ロマンシングサガ3「エピローグ~新たな旅へ~」【ギター演奏・コード進行104】

ロマンシングサガ3 エピローグ~新たな旅へ~ 動画
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発売年月:1995年11月
機種:
スーパーファミコン(Super Nintendo)
メーカー:スクウェア(SQUARE)
タイトル名:ロマンシングサガ3(RomancingSaGa3)
曲名:エピローグ~新たな旅へ~(Into a new horizon part2)
作曲:伊藤賢治(Kenji Ito)
演奏難易度:☆☆☆★★(易しい)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第104弾は、ロマンシングサガ3より「エピローグ~新たな旅へ~」(Into a new horizon part2)です。

ロマサガ3のエンディングの中で主人公達のその後を描くエピローグシーンで流れる曲ですが、自分的には伊藤賢治さんの曲の中でも屈指の名曲だと思っているものです。

2年ぶりのロマサガ曲

ロマンシングサガシリーズの曲を演奏するのは、約2年ぶりです。前回は2020年8月に夏曲として演奏した「海底宮」でした。時間が経つのは早いですねー。

ロマンシングサガシリーズの曲は、自分が2016年から2018年にかけて行った採譜活動の中でも最多曲数だったのもあり、今回で9曲目になります。

そのうちに、まとめ動画でも作ろうかと思っています。

今回の演奏曲について

今回演奏する曲は、正式には「Into a new horizon part2」という曲名がついていて、その曲名の通り、エンディングの2番目のセクションで流れる曲です。

ちなみに、ロマシングサガ3のエンディングの流れは下のようになっています。

ラスボス戦終了

エンディングデモ
「Into a new horizon part1」が流れる

エピローグ
今回演奏の「Into a new horizon part2」が流れる

スタッフロール
「End Title」が流れる

調べたところ、「Into a new horizon part1」と「Into a new horizon part2」を合わせて「エピローグ~新たな旅へ~」という曲名で扱われることが多いようで、2020年に発売された『ロマンシングサガ3 Original Soundtrack Revival Disc』にも「エピローグ~新たな旅へ~」という曲名で収録されています。

このエピローグシーンですが、8人の主人公それぞれ個別に用意されていたので、全部見たくて何回もクリアしたのを思い出します。

以下、ソロギターアレンジと演奏について解説いたします。

今回は完全ソロギター【ソロギター演奏】

オリジナルはストリングス主体のオーケストラアレンジですが、後半はドラムとベースが入ってきます。

今回はリズムトラック入りのアレンジも検討しましたが、結局リズムトラックは使わずに全編完全ソロギターの演奏としました。

この曲は複数旋律が絡みながら展開していく、ソロギター化が難しいタイプの曲だと思いましたが、「ベースラインの維持と主要メロディーの再現を優先して、出来る範囲で副旋律を弾いていく」という方向でアレンジすることに。

オリジナルはB♭メジャーキーというギターで弾きづらいキーなので、Eメジャーキーに移調をしました。半オクターブという最大幅の移調ですね。

Eメジャーキーに移調した結果、ギターの音域と解放弦をフル活用できるようになって、演奏難易度を大幅に下げる事が出来、そのぶん演奏の間合いやタッチにこだわる余裕が生まれています。

なお、オリジナルではAメロとブリッジの後、Bメロがずっとループするのですが、今回のアレンジではBメロは繰り返さずにイントロに戻ってエンディングとしました。

ロマンシングサガ3「エピローグ」コード進行

オリジナルのB♭メジャーキーをEメジャーキーに移調しています。

イントロ
|B7|
|EM7|EM7|A6|AmM7|
|G♯m7|C♯m7|F♯m7|Am7|
|B7sus4|B7|
|Eadd9|A(onC♯)|Eadd9|Cdim7|

