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発売年月:2011年7月
機種:ニンテンドーDS(NintendoDS)
メーカー:アトラス(ATLUS)
タイトル名:ノーラと刻の工房 霧の森の魔女(Noora and Toki’s workshop)
曲名:ノーラの家(Noora’s Home)
作曲:なるけみちこ(Michiko Naruke)
演奏難易度:☆☆★★★(普通)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第77弾は、ノーラと刻の工房より「ノーラの家」。なるけみちこさん作曲のほのぼの系の曲です。
この曲は民謡的で素朴な香りがしますが、採譜してみると結構技巧的な作曲をしてるんですよね。
ノーラと刻の工房 作品概要
『ノーラと刻の工房 霧の森の魔女』は2011年に発売されたニンテンドーDS用のRPGで、開発はアトラスです。
この時期、アトラスは世界樹の迷宮シリーズがヒット中でしたが、この作品は世界樹の迷宮のディレクターである小森成雄氏と、同じくキャラデザインの日向悠二氏が中心になって開発されました。
そしてシナリオは、初期のアトリエシリーズを手掛けた古池真一氏の手によるものです。
物語の舞台は北欧やアイルランドがモデルになっていて、作中の固有名詞にはフィンランド語が使われています。
一部では「パン投げゲーム」とか言われていますが、なるけみちこさんによる音楽は凄く良かったです。
この作品の音楽は、全体に癒しと哀愁を感じるもので、なるけさん作曲作品の中でもかなり好みなものでした。
演奏曲「ノーラの家」について
今回の演奏曲「ノーラの家」は、主人公ノーラの家で流れる曲で、恐らくプレイヤーが一番長時間聴く事になると思うんですが、自分は作品中で一番好きな曲です。
この作品の音楽は、全体に北ヨーロッパの民謡的な色彩が強いですが、この曲はとくにそんな雰囲気が濃くて、ケルト民謡のみたいなメロディーだな、と感じました。
メロディーは牧歌的でシンプルですが、採譜してみるとコード使いや転調など、なかなか技巧的な曲の作りで、アレンジしがいのある曲になっています。詳しくは【コード進行のポイント】で解説します。
細かいコードチェンジ【ソロギター演奏】
「ノーラの家」の原曲はピアノとパーカッションをベースに、笛(ケルトの笛?)やストリングスがメロディーを担当していますが、ギターアレンジも原曲のほのぼのした雰囲気を出すことを目指しました。
原曲は打楽器が入っているのでリズムトラックを入れるか迷いましたが、あまりリズム的に凝ったことをするわけでないし、緩急を付けても良さそうな曲想なので、今回は完全ソロ演奏でいくことにしました。
Aメロが細かくコードが付いていて、これを省略すればかなり楽にはなるんですが、ベースを動かすことで再現してみました。
ここ以外の部分は、演奏技術的には易しい部類と思いますが、全体にコードチェンジが多くて暗譜も大変なので、難易度は星3つとしました。
ノーラの家 コード進行
Aメロ
|G C|G C6|G C|G D7|
|Em Am|Em Am6|C6 A7(onC♯)|D7|
|G C|G C6|G C|G D7|
|Em Am|Em Am6|Am(onC) D(onF♯)|G|
Bメロ
|Em|D7|CM7|G|
|Em|D7(onF♯)|G|G G9|
|C|D(onF♯)|G|A|
|D7sus4|D7sus4|
|D7(onF♯)|D7(onF♯)|
|E♭ F6|G|
ブリッジ1
|E♭ F69|G|A♭M7 Gm7|Fm7 E♭M7|
|D♭M7|C9|
Aメロ
|F B♭|F B♭6|F B♭|F C7|
|Dm7 Gm7|Dm7 Gm6|G7|C7|
