ファイナルファンタジー5「ビッグブリッヂの死闘」【ギター演奏・コード進行88】

ファイナルファンタジー5 ビッグブリッヂの死闘 動画
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難易度★★★★★(激ムズ)

1992年:スーパーファミコン(Super Nintendo)
メーカー:スクウェア(SQUARE)
タイトル名:ファイナルファンタジーⅤ(Final Fantasy5)
曲名:ビッグブリッヂの死闘(Battle With Gilgamesh、Clash on the Big Bridge)
作曲:植松伸夫(Nobuo Uematsu)
演奏難易度:★★★★★(激ムズ)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第88弾は、ファイナルファンタジー5より「ビッグブリッヂの死闘」です。

ついにというか、ようやくというか、88曲目にして、自分もこの曲に挑戦することにしました。

複数の方からリクエストは頂いていたんですが、難曲なのは分かり切っているし、後回しになっていた曲です。

今回、ゴールデンウィークの休みを利用して取り組んでみました!

当ブログでは4曲目となる最高難易度、★5つの演奏です。

ビッグブリッヂの死闘について

「ビッグブリッヂの死闘」は、ファイナルファンタジーシリーズの楽曲の中でも5本指に入る有名曲で、その凶悪な演奏難易度から、とくにゲーム音楽演奏界隈では突出した知名度を持つ曲です。

ファイナルファンタジー5で登場する敵キャラ「ギルガメッシュ」との2度目の遭遇時に流れる曲ですが、その舞台となるのが、ギルの洞窟とエクスデス城との間に架かる巨大な橋「ビッグブリッジ」です。

細かいことですが、ゲーム中の地名は「ビッグブリッジ」、曲名は「ビッグブリッヂ」という表記ですね。

英題は「Battle With Gilgamesh」になっているし、実質ギルガメッシュのテーマですよね。「Clash on the Big Bridge」という直訳的な英題も良く使われていますが。

作曲者の植松伸夫さんは、この曲に関して元々ボツにするつもりでいたらしいので、人気化して驚いたといいますが、「ビッグブリッヂの死闘」の人気は定着化して後年のFF作品にも度々アレンジバージョンが登場することになります。

植松伸夫さんについてはこちらの記事をご覧下さい。

カバー演奏曲として不動の人気

この曲の人気要因として、カバー演奏対象として難易度が高くて面白い、という事が大きいんじゃないでしょうか。

一時期、とくにニコニコ動画を中心に「ビッグブリッヂの死闘」のカバー演奏が盛んに投稿されたことがあって、今でも曲名で検索をかけると、たくさんのカバー演奏が出てきますが、ゲーム音楽演奏をやる人の間では「ビッグブリッヂの死闘」は「演者の技巧を測る曲」という共通認識が出来ているような感じもします。怖いですねー(笑)

そんな背景のある曲なので、なんとなく演奏するのも気が重くて後回しになっていましたが、ゲーム音楽演奏家としては一度は取り組むべきスタンダード曲的なものだと思うし、ゴールデンウィーク休みで少し時間が出来たので、この機会に挑戦することにしました。

