発売年月:1996年9月
機種:プレイステーション(PlayStation)
メーカー:アトラス(ATLUS)
タイトル名:女神異聞録ペルソナ(Persona)
曲名:全ての人の魂の詩(The Poem for Everyone’s Souls)
作曲:目黒将司(Shoji Meguro)
演奏難易度:☆☆☆★★(易しい)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第23弾は、女神異聞録ペルソナよりベルベッドルームのテーマである「全ての人の魂の詩」です。
自分、ペルソナシリーズはかなりハマってプレイしましたが、この曲は毎作品登場するし、ペルソナ作成の際に長時間聴くことになるので、凄く印象に残っています。
なお、この動画はブログ4周年企画の一環として、2022年春にリメイク・修正したものです。
ベルベットルームのテーマ【曲解説】
ペルソナシリーズの各作品で使われているベルベットルームのテーマです。自分は、雰囲気的にカッチーニの「アヴェ・マリア」が元になってるのかな?と思っています。
初出は1作目の女神異聞録ペルソナですが、徐々にアレンジが変わっていって、曲名も「ベルベットルーム」だったのが、ペルソナ3あたりで「全ての人の魂の詩」という曲名が定着しました。
最初は原曲の女神異聞録のものを採譜しましたが、あとでペルソナ3のものも追加で採譜、演奏のほうは女神異聞録とペルソナ3の中間くらいの感じになっています。
ペルソナ3版のドラマチックな曲想も良いんですが、女神異聞録版の素朴なアレンジも、命の儚さみたいのが表現されている感じで捨てがたいんですよね。
ちなみにですが、ペルソナ3のラスボス戦はこの曲のロックアレンジバージョンである「全ての人の魂の戦い」が使われています。
女神異聞録ペルソナ 作品概要
女神異聞録ペルソナは1996年9月にアトラスから発売されたプレイステーション用のRPGで、現在まで続くペルソナシリーズの第1作です。
ペルソナシリーズは、最初は真・女神転生シリーズの外伝的な位置付けでしたが、今や本家の真・女神転生シリーズと並ぶ人気シリーズとなっていますよね。
ペルソナシリーズも、基本は女神転生なんですが、特徴はシナリオとシステムでしょうか。
シナリオは、人間の内面・精神・エゴといったものがテーマになっています。
そして、本家シリーズでは悪魔を直接仲間にしてパーティーを組んでいましたが、ペルソナシリーズでは、タロットカードを媒体としてプレイヤーキャラに憑依する形になっていて、これがかなりハマるシステムでした。
レアカードはなんとしても集めたくなってしまいますよねー。
本作の音楽面に関してはこちらの記事で詳しく書いていますので、良かったらご一読下さい。
ペルソナシリーズの魅力
「ペルソナ」という言葉はスペイン語(元々はラテン語?)で、「個人」「人」、また「仮面」という意味もあります。
心理学ではペルソナという言葉は、人格の外面を表していて、相手や状況により変化させる「仮面のようなようなもの」という意味だそうで。
ペルソナシリーズの低通テーマとして、人間の外面と内面、虚構と真実、意識と無意識、夢と現実、そんなような事を扱っているんだと思います。
そして学園ものが多いです。
ペルソナシリーズは1994年の『真・女神転生if…』がベースになっているのではないでしょうか。
真・女神転生ifも学園もので、ifのガーディアンシステムはペルソナシリーズのペルソナシステムの元になっていると思われます。
自分は真・女神転生の世界観に衝撃を受けましたが、「if」もまた違った魅力があると思っていました。
言葉で表現するなら「日常から垣間見る深淵」というか。
そういう世界観もペルソナシリーズに引き継がれていますよね。
ペルソナシリーズの最近の作品は重い要素は減って誰でもプレイしやすい感じになってきていますが、真・女神転生ifや本作含む初期のペルソナはドロドロした重い展開も多く、自分的には、そういうところにもハマりました。
目黒将司さん【作曲者】
作曲者の目黒将司さんは、アトラスの中心的な作曲家・サウンドクリエイターです。
