前回は選曲方法についてやりました。
自分にあった曲を選んだら、曲を耳コピーします。
今回は耳コピー・採譜の流れと、最低限のアレンジに必要なメロディーとベースラインの採譜。
これをやってみようと思います!
準備するもの
ゲーム音楽の耳コピー・アレンジ演奏に必要なもの、あったほうがいいものを最初に書いておきましょう。
必要なもの
- 楽器
単音楽器でもいいのですが、自宅でソロ演奏を楽しむということを考えると和音が出せるものがベターです。 - 筆記用具
耳コピーのメモに使います。五線紙でもいいし、譜面を使わない人は普通のノートでも。PCでテキストエディタや譜面ソフトで記録してもいいです。 - 原曲音源
これがないと音を確認できません。
以上ですww
あったほうが楽なもの
- 譜面・MIDIファイル
これについては次の項目で書きます。 - 波形編集ソフトなど
波形編集ソフトやDAWなどに音源をコピーしておけば、サーチや頭出しも楽々だし色々便利です。原曲音源の再生速度を変えられれば、速いフレーズの耳コピーも楽になります。 - 音楽理論とコードの知識
あるにこしたことはありませんが、そこまで知識がなくてもやってみよう!というのがこの企画の一つのテーマです。ゲーム音楽演奏から音楽を勉強してみるのもアリだと思います。コンパクトにいろんな要素が凝縮されているので題材としては大変優秀です。
譜面・MIDIファイルについて
メジャー曲であれば、楽譜やMIDIファイルの入手も可能と思うので、参考用・答え合わせ用として用意してもいいでしょう。
入手できれば耳コピーもかなり楽になります。
MIDIファイルの展開の仕方ですが、FinaleやMuseScoreなどで読み込んで譜面に展開します。
ただし、MIDIファイルの書き方によっては、符割りがグチャグチャになっていて解読困難だったり、譜面としてはまともに使えないものが多いので、ほんとに参考程度に。
ネット上にある譜面もMIDIも、個人が趣味でアップしているものが大半で、精度が高いものばかりではないので、音がちゃんと合ってるか?も自分の耳で確認したほうがいいです。
ということで、譜面やMIDIがあったとしても、それを補助として使用しながら、一通りは耳コピーすることをお勧めします。
なにより自分の耳でコピーすると、曲の構造についていろいろ考えさせられるので、ただ譜面上で音を追うより格段に理解が深まります。
自分でアレンジができるようになるという目的を考えると、むしろ近道です。
耳コピー・採譜の手順
さて、耳コピーのやりかたですが、頭から全パートをコピーしていこうとすると挫折しやすいので、メロディー→ベース→コードの順で個別にとっていきます。
全くの楽器・音楽初心者の場合はコードまでは難しいかもしれないので、コードが無理そうならコードの採譜と分析はとばして、メロディーとベースだけでアレンジに進むのもアリでしょう。
最低限の独奏アレンジはメロディーとベースだけでも作ることができます。
でも、コードを採譜してコード進行を分析・理解できないと絶対に壁にぶつかるので、やりながら少しずつでも勉強してコードをとれるようになったほうがいいです。
それでは耳コピー・採譜のプロセスごとに見ていきます。
メロディーを耳コピーする
- 聴き込んでメロディーを覚える
この段階でリズムをとりながらやって、拍子を判断します。ほぼ4拍子か3拍子のどちらかです。 - 手持ち楽器でメロディーを弾いてみる
このときはコードとかポジショニングとか気にしないでいいですが、音を探しながら、だいたいの調性=キーを把握しながら出来るとベストです。 - メモを作っておく
譜面がかける人は譜面。タブ譜でもいいし、弦やフレットの数をメモっておくだけでも。自分がすぐに思い出せる形で。最初に小節線(四拍子なら四拍で一小節)を書き込んで、曲のどの部分かわかる形式にしておいてください。Aメロ、Bメロなどがはっきりしている場合はそれもメモ。
ベースラインを耳コピーする
メロがわかったら、ベースラインをとります。
曲中で一番低い音のパートを探して、音程をとっていってください。
レトロ系のゲーム音楽はルート弾きが多いのでわりと楽にとれると思います。
ベースラインをメモに書き込みます。
ギターの場合は、6弦と5弦の二本でベースラインをとります。
実際の演奏アレンジでは4弦も使いますが、初心者の人は、まずは6弦と5弦の12フレットくらいまでの音名(C、Dとか)をおぼえるといいです。
この『ベースラインをききとってギターを鳴らして音名を書き込む』という作業をやるうちに結構覚えるんではないでしょうか。
ベースラインがルート以外の音の場合もあるんですが、この段階では音だけとれればokです。
馴れればその音がルートかそうでないかすぐわかるんですが、わからない場合、あとでコードをつけるときに判定することになります。
ベースラインが複雑な場合
ベースラインがロングトーンやルート弾き、五度弾きなどではなく、動きがあってとりにくい場合どうしたらいいでしょう?
