ゲーム音楽作曲家列伝 第29回は、1990年に日本テレネットで作曲家デビューし、天使の詩シリーズやワイルドアームズシリーズの作曲者として知られる、なるけみちこさんです。
なるけみちこさんプロフィール・略歴
本名:成毛美智子(なるけ みちこ)
生年月日:1967年8月13日
作曲家デビュー:1990年9月(レギオン)
代表作品:天使の詩シリーズ、ワイルドアームズシリーズ
なるけみちこさんは1990年から日本テレネットに所属してゲーム音楽を作っていました。
デビュー作はPCエンジンのシューティングゲーム『レギオン』のエンディングテーマです。
その後『天使の詩』『天使の詩2』『サイコドリーム』などを担当して、日本テレネットを退職します。
その時に一度、作曲家引退を考えたといいますが、1996年にはフリーランスとして作曲家活動に復帰し、代表作である『ワイルドアームズ』シリーズなどの音楽を作りました。
近年は、ゲーム音楽に関しては携帯ゲーム機やスマートフォン向けのタイトルを中心に手掛けていますが、2013年から自主制作音源『Feedback』シリーズの制作・発表を継続していて、彼女の作曲活動の一つの柱となっています。
なるけみちこさんの音楽
ワイルドアームズのメインテーマもそうなんですが、なるけさんは口笛の音色を好んで使うため、ゲーム音楽ファンの間では『口笛の人』というイメージが定着しています。
自分の印象を書くと、『口笛』に代表されるような民謡色を帯びたノスタルジックなメロディーの曲が、なるけさんの最も得意なスタイルと思いますが、一方でテクノやプログレなどの影響も感じるし、かなり先鋭的な面もあると思います。
そして、採譜してみるとコード進行とメロディーが凄くロジカルに作られていて、アイデアも豊富だし、高い作曲技巧を感じます。
自分個人的には、代表作のワイルドアームズの曲や、初期作品の天使の詩1,2も良いんですが、比較的近年の作品の『ノーラと刻の工房』(2011年)の音楽が北欧やアイルランドの民謡ぽくて、彼女のメロディーセンスがとても良くハマっていると思います。
少し前に、このタイトルから1曲演奏しました。
ノーラと刻の工房『ノーラの家』ソロギター演奏

あと外せないのが『サイコドリーム』(1992年、スーパーファミコン)で、ゲーム内容も音楽も『怪作』と呼ぶのに相応しいインパクトでした。
全体にハードコアテクノぽい曲調が多いですが、エンディングが子守唄→何故か盆踊りに突入したりw
病んだ世界観がたまらんですよね。
なるけみちこさん作曲作品
1990年
レギオン(PCE、日本テレネット、エンディングのみ)
1991年
天使の詩(PCE、日本テレネット)
1992年
未来少年コナン(PCE、日本テレネット)
サイコドリーム(SFC、日本テレネット)
1993年
天使の詩2(PCE、日本テレネット)
1996年
ワイルドアームズ(PS、メディアビジョン)
1999年
ワイルドアームズ セカンドイグニッション(PS、メディアビジョン)
2002年
ワイルドアームズ アドヴァンスドサード(PS2、メディアビジョン)
ラグナロクオンライン(PC、グラビティ、一部)
2003年
ワイルドアームズ アルターコード~エフ(PS2、メディアビジョン)
2005年
ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター(PS2、メディアビジョン)
2007年
ワイルドアームズ クロスファイア(PSP、メディアビジョン、作詞)
パーフェクトワールド~完美世界(PC、北京完美時空網絡技術有限会社、一部)
2008年
RIZ-ZOAWD(DS、メディアビジョン、主題歌のみ)
2011年
ノーラと刻の工房(DS、アトラス)
勇者30 SECOND(PSP、マーベラス、一部)
2012年
星葬ドラグニル(iOS、スクウェア・エニックス)
アンチェインブレイズ エクシヴ(3DS、フリュー、一曲)
2013年
白華の檻 緋色の欠片4(PSP、エンディングのみ)
2014年
RE:VICE[D](PSV、オトメイト)
2015年
ゾンビ東京(iOS/Android、nenet、岩垂徳行と共作)
ゴエティア~千の魔神と無限の塔(ブラウザゲーム、アピリッツ、一部)
2016年
7’scarlet(PSV、オトメイト、一曲)
2018年
式姫転遊記(ブラウザゲーム、アピリッツ、一部)
ワイルドアームズ ミリオンメモリーズ(Android/iOS、フォワードワークス)
※略号
PCE=PCエンジン
SFC=スーパーファミコン
PS=プレイステーション
PS2=プレイステーション2
PSP=プレイステーションポータブル
PSV=プレイステーションVita
DS=ニンテンドーDS
3DS=ニンテンドー3DS
PC=パソコン
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