ロマンシングサガ&ミンストレルソング「決戦!サルーイン」【ギター演奏・コード進行26】

ロマンシングサガ1 ミンストレスソング 決戦!サルーイン
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発売年月:1992年1月(ロマンシングサガ)/2005年4月(ミンストレルソング)
機種:
スーパーファミコン(ロマンシングサガ)/プレイステーション2(ミンストレルソング)
メーカー:
スクウェア(SQUARE)
タイトル名:
ロマンシングサガ/ロマンシングサガ ミンストレルソング(Romancing SaGa)
曲名:
決戦!サルーイン(Final Battle With Saruin)
作曲:
伊藤賢治(Kenji Ito)
演奏難易度:☆★★★★(難しい)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第26弾は、ロマンシングサガ&ミンストレルソングより「決戦!サルーイン」。前半をロマサガ1のバージョン、後半をミンサガのバージョンで組曲にしています。

伊藤賢治さんの音楽の中でも人気が高いバトル曲です!

ロマサガ版とミンサガ版を組曲で【曲概要】

今回の演奏「決戦!サルーイン」は、前半をスーパーファミコン版ロマンシングサガ1(以下ロマサガ1)のもの、後半をプレイステーション2版のロマンシングサガ・ミンストレルソング(以下ミンサガ)のもので組曲にしました。

今回は2曲まとめているので伊藤賢治さんの曲は今までで4曲になりますね。

ロマサガ1版とミンサガ版で曲も違いますが、アレンジもかなり違うので少し解説してみます。

スーファミのロマサガ版

ロマサガ1版「決戦サルーイン」は長年ネットで支持を集めている名曲。

原曲アレンジは金管のメロ(JMM=ジャパニーズ・メランコリック・メロディー)+管弦楽のハーモニー+スラップベース+ロックドラムというスーファミ世代ロマサガバトル曲の定番パターンです。

ちなみにロマサガ1ではまだメタル路線はそんなに明確ではなく、ロマサガ3からメタルアレンジ路線を強めています。

プレステ2のミンサガ版

ミンサガ版のほうは、ダブルベースドラムスとディストーションギターのバッキングでモロにメタルアレンジですが、メロはシンセブラスというかFM音源のシンセでディストーションギターの音を作ったような音色ですね。そして全編にストリングスのハーモニーが入ってます。

メロディーは凄い直球のJMMですよね。大好きですが。

ミンサガのリメイク内容など

ミンサガはロマンシングサガ1のリメイク作で世界設定などはロマサガ1と同じですが、中身は大幅に作り替えられられました。

音楽も半分くらいは全くの新曲になり、既存曲もかなりアレンジされています。

余談になりますが、スーファミ版のロマサガ1は多くのバグがあり(というか開発中に容量が足りなくなったらしい)、画面には見えてるけど行けない場所や、どこを探しても無い重要アイテム、会話できないところにいる重要人物など、多くの謎を残したままでした。

またそういうところにロマンを感じて無駄なやりこみをしたものでしたが、ワンダースワン版ロマサガとミンサガで、かなり伏線を回収しています。

メタル曲をガットギターでアレンジ【ソロギター演奏】

この曲はブログ読者様のリクエストに応えて演奏させていただきました。

今回は真・女神転生「銀座」の時と同様に「メタルアレンジメタルアレンジメタルアレンジメタルアレンジ曲をガット弦ギターで再現してみよう!」という趣旨の実験的演奏をやってみました。

今回は2曲くっつけて長くなったのもあり、アレンジと動画撮影はなかなか大変でした。

ロマサガ1版のほうは比較的シンプルで、速いアルペジオなど聴かせどころがハッキリしているので、まだ楽でした。

問題は後半のミンサガ版。

こちらはコードチェンジ激しいし、メロもテンションノートばかりでなかなか指がおぼえてくれません。

最初はもっと欲張ったアレンジだったんですが、いざ撮影してみるとぜんぜん最後まで弾けないのでかなり簡略化しました。

リズムをもっとシンコペさせたりして遊びたかったんですが、メロディーとコードを暗譜するのがやっとで、正直そんな余裕はありませんでした。

なお、両バージョンともオリジナルはCマイナーですが、半音下げてBマイナーで演奏しています。1カポで弾けばオリジナルキーにできます。

リズムトラック制作を頑張った

今回はアレンジを簡略化した代わりに、リズムトラックのプログラムをいつもより頑張りました。

途中でリズムパターン変えたり、ブレイク作ったり(これは最初から決めてましたが)、要所にフィルとかシンバルを入れたり。

――なんですが、リズムトラックのアレンジにこだわり始めてしまうと、時間大量消費(数日かかったり)の上、ソロギターっていうブログのテーマからだんだんズレていくので、最大これくらいにしておこうかと。

決戦!サルーイン コード進行

オリジナルのCマイナーキーをBマイナーキーに移調しています。

ロマサガ1版イントロ
|Bm|Bm|Bm|Bm|Bm|
|B|B7|Em|C♯7|
|F♯7 C♯m7(♭5)|Bm F♯7|

ロマサガ1版Aメロ
|Bm7 Bm6|Bm|GM7|GM7|
|A|F♯m7|GM7|F♯7 G♯dim7 A♯dim7|
|Bm7 Bm6|Bm|GM7|GM7|
|A|Bm|Cm F♯7(onA♯)※1|Bm|Bm|

ロマサガ1版Bメロ
|GM7|GM7|Bm7|Bm7|
|C♯m7(♭5)|F♯7|Bm A7|Bm CM7|
|GM7|GM7|Bm7|Bm7|
|C♯7 F♯7|B F7|A D|G Em|
|F♯7|G7|F♯7|G7|
|G7|G7|G7|G7|※2