ベースラインをメロディーと同じように耳コピーする
これは時間がかかりますが、確実です。少しコードの知識があれば音の並びや他のパートの動きからコードが判定できます。
コードが判定出来ていると、後のプロセスが楽になるでしょう。
総当たりで試す
原曲の音源を再生してベースラインがわからない小節の頭から手持ちの楽器を鳴らして総当たりでマッチングする方法です。
何回もリプレイして色々な音を鳴らしてみて、一番しっくりくる音を探すという原始的方法です。
これ、原始的なんですが、耳とコード感鍛えられます。
見つけた音は、おそらくその小節のコードのルートか3度か5度の音です。
たまに7度ベースやオンコードの場合もありますが、ここではマッチングできるベース音だけ見つけて、次のコード採譜・分析のときに考えてコードを確定します。
マッチングできる音が複数ある場合は複数書いておきましょう。
全て次のプロセスの判断材料になります。
ベースラインは大まかなラインを採譜する
ベースラインをとるとき気をつけることは、ベースアレンジが細かく動いてる場合も、おおまかなラインとしてメモしておくことです。
これは次のコード採譜のとっかかりにも使うので、あまり細かいと逆に大変になります。
多くても一小節に二つくらいにしましょう。
ベースラインからコードが推測できた場合は、この段階でコードネームを書いておきましょう。
曲のキーを決める
メロディーとベースラインを大まかに採譜できたら、何のキーでやってるか推測します。
この段階でキーがわかれば、コード採譜がかなり楽になります。
しかし、これが曲によっては難しいです。
曲のなかで『終止感』のあるところのベース音がキーのルート音です。
ゲーム音楽はループするので終止しなかったりもしますが。
メジャーキーかマイナーキーかの判断は、その終止ポイントで一緒にメジャーコード、マイナーコードを弾いてみます。
メジャーコードがマッチすればメジャーキー。
マイナーコードがマッチすればマイナーキーです。
まあ、曲調からだいたいわかると思います。
スケールから判断する方法もあります。
その場合まず、メロディーから使ってるスケールを判断します。
メジャースケール(明るい曲調)かマイナースケール(切ない曲調)になります。
そして、メジャースケールなら『ド』、マイナースケールなら『ラ』を探します。
その音がキーのルート音です。
キーが分からない場合
調性が複雑だったりメジャーマイナー以外のモードを使っている場合、キーがわからない場合もあるかもしれません。
キーがわからない場合は先にコードを採譜して、コード進行分析からキーを確定していくことになりますが、現段階ではあまり気にせずにとにかく弾いてみよう!でいいと思います。
弾いているうちにだんだんわかったりするものです。
次回は『ゲーム音楽を弾こう!』というコンセプトにそって、まずは今までメモった情報をもとに簡単アレンジで演奏してみましょう!
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