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マッピー メインテーマ~大野木宣幸さん追悼【ギター演奏・コード進行分析51】


難易度☆☆★★★(普通)

日本のゲーム音楽作曲家の草分けである大野木宣幸さんが亡くなりました。享年63歳。

今回は急遽、大野木さんの代表曲である『マッピー』のメインテーマを演奏し、追悼とさせていただきます。

大野木さんの訃報について

大野木さんは2019年8月に亡くなったという情報と、11月11日に亡くなったという情報があって少し錯綜しているようですが、亡くなられたのは事実のようです。

自分が気がついたのは11月17日頃です。

半月ぶりくらいにブログのアクセスの状態を見ていたところ、11月11日~13日頃にかけて、アクセスが普段の5倍ほど伸びていて、何事かと思ってアクセスの内容を見ると、大野木宣幸さんの名前での検索流入でした。

直感的に『何かあったな』と思い、調べてみたところ、大野木さんの訃報を知った次第です。

今回は他の曲を準備中でしたが、それは後回しにして、急遽、大野木宣幸さんの追悼企画を組むことにしました。

大野木宣幸さんについて

大野木さんについては『日本初の専任ゲーム音楽作曲家』として、ゲーム音楽史03で紹介しています。

大野木宣幸・慶野由利子・小沢純子~業界初の音楽専任スタッフ【ゲーム音楽史03】
ゲーム音楽史 第2回で『ナムコ一強時代』をやりましたが、今回は大野木宣幸さん・慶野由利子さん・小沢純子さんという初期ナムコの音楽専任スタッフについて書いています。

大野木さんの作品は昨年夏に『メトロクロス』を演奏して、その時にも大野木さんの紹介をしました。

メトロクロス メインテーマ【ギター演奏・コード分析22】
今回の演奏は往年のナムコタイトルでメトロクロス(1985年)のメインBGM。ジプシースイングを彷彿とさせる曲です。大野木宣幸さん紹介、コード進行も掲載しています。

大野木宣幸さん来歴

改めて大野木宣幸さんの来歴を紹介しますが、ゲーム音楽の黎明期にナムコのメインコンポーザーとして活躍されたかたです。

1980年にプログラマーとしてナムコに入社しますが、『ラリーX』のハイスコアBGMを作ったのをきっかけに、ナムコの専任サウンドスタッフを任されることになります。

これは日本で初の『ゲーム音楽作曲家』の誕生ということになります。

それからは『ナムコ一強時代』の中心的存在として、1981年~1985年頃のナムコの主要作品を手がけます。

代表作として以下のものがあります。(発表順)

  • NEWラリーX
  • ギャラガ
  • ポールポジション
  • マッピー
  • ポールポジション2
  • リブルラブル
  • メトロクロス

その後、1985年にナムコを退社したということですが、アーケードゲームでは1986年4月の『ホッピング・マッピー』まで、コンシューマー作品では、1991年の『ファミリーサーキット’91』(ファミコン)、1994年の『スーパーファミリーサーキット』(スーパーファミコン)あたりまでナムコ作品のコンポーザーとして活躍されていました。

1990年代後半あたりからゲーム音楽業界を退いて、実家のお味噌屋さん(ちなみに静岡県、同郷です)を継いでいたとのことですが、近年になって音楽活動を再開されていたようです。

2019年2月にコロンバスサークル社からリリースのリズムゲームソフト『16ビットリズムランド』の音楽を担当しています。

その矢先の訃報ですので、残念でなりません。
ご冥福をお祈りします。

マッピーの作品概要

1983年 アーケードゲーム
作曲:大野木宣幸

マッピー

マッピーは1983年3月に稼働開始したナムコのアクションゲームで、ネズミと猫のドタバタアクションです。

これのキャラクターである『マッピー』『ニャームコ』は、もともとロボットのコンテストにナムコが出展したもので、それをゲームのキャラクターとして開発されたのが『マッピー』です。

マッピーの音楽

今まで、このブログで取り上げたなかで、一番古い曲となります。

マッピーの音楽は、すぎやまこういちさんが『ゲーム音楽ではじめて気に入った曲』として評価されているのは有名な話ですが、当時のゲーム音楽としては断トツに凝った内容と完成度でした。

