発売年月:1995年11月
機種:スーパーファミコン(Super Nintendo)
メーカー:スクウェア(SQUARE)
タイトル名:ロマンシングサガ3(Romancing SaGa3)
曲名:海底宮(Underwater Palace)
作曲:伊藤賢治(Kenji Ito)
演奏難易度:☆☆☆☆★(初心者向け)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第71弾は、2020年夏曲その3として、ロマンシングサガ3より「海底宮」です。
記録的な猛暑が続いていますが、今回は海をテーマとした曲を夏曲として演奏します。
「海底宮」は、ひんやりした海底のイメージの神秘的な曲で、初心者でも取り組みやすい難易度になりました。
今回の選曲について
6月にもロマンシングサガ3の「ラストバトル」を演奏しましたが、またまたロマサガ3からの選曲です。
2016年秋から2018年春にかけて約300曲のゲーム音楽を採譜しましたが、ロマンシングサガシリーズが38曲と最多で、その中でもロマンシングサガ3の曲が20曲を占めています。
そして、昨年から始めた季節曲演奏ですが、昨年は夏曲としてロマサガ3の「グレートアーチ」を演奏しました。
今年も夏曲をいろいろ物色していたんですが、「グレートアーチ」の続編という形で、この曲「海底宮」が浮上してきました。
ゲームの舞台ではグレートアーチを拠点にして魔海侯フォルネウスが待ち構える海底宮を攻略していくことになるので、グレートアーチと海底宮、あと「最果ての島」は対になっているもので、これらは「夏」の季節イメージで括られていると思うんですよね。
魔海侯フォルネウス
海底宮の主、フォルネウスは四魔貴族の中で最初に出会うことが多い事もあって、プレイヤーの前に立ちはだかる巨大な壁のような強敵でした。
このシーンを思い出すと、自分は「四魔貴族バトル1」が脳内再生されます。
ロマサガシリーズ屈指の美曲
「海底宮」はロマサガシリーズの中でも屈指の美曲と思います。
昨年演奏した「グレートアーチ」はリゾート地やビーチの解放感と、夏の強い日差しのイメージでしたが、今回の「海底宮」はひんやりした海の底、スキューバダイビングで潜っているようなイメージですよね。スキューバやったこと無いけど(笑)
海の中の神秘的な感じがよく表現されていて、それでいて巨大な海洋生物への畏怖・重圧感のようなものも感じます。
演奏もそういう両面を表現できたら、と思って取り組みました。
少しでも涼しい気分になってもらえたら嬉しいです!
作曲者の伊藤賢治さんをこちらの記事で紹介しています。
シンプル化して微妙な表現を重視【ソロギター演奏】
今回は完全ソロギターにしました。
オリジナルはよく聴こえるパートだけで4つくらいあって微妙な絡みかたをしているので、ソロギターへのアレンジは難しい部類です。
今回のアレンジでは、重要な音以外は削ぎ落としてシンプル化して、その分、演奏の強弱感が際立つようにしたかったです。
とくにこういう演奏だと、難易度も余裕をもった設定にしないと、細かいところまで神経が行き届かなくなるので、演奏難易度は低く抑えられるように考えました。
オリジナルキーはCマイナーキーですが、Eマイナーキーに移調して音域をギターに最適化しています。
海底宮 コード進行
オリジナルのCマイナーキーをEマイナーキーに移調しています。
イントロ
|Em9|Em9|
メロ
|Em7|Em7|Em7|Em7|
|A7|A7|CM7|CM7|
|Em7 A13(onE)|Em7|
|A7|A7|CM7|CM7|
|Em7 A7(onE)|CM7(onE) Em|
|A9|CM7|B♭M7|FM9|
|Em7|Em7|Em|
コード進行分析
イントロ
■Eマイナー
|Ⅰm|Ⅰm|
メロ
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅳ7|Ⅳ7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅰm Ⅳ7|Ⅰm|
|Ⅳ7|Ⅳ7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅰm Ⅳ7|♭ⅥM7 Ⅰm|
|Ⅳ7|♭ⅥM7|
■Aマイナー
|♭ⅡM7|♭ⅥM7※1|
■Eマイナー
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm|
※1 Eマイナーキーの♭ⅡM7と共用
Ⅳ7が効果的【コード進行のポイント】
コード進行のポイントを演奏アレンジのEマイナーキーで解説いたします。
この曲はⅣ7(A7)を効果的に使っていますが、EマイナーキーでA7が出てくると、C♯音が使用されるので、キールートから見るとEドリアンモードの色彩になります。
その後コードが♭ⅥM7=CM7に変わるので、そこで使用音がC♯→Cとなり、キールートから見るとEエオリアン=Eナチュラルマイナーに変化。こういう微妙な変化が綺麗ですよね。
そして、最後のルートコードに戻すところに少し捻りの効いたケーデンスが使われています。
CM7→B♭M7→FM7→Emの進行です。
この部分はAマイナーキーへの下属調転調として、♭ⅡM7→♭ⅥM7(Eマイナーの♭ⅡM7とピボット)という解釈にしました。
ここは別の解釈として、CM7→B♭M7を「♭ⅥM7の平行移動」と捉えてDマイナーキーに一時転調、FM7=♭ⅢM7をピボットにしてすぐに元のEマイナーに戻している、と捉えるのも有りだと思います。
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