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スナッチャー Twilight of NEO KOBE City【ギター演奏・コード分析42】

難易度☆☆☆☆★(初心者向け)

PC88版・MSX2版のオープニングタイトル曲【曲紹介】

1988年:PC8801シリーズ、MSX2他
作曲:深見誠一

スナッチャー オープニング画面
(c)Konami

スナッチャーは1988年にコナミから発売されたアドベンチャーゲームです。

ゲーム音楽史などでも何回か書いていますが、この年代のゲーム音楽はコナミが一番勢いがありました。

1980年代後半のコナミ作品はゲーム音楽的に外れ作品は一つもないと言っても良さそうです。
この『スナッチャー』も音楽は素晴らしかったです。

この曲『Twilight of NEO KOBE City』は、最初に発売されたPC88版とMSX2版のタイトル曲です。

これ以降の移植作のタイトル曲はサックスをフューチャーした『ONE NIGHT IN NEO KOBE CITY』に変更になっていて、こちらも味わい深い曲ですが、自分はやはりTWILIGHT~のほうが馴染みがあります。

この作品『スナッチャー』と、タイトル曲『Twilight of NEO KOBE CITY』ですが、色んな意味で1980年代後半という時代が凝縮されているように感じます。

アドベンチャーゲームというジャンル

スナッチャーはアドベンチャーゲームです。
多分、今の若い世代はあまり馴染みがないジャンルかもしれません。

アドベンチャーゲームは、簡単に言うと『選択肢分岐つき紙芝居』ですかね。
1980年代初頭ごろからアメリカのAppleⅡ向けのアドベンチャーゲームが発売されていて、かなりの人気がありました。

当時のPCの性能では動画やアニメーションは無理でしたから、一枚絵とテキストを主体にしたアドベンチャーゲームはPCゲームの主力ジャンルとなっていきました。

日本でも1983年~1986年あたりにかけてハドソンやエニックスが沢山のアドベンチャーゲームタイトルを出していました。

アクションゲーム主体のアーケードゲームやファミコンとまた違った流れです。

アドベンチャーゲームでも人気作品はファミコンにも移植されましたが!文字入力と細かいグラフィックが不得手なファミコンには適しませんでした。

アドベンチャーゲームの衰退

PCゲームの世界で一時は一大ジャンルを形成していたアドベンチャーゲームですが、1987年ごろを境に徐々に衰退していきます。

PCの性能が増して動きのある表現が進歩、新しいタイプのゲームが台頭してきたためです。

ゲーム性の面で1985年ごろから日本でも人気化してきたRPGやより本格的な思考力を使うシミュレーションゲームに押されていきます。

この『スナッチャー』はそうしたアドベンチャーゲームが栄えた時代の最後のほうに出された名作であり、アドベンチャーゲームの一つの到達点と言えます。

一枚絵スタイルのアドベンチャーゲームは、その後サウンドノベルや、PCの恋愛・アダルト系ゲームを中心に生き残っていくことになります。

サイバーパンクという世界観

スナッチャーの世界観ですが、これも1980年代の一つのトレンドだった『サイバーパンク』です。

サイバーパンクのムーブメントは、映画『ブレードランナー』『マッドマックス』あたりに始まり、日本では、漫画『AKIRA』『北斗の拳』などに象徴されるような、荒廃した近未来が舞台になった映像作品や漫画、文学を『サイバーパンク』とカテゴライズしていました。

ゲームでは初期のものだと『ザ・スクリーマー』などがありましたが『真・女神転生』もサイバーパンクの流れを汲むものです。

スナッチャーの舞台は近未来の神戸で、人間になりすます殺人アンドロイドとそれを追う捜査官の話です。

このサイバーパンクという世界設定は、1980年代を通して確立されて一つの流れとして定着、それ以降の多くの作品に多大な影響を与えています。

スナッチャーは世界観という意味でも1980年代を象徴しています。

1980年代を感じる音楽

そして、オープニングタイトル曲であるこの曲もまた1980年代のカラーが際立っています。

コード進行、フレージング、アレンジ、使用音色などですが、少し洒落たニューミュージックや、1980年代前半から中頃に流行したインストのフュージョン音楽を彷彿とさせます。

使用音色もPC88版とMSX2版で違いますが、エレクトリックピアノとシンセベース的な音色がメインになっていて1980年代の雰囲気を伝えています。

――このように、自分が感じる『スナッチャー』の印象は1980年代の成果物の塊のような作品だな~、と思うわけです。

88版とMSX2版のアレンジの違い

  • PC88版はFM音源+SSG音源(PSGとほぼ同じ)
  • MSX2版はSCC音源(波形メモリ音源)

という違いがあり、曲は同じですが音源に合わせてアレンジが変えられています。
このあたり芸が細かくて、いかにコナミが音楽を重視していたかがうかがえます。

88版のアレンジも捨てがたいですが、MSX2版のアレンジは音色の少なさを補ったうえで厚みを持たせていて素晴らしいですね。

ちなみに、MSX2版はゲームのものと別に音源カートリッジが付属していて、これが単体で動いたため、後々MSX2での音楽制作(初期のDTMですね!)に流用されて活躍することになります。