ミンサガ版Aメロ
|Bm|Bm|Em7|Em7|
|C♯m7(♭5)|F♯m7|Bm A|Bm A|
|G|F♯m7|Em7 A|F♯m7 Bm7|
|Em7 D7|C♯m7(♭5) F♯m7|G|A9|

ミンサガ版ブリッジ
|Bm C|D C Bm|Bm|

ミンサガ版Aメロバリエーション
|Bm|Bm|Em7|Em7|
|C♯m7(♭5)|F♯m7|Bm|B7|
|G|F♯m7|Em7 A7|DM7 Bm7|
|Em7 D|C♯m7(♭5) F♯m7|Bm C|Bm A|

ミンサガ版Bメロ
|G|A|Bm C D Bm C D|Bm C D Bm A|
|G|A|Bm C D Bm C D|Bm C D B7|
|Em7 A7|DM7 B7|Em7 F♯7|C7 Bm7|
|Em9 D♯dim7|GM7|F♯7|F♯7|

アウトロ
|Bm|Bm|Bm|Bm|Bm|
|C|C|C Bm|

※1 この小節は採譜ミスで演奏動画ではCM7→F♯7と弾いている
※2 この行はアレンジ

コード進行分析

ロマサガ1版イントロ
■Bマイナー
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|
|Ⅰ7|Ⅰ7|Ⅳm|Ⅱ7|
|Ⅴ7 Ⅱm7(♭5)|Ⅰm Ⅴ7|

ロマサガ1版Aメロ
|Ⅰm7 Ⅰm6|Ⅰm|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|♭Ⅶ7|Ⅴm7|
|♭ⅥM7|Ⅴ7 Ⅵdim7※1 Ⅶdim7※2|
|Ⅰm7 Ⅰm6|Ⅰm|♭ⅥM7|♭ⅥM7|
|♭Ⅶ7|Ⅰm|♭Ⅱm※3 Ⅴ7|Ⅰm|Ⅰm|

ロマサガ1版Bメロ
|♭ⅥM7|♭ⅥM7|Ⅰm7|Ⅰm7|
|Ⅱm7(♭5)|Ⅴ7|
|Ⅰm ♭Ⅶ|Ⅰm ♭ⅡM7|
|♭ⅥM7|♭ⅥM7|Ⅰm7|Ⅰm7|
■Bメジャー
|Ⅱ7 Ⅴ7|ⅠM7 Ⅳ7|
■Bマイナー
|♭ⅥM7 ♭ⅢM7|Ⅳm7|
|Ⅴ7|♭Ⅵ7|Ⅴ7|♭Ⅵ7|
|Ⅴ7 ♭Ⅵ7|Ⅴ7|

ミンサガ版Aメロ
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅳm|Ⅳm|
|Ⅱm7(♭5)|Ⅴ7|Ⅰm|Ⅰm ♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|Ⅴm7|Ⅳm7 ♭Ⅶ|Ⅴm7 Ⅰm7|
|Ⅳm7 ♭Ⅲ|Ⅱm7(♭5) Ⅴm7|
|♭Ⅵ|♭Ⅶ|

ミンサガ版ブリッジ
|Ⅰm ♭Ⅱ|♭Ⅲ ♭Ⅱ Ⅰm|Ⅰm|

ミンサガ版Aメロバリエーション
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅳm|Ⅳm|
|Ⅱm7(♭5)|Ⅴ7|Ⅰm|Ⅰ7|
|♭Ⅵ|Ⅴm7|Ⅳm7 ♭Ⅶ|♭Ⅲ Ⅰm7|
|Ⅳm7 ♭Ⅲ|Ⅱm7(♭5) Ⅴm7|
|Ⅰm ♭Ⅱ|Ⅰm ♭Ⅶ|

ミンサガ版Bメロ
|♭Ⅵ|♭Ⅶ|Ⅰm|Ⅰm ♭Ⅶ|
|♭Ⅵ|♭Ⅶ|Ⅰm|Ⅰm Ⅰ7|
|Ⅳm ♭Ⅶ|♭Ⅲ Ⅰ7|
|Ⅳm7 Ⅴ7|♭Ⅱ7 Ⅰm7|
|Ⅳm7 Ⅲdim7※4|♭ⅥM7|Ⅴ7|Ⅴ7|

アウトロ
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|Ⅰm|
|♭Ⅱ|♭Ⅱ|♭Ⅱ Ⅰm|

※1 Ⅱ7の代理
※2 Ⅴ7の代理
※3 採譜ミスで演奏では♭ⅡM7で弾いている
※4 ♭Ⅲ7の代理

♭Ⅱ使用でスパニッシュ調に【コード進行のポイント】

Bマイナー(原曲はCマイナー)を主体に、Bフィリジアン(=Bスパニッシュ調)、Bメジャーの音が混じってきます。

このパターンは伊藤さんのオハコですが、マイナーとスパニッシュ調の併用はメタル系ではわりとよくあります。

メタル音楽の場合、コード進行というよりギターリフのパターンから曲が作られた結果、♭Ⅱを多用した場合にスパニッシュ調になるというパターンが多そうですが、この曲もそんな感じの部分があります。

スパニッシュ調に関しては、フラメンコでいうところのポルアリーバ・ポルメディオなどになりますが、インド→アラブ→スペインと流れてきた民族音階で、一般の理論で解釈するとフィリジアンモードということになります。

フィリジアン・スパニッシュ系の音楽は、2番目の音がフラットしていて、Ⅰ+♭Ⅱというコードの動きが特徴です。

この曲の中では、Ⅰ+♭ⅡとⅤ+♭Ⅵという2つのスパニッシュ調が用いられていますが、このあたりは深入りすると長くなるので、また「ゲーム音楽論」などで詳しく解説したいと思います。

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