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スーパーマリオブラザーズ 地上BGM【特別企画第2弾】【ギター演奏・コード進行32】

スーパーマリオブラザーズ 地上BGM
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難易度☆☆★★★(普通)

1985年:ファミリーコンピュータ(NES)
メーカー:
任天堂(Nintendo)
タイトル名:
スーパーマリオブラザーズ(Super Mario Bros.)
曲名:
地上BGM
作曲:
近藤浩治(Koji Kondo)

新春特別企画第二弾は、世界で一番有名なゲーム音楽です。

今回の題材はスーパーマリオブラザーズ『地上BGM』ですが、特別企画第一弾ドラゴンクエスト『序曲』と同様、採譜やアレンジのやりかたも含めて解説していきます。

スーパーマリオのメインテーマ【曲概要】

『スーパーマリオブラザーズ』は1985年9月に『マリオブラザーズ』の続編として発売され、ロングヒット。
全世界で4500万本以上を売り上げるという、この時代としては空前の記録を残したモンスタータイトルです。

自分の記憶では、出たばかりのときはそれほど騒がれなかったと思いますが、翌年、ドラゴンクエストなどのキラータイトルがどんどん出てきてファミコンの普及が進むと、ファミコンといえば『スーパーマリオ』という、代表タイトル的イメージが強かったこの作品は、本体と同時購入されてどんどん売り上げを伸ばした、というイメージです。

この曲『地上BGM』はゲームスタート直後に流れる本作品のメインテーマといえる曲で、スーパーマリオの音楽といえば、ほとんどの人がこの曲をイメージするんではないでしょうか?

世界一有名な和製音楽?

音楽は近藤浩司さんの手によるもので、とくにこの世界一有名なゲーム音楽『スーパーマリオ 地上BGM』は全世界の人の記憶に刷り込まれていて、近藤さんを歴史上の人物にしそうな感じすらします。

近藤浩治さん紹介

近藤浩治【ゲーム音楽作曲家列伝08】
ゲーム音楽作曲家列伝 第8回は、『スーパーマリオブラザーズ』『ゼルダの伝説』の作曲者として、海外でも有名な任天堂の近藤浩治さんです。

前々回に特別企画第1弾としてとりあげた、ドラゴンクエスト『序曲』も有名ですが、ドラゴンクエストは主に日本国内で売れたのに対し、スーパーマリオは全世界規模で大ヒットしています。

ポール・マッカートニーが来日したとき、近藤さんは関係者として楽屋に行って紹介され、そのときポールがスーパーマリオの『地上BGM』を口ずさんだという話は有名です。

バラエティに富んだBGM

スーパーマリオのゲーム内容や音楽に関しては、いろんなところで語り尽くされてる感がありますが、以下、自分個人の感じることを書いてみます。

まず、この時代のゲーム音楽としては非常にバラエティーに富んでいます。

この『地上BGM』は自分はカリビアンミュージックに聴こえるのですが、最初に作曲されたという『水中BGM』は舞曲風なワルツだったり、『地下BGM』は三連系のシンコペをきかせた結構変態なベースソロで、エコーがかかっていて地下っぽさを演出してました。

ファミコン音源でこれだけのことを感じさせる、って並大抵ではないですよね。

ファミコンのゲーム音楽発展の起点

演奏してみて思ったんですが『地上BGM』は、この時代としては1ループが長く、1分半くらいあります。

起承転結の展開も
A→B→B→サビ→A→C→C→サビ→C
と、当時としてはかなり凝っています。
採譜してみて、『こんなに長かったんだ』って思いました。

スーパーマリオが発売された1985年秋は、アーケードゲームとPCはちょうどFM音源への転換期にあたり、ゲーム音楽全体が発展しはじめた時期です。

同時期のアーケードゲームの『テラクレスタ』、少し後の『スペースハリアー』もそうですが、ゲーム音楽にCメロ・大サビがつくようになって、1ループが長くなり始めたのもこの時期です。

