい感じがよく出ていましたよね。
当時、まだギターはやってなかったのですが、音楽やシンセサイザーで作るサウンドに興味を持ち始めていた自分はダライアスの斬新な曲とサウンドに夢中になりました。
「Captain Neo」はダライアスの1面BGMで、作曲はOGRこと小倉久佳さんです。
この曲、メタルソルジャー・アイザックⅡ(1985年)に使用されていたものをFM音源で作り直して再使用したものらしいです。
曲名はマイケル・シェンカーの「Captain Nemo」からとってるんでしょうか?曲としてはあんまり似てないですが……
FM音源の音色
ダライアスの音楽は音色に特徴があり、メタリックなFM音源の音色を主体にしています。金属系の音色はFM音源の最も得意とするところですよね。
でも自分は、PSGからFM音源への進化で最も変わったのがベースパートだと思います。
PSG(ファミコンのものはとくに)は低音域になると音程が変に聴こえたり、変な共振の仕方をしたりするので、1980年代当時からベースが最大の弱点だと思ってました。
FM音源だと、とくにシンセベース系は良い音出しますし、この曲もベースの音色がインパクトありますよね!
この曲に限らず、当時の小倉さんの音楽はFM音源の恩恵を最大限に引き出していて、それがクリエイターとしての評価にも繋がってると思います。
ギターならではのスピード感を重視【ソロギター演奏】
原曲アレンジをギター1本で表現するのは至難です。
本アレンジでは少ない音数での原曲の雰囲気の再現と、ギターならではのスピード感を重視しました。
マイクとリズムトラック使用について
最初はスマホの内蔵マイクで一発で録ってみたんですが、思っていたより相当ショボい印象でアレンジの意図が全然伝わらない感じでしたので(これは自分の力量不足ですね……)、急遽マイクをつないでバックにループトラックを流しながら弾いたものを撮影しました。
そしたら、多少は意図したものに近づいたので、そちらを採用しました。
当初は全曲完全なソロギターでスマホで一発録画、というのを考えていましたが、曲やアレンジによっては録音方法で全く印象が変わるということが分かったので、曲ごとに録音・録画方法も検討したいです。
※この【ソロギター演奏】解説は初版アップ時のものです。現行版(Ver.3)の解説はこちらの記事をご覧ください。
Captain Neo コード進行
イントロ
|F♯m7|F♯m7|F♯m7|F♯m7|
Aメロ
|F♯m7|F♯m7|F♯m7|F♯m7|
|B(onF♯)|B(onF♯)|F♯m7|F♯m7|
|C♯sus4(onG♯)|
|C♯(onG♯) E(onG♯) Ddim7(onG♯)※1|
Bメロ
|F♯m7|E(onF♯)|DM7(onF♯)|C♯ D C♯|
|F♯m7|E(onF♯)|DM7(onF♯)|C♯ D C♯|
|DM7|D7(onC)|C♯7(♯5)|F7(♯5)|
Cメロ
|F♯m|D|E7|C♯7|
|F♯m|D|E7|C♯7 C#7(♯9)/E7|
ブリッジ(アレンジ)
|F♯m7|F♯m7|F♯m7|F♯m7|
|F♯m7|F♯m7|F♯m7|F♯m7|
エンディング(アレンジ)
|F♯m7|F♯m7|F♯m7|F♯m7|
|B(onF♯)|B(onF♯)|F♯m7|F♯m7|
|C♯sus4(onG♯)|
|C♯(onG♯) E(onG♯) Ddim7(onG♯)※1|
|C♯sus4(onG♯)|
|C♯(onG♯) E(onG♯) Ddim7(onG♯)※1|
|F♯m7|F♯m7|F♯m7|F♯m7|
※1 C♯7(♭9)の代理
コード進行分析
イントロ
■F♯マイナー
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
Aメロ(F♯ドリアン)
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅳ|Ⅳ|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7 ♭Ⅶ7 ♭Ⅵdim7|※1
Bメロ
|Ⅰm7|♭Ⅶ|♭ⅥM7|Ⅴ ♭Ⅵ Ⅴ|
|Ⅰm7|♭Ⅶ|♭ⅥM7|Ⅴ ♭Ⅵ Ⅴ|
|♭ⅥM7|♭Ⅵ7|Ⅴ7(♯5)|Ⅶ7(♯5)|
サビ
|Ⅰm|♭Ⅵ|♭Ⅶ7|Ⅴ7|
|Ⅰm|♭Ⅵ|♭Ⅶ7|Ⅴ7 Ⅴ7/♭Ⅶ7※2|
ブリッジ(アレンジ)
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
エンディング(アレンジ)
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅳ|Ⅳ|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7 ♭Ⅶ7 ♭Ⅵdim7|※1
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7 ♭Ⅶ7 ♭Ⅵdim7|※1
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
※1 この行は実質Ⅴ7一発
※2 分数コードでV7でも♭Ⅶ7でもとれるが、どちらにしろドミナント
ドリアン使用とサビの導入がポイント【コード進行のポイント】
この曲のコード進行のポイントとしては、4か所ほどあると思います。
①Aメロ
AメロはF♯ドリアンモードで作られていますのでⅣコード(Bメジャーコード)の響きが混じっていますね。
②Bメロ前半
F#mのベースパターンの上でF♯m→E→DM7→C♯7とコードが動いていて分数コード的なことになっていますが、ここはF♯m→E(onF♯)→DM7(onF♯)→C♯7というオンコードで表現しました。
③Bメロのラスト2小節
C♯7(♯5)→F7(♯5)という進行で、オーギュメントコードの長3度ずらしですが、実質はC♯7一発です。
④Cメロラスト
Cメロ(サビ)のラストはC♯7(♯9)/E7という分数コードですが、C♯7とE7、どちらもF♯mへのドミナントコードなので、どちらで解釈しても違和感はありません。
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