記事リライトとリニューアル完了!このブログはリンクフリーです(2019年8月26日更新)

夢のPC、MMLでDTMデビュー【ゲーム音楽の想い出05】

前回は1985年の話をしましたが、今回は1985年末~1986年頃のお話をします。

この時期の時代背景は以下の記事をご覧ください。

第一次黄金期 前編(1986年)【ゲーム音楽史08】
ゲーム音楽史 第8回は、ゲーム音楽最大の発展期である『第一次黄金期』の前編として、1986年に起こったことを書いています。

PC-8801mkⅡFRを購入

ゲーム音楽の世界では、1985年の一年間で瞬く間にFM音源が普及しました。

BGMはFM-NEW7でRPGなどをやりはじめていましたが、音楽への興味がどんどん大きくなっていった時期と重なって、FM音源搭載PCへの憧れは抑えようがないものでした。

なんとか、PC-8801mkⅡSRを手に入れてやろうと画策して、お金をためつつ、中古相場をずっと観察していました。

そんなときにタイムリーに発売されたのが1985年11月発売のPC-8801mkⅡFRです。なんと、定価で10万近くの値下げでした。

早速、弟と二人がかりで両親を説得して購入許可を得ると、FM-NEW7はドナドナして夢のマシンを手に入れます。

確か1985年の年末で『ザナドゥ』が発売されて少し経ったくらいのタイミングでした。
本体と同時に『ザナドゥ』を買ってやり込みました。

『ザナドゥ』は半月くらいでコンプリートして、ファルコムから終了認定証をもらいましたw
なんと、その認定証が引っ越しの時に古い名刺とか整理していたら出てきたので、記念に写真に収めてアップします。
日付が1986年1月18日、No.00083!!

ザナドゥ終了認定証

そしてこれもドンピシャのタイミングなんですが、1986年の年明けあたりから、YK2こと古代裕三さんがベーマガにPC88SR向けにゲーム音楽のMMLダンプリストを投稿しはじめます。

『スペースハリアー』に続き『ファンタジーゾーン』など、1986年に発表されたものはすべて打ち込みました。

MMLと初期のDTM

これまで数回登場している、MMLというのをまず解説しましょう。

MMLは『ミュージック・マクロ・ランゲージ』の略で、初期のPCで使われていたBASIC言語上で音源をコントロールして音楽をプログラム演奏させよう、ということで考案されたものです。

音名をABCで打ち込んで音の長さとか大きさを指定して、FM音源なら音色指定もして、というもので、楽譜を英数字の羅列に変換してコンピュータで処理できるようするわけです。

こんなやつ↓
MML

その当時、DTMという言葉はまだ無かったんですが、シンセサイザーやステップシーケンサーなどは既に出回っていて、それらをコントロールするMIDI規格も普及し始めていました。

テクノなどのジャンルはシーケンサーと音源がないと成立しませんよね。

これをPC上のプログラム言語と内蔵音源でやってしまおうというのは、DTMの発想そのものです。

古代さんなどのPC向け音楽プログラムも全てMMLで書いてありました。

このMMLを理解すれば、既存の楽譜をPCに打ち込んで演奏させることができるし、音色やアレンジなどを自分で好きに変更することもできます。

今のDTMでやっていることの基本的なことはMMLで出来たわけです。

自分もMMLをおぼえて、古代さんなどのゲーム音楽プログラムを打ち込んでは色々アレンジを変えて遊んでいました。

今思うと自分のDTM歴はこれが最初ですね。1986年。
まあ、そのあと18年ほどブランクが空くわけですがww

PC-8801mkⅡFRでプレイしたゲーム

PC8801mkⅡFRではゲームもたくさんプレイしました。

同時期、数人の友人が88SRを持っていたので、貸し借りしながら、それはもう色々やりました。

ここからの個別タイトル紹介は、ゲーム音楽史08の内容とだいぶ被りますが、1986年に自分がプレイしたゲームの中でとくに印象に残っている音楽を、今回は自分目線で語っていきます。

ファイナルゾーン

正直シューティングゲームとしては微妙な出来でしたが、音楽は気に入っていました。

ファイナルゾーン

これの音楽は昭和の刑事ドラマ風にも聴こえますが、そういうのも結構好きだったり。

ステージの合間にデモシーンが挟まって、それ用の曲が用意されていたり、当時のゲームとしては、そういう演出面が凝った作品でした。

レリクス

これのオープニングはクリスタルキング作曲の『Women』ですね。
音色もシンセロックっぽくて良かったです。

レリクス

当時、この曲が好きすぎて、MMLでPC88FRに打ち込んでアレンジをこねくり回して遊びました。
そして最終的にはメタル&理不尽な展開をするプログレなバージョンにして、学校で入部してたマイコン部のプログラム発表会に出展するという暴挙に出ました。
原版プログラムか音源録音をとっておかなかったのが悔やまれますが、人様に自分の音源作品を聴いていただいた初めての経験でした。

ザナドゥ シナリオ2

古代裕三さんのデビュー作です。タイトル曲を聴いたとき(゜ロ゜)となりました。
タイトル曲と9面の音楽だけロックっぽくて雰囲気違うので当時疑問に思ってたんですが、あの2曲が古代さん作品だったというわけです。

