増子司【ゲーム音楽作曲家列伝06】

増子司さんは女神転生シリーズの音楽を作ったことで有名ですが、1984年のデビュー以来ずっと活躍を続ける超ベテラン作家です。
ゲーム音楽にメタル要素を持ち込んだのは彼と思います。

増子司さんプロフィール・略歴

本名:増子司(ますこ つかさ)
生年月日:1963年4月3日
作曲デビュー :1984年9月(スターフォース)
代表作品:初期の女神転生シリーズ

スターフォース(1984年9月、テーカン)でデビュー。

初期はテーカン(テクモ、現コーエーテクモ)の作品を手掛けていましたが、ファミコン版の女神転生シリーズ、スーパーファミコン版の真・女神転生シリーズが代表作です。

2000年代後半以降はサウンドエンジニアリングの仕事が中心になっています。

増子司さん作曲作品

※テクモの旧社名はテーカンですが、全て『テクモ』で表記します。

1984年

スターフォース(AC、テクモ)

ボンジャック(AC、テクモ)

1985年

ピンボール・アクション(AC、テクモ)

1986年

TEHKAN World Cup(AC、テクモ)

アルゴスの戦士(AC、テクモ)

マイティボンジャック(FC、テクモ)

銀河伝承(FCD、アトラス)

1987年

聖剣サイコカリバー(FCD、イマジニア)

女神転生(FC、ナムコ/アトラス)

バイオ戦士DAN(FC、ジャレコ)

1989年

ダンジョンエクスプローラー(PCE、アトラス)

パズルボーイ(GB、アトラス)

1990年

女神転生2(FC、ナムコ/アトラス)

コスモタンク(GB、アトラス)

雀偵物語(PCE、日本テレネット)

1991年

クイズまるごとTheワールド(PCE、アトラス、青木秀仁・猪瀬勝由希と共同)

1991年

ニューヨーク・ニャンキーズ(FC、アトラス)

スーパーエアーウルフ(MD、九娯貿易)

1992年

ブレイゾン(AC、アトラス)

雀偵物語2(PCE、日本テレネット)

真・女神転生(SFC、アトラス)

1993年

宇宙の騎士テッカマンブレード(SFC、ベック)

1994年

カブキロックス(SFC、アトラス、一部)

真・女神転生2(SFC、アトラス)

真・女神転生if(SFC、アトラス)

魔神転生(SFC、アトラス、一部)

ノンタンといっしょ~くるくるぱずる(GB/SFC、アクセス、簗田裕之と共同)

1995年

ジャムズ(SFC、カロッツェリアジャパン)

聖獣魔伝ビースト&ブレイド(SFC、BPS、一部)

旧約・女神転生(SFC、アトラス、崎元仁と共同)

真・女神転生デビルサマナー(SS、アトラス、田崎寿子と共同)

1996年

ゼイラムゾーン(PS、バンプレスト、一部)

ガレオス(PS、アトラス)

1997年

偽典・女神転生(PC、アトラス)

デビルサマナー ソウルハッカーズ(SS、アトラス、目黒将司・田崎寿子と共同)

1998年

ゴジラ〜トレーディングバトル(PS、TOHO、一部)

1999年

エルテイルモンスターズ(N64、イマジニア)

語楽王 TANGO!(WS/GB、メビウス)

2000年

霊刻~池田貴族心霊研究所(PS、メディアファクトリー、一部)

筋肉番付GB2(GB、コナミ)

2001年

マジカルバケーション(GBA、ブラウニーブラウン)

2003年

お遍路さん~発心の道場 阿波国編(GB、ピンチェンジ)

2006年

モンスターキングダム・ジュエルサモナー(PSP、ガイア、一部)

マジカルバケーション~5つの星がならぶとき(DS、ブラウニーブラウン)

2009年

ドラゴンボール改~サイヤ人来襲(DS、バンダイナムコ)

2016年

Caligula~カリギュラ(PSV、アクリア)

2018年

WORK×WORK(SW、熱中日和)