ちなみにアップが遅れたのは、リズムトラックを作り込んでいたせいです。

「ビッグブリッヂの死闘」自分の印象

自分はFF5をリアルタイムでプレイしていて、かなりハマってやり込んだんですが、実のところ「ビッグブリッヂの死闘」はそんなに好きな曲でも無かったんですよね。

第一印象は「なんか唐突にプログレだなぁ(笑)」という感じでした。

当時は作曲者の植松さんがプログレマニアだとか、そんな情報は全然知らなかったんですが、プログレ自体は好きで色々聴いていましたので。

でも、今回アレンジして何回も練習するうちにだんだん愛着が湧いてきて、弾いているとテンション上がって楽しくなるんですよね。不思議な曲だと思います。

全体のテンポ感と、頭のアルペジオの「最初からテンションMAX感」と、Aメロ頭のブレイクからトランペットが入ってくる所のインパクト。

この曲の魅力は、そういう展開の妙かな、と思います。

どこまでテンポを上げられるかの勝負【ソロギター演奏】

さてギターアレンジですが、予想はしていましたが、やはりめっちゃ大変でした。

原曲を少し聴いただけで、ギター1本だとムリゲーな感じですよね。

とくに、最初のアルペジオはアコギだと音域が足りないし、しかも最初4小節はベース音動いてるし、「何を優先して、何を妥協するか?」の選択になります。

最初のアルペジオを弾くに当たって、今回は以下の基準で考えました。

  • レギュラーチューニング
  • ベース音は再現して、アルペジオ中も持続低音として持続させる

この2つを優先して、あとは出来る範囲でアルペジオパターンと雰囲気を再現する、という方向です。

結果、ベースラインの維持にはAマイナーキーがベストだったので、オリジナルキーのFマイナーキーをAマイナーキーに移調。

そしてギターでは音域が足りないので、アルペジオパターンを変更しなければならなかったんですが、なるべく雰囲気を再現できるパターンを考えました。

5小節目からはベースがA音(Aマイナーキーでの話)で固定になるので、タッピングを使って1オクターブ音域を広げています。

そういえば、ゲーム音楽アレンジ演奏でタッピングを使うのは始めてです。

というか、フラメンコギターに転向して以来、タッピングなんて全くやらないので、指弾き+タッピングというアクションは結構練習を要しました。

このイントロが最難関でしたが、他にも難しい所が何か所かあります。曲の頭のほうから順に解説します。

Aメロ前半は音の跳躍が大きく、しかも、このアレンジでは部分的に16分音符で弾いているので、左手のポジショニングを工夫して弦移動を減らさないと、このスピードでは弾ききれないです。

Aメロ中盤の半音階の下降パッセージはグリッサンド+ピッキングのベンチャーズ風(テケテケテケ……ってやつ)にしてしまえば簡単ぽいんですが、ここもベース音途切れさせたくなかったので、敢えて全部押さえてフルピッキング(フラメンコのピカード)で弾いています。

そしてAメロ最後の高速アルペジオ。ここは1拍ずつコードチェンジしてるので、左手のタイミングもシビアですが、右手も16分音符で弾くのは技巧の限界に近かったです。3連符に変えてしまえば楽なんですが、かなり雰囲気変わってしまうので、ここは16分音符でチャレンジしました。

エンディングはどうするか悩みましたが、今回はあれこれやらずに、シンプルにAメロ前半を1回繰り返して、Eマイナーに転調しないでAマイナーコードに戻ってそのまま終わらせました。

結局、この曲は16分音符をどこまでテンポを上げて弾けるか?というテクニック的な勝負になってきます。

オリジナルは175BPMくらいですが、さすがに無理なので、出来る範囲でテンポを上げていった結果、160BPMでの演奏となりました。

170BPMくらいまではなんとか弾けたのですが、成功率がぐっと下がって録画に耐えるものでは無さそうだったので、このへんが今の自分の技巧の限界ということですね。

ビッグブリッヂの死闘 コード進行

イントロ
(6拍子)
|Am11|G69|FM7(♯11)|G69|※1
|Am11|Am11|Am11|Am11|※1
(3拍子)
|E7(♯9) D♯7(♯9)|
|D♯7(♯9) D7(♯9)|
|D7(♯9) C♯7(♯9)|
(6拍子)
|Am11|Am11|※1
(3拍子)
|E7(♯9) D♯7(♯9)|
|D♯7(♯9) D7(♯9)|
|D7(♯9) C♯7(♯9)|
|C♯7(♯9) C7(♯9)|
(4拍子)
|Am|Am|Am|Am|

Aメロ
|Am|Am|E7|F G7|
|Am|Am|E7|F G7|
|Em7|Em7|B7|B7|
|D7|D7|A|A|
|CM7|CM7|Em7|Em7|
|C♯dim7|C♯dim7|B7|B7|
|C B A♯ B|C B A♯ B|
|Em D C B|Am Em Edim B7|

ブリッジ
|Em|Em|
|Am11 G♯m11 Gm11|※2
|Em11 D♯m11 Dm11|※2
|C♯m11|Cm11|C♯m11|Cm11|※2
|Am|Am|

