アーケードゲームから始まったゲーム音楽の歴史ですが、1982年ごろから家庭用のPCやゲーム機でもPSGが普及して徐々にゲーム音楽のための環境が整ってきました。
今回は初期の8ビットPC=マイコンについて書こうと思います。
AppleⅡの発売~先進国アメリカの状況
1977年にアメリカで『APPLEⅡ』が発売されました。
これには一応サウンド機能が備わっていたらしいのですが、後に拡張用のPSGカードが出ているので、初代のはBEEP音の音程を変えられるタイプでしょうか。
すみません、AppleⅡのハードはあまり詳しくありません。
家庭用のゲームに関しては、このAppleⅡと次回とりあげるゲーム機Atari2600(1977年発売)のソフトが1980年代に入る以前から相当数出回っていて、この時代はまだアメリカが圧倒的に進んでいました。
国産初のPC
国産のPCは1978年の日立MB-6880、SHARPのMZ-80Kが最初ですね。
1979年にはNECからPC-8001が発売されベストセラーとなり、NECは国産PCのトップメーカーになりました。
しかし、この時代のPCはまだPSGも搭載しておらず、音楽を奏でるには程遠い状態でした。
PC-6001と『御三家』
1981年にNECから発売されたPC-6001にPSGがはじめて搭載されましたが、売れ筋は同時に出たPC-8801でした。
こちらはビジネス向きでPSGを搭載していませんでした。
PC-6001は今思うと低価格で革新的な機能を備えたPCでしたが、グラフィックの解像度が低かったために、ゲームなどのホビー用途としてもあまり評価されなかったように思います。
翌1982年に富士通 FM-7とSHARP X1というPSG搭載のホビー機が発売され大ヒット、PC-8801とともに『御三家』と呼ばれていました。
御三家に共通していたのは640×200ドットのカラー表示が可能で、細かいグラフィックやテキスト表示が要求されるRPG、シミュレーション、アドベンチャーなどのジャンルのゲームに適していたことです。
初期のPCゲームの業界事情
PC6001~御三家あたりが国産PCのゲーム音楽の夜明けと言っていいですが、なにしろハードも貧弱だし音楽を作るスタッフもいません。
国産ゲームソフト業界は立ち上がったばかりで、資金もなければ、人材もいない状態です。
ゲームメーカーはほとんどがベンチャー企業でプログラマーも不足していたため、プログラムコンテストなどを開催してアマチュアから人材を集めていた、そんな時代でした。
当然のことながら、音楽の質もナムコなどのアーケードゲームとは比べるべくもなかったです。
その後1983年10月頃からMSXが発売され、PCも低価格で買えるようになりましたが、同じような環境が続いていました。
――国産PCの奏でる音楽がそれなりのレベルに達して、アーケードゲームと肩を並べられるくらいになるのは1985年発売のPC-8801mkⅡSRの普及を待たねばなりません。
次回は今回と同時代(1977年~1983年ごろ)の、初期の家庭用ゲーム機について書こうと思います。
ゲーム音楽史 前回

ゲーム音楽史 次回

コメント