※略号
AC=アーケードゲーム
FC=ファミコン
FCD=ファミコン・ディスクシステム
GB=ゲームボーイ、ゲームボーイカラー
PCE=PCエンジン
MD=メガドライブ
SFC=スーパーファミコン
PS=プレイステーション
SS=セガサターン
N64=ニンテンドー64
WS=ワンダースワン
GBA=ゲームアドバンス
PSP=プレイステーションポータブル
PSV=プレイステーションVita
DS=ニンテンドーDS
SW=ニンテンドーSWITCH
PC=パソコン

増子司さんの音楽

増子さんの音楽性は1984年のデビュー作『スターフォース』の時点からすでにその特徴が出ていますが、かなりハードロック・ヘヴィメタル要素が濃いです。

ロック的手法の作曲

増子さんの音楽の作り方ですが、ハードロック路線の曲では、循環コード主体のコード進行にエオリアン・ドリアン・ブルーノートペンタトニックといったスケールによるロック系の語彙をのせています。

ヒーリング路線の曲はクラシカルな作りのものもありますが、やはり循環コード+スケールな造りの曲の比率が高く、クラシック系作曲方法で作られたものとは雰囲気が違います。

このロック系の作曲方法が増子さんの最大の特色でしょうか。
なんというか、ギタリストっぽい作り方と思います。
フレーズ的にもエレキギターの手癖的フレーズ満載だし。

初期のゲーム音楽作家で、他にこういう作曲をする人は、セガの川口博史さんがいますが、川口さんは鍵盤奏者だし、音楽性はもっとラテン・フュージョン寄りです。

特徴あるベースライン

増子さんの曲で特徴的なのがベースラインです。

当時のゲーム音楽ではルート弾きなどの単純なアプローチが多かった中、それ単体でBGMとして成立するような細かくてリズミックなベースラインをつけていました。

このベースライン重視傾向はファミコン版女神転生で顕著になって、スーファミの真・女神転生でPCM音源になったことによって、その魅力を完全に発揮するようになったと思います。

というのも、何回か触れたようにファミコンの音源(拡張音源含む)ではどうしてもベースが弱く、ディストーションギターの再現も限界がありました。

ベースライン命、ギターフレーズ命の増子さんの曲は、スーパーファミコンのPCM音源によって初めて彼がやりたかったことに到達できた、と自分は思っています。

増子さんの初期作品

自分が初めて増子さんの作品に接したのはデビュー作のアーケード版『スターフォース』でした。
スターフォースはゼビウスの次くらいに本格的にやりこんだタイトルで、音楽もよーく覚えています。

ベース主体のクールなメインBGMからターゲット(エリアボス)のメタルのギターソロっぽいフレーズが入ってくる展開が好きだったんですが、パーサーと合体するとカントリー風?の愉快なBGMになってましたよねw

初期作品ではマイティボンジャックの、ほのぼのBGMも好きでした。

代表作の女神転生シリーズ

そして増子司さんと言えば、やはりメガテンですよね~。

増子さんの手がけたメガテンシリーズは以下になります。

  • ファミコン版 女神転生1&2
  • スーパーファミコン版 真・女神転生シリーズ&旧約女神転生
  • セガサターン版 デビルサマナー
  • PC版 偽典・女神転生

この後のペルソナシリーズから目黒将司さん、土屋憲一さん、故・青木秀仁さんのアトラス三人衆に引き継がれますが、そちらの音楽も素晴らしいですね。

自分はファミコン版はやり逃してるんですが、ファミコン版の初代作品からハードロック・ヘヴィメタル+ヒーリングミュージックという基本路線は確立されてます。

自分個人的には、やはりスーファミの真・女神転生(1992年)が衝撃的でした。

単体でも曲として成立しそうな凝ったベースラインと、アンビエントっぽいメロディー、戦闘曲のディストーションギター、それまでもロック路線のゲーム音楽はありましたが、ここまでクールでカッコいいものは聴いたことがありませんでした。

女神転生シリーズの楽曲 ソロギター演奏

女神転生シリーズの楽曲 ソロギターアレンジ
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