バハムートラグーン「ファーレンハイトPart1&オープニング」【ギター演奏・コード進行29】

バハムートラグーン ファーレンハイトpart1&オープニング
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1996年:スーパーファミコン(Super Nintendo)
メーカー:
スクウェア(SQUARE)
タイトル名:
バハムートラグーン(Bahamut Lagoon)
曲名:
ファーレンハイトPart1&オープニング(Fahrenheit Part1&Opening)
作曲:
松枝賀子(Noroko Matsueda)
演奏難易度:☆☆★★★(普通)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第29弾は、バハムートラグーンより「ファーレンハイトPart1」「オープニング」の2曲を組曲にしてお届けします。

「ファーレンハイトpart1」のほうはゲーム中ずーっと聴くことになるので、自分も刷り込まれまくってるのか良くおぼえていて、ゲーム音楽の好きな曲トップ10に入るくらい好きな曲です。

もう一方の「オープニング」は曲名の通り、オープニングデモで流れる曲ですが、とてもメロディーが綺麗だし、途中静かなパートが入ったりして、こちらも印象的な曲でした。

スーファミタイトルの中でも屈指の音楽【曲紹介】

バハムートラグーンは、スーパーファミコン末期のスクウェアの作品で、音楽は松枝賀子さんです。

同時期のスクウェアの作品のなかで知名度はそれほど高くないと思いますが、音楽は凄く良く出来ている作品です。

一般的には音楽よりヒロインの悪評(後述)が有名かも知れませんが。

今回の演奏は、本作の中でも大好きな「ファーレンハイトpart1」と「オープニング」を組曲にしてみました。

この2曲、曲調やテンポが似ているので組曲にしましたが、もしかしたら元々は一つの曲で2つに分けたのかな?という感じもします。

バハムートラグーンはこの2曲の他にも、同じモチーフを使ったり曲調が似ていたりする曲があるので、一つのモチーフや曲をどんどん展開させる中で、複数の曲に分かれていったように思います。

ヒロインの悪評

バハムートラグーンのゲーム内容はドラゴンを育てて自国の戦力として使役するシミュレーションRPGですが、ゲーム内容よりヒロイン「ヨヨ」の悪評で有名ですね。

「○○○○○○(主人公のドラゴンの名前)より、ずっとはやい!」のシーンはトラウマ(笑)

自分は中古購入してプレイしましたが「なんだ、このクソ展開。でも、このパターン、最後は主人公のところに戻ってくるはず」とか思ってましたが……

ちなみに彼女のテーマ曲である「ヨヨのテーマ」も綺麗で印象的な曲ですが、演奏動画にするには短すぎて、かなり追加アレンジしないといけなそうなので今回はパスしました。

松枝賀子さん【作曲者】

作曲者の松枝賀子さんについても少し触れておきたいです。

松枝さんは1994年にスクウェアに入社。

この時期は同期のスクウェアの面々が凄まじすぎて、クローズアップされる機会が少ないように思いますが、作曲のセンスは素晴らしいものがあります。

本作バハムートラグーンではオーケストラ調が主体ですが、フロントミッションなどではテクノ系の楽曲もやっていて、かなり幅広い音楽性です。

後に、バウンサー、ファイナルファンタジーX-2などを共作した江口貴勅さんとご結婚されています。

アレンジは今までで屈指の出来【ソロギター演奏】

原曲は2曲ともオーケストラベースのアレンジです。

「ファーレンハイトpart1」のほうはホルンが効いてますね。ホルンの旋律が目立つのでギターアレンジでもホルンパートを追っているところが多いです。

「オープニング」のほうは、テンポが落ちて静かなパートになった後、もう一回元ののテンポに戻って続きがあるのですが、そこは割愛しました。

ゲーム音楽のソロギターアレンジをしていると良くぶつかる問題なのですが、オーケストラアレンジをソロギター化すると、コード的に整合性がとれなくなることがあります。

この2曲も、あるパートがコード進行を先取りしていたり、伴奏が対位法っぽかたりするのでそのへんが苦労しました。

そういうこともあって、今回はコードを付けるのが非常に難しかったです。

両曲ともコードを先取りしたフレーズが多く、メロディーが先に動いて、伴奏が後からついていく、というような手法が多用されている上、バスや伴奏のラインが大きな旋律として対位法的な動きをしています。こういう曲に独奏楽器でコードをつける場合は、総合的な判断が求められます。

実際の演奏でもフレーズとコードがズレて難解な響きの所がありますが、ある程度の原曲再現を目指した結果です。

このアレンジはとても勉強になったし、結果として良いモノになったのではないかと思います。

ファーレンハイトPart1&オープニング コード進行

ファーレンハイトpatt1 イントロ
|E|F♯|G|F♯ F|
|G|A|B|B|

ファーレンハイトpatt1 Aメロ
|EM9|E7(onD)|A(onC♯)|C69|
|EM9|E7(onD)|AM9(onC♯)|CM7|
|E|AM7|E(onG♯)|C♯m7|
|A|E(onG♯)|B13sus4 B7|B9|
|E|AM7|E(onG♯)|C♯m7|
|A|E|D7(♯11)|B7|

