かまいたちの夜「レクイエム」【ギター演奏・コード進行56◆冬曲】

かまいたちの夜 レクイエム
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発売年月:1994年11月
機種:
スーパーファミコン(Super Nintendo)
メーカー:
チュンソフト(Chun Soft)
タイトル名:
かまいたちの夜(Banshee’s Last Cry)
曲名:
レクイエム(Requiem)
作曲:
加藤恒太(Kota Katou”たくまる”)
演奏難易度:☆★★★★(難しい)

年が明けて半月ほど経過しましたが、季節は「寒中」「寒の内」に入って1年で最も寒い時期になっています。東京でも雪が降るようになりました。

今回は季節テーマ「冬曲その2」として、かまいたちの夜より「レクイエム」を演奏いたします。

かまいたちの夜の音楽

かまいたちの夜といえば、この曲「レクイエム」と、バッドエンディングの「遠い日の幻影」、そしてタイトル曲の「かまいたちの夜」の3曲が有名と思います。

ちなみに、しおり選択画面で流れる「Introduction」は、この曲のメロ無しショートバージョンです。

「レクイエム」はゲーム中では、ある登場人物が亡くなって主人公が悲しみで泣き崩れる、というシーンに使われていますが、エンディングでもこの曲のイントロ付きのバージョンが使われています。

「かまいたちの夜」は何回か遊ぶと、どんどんシナリオが増えて行って、登場人物たちの詳細などが明らかになってくる、という仕掛けで、かなりハマるシステムです。

エンディングも結構な数用意されていて、エンディング曲も数種類存在します。

「遠い日の幻影」は一番バッドな鬱エンディングの曲ですが、「レクイエム」(エンディングバージョン)も、どちらかというとあまりハッピーエンドでないバッド寄りのエンディングで流れます。

ちなみに、以前演奏した「懐かしいあの風景」はグッドエンディングの曲です。

作曲者は「レクイエム」「遠い日の幻影」「懐かしいあの風景」は3曲とも加藤恒太(たくまる)さんで、「懐かしいあの風景」演奏記事内で加藤さんの紹介も書いています。

この作品の季節感は「冬」

ゲームの舞台が冬の雪山なので「冬」のイメージの曲が中心です。

冬のイメージといっても、以下の2つに大別できると思います。

  • 「遠い日の幻影」のような、冬の寒さ、厳しさ、寂しさというようなものを直接連想させるもの
  • 「ゲレンデの恋人たち」のような、暖房がきいた室内の温かさを感じさせるもの

この曲「レクイエム」(+Introduction)は前者で、イントロやバッキングに使われている「Introduction」のリフは雪がチラチラと降っているイメージですよね。

メロディーも全体に厳しい寒さが連想されるようなものですが、途中転調が入って、少し日が射すようなイメージの部分があり(今回のアレンジだとトレモロでやってる部分)、自分はそのへんがとくに好きです。

「遠い日の幻影」にいたっては吹雪で遭難中「あー、もうここで死ぬんだろうなー」的な虚無のイメージですよね……曲名からして、この曲は過去の記憶の描写だと思います。

3種のエンディング曲のうち「懐かしいあの風景」だけは自分的には季節感が違う気がしていて、晩夏のイメージです。

「かまいたちの夜」の音楽はよくTVで流れる

かまいたちの夜の音楽は、よくテレビ番組に使用されるので、その度に「あー、かまいたちの」って思うんですが、だいたい恐怖シーンとか、悲しい場面に使われています。

なんでも、某テレビ局の制作用の音源ライブラリーに、かまいたちの夜のサウンドトラックが収録されているという話です。

スーファミ版と移植版は音楽のアレンジが違う

この作品はオリジナルはスーパーファミコンですが、プレステ版をはじめとした移植版も複数出ていて、音源やアレンジが違うので聴き比べると面白いと思います。

今は動画サイトなどで聴き比べもできるので楽しいですよねー。

中盤でトレモロ導入【ソロギター演奏】

まず、最初に仮アレンジして少し弾いてみた段階で、この曲はメロディーの音域が広いため「ソロギターでやるなら、どこかでオクターブ組み換えをしなければならない」と思いました。

それから色んなキーに移調して弾いてみましたが、結局どのキーでやってもそれほど難易度が変わらず、オクターブ組み換えも不可避な感じでした。

その中でオリジナルキーのCマイナーは比較的弾きやすいキーだと判明したので、オリジナルキーで演奏することにしました。

中盤をトレモロでアレンジして、そこにオクターブ組み換えを持って来たのですが、トレモロの前半部分をもう1オクターブ下から始めるか、演奏アレンジのように最初高音で始まって途中でオクターブ下げるか、最後まで迷いましたが、今回は動画で演奏したような形にしました。