深見誠一さん【作曲者】

コナミ矩形波倶楽部は大所帯のうえ、一つの作品に数人は参加しているので誰がどの曲担当だったか不明な場合も多いです。

スナッチャーのメインコンポーザーは碇子正広さんのようですが、クレジットを調べてみると、この曲は深見誠一さんの作となっていますので、今回は深見誠一さんを紹介いたします。

通称『プロフェット深見
コナミ入社前はプログレバンドをやっていて、コナミではアーケードゲームが主な担当だったようです。

主な担当作品は『グラディウス2』『グラディウス3』『サンダークロス』など。

コナミ退社後はIT企業に転職されて、それ以降ゲーム音楽は作っていないようですが、近年になってコナミ矩形波倶楽部の同僚である吉川もとあきさんらとバンドを結成するなど、音楽活動は続けておられるようです。

シンプルにアレンジ【ソロギター演奏】

まず最初に、この曲は演奏予定では無かったんですが、取り組んでいた別曲のアレンジ(というか、練習・暗譜の問題ですが)が難航して、まとまめるのに時間がかかる感じになったので、急遽、短時間でまとまりそうな曲を選曲してアレンジ・録画しました。

スピーディーにアレンジできる選曲

この状況はかなり頻繁にありますが、そういう場合の選曲基準は以下の通りです。

  • コード進行がシンプルでおぼえやすそう
  • 難しそうなフレーズが出てこない
  • リズムトラックも無しか超シンプルなもので行けそう

この3つの条件で選ぶとだいたい星一つか二つくらいの難易度でおさまって、二~三日で仕上がる選曲ができます。

結果としてこの曲もシンプルで、初心者でも取り組みやすい内容になったと思います。

アレンジがシンプルだからといって音楽的にダメかというと全くそんなことはなく、むしろ余裕が出ていい演奏になることが多いんではないでしょうか。

いたずらに難易度を上げるより、同じような演奏効果なら難易度が低いほうを選択するほうがいいです。

アレンジの上手さというのも、難易度を抑えつつ最大の演奏効果を上げるということと思います。

フラメンコカラーも少し入れてみたり

このアレンジはフラメンコギターの『ファルーカ』や『タンゴ・デ・マラガ』の感じも入れつつ演奏しています。

イントロはたっぷり間をあける感じでフェルマータからAメロ導入、徐々にテンポ感を出して弾いていきます。

エンディングに細かいアルペジオが出てきたりしますが、こういうところは手癖でやっているだけなので重要ではなく、弾かなくても構いません。

Snatcher “トワイライト・オブ・ネオ神戸シティ” コード進行

イントロ
Amadd9 Amadd9(onG) Amadd9(onF) Esus4/Em7
Amadd9 Amadd9(onG) Amadd9(onF) E7

Aメロ
Am E7(onG♯) C(onG) D7(onF♯)※演奏ではルートがベース
FM7 Em7(onG♯) Am7 E7
Am E7(onG♯) C(onG) D7(onF♯)※演奏ではルートがベース
FM7 Em7 Am7 A7

Bメロ
Dm7 G7 CM7 Am7
Dm7 G7 CM7 Em7/E7(♭9)

コードアナライズ

イントロ
■Aマイナー
Ⅰm ♭Ⅶ ♭Ⅵ Ⅴm7
Ⅰm ♭Ⅶ ♭Ⅵ Ⅴ7

Aメロ
Ⅰm Ⅴ7 ♭Ⅲ Ⅳ7
♭Ⅵ Ⅴm7 Ⅰm7 Ⅴ7
Ⅰm Ⅴ7 ♭Ⅲ Ⅳ7
♭Ⅵ Ⅴm7 Ⅰm7 Ⅰ7

Bメロ
Ⅳm7 ♭Ⅶ7 ♭ⅢM7 Ⅰm7
Ⅳm7 ♭Ⅶ7 ♭ⅢM7 Ⅴm7/Ⅴ7

Aメロはベースが半音下降【コード進行のポイント】

コード進行はシンプルですが、細かい味付けが効いていて味わいのある仕上がりになっています。

AメロはベースがキールートのA音から半音ずつ下がっていく王道進行です。
D7(onF♯)のところも本当はベースをF♯にして半音進行を維持したかったのですが、メロディーと演奏性を優先してベースはルートのD音に変更しました。

あと、ドミナントではなくドミナントマイナーを多用してるのもポイントで、くどくなりすぎるのを回避してスッキリ風味になっています。

Bメロは五度進行中心でいたってシンプルです。

コード進行はそんな感じでシンプルすが、この曲はフレージングが1980年代当時の洒落た音楽風味で、なによりもそこが魅力かと。

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