ファーレンハイトpatt1 Bメロ※1
|FM7(onA)|Am11|D|B|
|E|E(onG♯)|A|A|
|G|G|FM7|FM7|
|D(onF♯)|A7(onE)|FM7|FM9|

オープニング Aメロ
|A|A7(onG)|D(onF♯)|DmM9(onF)※2|
|A|A7(onG)|D|Dm7 G7|
|C|Csus4|C7(onB♭)|C|
|FM7(♯11)|FM7(♯11)|FM7|FM7|
|Em7|Am7 A♭M7|
|G6sus4|F Dm7 G7sus4 G7|

オープニング Bメロ
|C|D7|Dm7(♭5)|C|
|Am7|FM7|B♭|G7sus4 G7|
|C|D7|Dm7(♭5)|C|
|Am7|FM7|B♭|B♭|
|B♭M7|

※1 ホルンのメロディーがコードに先行
※2 A(onF)の形

コード進行分析

ファーレンハイトpatt1 イントロ
■Eメジャー
|Ⅰ|Ⅱ|♭Ⅲ|Ⅱ ♭Ⅱ|
■Bメジャー※1
|♭Ⅵ※2|♭Ⅶ|Ⅰ|Ⅰ※3|

ファーレンハイトpatt1 Aメロ
■Eメジャー
|Ⅰ|Ⅰ7|Ⅳ|♭Ⅵ|
|Ⅰ|Ⅰ7|Ⅳ|♭Ⅵ|
|Ⅰ|Ⅳ|Ⅰ|Ⅵm7|
|Ⅳ|Ⅰ|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅰ|Ⅳ|Ⅰ|Ⅵm7|
|Ⅳ|Ⅰ|♭Ⅶ7|Ⅴ7|

ファーレンハイトpatt1 Bメロ
|♭ⅡM7|Ⅳm|♭Ⅶ|Ⅴ7|
■Aメジャー(下属調)
|Ⅴ|Ⅴ|Ⅰ|Ⅰ|
|♭ⅦM7|♭ⅦM7|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
■Eメジャー※4
|Ⅱ7|Ⅳ7|♭ⅡM7|♭ⅡM7|

オープニングAメロ
■Aメジャー
|Ⅰ|Ⅰ7|Ⅳ|Ⅳm ⅣmM7|
|Ⅰ|Ⅰ7|Ⅳ|Ⅳm ♭Ⅶ|
■Cメジャー(短3度転調)
|Ⅰ|Ⅰ7|♭Ⅶ|Ⅰ|
|Ⅳ|Ⅳ|Ⅳ|Ⅳ|
|Ⅲm7|Ⅵm7 ♭ⅥM7|Ⅴ7|Ⅳ Ⅱm7 Ⅴ7|

オープニング Bメロ
|Ⅰ|Ⅱ7|Ⅱm7(♭5)|Ⅰ Ⅶ|
|Ⅵm7|ⅣM7|♭Ⅶ|Ⅴ7|
|Ⅰ|Ⅱ7|Ⅱm7(♭5)|Ⅰ Ⅶ|
|Ⅵm7|ⅣM7|♭Ⅶ※5|♭Ⅶ|
■Aメジャー
|♭ⅡM7|

※1 Eメジャーキーのままでも解釈可
※2 Eメジャーキーの♭Ⅲと共用
※3 EメジャーキーのⅤと共用
※4 Aメジャーキーでも解釈可能
※5 Aメジャーキーの♭Ⅱと共用

同主調混在メジャーキー【コード進行のポイント】

ゲーム音楽論で「王道コード進行」の一つとして紹介した「同主調混在メジャーキー」の典型例です。

ちなみに2曲ともAメロの出だしはⅠ→♭Ⅶではなく、Ⅰ→Ⅰ7(on♭Ⅶ)です。良く似ていますが。

曲中も同主調を効果的にミックスしています。

「ファーレンハイトPart1」がEメジャーキー、「オープニング」はAメジャーキーですが、間にAメジャーのブリッジが挟まっているのでスムーズに連結できました。

ここの繋ぎ目のFM7はEメジャーの♭Ⅱ、Aメジャーの♭Ⅵに当たり、ピボットコード(転調前と転調後のどちらの調にも属すことが出来る、接着剤の役割を果たすコード)になっています。

その後は短3度転調してCメジャーキーに行き、最後はAメジャーキーに戻っている感じですが♭Ⅱ終わりで余韻を残す形にしました。

所々難解な響きがありますが、コードに対してメロディーが先行しているためです。

そのあたりのコードネームは参考程度に考えていただきたいですが、一応、理論的説明が可能な範囲で収まっているかと。

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