ヴィオラートのアトリエ「にんじん村一番娘」【ギター演奏・コード進行65】

ヴィオラートのアトリエ にんじん村一番娘
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発売年月:2003年6月
機種:
プレイステーション2(PlayStation2)
メーカー:
ガスト(GUST)
タイトル名:ヴィオラートのアトリエ グラムナートの錬金術士2(Atelier Viorate)
曲名:にんじん村一番娘(Carrot)
作曲:土屋暁(Akira Tsuchiya)
演奏難易度:☆☆★★★(普通)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第65弾は、ヴィオラートのアトリエより「にんじん村一番娘」。今回は音楽に力が入っていることで知られるガストのRPG、アトリエシリーズからの選曲で、3拍子の軽快なリズムと、少し哀愁のあるメロディーがマッチした曲です。

ヴィオラートのアトリエ|グラムナートの錬金術士2

『ヴィオラートのアトリエ|グラムナートの錬金術師2』は、2003年にガストから発売されたRPGです。アトリエシリーズの5作目。前作『ユーディーのアトリエ グラムナートの錬金術士』の続編で、前作の25年後の世界が舞台になっています。

アトリエシリーズは1997年の『マリーのアトリエ』に始まり、派生作品を入れると現在までに30作品以上がリリースされている人気RPGシリーズです。

アトリエシリーズのゲームの目的は、錬金術師の主人公が日常生活を送りながら自分の住む村や街を発展させていく、というパターンが多く、今回とりあげる『ヴィオラートのアトリエ』もそのような内容となっています。

アトリエシリーズは錬金術でアイテムを調合するシステムがウケてヒットして、ガストの看板タイトルの一つとなっていますが、音楽に力が入っていることでも有名です。

自分もアトリエシリーズの音楽は好きなんですが、本作の音楽はアトリエシリーズのベスト3に入ると思います。

今回は『ヴィオラートのアトリエ』の音楽の中でも、一番の代表曲である「にんじん村一番娘」を演奏します。

にんじん村一番娘

『ヴィオラートのアトリエ』は主人公の少女ヴィオラート(ヴィオ)が、過疎化する生まれ故郷のカロッテ村を村興する話です。

カロッテ村の唯一の特産品はニンジンで、曲名の「にんじん村一番娘」は主人公のヴィオラートのことです。

この曲はゲームの拠点となるカロッテ村で流れる曲で、全アトリエシリーズの中でも人気が高い一曲です。

ただし、村が発展すると別の曲に変わってしまうので、ゲームの初期しか聴くことができません。

この作品のメインコンポーザーで、この曲を作曲した土屋暁さんによると、本作の曲は、この曲から作りはじめたといいます。

やはり最初の一曲って、力が入るんだと思いますが、小さな村の素朴なイメージと優美なメロディーラインが絶妙にマッチした名曲に仕上がっています。

この曲は歌詞も付く予定だったらしく、エンディング後に歌詞の出だしの部分が出てくるのですが、2007年にリリースされたアトリエシリーズのヴォーカル曲集CD『VOLKSLIED2』でヴォーカルバージョンを聴くことができます。

作曲者の土屋暁さんについてはガストサウンドチームの記事内で紹介しています。

ギターだと暗譜が大変な曲【ソロギター演奏】

原曲はFメジャーキー/Fマイナーキーの複合調ですが、ソロギターアレンジでは半音下のEメジャーキー/Eマイナーキーに移調して解放弦を活かせるようにしています。

この曲は1ループが長く、コード進行も凝っているため、暗譜が大変な部類です。

テクニック的には速弾きが入るわけでもなく、リズムも比較的シンプルなんですが、コードか細かく変わる上、メロディーもテンションやsus4から入る場所が多いので運指がおぼえにくくて、通してスムーズに弾けるまで結構練習が必要でした。

原曲はアコーディオンとヴァイオリンによる複数の旋律が絡んでいる部分が多いんですが、その中で目立つパート、自分が弾きたいパートを選んで、前後の流れと繋がるようにアレンジしました。

ギターでの響きかたや演奏性も考慮して、適宜リハーモナイズしていますので、コード進行は原曲と若干違う部分もあります。

にんじん村一番娘 コード進行

オリジナルのFメジャーキー/FマイナーキーをEメジャーキー/Eマイナーキーに移調しています。

サビ
|CM7|D7|Bm7|Em7|
|CM7|D|Em7|E|
|CM7|D7|Bm7|E7|
|CM7|D7|E|E|
|CM7|D7|Bm7|Em7|
|CM7|D7|Bm7|E|
|CM7 D7|Bm7 E7|
|CM7|D7|E|E|