|F B♭|F B♭6|F B♭|F C7|
|Dm7 Gm7|Dm7 Gm6|Gm7 C|F|
Bメロ
|Dm|C|B♭M7|F|
|Dm|C7|FM7|FM7 F9|
|B♭|C|F|G|
|C7sus4|C7sus4|C7|C7|
ブリッジ2
|Dm|Dm|C(onD)|C(onD)|
|Dm|Dm|C(onD)|C9(onD)|
エンディング
|B♭|Am(onC)|Dm|F|
|B♭|C|D7sus4|D7sus4|
|D|D|D|D|
コード進行分析
Aメロ
■Gメジャー
|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅴ7|
|Ⅳm Ⅱm|Ⅳm Ⅱm|Ⅱm Ⅱ7|Ⅴ7|
|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅴ7|
|Ⅵm Ⅱm|Ⅰm Ⅱm|Ⅱm Ⅴ7|Ⅰ|
Bメロ
|Ⅵm|Ⅴ7|ⅣM7|Ⅰ|
|Ⅵm|Ⅴ7|Ⅰ|Ⅰ7|
|Ⅳ|Ⅴ7|Ⅰ|Ⅱ7|
|Ⅴ7sus4|Ⅴsus4|Ⅴ7|V7|
|♭Ⅵ ♭Ⅶ|Ⅰ|
ブリッジ1
|♭Ⅵ ♭Ⅶ|Ⅰ|
■Cメジャー(下属調)
|♭ⅥM7 Ⅴm7|Ⅳm7 ♭ⅢM7|
|♭ⅡM7|Ⅰ7※1|
Aメロ
■Fメジャー
|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅴ7|
|Ⅵm Ⅱm|Ⅵm Ⅱm|Ⅱ7|Ⅴ7|
|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅳ|Ⅰ Ⅴ7|
|Ⅵm Ⅱm|Ⅵm Ⅱm|Ⅱm7 Ⅴ7|Ⅰ|
Bメロ
|Ⅵm|Ⅴ7|Ⅳ|Ⅰ|
|Ⅵm|Ⅴ7|Ⅰ|Ⅰ7|
|Ⅳ|Ⅴ7|Ⅰ|Ⅱ7|
|Ⅴ7sus4|Ⅴ7sus4|Ⅴ7|Ⅴ7|
ブリッジ2
■Dマイナー(平行調)
|Ⅰm|Ⅰm|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
|Ⅰm|Ⅰm|♭Ⅶ|♭Ⅶ|
エンディング
|♭Ⅵ|Ⅴm7|Ⅰm|♭Ⅲ|
|♭Ⅵ|♭Ⅶ|Ⅰ7sus4|Ⅰ7sus4|
■Dメジャー(同主調)
|Ⅰ※2|Ⅰ|Ⅰ|Ⅰ|
※1 FメジャーキーのⅤ7と共用
※2 ループ後のGメジャーキーのⅤと共用
ブリッジの作り方がミソ【コード進行のポイント】
この曲はAメロ・BメロをそれぞれGメジャーキーとFメジャーキーでやって、その間にブリッジが挟まるという構造になっていますが、そのブリッジ部分の作りかたが技巧的で美しいですね。
最初は主調のGメジャーキーでAメロBメロをやりますが、Bメロ最後はE♭→F→Gと、コナミ進行になってます。
ブリッジ1はちゃんと耳コピー出来ているか、ちょっと自信無いんですが、ギター的な処理でアレンジしました。
ここは凄く微妙な響きで、Gメジャーキー→Cメジャーキー(サブドミナントマイナーばかりなので、ほぼCマイナーキー)→Fメジャーキーと移り変わっています。
そのあとFメジャーキーでAメロBメロをやりますが、コードの付け方を変えていたりして、同じメロディーでも色彩感が変化していますね。
ブリッジ2はFメジャーキーの平行調Dマイナーキーに行って曲全体に変化を与えています。
エンディングはBメロ(Fメジャーキー)の後半とほほ同じですが、最後D7sus4→Dになっているので、Dマイナーキー→D7sus4からメジャー終止してDメジャーキー→Dをピボットにしてループ後にGメジャーキーに戻る、というような動きかと。
演奏ではキリが良いのでD7sus4のまま終わりにしてますが、原曲では、このD7がピボットコードになって、ループ後のGメジャーキーに繋がっていくわけです。
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