Aメロ
|EM7|EM7|A|AM7|
|G♯m7|G♯m7|Bm7|C♯7|
|F♯m7|F♯m|B6|Cdim7|
|C♯m|C♯m|F♯m7|B7 G♯7|
|C♯7su4 Bsus4|A♯m7(♭5)|
|D♯7|G♯m7|C♯7|F♯m7|
|B7sus4|B7|B7|B7|
|EM7|EM7|EM7|EM7|

ブリッジ
|B7|B7|B7|B7|

Bメロ
|E|E B7|E|E|
|AM7|AmM7|E|E|
|A|A6 C♯7(onG♯)|F♯m7|F♯m7|
|B7|Cdim7|C♯m7|C♯m7|
|F♯m7|G♯7|C♯m7(onE)|C♯7(onF)|
|F♯m7|AmM7|B7sus4|B7|

イントロ繰り返し(オリジナルはBメロをループ)

コード進行分析

イントロ
■Eメジャー
|Ⅴ7|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅳ|Ⅳm|
|Ⅲm7|Ⅵm7|Ⅱm7|Ⅳm|
|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅰ|Ⅳ|Ⅰ|♭Ⅵdim7※1|

Aメロ
|ⅠM7|ⅠM7|Ⅳ|Ⅳ|
|Ⅲm7|Ⅲm7|Ⅴm7※2 Ⅵ7|
|Ⅱm7|Ⅱm7|Ⅴ|♭Ⅵdim7※3|
|Ⅵm|Ⅵm|Ⅱm7|Ⅴ7 Ⅲ7|
|Ⅵm Ⅴ7|♯Ⅳm7(♭5)|
|Ⅶ7※4|Ⅲm7|Ⅵ7|Ⅱm7|
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|Ⅴ7|Ⅴ7|
|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|ⅠM7|

ブリッジ
|Ⅴ7|Ⅴ7|Ⅴ7|Ⅴ7|

Bメロ
|Ⅰ|Ⅰ Ⅴ7|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅳ|Ⅴ7|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅳ|Ⅳ Ⅵ7|Ⅱm7|Ⅱm7|
|Ⅴ7|♭Ⅵdim7※3|Ⅵm7|Ⅵm7|
|Ⅱm7|Ⅲ7|Ⅵm|Ⅵ7|
|Ⅱm7|Ⅳm|Ⅴ7sus4|Ⅴ7|

イントロ繰り返し(オリジナルはBメロをループ)

※1 Ⅴ7の代理
※2 Ⅲm7(♭5)の代理
※3 Ⅲ7の代理
※4 Ⅲm7へのセカンダリードミナント

同一キー内で工夫された進行【コード進行のポイント】

この曲は派手な転調はありませんが、1つのキーの中でコード進行に工夫が凝らされています。

曲全編に渡って、Ⅳ(AM7)とⅣm(Am7・AmM7)が巧みに使い分けされていますが、このSD→SDM切り替えは伊藤賢治さんの必殺技的なものですよね。

Aメロ2段目のBm7で同主調転調ぽくなりますが、このBm7はG♯m7(♭5)の転回形と捉えることもでき、次のC♯7とともにF♯m7(Ⅱm7)へのマイナーⅡ-Ⅴを形成しています。

Aメロ3段目のCdim7はB7とC♯mを繋ぐ上行型のパッシングディミニッシュですが、G♯7の代理コードと捉えることもできます。この「Ⅴ→♭Ⅵdim7→Ⅵm」も伊藤さんの十八番進行の一つではないでしょうか。

そして、Aメロ5段目のフェルマータをかけているコード、A♯m7(♭5)はこの曲の前半のクライマックスと思いますが、AM7ではなく、ベースを半音上げたA♯m7(♭5)=♯Ⅳm7(♭5)を使うところにセンスを感じます。

後半、Bメロのコード進行は全体にシンプルですが、Bメロ4段目でも先ほど解説したⅤ→♭Ⅵdim7→Ⅵmが出てきますよね。

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