ファミコンはいろいろハードの制約もありますが、カートリッジ側に大容量メモリや音源チップをのせることができたおかげで、音楽面でも発展することができました。

スーパーマリオブラザーズはファミコンのゲーム音楽発展の起点となった作品と思います。

細かい音使い【ソロギター演奏】

コード進行は3コード+アルファでシンプルですが、メロディーが細かい半音使いが多くて、そういう部分の音を綺麗に出すのは結構大変でした。

アレンジは原曲キーのCメジャーをそのまま採用しましたが、ギターだとAやEでやったほうが解放弦を使えるので難易度は下がるかもしれません。

難易度的にはテクニック的には星4つ。
コード進行的には星2つくらいなので、間をとって星3つとしました。

今回も特別企画ということで、以下に採譜からコード分析、アレンジまでの手順を公開して解説いたします。

コード採譜

コードの採譜について手順を解説します。

ベースラインは結構動きますが、3コード中心でキーが簡単に推測できるので、コードをとるのは難しくないと思います。

Ⅱ7や♭Ⅵといったノンダイアトニックもピンポイントなので、そういう響きに慣れるのに格好の素材と思います。

この曲はコード採譜や分析よりアレンジ・演奏をいかにやるか、がポイントになる曲です。

スーパーマリオ 地上BGM コード進行

イントロ
D9(4f) G(3f)

Aメロ
C(0f) F(1f) C(0f)/F(1f) G(0f)
C F C/F G

Bメロ
C F C Csus4(8f)
C F Cdim(2f)/Bdim(1f) C(0f)
C F C Csus4
C F Cdim/Bdim C

サビ
A♭(1f) C6(0f) A♭ C
A♭ C6 D9(4f) G(3f)

Aメロ繰り返し

Cメロ
C69(0f) F(1f) G9(3f) C6(0f)
C69 F G7 C
C69 F G9 C6
C69 F G7 C

サビ繰り返し

Cメロ前半のみ繰り返し

エンディング(ゲームオーバー)
C(8f) FM7(8f)/D♭(9f) C(6f中指ベース)

コード分析解説

スーパーマリオ『地上BGM』は、C、F、Gの3コードを中心に構成されていて、CがルートコードでキーはCメジャーキー、というのは容易にわかると思います。

3コード以外にノンダイアトニックなコードが多少絡んでくるので、ポイントはそれらの解釈ですね。

本格的転調までは行かない動きと思うので、Cメジャーキーのみで考えることができます。

イントロ&Aメロ

まずイントロはⅡ7からです。
これは先にAメロなどをとっておけば、冒頭のD9がCメジャーキーのⅡ7というのは察しがつくと思います。
以下、順を追ってみていきます。

まず、Aメロは3コードのみです。

Bメロのディミニッシュコード

BメロでCdim→Bdimがでてきます。
これはドミナント代理のディミニッシュです。
この場合
Cdim=D7(♭9)
Bdim=G7(♭9)
ということでⅡ→Ⅴ代理ですが、♭9のテンション込みになるので、ここだけ調性はCマイナーに寄ります。

サビ&Cメロ

サビで出てくるA♭コードはCメジャーキーから見るとサブドミナントマイナーで、同主調Cマイナーからの借用コードです。

これくらいの使われかただと、自分はCメジャーキー内のサブドミナントマイナーとして処理してます。

次のCメロも3コードのみです。

エンディング

エンディングで♭Ⅱがでてきます。
Ⅴ7の裏コードでドミナント代理ですが、ちょっと変化つきますよね。

コード分析結果

イントロ
■Cメジャー
Ⅱ7 Ⅴ7

Aメロ
Ⅰ Ⅳ Ⅰ/Ⅳ Ⅴ7
Ⅰ Ⅳ Ⅰ/Ⅳ Ⅴ7

Bメロ
Ⅰ Ⅳ Ⅰ Ⅰsus4
Ⅰ Ⅳ Ⅰdim(=♭Ⅵ7♭9)/Ⅶdim(=Ⅴ7♭9) Ⅰ
Ⅰ Ⅳ Ⅰ Ⅰsus4
Ⅰ Ⅳ Ⅰdim(=♭Ⅵ7♭9)/Ⅶdim(=Ⅴ7♭9) Ⅰ

