魔界村「メインテーマ」【ギター演奏・コード進行86】

魔界村 メインテーマ(1st&2nd BGM)動画
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発売年月:1985年9月
機種:
アーケードゲーム(Arcade Game)
メーカー:カプコン(CAPCOM)
タイトル名:魔界村(Ghosts’n Goblins)
曲名:1st&2nd BGM
作曲:森安也子(Ayako Mori)
演奏難易度:☆☆★★★(普通)

ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第86弾は、カプコンのFM音源第2弾作品である『魔界村』のメインテーマ(正式な曲名は「1st&2nd BGM」)です。

自分も子供の頃、ゲーセン&ファミコンでやりこんだ懐かしのタイトルです。

2021年2月25日にカプコンから魔界村シリーズの新作『帰ってきた魔界村』が発売されましたが「1st&2nd BGM」も最新アレンジが聴けますね!

魔界村 作品概要

魔界村はカプコンが開発し、1985年9月に稼働開始した横スクロールアクションのアーケードゲームです。

翌1986年にはファミコンに移植されてヒットしたので、ファミコンでプレイした人も多いんではないでしょうか。

カプコンは日本のアーケードゲーム業界では最も早くFM音源を導入した会社ですが、1985年5月の『戦場の狼』(国産アーケードゲームで初のFM音源採用作品で、音楽は河本圭代さん)に続き、本作はFM音源第2弾作品となります。

戦場の狼と魔界村は同時に開発がスタートしたようですが、戦場の狼のほうが早く仕上がって数ヶ月早く世に出た形となります。

魔界村のゲーム内容は、主人公の騎士アーサーを操作して、魔界にさらわれたお姫様を助けに行く、というベタな王道ファンタジーなストーリーですが、ホラーな雰囲気と、髭面のむさ苦しい主人公、というのが洋ゲーっぽくて、このゲームの個性となっています。

システムとしてはスーパーマリオや悪魔城ドラキュラみたいな横スクロールアクションに、シューティング要素がプラスされている感じで、1984年のソンソンから引き継いで来ている路線かと。

あと、このゲーム、かなり難易度が高かったですよね。

自分はアーケードゲーム版(以下AC版)も結構な回数やりましたが、お小遣いには限りがあるし、他にやりたいタイトルもたくさんある時期だったので、クリアするまではやりこみ出来ず、ファミコン版(以下FC版)でリベンジしました。

レッドアリーマーはトラウマでしたよね。当時のゲームであんな動きをする敵キャラは他にいませんでした。

魔界村の音楽

魔界村は音楽もインパクトありましたよね。

AC版は、まだFM音源作品が少なかった時期というのもありますが、ちょっとヨレたような金属質な音色がホラー感を出していて、とても印象的でした。

とくに今回演奏する「1st&2nd BGM」は非常にキャッチーで記憶に残っている人は多いんではないでしょうか?

1st&2nd BGM

「1st&2nd BGM」はその曲名通り、1面と2面で流れるBGMです。

曲自体のインパクトと、ゲームスタート直後から流れるということもあり、この作品のメインテーマと言えるものです。

魔界村は多数の続編が作られていますが、この曲はシリーズ通して度々登場するし(曲名やアレンジは作品によって変わります)、魔界村シリーズ全体の代表曲と言っても良いと思います。

ですので、この曲には多数のバージョンが存在しますが、自分が最も親しんだのは、元祖のAC版と、家でやりこんだFC版のもので、今回のギターアレンジは主にAC版を参考にしました。

森安也子さん【作曲者】

魔界村の音楽を担当したのは森安也子さんです。

このブログでは、まだ彼女の紹介をしていなかったので、ここでご紹介させていただきます。

本名:森安也子(もり あやこ)
作曲家デビュー:1984年5月(バルガス)
代表作品:1942、魔界村

森安也子さんはカプコンの創業当時から在籍していた最古参のサウンドスタッフで、少し後(数か月差?)に入社した河本圭代さんと二人で初期カプコン作品の音楽・サウンドを支えました。

『1942』のラスボスの亜也虎(あやこ)の名前は彼女からとったらしいですね。

森さんは1984年から1986年頃のカプコン作品を手掛けましたが、もっとも有名な曲は、今回演奏する魔界村のメインテーマである、この曲「1st&2nd BGM」でしょう。

森安也子さん作曲作品

森安也子さんが担当したのは、全てカプコンのアーケードゲーム作品です。

1984年

バルガス

ソンソン(河本圭代と共作)

1942

1985年

魔界村

ガンスモーク

1986年

闘いの挽歌

サイドアーム

帰ってきた魔界村

余談ですが、少し前に突如カプコンが魔界村の新作を出しましたよね。

タイトルは『帰ってきた魔界村』で、プラットフォームはNintendo Switch、PS4、XboxOne、Steam。2021年2月25日発売です。

魔界村と大魔界村のリメイク作ですが、魔界村シリーズとしては、なんと15年ぶりの新作です。

そして今回演奏の「1st&2nd BGM」はメインテーマとして、バッチリ使われてますね!

