発売年月:1988年12月 ※初出はファイナルファンタジー2
機種:ファミリーコンピュータ(NES)
メーカー:スクウェア(SQUARE)
タイトル名:ファイナルファンタジーシリーズ(Final Fantasy)
曲名:チョコボのテーマ(Chocobo Theme)
作曲:植松伸夫(Nobuo Uematsu)
演奏難易度:☆☆★★★(普通)
ゲーム音楽ソロギター演奏動画・コード進行解説の第57弾は、ファイナルファンタジーシリーズでお馴染みの曲「チョコボのテーマ」。
この曲は、かなり以前からリクエストを頂いていて、ずっとやりたかったんですが、お正月休みにちょっとアレンジしてみたら、わりと良い感じだったので、ちゃんと作ってみました。(※今アップされている動画は2022年4月に作った再収録版です)
昔から思っていたんですが、「謎の中毒性」系ゲーム音楽の、最もたる曲ですよね。
「謎の中毒性」系とは、感動する、というのと違うけど、1度聴くと頭の中で延々とループしてしまうような、高インパクトな曲のことを言ってます。
なお、この動画はブログ4周年企画の一環として、2022年春にリメイク・修正したものです。
チョコボってどんな生き物?
まず、このチョコボという生物ですが、ファイナルファンタジーシリーズのほぼ全作品に登場する、FFのマスコットキャラクター的な存在です。
ダチョウ+ヒヨコみたいな見た目で、主人を乗せて走ります。
草食で、亜種が何種類かいますが、黒チョコボ以外は羽が退化していて飛ぶことはできません。そのかわりに時速80キロくらいで走れます。
FF作品中では「主人公が最初に手に入れる乗り物」という設定が多いですが、その可愛らしさから非常に人気が高く、チョコボが主人公になった外伝作品も作られました。
公式情報ではチョコボのモデルはチョコボールの「キョロちゃん」で、チョコボのネーミングもチョコボールからきているらしいですが、人を乗せて走る、というところは『風の谷のナウシカ』に出てくるトリウマがモデルなんじゃないかなー、と思います。
チョコボのテーマについて【曲紹介】
チョコボの初登場はファイナルファンタジー2ですが、FF2の段階だと本当にチョイ役の扱いで、FFシリーズで音楽を担当していた植松伸夫さんも「一過性のキャラクター」という認識だったようです。
「チョコボのテーマ」もFF2が初出ですが、FF2の段階では4小節ループという凄く短くてシンプルなものでした。
しかし、FF2でチョコボが人気を博したため、FF3でも登場させて、テーマ曲も4倍サイズの16小節(イントロ入れると20小節)に大幅に作り足されています。
それ以降はファイナルファンタジーシリーズのマスコットキャラクターとして定着して、毎回色んなアレンジの「チョコボのテーマ」が作られて、シリーズ作品の楽しみの一つとなっています。
歴代「チョコボのテーマ」は、ボサ、サンバ、マンボなどのラテンアレンジが多いですが、ロックアレンジや3拍子化されたワルツアレンジなどもあって、そのほとんどが楽しくてテンションが上がるようなアレンジになっています。
登場回数やアレンジバリエーションの多さなどを考えると、ある意味、植松伸夫さんの代表曲と言っても良いかも知れませんね。
最初、ファイナルファンタジー2の4小節ループを作った時、こんな事になるとは、植松さんご本人は全く想定していなかったと思いますが。
植松伸夫さんについてはこちらの記事で紹介しています。
ベースライン重視のアレンジ【ソロギター演奏】
まず、この曲は1ループ30秒程度と短いので、2ループアレンジにして演奏時間を確保しました。
あとは、リズムトラックを少し時間をかけて作りました。
アレンジや録画より、リズムトラックのほうが時間かかっていたりします。
ソロギターアレンジの内容ですが、この曲は音域も狭いし、メロディーだけなら凄く簡単に弾けそうですが、このアレンジはベースラインを重視して作りました。
ベースラインですが、AメロのG→Fの流れがユーモラスで楽しいし、BメロでベースがC音にいくところの「抜け感」も美味しいところなので、ベースラインはとても大事だと思ったんですよね。
リズムトラックもベースラインを補強する形で作りました。
メロディー自体は単純だし、ギターでもほぼオープンコードのみ(アレンジでは3フレットのGは使ってますが)で弾けてしまうので、作り方によっては星1つの難易度で作れそうですが、上記のようにベースラインを強調したり、Aメロの掴みにフラメンコ風の速いパッセージを入れたりしたので、難易度は1つ上の星2つです。(※再収録版では、テンポアップしたのと、Bメロのコードフォームが若干難しくなったため星3つにしました)
謎の中毒性の正体
最後のコード進行のポイントで詳しく書きますが、この曲は通常のメジャーキーではなくミクソリディアンで出来ていて(自分の解釈ですが)、それが独特の印象を与えて、この曲のインパクトになってると思います。
冒頭で触れた謎の中毒性の正体は、このAメロのG→Fのベースライン+ミクソリディアンのメロディーの組み合わせなんじゃないかな?と思ってます。1度聴いたら忘れないですからねー。
チョコボのテーマ コード進行
イントロ(アレンジ)
|G FM7|G FM7|G FM7|G FM7|
Aメロ
|G F|G F|G F|G F|
|G F|G F|G F|G F|
Bメロ
|Am(onC) D7(onF♯)|G|Am6 D7(onF♯)|G
|Am(onC) D7(onF♯)|G|F|Am D7|
Aメロ・Bメロ 繰り返し
アウトロ(アレンジ)
|G FM7|G FM7|G FM7|G FM7|
|GM9(13)|
コード進行分析
イントロ(アレンジ)
■Gメジャー
|Ⅰ ♭ⅦM7|Ⅰ ♭ⅦM7|
|Ⅰ ♭ⅦM7|Ⅰ ♭ⅦM7|
Aメロ
|Ⅰ ♭Ⅶ|Ⅰ ♭Ⅶ|Ⅰ ♭Ⅶ|Ⅰ ♭Ⅶ|
|Ⅰ ♭Ⅶ|Ⅰ ♭Ⅶ|Ⅰ ♭Ⅶ|Ⅰ ♭Ⅶ|
Bメロ
|Ⅱm Ⅴ7|Ⅰ|Ⅱm Ⅴ7|Ⅰ|
|Ⅱm Ⅴ7|Ⅰ|♭Ⅶ|Ⅱm7 Ⅴ7|
Aメロ・Bメロ繰り返し
アウトロ(アレンジ)
|Ⅰ ♭ⅦM7|Ⅰ ♭ⅦM7|
|Ⅰ ♭ⅦM7|Ⅰ ♭ⅦM7|
|Ⅰ|
ミクソリディアンのメロディー【コード進行のポイント】
この曲は普通に分析するとCメジャーキーなんですが、自分はGメジャーキー(Ⅰにミクソリディアン使用)としていますが、最初は以下のどちらの解釈が良いか迷いました。
- AメロはCメジャーキー→BメロはGメジャーキーに転調
- AメロもBメロも転調無しのGメジャーキー一発
自分は2.のGメジャーキー一発としています。
理由は、Aメロの途中でCコードを入れてみてもあまりトニック感が無いし、どちらかと言うとGコードがキーの中心に感じられたので、AメロのG→F進行はGメジャーキーのⅠ→♭Ⅶとしました。
まあ、どちらでも良いのかも知れませんが、自分は感覚的にしっくりくるほうの解釈にしています。
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