この曲は、もっと時間をかけて練ればもっといいやり方があるかもしれませんが、アレンジ開始から動画完成まで1週間以上はかかってるし「今回はこれで良しとしてアップしとくかー」というところです。

ちなみにこの動画は、お正月に前回のクロノトリガー「時の回廊」と同時に撮ったものですが、こちらのほうがアレンジに時間かかっています。

Aメロ部分は変則的なアルペジオで弾いてて、ベースラインが16分の裏が多くて変態的なことになってますが、自分の手癖を発展させて弾いたら、たまたまああいう音になって、全く同じ演奏をするのは本人でも難しかったりするので、気にしないでいいです(笑)

アウトロはシンプルにイントロの繰り返しをつけて、そのまま不完全終止にしてます。

なんやかんやでアレンジに時間もかかったし、長さがあるので暗譜大変だし、トレモロあるし、変なアルペジオ使ってるしで、星4つとしました。

レクイエム コード進行

イントロ
|A♭M7|A♭M7|B♭6|B♭6|
|A♭M7|A♭M7|B♭6|B♭6|※1

Aメロ
|A♭M7|A♭M7|B♭7|B♭7|
|A♭M7|A♭M7|B♭7|B♭7|
|A♭M7|A♭M7|B♭7|B♭7|
|A♭M7|A♭M7|B♭7|B♭7|
|A♭M7|A♭M7|B♭7|B♭7|
|A♭M7|A♭M7|B♭7|B♭7|
|A♭M7|A♭M7|B♭13|B♭7|
|A♭M9|A♭M7|B♭7|B♭7|

Bメロ
|Cm7|Gm7|A♭M7|A♭M7|
|Cm7|B♭13|
|FM7|FM7|FM7|FM7|
|Aadd9|Aadd9|Aadd9|Aadd9|
|G|G|G|G|
|Aadd9|Aadd9|Aadd9|Aadd9|
|G|G|G|G|

Cメロ
|FM7|FM7|FM7|FM7|
|Am7|Am7|Am7|Am7|
|FM7|FM7|FM7|FM7|
|Am9|Am7|Am7|Am7|
|A♭M7|A♭M7|B♭|B♭|
|Cm7|Gm7|Am7(♭5)|Am7(♭5)|
|Fm9|Fm7|Gm7|Gm7|
|A♭M7|A♭M7|B♭9|B♭9|

アウトロ(アレンジ)
|A♭M7|A♭M7|B♭7|B♭7|
|A♭M7|A♭M7|B♭7|B♭7|
|A♭69|

※1 原曲のエンディングバージョンは8回繰り返しだが演奏では2回に短縮

コード進行分析

イントロ
■Cマイナー
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|※1

Aメロ
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|

Bメロ
|Ⅰm7|Ⅴm7|♭Ⅵ|♭Ⅵ|
|Ⅰm7|♭Ⅶ|
■Cメジャー(同主調)
|ⅣM7|ⅣM7|ⅣM7|ⅣM7|
■Aメジャー(短3度下)
|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|
|♭ⅦM7|♭ⅦM7|♭ⅦM7|♭ⅦM7|
|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|
|♭ⅦM7|♭ⅦM7|♭ⅦM7|♭ⅦM7|

Cメロ
■Aマイナー(同主調)
|♭ⅥM7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|♭ⅥM7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|
■Cマイナー(短3度上)
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|Ⅰm7|Ⅴm7|Ⅵm7(♭5)|Ⅵm7(♭5)|
|Ⅳm7|Ⅳm7|Ⅴm7|Ⅴm7|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|

アウトロ(アレンジ)
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|

※1 原曲のエンディングバージョンは8回繰り返しだが演奏では2回に短縮

2コード展開からドラマチックな連続転調へ【コード進行のポイント】

AメロはA♭M7とB♭7の2コード展開が延々と続きます。

Bメロは一転して転調が入るんですが、ここのGとAのコードはドミナント7thかメジャー7thか判断が難しいですね。

両方のボイシングでメロディーと一緒に何回か弾いてみた結果、雰囲気的に全部メジャー7thぽいと思いました。ここはドミナント7thでも調性の解釈は成り立つので、どちらでも良さそうですが。

A→Gのところは転調としてもいいと思いますが、なるべくシンプル解釈にということで♭ⅦM7のサブドミナントマイナーとしました。こうすると同主調&短3度転調のみで解釈可能なので、調性的に分かりやすいです。

ちなみに、その前のFの部分は伴奏にEナチュラル音があるのでメジャー7thで、メロディーがリディアンなのでCメジャーキーのⅣM7の解釈にしてます。

そしてCメロの入り口で最終的にAマイナーキーに移行後、短3度転調して主調のCマイナーキーに戻っています。

このように、AメロとBメロとCメロで劇的に構造が変わりますが、淡々と繋がっていく感じなのが面白い曲だと思いました。

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