エンディング(アレンジ)
|Am|Am|E7|F G7|
|Am|Am|E7|F G7|
|Am|

※1 Esus4のベース音が変化したもの
※2 この行は4度堆積コード

コード進行分析

イントロ
■Aマイナー
(6拍子)
|Ⅰm7|♭Ⅶ|♭ⅥM7|♭Ⅶ|※1
|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|Ⅰm7|※1
(3拍子)
|Ⅴ7 ♯Ⅳ7|♯Ⅳ7 Ⅳ7|Ⅳ7 Ⅲ7|
(6拍子)
|Ⅰm7|Ⅰm7|※1
(3拍子)
|Ⅴ7 ♯Ⅳ7|♯Ⅳ7 Ⅳ7|
|Ⅳ7 Ⅲ7|Ⅲ7 ♭Ⅲ7|
(4拍子)
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|

Aメロ
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7|♭Ⅵ ♭Ⅶ7|
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7|♭Ⅵ ♭Ⅶ7|
■Eマイナー
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7|Ⅴ7|
|♭Ⅶ7|♭Ⅶ7|Ⅳ7|Ⅳ7|
|♭ⅥM7|♭ⅥM7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅵdim7※2|Ⅵdim7|Ⅴ7|Ⅴ7|
|♭Ⅵ Ⅴ ♭Ⅴ Ⅴ|♭Ⅵ Ⅴ ♭Ⅴ Ⅴ|
|Ⅰm ♭Ⅶ ♭Ⅵ Ⅴ|
|Ⅳm Ⅰm Ⅰdim※3 Ⅴ7|

ブリッジ
|Ⅰm|Ⅰm|
■Aマイナー
|Ⅰm7 ■G♯マイナーⅠm7 ■Gマイナー Ⅰm7|
■Eマイナー
|Ⅰm7 ■D♯マイナーⅠm7 ■DマイナーⅠm7|
■C♯マイナー
|Ⅰm7|
■Cマイナー
|Ⅰm7|
■C♯マイナー
|Ⅰm7|
■Cマイナー
|Ⅰm7|
■Aマイナー
|Ⅰm|Ⅰm|

エンディング(アレンジ)
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7|♭Ⅵ ♭Ⅶ7|
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7|♭Ⅵ ♭Ⅶ7|

※1 Ⅴsus4のベース音が変化したもの
※2 Ⅱ7の代理
※3 Ⅳ7または♭Ⅵ7の代理

4度堆積コードを多用【コード進行のポイント】

コード進行のポイントを、移調後のAマイナーキーで解説します。

イントロは、4度堆積的な調性感の薄いアルペジオパターンの後ろでベース音が動く感じです。

上で鳴っている固定アルペジオパターンを基準に考えるなら、Esus4(onA)→Esus4(onG)→Esus4(onF)というような捉え方も出来るのですが、ベース音をルートにとるとAm11→G69→FM7(♯11)というようなコードネームになります。コード付けはどちらのパターンでもいけるのではないでしょうか。

ちなみに、アルペジオの合間(9小節目と14小節目)に入る3拍子の下降コードは、♯9thコードで、いわゆるジミヘンコードですね。

ジミヘンコードはメジャーとマイナーの中間の響きを持つので、ブルーノート系のフレーズと合いますが、実際、イントロ最後のAメロ導入フレーズはブルーノート系のフレージングです。

Aメロに入ってからはシンプルなアルペジオ系のフレーズ(ただしギターで弾くのはクッソ難しい)が続きますが、途中で属調のEマイナーキーに転調して、毎拍コードチェンジする難所へと突入。

その後のブリッジでは、4度堆積平行移動で転調していって、D♭m11→Cm11という謎の(?)繋ぎフレーズ(ここも4度堆積+修飾音だと思う)を経て元のAマイナーキーに戻しています。

このブリッジの部分は複雑に見えますが、4度堆積コードの平行移動によって、結果として転調を繰り返す感じになっていて、動きとしては半音と短3度の上下動です。この強引な展開がプログレぽさを醸し出している、っていうのはありますよね。

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