Ahead Our Way ファイナルファンタジー5メインテーマ【ギター演奏・コード分析27】

難易度☆☆☆★★(易しい)

FF5 オープニング・タイトル曲【曲紹介】

1992年 スーパーファミコン
作曲:植松伸夫

前回のロマサガに続き、スクウェアのスーパーファミコン作品で、植松伸夫さん全盛期の名曲です。

自分はファイナル・ファンタジー・シリーズはスーパーファミコン時代にやったきりなので、4~6が一番音楽も馴染みがあります。

中でも5は個性的な佳曲揃いと思いますが、この曲は5のタイトル曲で植松節そのものですね。

植松さんの作曲の特徴としてコードの並びも転調もイレギュラーなものが多いんですが、五度進行など安定的な進行も一定量入れていって、メロの安定感を維持していくバランス感覚は流石。

この曲はまさにそんな植松さんの作曲傾向が凝縮されています。

植松伸夫さんとプログレ【作曲者】

植松伸夫さんのキャリア概要などについてはファイナルファンタジー プレリュード・メインテーマの記事 もご参照ください。

植松さんの音楽の特徴といえばプログレの要素があげられます。

この曲は聴こえはプログレ色強くないですが、コード進行はひねりが効いていて構造的にはプログレ色を感じるんですが。
曲の最後からAメロに戻る転調が、やや強引な感じの全音転調になっていたり、そのへん。
詳しくはコード進行分析のほうの記事でやろうと思います。

植松さんの音楽を語る上でプログレの影響は外せないので、ここで少し触れておこうと思います。

プログレとはプログレッシブ・ロックのことで、1970年代を中心にもりあがった音楽ジャンルのこと。

キング・クリムゾン、イエス、エマーソン・レイク・アンドパーマー(ELP)、ジェネシス、エイジアといったバンドが代表的です。

やたら長い曲をやったり、コード進行やリズムも複雑化させたり、とにかく頭を使ってロックミュージックを進化させよう、という方向性でしょうか。

プログレはクラシックやジャズの理論的な部分を応用していますが、ロックの表現や楽器編成に合うようなプログレ独特の語法も生まれてきます。

ゲーム音楽界のプログレ派と言えば、今までに植松伸夫さん、桜庭統さん、菊田裕樹さんの三人をご紹介しました。

曲を分析してみると、たしかにこの三人のコード進行の作り方は共通項があるように思われ、具体的には同型コードの平行移動とそれに伴う転調を多用してます。
例えばメジャー7thコードを全音ずつずらしていくような進行とか。

この三人はアレンジ面でもシンセっぽい音の主旋律を好んだり、リズムはロック音楽ベースだったり、共通するものがありますよね。

Aメジャーに移調してシンプルアレンジ【ソロギター演奏】

今回はなんだかんだ忙しくて練習時間が少なかったため、ギターアレンジの演奏難易度は低めに設定しました。

最初はもっとゆっくり、アレンジもほぼ原曲通り弾いていたのですが、さすがにシンプルになりすぎた感があったので、少しテンポを上げてリズミックにして、アレンジもギターっぽい部分を入れて演奏してます。

少し簡略化すれば初級者でもチャレンジできる内容と思いますので、是非弾いてみてください。

なお、オリジナルはCメジャーですが、ギターの音域を最大に生かすためにAメジャーに移調して演奏しています。

FinalFantasyV “Mein Theme” コード進行

オリジナルCメジャーをAメジャーに移調

イントロ
A A A A

Aメロ
AM7 B7(onA) Am7 Am7
CM7 D7  CM7 D7
A B7(onA) Am7 Am7
C D7  E7sus4 E7

サビ
CM7 CM7  D7 D7
Bm7 Bm7 Em7 Em7
CM7 CM7 D7 D7
Bm7 Bm7 E7 E7

Am9 Am7 Am7♭5 Am7♭5
G Dm(onF) E♭M7 Dm7

コード進行分析解説

まず、イントロ~AメロのメインキーがCメジャーかGメジャーかで迷います。

メインキーの確定

自分はCメジャーとしましたが、Gメジャーとしても破綻なく成り立つんですよね。
ちなみにGメジャーでとった場合

Aメロ
■Gメジャー
Ⅳ Ⅴ Ⅳm Ⅳm
♭Ⅲ ♭Ⅶ ♭Ⅲ ♭Ⅶ

このあとBメロにかけて、同主調Gマイナーに転調していきます。
これでもぜんぜん無理はない解釈です。

では、なぜCメジャーキーとしたか、というと下記の理由からです。

  • メロディー
    イントロでCイオニアンが使われている。
  • Aメロ出だしのCコードがルート感が強い
    自分の感性だと、ここはサブドミナントのⅣコードとは感じにくい。

