発売年月:1987年7月
機種:ファミリーコンピュータ(NES)
メーカー:コナミ(KONAMI)
タイトル名:月風魔伝(GetsufumaDen)
曲名:龍骨鬼戦(Last Battle)
作曲:前沢秀憲(Hidenori Maezawa、コナミ矩形波倶楽部)
演奏難易度:★★★★★(激ムズ)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第6弾は、月風魔伝よりラスボス戦BGM「龍骨鬼戦」です。
難曲であり、演奏技術ギリギリのところでの挑戦となりました。
月風魔伝の作品概要
月風魔伝は本ブログで取り上げた中ではマイナータイトルです。
当時はナムコの源平討魔伝のコピーゲームなんて評価されてたようですが、今見ると、そこまでは似てないと思います。
タイトルが似てるのと、主人公の見た目がそっくりだからそう言われてしまってたんでしょうね。
コナミもそこは変えれば良かったのに、とは思います。
自分はゲーム未プレイですが、音楽は知っていて2015年に発掘された自分のコレクションにも入っていました。
ファミコンに限らず当時のコナミはゲームの音楽に力を入れていて音楽が素晴らしいタイトルばかりですが、この作品もかなり秀逸です。
自分的評価ですが、ものすごくざっくり言うとこんな感じです。
1980年代前半→ナムコ最強
1980年代後半→コナミ伝説
1990年代→スクウェア無双
まあ、80年代後半はゲーム業界の発展期で群雄割拠でしたから、セガ、タイトー、任天堂あたりも甲乙つけがたい感じですが、楽曲数、曲の平均クオリティーでいうとコナミかな、と。
少し脱線しました。
この曲には2004年ごろにネットにアップロードされた「yks Remix」というものが存在していて、それが近年コナミの音楽ゲーム「Sound Voltex」に収録されて、それによってこの曲を知ったという方も多いと思います。
この曲を演奏した理由
何故このタイミングでこの曲なのか?というと、一聴してプレイヤー魂をそそられるというか、自分もそうですが、とくに弦楽器奏者は自分の演奏技術の限界に挑むという意味で、やってみたくなる曲ではないでしょうか?
フレーズ的にはメタル系のギターソロを彷彿とさせます。ネオクラシック系というか。
これがファミコン音源で鳴ると、一つの典型的な「ザ・ゲームミュージック」なサウンドになるわけですね。
本ブログにおいてはメジャータイトルを投入する前にこういう曲を置いておくというのも、いろんな意味で効果的なんではないか?という理由で今回取り上げることにしました。
前沢秀憲さん【作曲者】
本タイトルでは「魔遺慶流(まいける)」という名前でクレジットされています。
この方の詳細あまりわからないのですが、この年代のコナミの作品を多数手掛けておられます。
自分が知っているタイトルだと、悪魔城伝説、火の鳥、出たな!ツインビー、グラディウス2などに曲を書いています。
当時コナミは多数の作家を抱えていましたが(音大生のアルバイトなども多数いたようで)、前沢さんは特徴のあるフレーズ・歌いまわしをするので「あ、月風魔伝の人だ」と判ります。
近年はグランブルファンタジーなどにも曲提供されてるようです。
テクニックの限界に迫る【ソロギター演奏】
予想はしてましたが、今までで一番難易度が高く、練習にかなりの時間をかけています。
音自体はシンプルなんですが、全体のスピード、音の跳躍の大きさなど、テクニック的に限界に迫るものがありました。
テンポもゆっくりから練習したんですが、これ以上速くするとミスタッチやリズムのズレが激増するので、動画として記録するのは現段階ではこのテンポが限界です。
アレンジ内容
Aメロ最初のAマイナーの上りフレーズは原曲通りだと自分の技術では演奏不可能っぽかったので、少し変えてあります。
これを録る前日に1回録画してみたんですが、苦労の割に短すぎるので、間奏を追加して2ループやることにして録画し直しました。
演奏のポイント
まず、ベース音を弾きながら16分音符を正確に弾いていくのが難しいんですが、特に苦労した難所が3か所あります。
AメロのFからEに移る0フレット→10フレットの跳躍
ここはメロに1弦開放を使うことで実現しました。1弦開放を弾いた直後に10フレットに移動すればなんとか可能です。
Aメロ折り返し地点のEm→Amの7フレット→0フレットの跳躍
これはEmの上りスケールを走り気味に弾ききって、即座に5弦開放を出してポジション移動、でなんとか実現。
Aメロの締めのディミニッシュ上行
イングヴェイ・マルムスティーンが多用して有名になったフレーズですが、次のフレーズへの移動を考えて、ポジションはあまり変えずに弦移動で弾くことにしました。かなり難しいです。
月風魔伝 龍骨鬼戦 コード進行
イントロ
|Am|B♭|Am|F7|
|Em Dm F Em(onB)|Em|
Aメロ
|Am|Am|G7|G7|
|F|F|Em|Em|
|Am|Am|G7|G7|
|F|F|Em|E7(♭9)|
Bメロ
|E7(♭9)|E7(♭9)|E7(♭9)|
|E7(♭9) Fdim7 G♯dim7 Bdim7|
間奏(アレンジ)
|Am9|G11|FM9(♯11)|E7sus4(♭9)|
コード進行分析
イントロ
■Aマイナー
|Ⅰm|♭Ⅱ|Ⅰm|♭Ⅵ7|
|Ⅴm Ⅳm ♭Ⅵ Ⅴm|Ⅴm|
Aメロ
|Ⅰm|Ⅰm|♭Ⅶ7|♭Ⅶ7|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|Ⅴm|Ⅴm|
|Ⅰm|Ⅰm|♭Ⅶ7|♭Ⅶ7|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|Ⅴm|Ⅴ7|
Bメロ
|Ⅴ7|Ⅴ7|Ⅴ7|Ⅴ7|※1
間奏(アレンジ)
|Ⅰm|♭Ⅶ|♭Ⅵ|Ⅴ7|
※1 この行はディミニッシュコードの平行移動だが、実質はⅤ7一発と捉えることが出来る
和音階の使用【コード進行のポイント】
コード進行は何も言うことがないくらいシンプルです。強いて言うならイントロに♭Ⅱが入っているくらいです。
ただしメロディは特徴的で、一部に和音階が使用されています。
全体にメロディーやアルペジオの音の選びかたが9th・11thを強調していたりして少し凝っていますね。
コメント
源平討魔伝ではなく月風魔伝とはマニアックな選曲ですね:)
原曲は聴いたことが無かったんですが、さすがコナミと思わせる良い曲だなあと思いましたよ
源平のほうも音楽は和楽器ロックアレンジで当時インパクトありましたねー。