ファルコムJDK(Falcom Sound Team jdk)【ゲーム音楽作曲家列伝25】

1980年代後半~1990年代前半にかけてゲーム音楽が盛り上がった時代があり、各社ともリアル演奏活動をする団体立ち上げていましたが、コナミ矩形波倶楽部(コナミ)やZUNTATA(タイトー)はそのメーカーのサウンド部門全体の呼称にもなっていました。

古代祐三さんが在籍したPCゲーム音楽の雄、日本ファルコムにも『Falcom Sound Team jdk』(通称ファルコムJDK)という団体が存在し、現在まで活動を続けています。

Falcom Sound Team jdk 団体概要

結成:1989年3月

1988年頃まで日本ファルコムのメインコンポーザーは古代祐三さんでしたが、古代さんの退社後にファルコムのチーフコンポーザーとなっていた石川三恵子さんを中心に結成されたのがFalcom Sound Team jdkです。

以後、日本ファルコムのゲーム音楽はJDK名義で作られるようになりました。

なお、ファルコムの楽曲を演奏する『JDKバンド』もありますが、作曲陣とは異なるメンバーなので、ここでは、日本ファルコムサウンドチームの総称であるJDKについて扱います。

日本ファルコムの歴史

日本ファルコムは、1981年に現会長の加藤正幸氏によって設立されました。

最初はアップルの代理店という形のPCショップとしてのスタートでした。
創業以来、現在までずっと東京都立川市に本社を置いています。

翌1982年よりプログラマー・ゲームデザイナーの木屋善夫氏が合流してPCゲームの制作販売を始めます。

1983年にファルコム初のRPG『ぱのらま島』、1984年にはヒット作『ドラゴンスレイヤー』を発表。

1985年の『ザナドゥ』でPCゲーム業界での地位を確固たるものにします。

1986年の『ザナドゥ・シナリオ2』『ロマンシア』より音楽担当として古代祐三氏が参加、この時期に『イース』『ソーサリアン』など、看板シリーズとなるようなヒット作を連発します。

1988年の『イース2』を最後に古代祐三氏が退社、1989年に音楽部門としてファルコムJDKが発足。

1990年代に入ると、『ロードモナーク』『ブランディッシュ』『英雄伝説』など主にPC98シリーズ向けのシリーズもののタイトルを開発。
1993年に木屋善夫氏が退社。

ちなみに1996年には後に映画監督として大成功する新海誠氏が入社しています。

日本ファルコムは、1990年代に入ってPCゲームが衰退して、コンシューマー機メインになってからもPCというプラットフォームを重視してきた珍しい会社です。

2000年代に入ってからも、主力は『英雄伝説』や『イース』などの旧作シリーズですが、平行して『ツヴァイ!』や『ぐるみん』などの新シリーズも展開し、いずれも音楽を重視したものでした。

2002年にはゲーム部門を分社化して株式上場。

2000年代後半からは開発プラットフォームをPCからPSP・PSvita・PS4などに徐々に移行させてきました。

ファルコムのゲーム音楽

ファルコムのタイトルは、古代さん入社前後の1986年あたりから音楽重視の姿勢が鮮明になってきて、当時からずっと続く『イース』シリーズや『英雄伝説』シリーズといった看板タイトルのほか、『ぐるみん』『ツヴァイ!』など、音楽が高く評価されている作品を多数リリースしてきました。

サントラなどのCD作品のリリースにも意欲的な一方、かなり以前から著作権フリーを宣言するなど、独自のポリシーを感じます。

その音楽性は独特で『ファルコム節』というのが確立しているように思ますが、JDKというチーム単位で制作することによって、音楽性の統一感を出すような体制で一貫しています。

ファルコム節というのは、ロックアレンジ+JMM(ジャパニーズ・メランコリック・メロディー)というパターンがメインです。

これは、ファルコム創業者の加藤氏が音楽制作方針として示したという『メロディー重視』『キャッチーなサビ』『明確な起承転結』という三原則を守ってきた結果と思いますが、1980年代の古代祐三さんのスタイルがまさにコレだったので、その路線を基本に、継承・発展させてきたものではないでしょうか。

当時の古代さんが加藤氏の意向を汲んだ作風のものを作っていたということもあると思いますが、ファルコムJDKの音楽は、ある意味、現在の古代祐三さん本人の作風よりも1980年代の古代さんぽいというか。
『往年のゲーム音楽の手法を現在の音源で表現している』という印象です。

古代祐三さん紹介記事

古代祐三【ゲーム音楽作曲家列伝14】
ゲーム音楽作曲家列伝 第14回は1986年10月にデビュー、FM音源を駆使したPCゲーム音楽の中心的存在となった古代祐三さんを紹介します。

ファルコムサウンドチームJDK歴代メンバー

JDKの歴代メンバーを、日本ファルコム入社順に記載します。

石川三恵子 初代リーダー
1964年1月23日生まれ。1987年にファルコム入社。『イース2』『ソーサリアン』などを手掛ける。1997年に一旦サウンドチームから引退しているが、2006年頃復帰している。

川合将明
1989年ファルコム入社。2年ほど在籍した後フリーランスに。

白川篤史(天門、白蔵)
1971年10月4日生まれ。1990年ファルコム入社。2002年まで在籍。新海誠などのアニメ作品も手掛ける。

松岡博文(まつもとひろし) 2代目リーダー
1968年12月8日生まれ。1992年にファルコム入社。2000年まで在籍。以後、同人音楽活動をしていたが、2015年胃癌のため死去。

高橋俊弥

中島勝(中島タケオ、マサル)
1973年7月10日生まれ。1992年ファルコム入社。古代祐三さんに影響を受けて業界入りしたそうです。2001年退社、以後フリーランスに。

金田直樹(キム)

綱島貴博(タカ坊)

新井智

園田隼人(S) 3代目リーダー

小原要

松村弘和

石橋渡(みらゐ)
1974年10月25日生まれ。1999年ファルコム入社。2006年まで在籍し、退社後はスーパースィープ(細江慎二さんの会社)を経てフリーランスに。2014年39歳で死去。

服部麻衣子

村山貴英

宇仁菅孝宏

竹下遼(デッドボールP、たけたけ)
大学在学中の2005年よりファルコムに在籍。2年間ほどファルコムで活動した後、ボカロPに転身、メジャーデビューも果たしている。

籾山紗希(モミコ)

大崎政範

萩生田朋克

橋本鍾愛

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