1983年前半というと、まだゲーム音楽は黎明期で『ナムコ一強時代』でした。ナムコ以外の他社は本当にシンプルなものしかありませんでした。

ナムコ以外だと『バーニンラバー』(1982年12月、データイースト)あたりが一番凝ったものでしょうか。

当時はBGMがついたものが出始めて間もない時期で、ナムコ含めて1ループ4~16小節の繰り返し、というものしかありませんでした。

マッピーはAABACという展開で、Bメロに加えて大サビであるCメロまでついて、しっかり音楽的展開がされていました。

Cメロがついたのは、ゲーム音楽としては初ではないでしょうか。
同時代の一般的なゲーム音楽に比べて1ループが3~4倍のボリュームです。

アレンジは大野木さん得意のオールドアメリカンスタイルで、ジャズやカントリー風の味付けです。

大野木さん作品を演奏するにあたり、1983年12月の『リブルラブル』も大好きなので、どちらを演奏するか迷いましたが、そこはやはり、1983年前半という時代にゲーム音楽の金字塔を打ち立てた作品として『マッピー』を演奏すべきかな、と思いました。

『リブルラブル』もいずれ演奏したいと思います。

スイングビートの細かいメロディー【ソロギター演奏】

オールドジャズ、カントリー風アレンジになっていて、フレーズが細かくて音の跳躍も大きいので、ソロギターで再現しようと思うと、かなり難易度が高くなります。

さらに、リズムがスイングしているので、この手のものを指弾きで弾くのはかなり難しいです。

大野木さん作品はスイングビートの比率が高いんですが、ハネものが難しいのは『メトロクロス』の演奏の時も書いてます。

そして、メロディーだけならまだしも、ベース音や合間のオブリガードなどをどの程度入れていくか?で難易度が全然変わってきます。

今回は自分の演奏技術で無理がない範囲内で、なるべくベース音とオブリガードを入れていっています。

Mappy “Main Theme” コード進行

Aメロ
E7 E7 Am7 Am7
D7 D7 G G
G Am7/B♭dim G(onB) G

Aメロ繰り返し
E7 E7 Am7 Am7
D7 D7 G G
G Am7/B♭dim G(onB) G

Bメロ
BM7 BM7 BM7 BM7
AM7 AM7 AM7 AM7
G G D B7

Aメロ
E7 E7 Am7 Am7
D7 D7 G G
G Am7/B♭dim G(onB) G

Cメロ
B7 B7 Em7 Em7
A7 A7 D7 D7
B7 B7 G Em7
C D7 D7 G

コードアナライズ

Aメロ
■Gメジャー
Ⅵ7 Ⅵ7 Ⅱm7 Ⅱm7
Ⅴ7 Ⅴ7 Ⅰ Ⅰ
Ⅰ Ⅱ-7/♭Ⅲdim(パッシング) Ⅰ Ⅰ

Aメロ繰り返し

Bメロ
■Bメジャー
ⅢM7 ⅢM7 ⅢM7 ⅢM7
■Aメジャー
ⅡM7 ⅡM7 ⅡM7 ⅡM7
■Gメジャー
Ⅰ Ⅰ Ⅴ7 Ⅲ7

Aメロ繰り返し

Cメロ
Ⅲ7 Ⅲ7 Ⅵm7 Ⅵm7
Ⅱ7 Ⅱ7 Ⅴ7 Ⅴ7
Ⅲ7  Ⅲ7 Ⅰ Ⅵm7
Ⅳ Ⅴ7 Ⅴ7 Ⅰ

細かいコード付けと平行転調【コード進行のポイント】

この時代のゲーム音楽のコード進行は2コード・3コードのみだったり、4小節くらいの循環コードひたすら繰り返しというのが大半でしたが、マッピーのコード進行はかなりしっかり作ってあって、この時代では異例のものです。

AメロはⅥ7からの5度進行ですが、最後のG→Am7/B♭dim→G(onB)のオチが、ギターで弾くのはかなり難しかったです。

Bメロは平行転調が入ります。
コードがB7→A7ならGメジャーキーのままⅢ7→Ⅱ7の解釈もできそうですが
コードがドミナント7thではなくてM7thな感じなので、ここはGメジャー→Bメジャー→Aメジャー→Gメジャーという平行転調の解釈です。
ⅠM7でなくⅣM7かも?とかもありますが、フレーズは平行移動なので、あまり深く考えずにシンプルな解釈にしました。

Cメロの最後のほうはかなり細かくコードがついて再現が大変なところですが、D7のところでブルーノートが1音だけ絡んでいるのが粋ですね。

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