ペルソナシリーズは彼の他にも土屋憲一さん、故・青木秀仁さん、沖辺美佐紀さん、喜多條敦志さん、小西利樹さんといったメンバーが作曲者として名を連ねています。
この曲は目黒さんの持つ音楽性の中でもクラシカルな面が強調されていて、現在の作風(シャレたヴォーカル曲、打ち込み系のクールな曲調が得意)とは異なりますが、ペルソナシリーズ屈指の名曲であり、知名度から言っても目黒さんの代表曲と言って良いと思います。
ちなみに、女神異聞録のオープニングのピアノ曲もすごい好きなんですが、作曲者はサントラのクレジットによると青木秀仁さんになっています。
でも、コード使いや曲調がなんとなく目黒さん作のような気がするんですよね……これ、ずっと気になってる謎です。
ペルソナ3版をベースにアレンジ【ソロギター演奏】
構成としてはペルソナ3のものがベースになっていますが、細かいアレンジは女神異聞録版のものに近いと思います。
原曲のピアノ&ソプラノの雰囲気を大事にしつつ、ソロギター曲としてもしっかり成立することを目指してアレンジしています。
この曲は細かいことやるより、繊細なタッチでの表情付けとコードのボイシングが勝負と思います。
全ての人の魂の詩 コード進行
イントロ
|Bm A|GM7|Bm A|GM7|
|D|C♯7|F♯m|Em|
|D|D|D|D|
Aメロ
|D F♯m(onC♯)|Bm9|Bm7 A6|Gadd9|
|Em9|A7|F♯m7|Bm F♯m(onA)|
|G A|
|D F♯m(onC♯)|Bm7|Bm7 A6|Gadd9|
|G F♯7|Bm A|GM7 E7(onG♯)|A|
Bメロ
|F♯m7|Bm7|Em7|A7|
|F♯m7|Bm7|Em7 C♯m7(♭5)|F♯7|
Cメロ
|Bm7|Em9|A7|D|
|G|G♯dim7|A|F♯7|
|Bm7|Em9|A7|D|
|G|G♯dim7|A|F♯7|
|Bm7|Em9|A7|D|
|G|G♯dim7|A|F♯7|
|B|B|
アウトロ
|Bm A|GM7|Bm A|GM7|
|Bm A|GM7|
|D|C♯7|F♯m|Em|
|D|D|D|D|
コード進行分析
イントロ
■Bマイナー
|Ⅰm ♭Ⅶ|♭Ⅵ|Ⅰm ♭Ⅶ|♭Ⅵ|
|♭Ⅲ|Ⅱ7|Ⅴm7|Ⅳm|
■Dメジャー
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
Aメロ
■Bマイナー
|♭Ⅲ Ⅴm7|Ⅰm7|Ⅰm7 ♭Ⅶ|♭Ⅵ|
|Ⅳm7|♭Ⅶ7|Ⅴm7|Ⅰm Ⅴm7|
|♭Ⅶ ♭Ⅵ|
|♭Ⅲ Ⅴm7|Ⅰm7|Ⅰm7 ♭Ⅶ|♭Ⅵ|
|♭Ⅵ Ⅴ7|Ⅰm ♭Ⅶ|
|♭ⅥM7 Ⅳ7|♭Ⅶ|
Bメロ
|Ⅴm7|Ⅰm7|Ⅳm7|♭Ⅶ7|
|Ⅴm7|Ⅰm ♭Ⅵ|Ⅳm Ⅱm7(♭5)|Ⅴ7|
Cメロ
|Ⅰm7|Ⅳm7|♭Ⅶ7|♭Ⅲ|
|♭Ⅵ|Ⅵdim7※1|♭Ⅶ|Ⅴ7|
|Ⅰm7|Ⅳm7|♭Ⅶ7|♭Ⅲ|
|♭Ⅵ|Ⅵdim7※1|♭Ⅶ|Ⅴ7|
|Ⅰm7|Ⅳm7|♭Ⅶ7|♭Ⅲ|
|♭Ⅵ|Ⅵdim7※1|♭Ⅶ|Ⅴ7|
■Bメジャー
|Ⅰ|Ⅰ|
アウトロ
■Bマイナー
|Ⅰm ♭Ⅶ|♭Ⅵ|Ⅰm ♭Ⅶ|♭Ⅵ|
|Ⅰm ♭Ⅶ|♭Ⅵ|
|♭Ⅲ|Ⅱ7|Ⅴm7|Ⅳm|
■Dメジャー
Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
※1 Ⅳ7の代理
古典音楽的な動き【コード進行のポイント】
Aメロはクラシカルなコード使いで教会音楽などの古い楽曲の動きです。
Bメロはよくある5度進行+アルファという感じです。
イントロからAメロは、Bマイナーと平行調のDメジャー半々くらいの雰囲気ですが、Bメロ後半からサビは、完全にBマイナーなのでBマイナー一発での解釈です。
その他のポイントとしてはBメロ頭のⅤm7がドラマチックで良いです。
そして最後の締め(Bメロのラスト)は他の曲でもよく出てきますが、同主調(Bメジャーキー)メジャー終止です。
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