Aメロ
|E|B7|C♯m7|B7|
|AM7|AM7|EM7|EM7|
|DM7|DM7|C♯m7|C♯m7|
|DM7|DM7|C♯7|C♯m7|
|E|B7|C♯m7|B7|
|AM7|AM7|EM7|EM7|
|DM7|DM7|C♯m7|C♯m7|
|DM7|DM7|G♯7(onC)|G♯7(onC)|

Bメロ
|C♯m|C♯m|F♯7|F♯7|
|A|B7|Esus4|EM7(onD♯)|
|A|A|E|E|
|F♯m7|F♯m7|G♯7|G♯7|
|C♯m|C♯m|F♯7|F♯7|
|A|B7|Esus4|EM7(onD♯)|
|A|A|E(onG♯)|E(onG♯)|
|F♯m7|F♯m7|G♯7|G♯7|
|C♯add9|C♯add9|C♯|C♯|

サビ繰り返し

コーダ
|CM7|D7|Bm7|Em7|
|CM7|D7|Em7|E|
|CM7|D7|Bm7|Em7|
|CM7|D7|E|E|

コード進行分析

サビ
■Eマイナー
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅴm7|Ⅰm7|
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅰm7|Ⅰ|
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅴm7|Ⅰ7|
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅰ|Ⅰ|
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅴm7|Ⅰm7|
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅴm7|Ⅰm7|
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅴm7|Ⅰ7|
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|
■Eメジャー(同主調)
|Ⅰ|Ⅰ|

Aメロ
|Ⅰ|Ⅴ7|Ⅵm7|Ⅴ7|
|ⅣM7|ⅣM7|ⅠM7|ⅠM7|
|♭ⅦM7|♭ⅦM7|Ⅵm7|Ⅵm7|
|♭ⅦM7|♭ⅦM7|
■C♯メジャー(短3度転調)
|Ⅰ|Ⅰ|
■Eメジャー
|Ⅰ|Ⅴ7|Ⅵm7|Ⅴ7|
|ⅣM7|ⅣM7|ⅠM7|ⅠM7|
|♭ⅦM7|♭ⅦM7|Ⅵm7|Ⅵm7|
|♭ⅦM7|♭ⅦM7|Ⅲ7※1|Ⅲ7|

Bメロ
■C♯マイナー(平行調)
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅳ7|Ⅳ7|
|♭Ⅵ|♭Ⅶ7|♭Ⅲsus4|♭ⅢM7|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅲ|♭Ⅲ|
|Ⅳm7|Ⅳm7|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅳ7|Ⅳ7|
|♭Ⅵ|♭Ⅶ7|♭Ⅲsus4|♭ⅢM7|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|♭Ⅲ|♭Ⅲ|
|Ⅳm7|Ⅳm7|Ⅴ7|Ⅴ7|
■C♯メジャー(同主調)
|Ⅰ※2|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|

サビくり返し
■Eメジャー(短3度転調)

コーダ
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅴm7|Ⅰm7|
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅰm7|Ⅰ|
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅴm7|Ⅰm7|
|♭ⅥM7|♭Ⅶ7|Ⅰ|

※1 C♯マイナーのⅤ7と共用
※2 次のCM7へのクロマチックアプローチになっている

平行調・同主調の組み合わせ【コード進行のポイント】

この曲は細かいコード回りで、メロディーに合わせてコード進行が微妙に変化していますが、おそらく、メロディーから先に作ったためにそうなっていると思われます。

曲の頭はサビから入っています。ここをAメロとしてもいいんですが、雰囲気的にこのメロディーがサビかな?と思いました。

サビは、よくあるマイナー進行で最後だけメジャーキーに終止するパターンですね。

Aメロは同主調のEメジャーキーから入りますが、Aメロ一回り目でⅥで終止していますが、これはEメジャーの平行調C♯マイナーの同主調C♯メジャーキーになっています。

BメロはAメロのEメジャーキーの平行調C♯マイナーに行っていて、最後は同主調のC♯メジャーキーに終止。その後、元のEマイナーキーに戻して再びサビに行きますが、C♯→CM7という半音の動きで転調しているために、スムーズな流れになっています。

このように、転調が多い曲ですが、Eマイナーキーを起点にして、同主調と平行調を行ったり来たりする構成です。

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