少しプロモーション動画見た感じでは、ちょっとゆっくり目のオーケストラアレンジでホラー感を強調している感じでした。

今回の自分のアレンジとは正反対なので、同じ曲でも随分違って面白いですよね。

AC版をベースにアレンジ【ソロギター演奏】

以下、今回のギターアレンジについてです。

今回の演奏キーですが、AC版の曲本体部分(Aメロ以降)はAマイナーキーであり、これはソロギターではベストのキーなので、AC版のキーでそのままアレンジして解放弦を生かしたギターらしい演奏を目指しました。

AC版とFC版でキーが異なる

この曲は、イントロ(ゲームスタートジングル)からAメロへと移る時の転調がバージョンによって異なります。

AC版とFC版では曲本体のキーが違うし、ゲームスタートジングル→Aメロの転調インターバルも違うんですよね。

AC版
イントロ=Bマイナーキー
↓(1音下へ転調)
曲本体=Aマイナーキー

FC版
イントロ=Cマイナーキー
↓(属調へ転調)
曲本体=Gマイナーキー

となっていますが、理由は不明です。

ターンバックフレーズの採譜

採譜について、コード進行やメロディーはシンプルなんですが、部分的に非常に聴きとりが難しい所がありました。

AメロとBメロのラストのターンバックフレーズの所ですね。

ここは3つくらい同じような音色のフレーズが重なって、しかも半音階で動いているので、聴きとりづらいし、どのパートを弾いたら良いか迷います。

この箇所は、FC版のほうが音数が少なくて明瞭だったので、ここだけはFC版を参考にしています。

この半音階のターンバックフレーズは、自分が勝手に追加したイントロ・Aメロ間のものを入れると合計3回出て来て、それぞれ違うラインで演奏しました。

その他の部分に関して、ポイントになりそうなところを曲の頭から書いていきます。

イントロ

イントロの頭のアルペジオは、本当はもっと音域が広いし、敢えて弾かなくても良かったかもしれませんが、このアルペジオはゲームスタートのジングルの一部として記憶に残っていているので、雰囲気だけでも、と弾いてみました。

ゲームスタートのジングルが鳴ったあと、オリジナルは即Aメロに入るんですが、演奏バージョンではテンポチェンジ用のカウントと、導入のターンバックを追加しました。

曲本体部分

Aメロ9小節目から原曲では、C→C♯→D→D♯(=E♭)という半音進行のトレモロが入っていますが、コード付けをオンコード化することで、この半音進行をベースライン化して、雰囲気を再現しています。

ここは下の【コード進行のポイント】で改めて解説します。

Aメロ13小節目からのブリッジ部分は、フラメンコ的な処理でアレンジしていて、サイズも2倍にしています。

Bメロはほぼ原曲のまま演奏。

自由リズムのエンディングを追加

2ループ目のAメロ後半を自由リズムのアルペジオにしてエンディングとしました。

最後のA→B♭M7→Aは、遊びでつけたものですが、やけに爽やかな終わり方になってしまったので、蛇足だったかもしれません(笑)

魔界村「1st&2nd BGM」コード進行

イントロ
|Bm|Bm|F♯7|F♯7|

Aメロ
|Am|Am|E7|E7|
|Am|Am|E7|E7|
|AmM7(onC)|A7(onC♯)|Dm|B7(onD♯)|※1

ブリッジ(オリジナルの倍サイズ)
|E F|E Dm|E F|E|
|E F|E Dm|E F|E|

Bメロ
|Am|Am|E7|E7|
|F|F|E7|E7|

Aメロ繰り返し

エンディング(アレンジ)
|E7|E7|E7|E7|
|A|B♭M7|A|

※1 この段のコード付けについては【コード進行のポイント】を参照

コード進行分析

イントロ
■Bマイナー
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7|Ⅴ7|

Aメロ
■Aマイナー
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7|Ⅴ7|
|Ⅰm|Ⅰ7|Ⅳm|Ⅱ7|

ブリッジ(オリジナルの倍サイズ)
|Ⅴ7 ♭Ⅵ|Ⅴ7 Ⅳm|Ⅴ7 ♭Ⅵ|Ⅴ7|
|Ⅴ7 ♭Ⅵ|Ⅴ7 Ⅳm|Ⅴ7 ♭Ⅵ|Ⅴ7|

Bメロ
|Ⅰm|Ⅰm|Ⅴ7|Ⅴ7|
|♭Ⅵ|♭Ⅵ|Ⅴ7|Ⅴ7|

Aメロ繰り返し

エンディング(アレンジ)
|Ⅴ7|Ⅴ7|Ⅴ7|Ⅴ7|
■Aメジャー
|Ⅰ|♭ⅡM7|Ⅰ|Ⅰ|

Aメロ後半のコード付けが難しい【コード進行のポイント】

曲本体部分のコード進行は、基本的にはAm、Dm、E7、Fの4種類しか出てこないシンプル進行ですが、Aメロ後半の9小節目から12小節目はオンコードを使って若干工夫しています。

上の【ソロギター演奏】で書いた、トレモロのラインをオンコードを使ってベースライン化した部分ですが、こんなコードにしてます。

AmM7(onC)→A7(onC♯)→Dm→B7(onD♯)→E7

2つ目のA7(onC♯)は、原曲のベースラインにはF音が入っていて、これを反映してA7系のコードを付けるならA7(♯5)になるんでが、このアレンジの中でコードとして弾くと、そこだけ変に目立ってしまって違和感があったので、無難にA7(onC♯)としました。

4つ目のB7(onD♯)は、F7(onE♭)(裏コード)やD♯dim7(パッシングディミニッシュ)としても良いと思いますが、何回か原曲と合わせて弾いてみて一番しっくりきたのがB7(onD♯)でした。

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