発売年月:1988年2月
機種:ファミリーコンピュータ(NES)
メーカー:エニックス(ENIX)
タイトル名:ドラゴンクエストⅢ(Dragon Warrior3)
曲名:村(Village)
作曲:すぎやまこういち(Koichi Sugiyama)
演奏難易度:☆☆☆☆★(初心者向け)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第47弾は、ドラゴンクエスト3より「村のテーマ」。自分的には屈指の癒し曲です。
この可愛らしい小品を、今回は初心者でも取り組みやすいシンプルなアレンジでお届けします。
3週間ぶりの演奏動画
3週間ぶりの演奏動画アップになります。
動画自体は先週末には出来ていたんですが、テイク選定や記事執筆などが間に合わず、寝かせていたものです。
これから来月にかけて引っ越しがあるので、しばらくアレンジ&動画撮影は無理かも、ということで、9月に入ってからゲーム音楽とフラメンコギターの動画を撮りためしていました。
テイク選定と記事執筆なら隙間時間でも出来ると思いますので、しばらくは撮りためたもののうち、使えそうなものを選んで、記事をつけて小出しにしていこうと思います。
正式名称は「村」【曲紹介】
ドラゴンクエスト3の曲は最初の頃にやった「おおぞらをとぶ」以来2曲目です。
この曲は、ゲームスタート地点であるアリアハンを出て最初に向かうレーベの村で流れ、以降、ゲーム中の村で使われています。
この曲の正式名称は「村」ですね。
でも「ドラゴンクエスト3|村」というような書き方だと、音楽の事を指しているのが不明瞭なので、ここでは「村のテーマ」と呼ぶことにします。
ちなみに「街」という曲もありますね。
なお、この作品を含むドラゴンクエストシリーズのナンバリング作品は、ほとんど全ての音楽をすぎやまこういちさんが担当しています。
この曲の内容的なことや選曲理由は後ほど述べますが、まずドラゴンクエスト3という社会現象にまでなったゲームについて少し書きます。
ドラゴンクエスト3の作品概要
ドラゴンクエスト3は1988年2月にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売され、発売日には数キロメートルの列ができるほどの人気ソフトでした。
後にスーパーファミコンとゲームボーイカラーでリメイクされ、そちらもヒットしています。
初代のファミコン版では、バッテリーバックアップや大容量ROMを採用してハードウェア的に大進歩した3ですが、それでも構想が壮大すぎて容量が足りなくなり、色々カットされたらしいですね。
タイトル画面のデモなども入りきらなかったため、黒画面にテキストのみとなったようですが、逆に「意味深な演出」と好意的に受け止められているという話もあります。
ロト3部作の完結編
ドラゴンクエストは1から3が「ロト編」、4から6が「天空編」と位置付けられて、それぞれ関連したストーリー・共通の世界設定となっています。
本作ドラゴンクエスト3はロト編の完結編ということで、勇者「ロト」や、ロト編の舞台となるアレフガルドの秘密が解き明かされることになります。
ちなみに、ロト3部作では3が一番古い時代という設定です。
「村のテーマ」の選曲理由
ほかに有名曲が沢山あるドラクエ3の中で、なぜこの曲を選んだのか?というのは2つ理由があります。
自分の中では突出した癒し曲
1つ目の理由は、もちろん曲自体がとにかく印象に残ってるんですよね。
言葉で表現するのが難しいですが、ファミコン・スーファミのドット絵の可愛らしい感じと、レーベの村のほのぼのした雰囲気とも相まって凄く癒されます。
ドラクエの街や村の音楽はメジャーキーの柔らかいメロディーで癒されるものが多いですが、その中でもこの曲は一番おぼえやすくてキャッチーなものと思います。
ギターアレンジのやりやすさ
2つ目の理由は、ギター演奏的に取っつきやすそうだったからです。
キーも原曲のGメジャーキーが弾きやすそうだし、コードやメロディーも分かりやすいので。
この話題は次のソロギター演奏解説で詳しくお話します。
暗譜しやすく易しいアレンジ【ソロギター演奏】
この曲をやった理由の1つが「取っつきやすそうだったから」ということなのですが、ここ数ヵ月、難曲や長い曲をやる率が高かったし、現在なかなかゲーム音楽アレンジや録画のための時間がとれていない中で、難易度低くて短い曲は無いかな?と考えていました。
自分は基本、暗譜して演奏するので、1ループが長いとそれだけ暗譜するのに時間がかかるんですよね。
暗譜にしている理由は、譜面制作に時間がかかるし、元々読譜もそんなに得意ではないし、練習中や録画中に頻繁にアレンジを変えたりするので、暗譜のほうが楽なんです。
動画的にも、譜面をガン見しながら演奏してるのはちょっとなぁ、というのもあります。
この曲は、ゆっくり目のテンポでやっても1ループ1分足らずだし、コードもダイアトニックコードの5度進行が中心なので、暗譜は楽でした。
ただ、実際にやってみるとメロディーとコードは易しいんですが、副旋律や伴奏パターンまでソロギターで再現しようとすると結構難しくなってくるので、細かいところはソロギターで弾きやすいように適当に処理しています。
結果としてギター的に取っつきやすいアレンジにはなったと思います。
演奏上注意するポイントをあげるとしたら以下の3点と思います。
- Aメロで入る半音クリシェ
- BメロのF♯m7(♭5)のところ。すぎやまさん十八番のハーフディミニッシュ使い
- 最後にちょろっと入る和音の上行フレーズ。ここだけ素早くポジション移動
ドラゴンクエスト3「村」コード進行
Aメロ
|G|G|Am AmM7|Am7 Am6|
|D7(onF♯)|D7|G G6|GM7 G6|
|G|G|Am AmM7|Am7 Am6|
|D7(onF♯)|Am7 F♯7|Bm7|E7|
Bメロ
|Am7|D7|Bm7|E7|
|F♯m7(♭5)|F13|D7(onF♯)|D7|
|G|
コード進行分析
Aメロ
■Gメジャー
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅱm|Ⅱm|
|Ⅴ7|Ⅴ7|Ⅰ|Ⅰ|
|Ⅰ|Ⅰ|Ⅱm|Ⅱm|
|Ⅴ7|Ⅱm7 Ⅶ7※1|Ⅲm7|Ⅵ7|
Bメロ
|Ⅱm7|Ⅴ7|Ⅲm7|Ⅵ7|
|Ⅶm7(♭5)|♭Ⅶ7|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅰ|
※1 Ⅲmへのドミナントモーション
最後にマイナー系コード登場【コード進行のポイント】
最後のF♯m7(♭5)→F13のところ以外はダイアトニックコード中心のシンプルな進行ですが、Aメロは1回り目と2回り目でコード進行を変えてバリエーションをつけています。
そして最後のF♯m7(♭5)→F13のところは色んな解釈が成立しそうですが、基本的には以下のようになってます。
- F♯m7(♭5)のほうはAm系やD7系のメジャーダイアトニック系統
- F13のほうはB♭M7やDm7などのマイナーダイアトニック系統
自分はすぎやまさん的なコード進行ということを意識して、ハーフディミニッシュからのルート半音下降で解釈しました。
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