発売年月:1994年11月
機種:スーパーファミコン(Super Nintendo)
メーカー:チュンソフト(Chun Soft)
タイトル名:かまいたちの夜(Banshee’s Last Cry)
曲名:懐かしいあの風景(That Nostalgic Scenery)
作曲:加藤恒太(Kota Katou”たくまる”)
演奏難易度:☆☆☆★★(易しい)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第14弾は、かまいたちの夜「懐かしいあの風景」です。
寂しく切ない感じのものが多い『かまいたちの夜』の楽曲の中で、この曲は癒し系のギター曲です。
グッドエンディングで流れる癒し曲【曲解説】
かまいたちの夜は1992年に発売された『弟切草』に続き、サウンドノベル第二弾としてチュンソフトから発売されました。
サウンドノベルとは「読む」ゲームで、映像と音がついた小説のような感じのものです。1980年代にPCで流行したアドベンチャーゲームの進化形の一つですね。
自分は2作ともプレイしていますが、どちらもストーリーとしてはミステリー/ホラー系で、選択肢によってストーリーが変化して全然違う結末を迎えるというマルチエンディングです。
ちょっと泣かせる要素もあったりで、想像していたよりかなり面白くて何回もプレイしました。
音楽に関しては弟切草も良かったのですが、かまいたちの夜はスーパーファミコンでもベスト10に入る出来だと思います。
非常に美しい曲が多く、未だにTV番組などで使われています。
「懐かしいあの風景」はグッドエンディングで流れる曲です。
かまいたちの夜からは数曲採譜していて、どれもいい曲なので迷いましたが、ギターアレンジのしやすさということで選びました。
ちょっとゴンチチっぽいですよね。
加藤恒太(たくまる)さん【作曲者】
かまいたちの夜は、中嶋康二郎さんと加藤恒太さんの二人が曲を書いていますが、「懐かしいあの風景」は加藤恒太さんの曲です。
加藤恒太さんは「たくまる」の名前のほうが有名ですね。
18歳でチュンソフトに入社。
トルネコの大冒険のサウンドプログラマーを担当後、19歳のときに、かまいたちの夜で作曲家デビューしています。
この曲もそうですが「レクイエム」「遠い日の幻影」「Oの喜劇」など、19歳とは思えない大人びた音楽性と思います。まあ、才能ある人はあまり年齢関係なさそうですが……
この方、熱烈なBL(ボーイズラブ)ファンとして知られていて、BLゲームが作りたくてチュンソフトを退社したという逸話もあります。
チュンソフト退社後は同人活動に力を入れ、ゲーム音楽も同人系の作品に曲を提供しています。
ギター2本のものをソロにアレンジ【ソロギター演奏】
原曲はFメジャーですが、ⅠとⅣで解放弦が使えるEメジャーに移調して演奏しています。
原曲のアレンジはギター2本でやっている感じですね。
ソロギターアレンジではベース音とコードを入れる分、メロディは少し簡略化。テクニック的にはそんなに難しくないと思います。
懐かしいあの風景 コード進行
オリジナルのFメジャーキーをEメジャーキーに移調しています。
イントロ
|Eadd9|Aadd9|G♯m7|C♯m7 B7|
|A|A(onB) D♯dim7※1|
|Eadd9|B7 C♯m7 D♯m7(♭5)|
Aメロ
|E|C♯m7|A|B7sus4 B7|
|G♯m7|C♯m7|D6|G♯7(♭9) G♯7|
|F♯m7|B7|G♯m7|C♯m7|
|F♯9(onA♯)|F♯m7|
|B7sus4|B7 C♯m7 D♯m7(♭5)|
A’メロ
|E|C♯m7|A|B7sus4 B7|
|G♯m7|C♯m7|D6|G♯7|
|F♯m7|B7|G♯m7|C♯m7|
|F♯7(onA♯)|F♯m7|B7sus4|B7 G♯7(onC)|
Bメロ
|C♯m7|G♯m7|C♯m7|G♯m7|
|A|B7|Eadd9|G♯7|
|C♯m7|G♯m7|C♯m7|G♯m7|
|A|F♯7(onA♯)|B7 C♯m7|B7(onD♯) B7|
コーダ
|Eadd9|Aadd9|G♯m7|C♯m7 B7|
|A|A(onB) D♯dim7|Eadd9|Eadd9|
※1 B7の代理
コード進行分析
イントロ
■Eメジャー
|Ⅰ|Ⅳ|Ⅲm7|Ⅵm7 Ⅴ7|
|Ⅳ|Ⅳ(onⅤ) Ⅶdim7※1|Ⅰ|Ⅴ7 Ⅵm Ⅶm7(♭5)|
Aメロ
|Ⅰ|Ⅳm|Ⅳ|Ⅴ7|
|Ⅲm7|Ⅵm7|♭Ⅶ|Ⅲ7|
|Ⅱm7|Ⅴ7|Ⅲm7|Ⅵm7|
|Ⅱ7|Ⅱm7|Ⅴ7|Ⅴ7 Ⅵm Ⅶm7(♭5)|
A’メロ
|Ⅰ|Ⅳm|Ⅳ|Ⅴ7|
|Ⅲm7|Ⅵm7|♭Ⅶ|Ⅲ7|
|Ⅱm7|Ⅴ7|Ⅲm7|Ⅵm7|
|Ⅱ7|Ⅱm7|Ⅴ7|Ⅴ7 Ⅲ7|
Bメロ
|Ⅵm7|Ⅲm7|Ⅵm7|Ⅲm7|
|Ⅳ|Ⅴ7|Ⅰ|Ⅲ7|
|Ⅵm7|Ⅲm7|Ⅵm7|Ⅲm7|
|Ⅳ|Ⅱ7|Ⅴ7 Ⅵm|Ⅴ7|
コーダ
|Ⅰ|Ⅳ|Ⅲm7|Ⅵm7 Ⅴ7|
|Ⅳ|Ⅳ(onⅤ) Ⅶdim7※1|Ⅰ|Ⅰ|
※1 Ⅴ7の代理
※1 パッシングディミニッシュ
経過コードが綺麗【コード進行のポイント】
コード進行の骨組みはシンプルですが、結構芸が細かい部分があります。
- イントロのA(onB)→D♯dim7
- Aメロ2段目の♭Ⅶ6(サブドミナントマイナー、Ⅲ7の裏コードともとれる)
この2か所がポイントですね。
Aメロに入る直前の、B7→C♯m7→D♯m7(♭5)は、難しかったらB7一発でも良いと思います。
Bメロは平行調のC♯マイナーキーっぽいですが、最後がA→B7→Eの動きなのでEメジャーキーのままで解釈してます。
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