そういう理由で、C→Cmの進行をⅣ→Ⅳmとせずにメジャー・マイナー複合調としてⅠ→Ⅰmの解釈で分析することにしました。

メジャー・マイナー複合調

メジャー・マイナー複合調についてはゼルダの伝説『メインテーマ』の演奏記事などでも解説していますが、キーがCなら、CメジャーキーとCマイナーキーの全てのコードが登場します。

細かく同主調転調を繰り返している、と解釈してもいいですが、ゲーム音楽は『コナミ進行』のようなのが多いし、メジャーキーでのSDM・マイナーキーでのSDというものの拡大解釈として運用できれば、シンプルに分析できる曲がたくさんあります。

Aメロ最後からBメロへの転調

Aメロ最後のE♭→F→Gは♭Ⅲ→Ⅳ→Ⅴ、でも行けますが、ここは最後のGコードがルート感強くなってるしコナミ進行ですよね。

従ってBメロのキーであるGマイナーに前倒しで転調している、と解釈しました。

Bメロのポイント

Bメロは24小節ありますが、前半16小節は普通にGマイナーキーです。
Bメロはラスト8小節が解釈が難しいところです。

Cm7→Cm7♭5がポイントですが
ここはB♭メジャーのⅡm7(SD)→Ⅱm7♭5(SDM)としてみました。

B♭メジャーキーはGマイナーキーの平行調ですが、ここもメジャーマイナー複合型になっていて、この後B♭マイナーキーのコードがガンガン入ってきます。

そうするとGマイナーキーのままだと解釈が苦しくなるため、平行調B♭に転調としました。

そしてB♭マイナーキーのコードを交えつつ、最後はFmをピボットにして元のキー(Cメジャー、Cマイナー)に戻してループしています。

全体の調性の流れ

全体の流れをまとめると

Cメジャー/Cマイナー
↓(属調)
Gマイナー
↓(平行調)
B♭メジャー/B♭マイナー
↓(全音転調)
Cメジャー/Cマイナー

という流れです。

ちなみに最初をGメジャーキーでとった場合

Gメジャー
↓(同主調)
Gマイナー
↓(平行調)
B♭メジャー/B♭マイナー
↓(短三度転調)
Gメジャー

このほうがシンプルに見えますが、前述の理由と、最後のFm→Cに戻るところが、FmをピボットにできないぶんGメジャーキーだと苦しいかも、ということで悩んだ末、Cメジャー・Cマイナー複合調をメインキーとしました。

コード分析結果

イントロ
■Aメジャー
ⅠM7 ⅠM7 ⅠM7 ⅠM7

Aメロ
■Aメジャー/Aマイナー(同主調のコードが混合されている)
ⅠM7 Ⅱ7  Ⅰm7 Ⅰm7
♭Ⅲ Ⅳ ♭Ⅲ Ⅳ
ⅠM7 Ⅱ7 Ⅰm7 Ⅰm7
■Eマイナー
♭Ⅵ ♭Ⅶ Ⅰ7 Ⅰ7(Aマイナーの♭Ⅲ Ⅳ7 Ⅴ7 Ⅴ7でもとれる繋ぎ部分)

サビ
♭Ⅵ ♭Ⅵ ♭Ⅶ7 ♭Ⅶ7
Ⅴm7 Ⅴm7 Ⅰm Ⅰm
♭Ⅵ ♭Ⅵ ♭Ⅶ7 ♭Ⅶ7
Ⅴm7 Ⅴm7 Ⅰ7 Ⅰ7

■Gメジャー(平行調)/Gマイナー(同主調のコードが混合されている)
Ⅱm7 Ⅱm7  Ⅱm7♭5(SDM) Ⅱm7♭5
Ⅰ  Ⅴm7 ♭ⅥM7 Ⅴm7(AメジャーのⅣmと共用)

分析の難しい内容【コード進行のポイント】

メロディアスでシンプルそうに聴こえますが、分析が難しい内容です。

まずAメロ頭をⅠM7ととるかⅣM7でとるかで解釈が分かれます。
理論的にはどちらでも解釈可能で迷ってしまいますが、そういう場合、そこのブロックを何回も弾きながら、最後にⅠ(またはⅠm)と思われるコードを入れてみて、最も据わりのいいキーを探します。

音楽というのは、なんだかんだ最後は感覚に頼るわけですね。

この曲の場合は自分の感覚だとAメロ最初のコードはⅠM7とするのがいいように思われたので、A(原曲はC)のメジャー・マイナー複合調(度々登場していますね)で解釈しています。

同じようにサビの後半も、Gメジャー・マイナー複合調とすることで説明可能になります。

そして、ループの境目にやや強引な全音転調が入って
元のキーに戻しているのもポイントです。

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