サビ
♭Ⅵ Ⅰ ♭Ⅵ Ⅰ
♭Ⅵ Ⅰ Ⅱ7 Ⅴ7

Aメロ繰り返し

Cメロ
Ⅰ Ⅳ Ⅴ7 Ⅰ
Ⅰ Ⅳ Ⅴ7 Ⅰ
Ⅰ Ⅳ Ⅴ7 Ⅰ
Ⅰ Ⅳ Ⅴ7 Ⅰ

サビ繰り返し

Cメロ前半のみ繰り返し

エンディング(ゲームオーバー)
Ⅰ ⅣM7/♭Ⅱ7 Ⅰ

アレンジ手順解説

スーパーマリオブラザーズ『地上BGM』のアレンジ手順を解説します。

仮アレンジしてみる

採譜したら仮アレンジしてみて全体の難易度などを判断します。

キーを決める

今回は音域もちょうどいいので、オリジナルのCメジャーでやることにしました。

技術面で、もっとチャレンジするならAメジャーやEメジャーで解放弦フル活用してアレンジするのも有効と思います。

コードフォームを考える

なるべくスタンダードなコードフォームに沿って作りました。

  • オープンC
  • オープンG、G7
  • 1フレットF
  • 3フレットC
  • 3フレットG、G7

これらを中心にしていますので、暗譜はしやすいと思います。

スーマリ『地上BGM』の難易度

ソロギターアレンジする上で重要になってくるのがメロディの難易度です。

前回のドラゴンクエスト『序曲』(以下ドラクエ)と比べて、スーマリのほうがメロディーが細かくて数段難易度が高いです。

全てのパートを再現するのは理想ですが、原曲の雰囲気をなるべく残しつつも、ギターの良さが出る&適度な難易度にする、ということを考えていきます。

難易度が高いときは何かを優先するかわりに、何かを妥協する取捨選択をするんですが

  1. コード
  2. ベースライン
  3. メロディ

この3つの要素を取捨選択することになります。このうちどういう選択をするか?は、その人のアレンジの考え方にもよります。

自分の場合
1.コード→2.ベースライン→3.メロディーの順で簡略化してく場合が多いです。

コードの簡略化

1.のコード省略化ですが、押さえるのがしんどかったり、ポジション移動に無理があるコードを変えたり省略したりします。

  • ベース音を変える
  • 内声の構成を変える
  • 代理コードに変える
  • もうそこのコードは弾かない

という感じになりますが、少しでも使用する指の数やポジション移動を減らして演奏に余裕が出るようにします。

スーマリ例題曲の場合は、もともとシンプルなコードで構成されてるので、コード進行自体は原曲に近い形になっていますが、メロディー+ベースの2音構成で演奏している部分が多くなっています。

そのかわりフレーズの合間に、時おりフルコードを鳴らしてやることでコード感を維持しています。

リハモで簡略化したところ

Bメロ頭のCコードは本当はG7も入って細かくチェンジしてるんですが、ここは無理にやってもそんなには変わらないのでリハモで省略してます。

ハイポジションコードの使用

そのあとの、8フレットポジションのCsus4に飛ぶところはどうしようかと思いましたが、弾けない感じではないので、アクセントとしてポジション移動を入れてみました。

難しければここもオープンフォームや3フレットで弾いてもいいでしょう。

ベースラインの簡略化

このアレンジはベースラインをかなり簡略化していて、ベースはルート音中心のアレンジになっています。

演奏技術に余裕があれば原曲風にベースをリズミックにアルペジオさせてもいいと思いますが、ちょっとやってみたら難易度がかなり上がって星4つになる感じです。

今回は難易度が上がりすぎるのは避けたかったので、少し考えてベースラインを簡略化することにしました。

メロディラインの簡略化

これは毎回悩むんですが、できることならメロディーはあまり簡略化したくないんですよね。

『ゲーム音楽特有の、人の手では弾かないようなパターン』を敢えて生楽器で弾いてやろう、というのも自分にとってはゲーム音楽演奏のテーマの一つです。

人によってはベースラインのほうを重視するかもしれませんが、このへんは曲にもよるし、好みと主観と当人の技術レベルで決めればいいと思います。

地上BGMのメロディの特徴

この曲のメロディーはスケールというより、コードトーン+半音の繋ぎという感じです。

ジャズのビバップフレーズもそんな作りになっていますが、この曲はコードが3コードなのでそれほどは複雑ではないです。

ジャズフレーズほど複雑ではないですが、半音使いが多いのでソロギターでベースを弾きながらだと、指が足りなくなる場面が多かったです。

アレンジの肉付け

この曲はメロディが細かくビッシリ入ってるのであまり肉付けの余地もないんですが、メロの合間に人差し指のストロークとゴルペ奏法を入れて、コード感を補強すると同時にリズム的なアクセントとしています。

エンディングを考える

この曲はループなので終わらせかたを考えないといけないんですが、今回はゲームオーバーのときにかかるメロディーを追加してみました。

bⅡ7が入ってきて変化がつくので結構いいかな、と。

エンディング(ゲームオーバー)
C(8f) FM7(8f)/D♭(9f) C(6f中指ベース)

アレンジのまとめ

前回のドラクエ『序曲』では、キーの設定やポジションのとりかたが主なテーマになりましたが、今回のスーパーマリオブラザーズ『地上BGM』は、メロディーを再現するためにどうやって簡略化するか?が考えるべきポイントです。

なお、実際の演奏ではベースを細かく入れたり、ゴルペ奏法を入れたりして、リズミックにする処理をしてますが、そのへんは自分の得意なやりかたでokです。

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