ザナドゥ シナリオ2

なお、ザナドゥ1、2はゲームとして大変素晴らしいもので不朽の名作と言えます。

ロマンシア

上のザナドゥシナリオ2と同時期に発売されましたが、これのタイトル曲も恐らく古代さんが最初にファルコムに持ち込みしたものの1曲と思います。

ロマンシア

自分は初期の古代さん楽曲だと、これと『イース』が好きです。

ゲームのほうは異常な難易度で、わざと難しくしたらしいですが、自力でコンプリートできた人いるのか謎です。

DAIVA

『ハイドライド』などを開発したT&Eソフトが作ったシミュレーション+アクションゲームです。
機種ごとに主人公やシナリオが異なり、異なる機種間で連携できる要素があったり、音楽に浅倉大介氏を起用して、機種別に異なるテーマ曲が用意されたりと、話題性は凄かったです。

DAIVA

ちなみに、ゲーム自体はシミュレーションとしても、アクションとしても微妙な感じで、連携要素もオマケ程度だったんですが、音楽は素晴らしかったです。
全機種分聴きたかったので、浅倉大介さん作のサントラを持ってました。
余談ですが、T&Eソフトはたまに雑誌の付録などで音楽ソノシート(なつかす!)を提供していて、未発表作品やサントラの音源を聴けたりしたんですが、それで聴いた(記憶ちょっとあやしい)レイドック2の音楽も好きだったな~。

シルフィード

88FM音源の最初のキラーソフト『テグザー』を出したゲームアーツが発売した擬似3Dシューティングです。
テグザーの音楽も良くおぼえてますが、シルフィードの音楽はそれを遥かに上回る素晴らしいものでした。
とくにエンベロープ(揺らぎ)の効いた主旋律とシャープなベースの音色が衝撃的でした。

シルフィード

確かこれもソノシートかなにかで予告編みたいな音源が出ていて、最初それを聴いたんですが、バッハっぽい主旋律+ロックアレンジで『おおぅ??絶対買う!』と思ってました。
シルフィードの印象が強いのは、ちょうどこの頃、部屋にコンポを設置して、それの外部入力に88FRを繋いでみたら、ほんとに目玉が飛び出るくらい、音質と迫力が向上して度肝を抜かれた、というのもあるかもしれません。
シルフィードはゲームとしても凄く良くできていて、88でよくあそこまで、と未だに驚愕します。

ゲーセン通いも佳境に

1986年、アーケードゲームは一番良くやっていた時期です。

前回書いた通り、この時期は50円ゲーセンに通ってゲームをやりまくっていました。

1986年にやったもので印象深かったタイトルを書いていきます。

スペースハリアー

1985年末あたりに稼働しはじめましたが、1986年後半くらいまでプレイしてたと思います。

スペースハリアー

古代さんのベーマガダンプリストを打ち込んでアレンジを弄って遊んだりして、それは楽器を始める前のことだし、自分の音楽制作歴で最初期の経験でした。

スペースハリアーメインテーマの曲紹介と演奏

スペースハリアー メインテーマ【ギター演奏・コード分析15】
スペースハリアーのメインテーマをフラメンコギターアレンジで。この曲は自分の原点のひとつで、自分らしさが出せたアレンジと思います。作曲者の川口博司さん紹介・コード進行なども。

ファンタジーゾーン

スペハリに続くセガのシューティングですが、音楽には驚きました。
全般にラテン・ブラジル調の音楽ですが、主旋律はシンセっぽかったり、スラップベースの音色で細かいオブリが入ったりとか、後のロマサガサウンドにも通ずる独特の音作りでした。

ファンタジーゾーン

これも古代さんのベーマガリスト全曲打ち込んで、アレンジを弄り倒しました。

カルテット

これもセガです。
1986年のセガは神がかってました。

カルテット

カルテットの音楽はポップなシンセロックという感じですが、当時、ハードロックもききはじめていて、これのメインテーマは、ヴァン・ヘイレンの『Jump』ぽいなぁ、とか思ってました。
とくにギターソロの後のキーボードソロのところ。

沙羅曼陀

この前年、イーアルカンフー、グラディウスでデビューした東野美紀さんが手がけています。
自分の知る限りではコナミ初のFM音源作品で、とくに大型筐体版のものはスピーカーも大きかったので迫力がありました。

沙羅曼蛇

当時は誰が作曲したか?とか知らなかったんですが、『あ、グラディウスの人かな?』というのは分かりました。
東野さんのロック・テクノ系の曲はフレージングとか転調が特徴ありますよね。

奇々怪々

OGR=小倉久佳さんの作曲。小倉さんはこの前年に『影の伝説』、この後に『ダライアス』というゲーム音楽の歴史に残る作品を残しています。

奇々怪々

奇々怪々は和音階の民謡・童謡ぽい曲+和風アレンジですが、小倉さんの音楽のコミカルな面が出ていて、自分的には謎の中毒性音楽なんですよね。

アウトラン

アウトランはセガのドライブゲームです。
ゲームスタート時に三曲の中からBGMを選曲しますが、それが当時としては非常に凝ったものでした。
曲としてはラテン・フュージョンで、ファンタジーゾーンより独自要素が減ってフュージョン色が強くなっています。

アウトラン

今年の夏に3曲中、2曲を演奏しましたが、曲解説で詳しく解説していますので、そちらもどうぞ。

アウトラン より『Splash Wave』の曲紹介と演奏

アウトラン Splash Wave 【ギター演奏・コード分析44】【夏曲その1】
梅雨明けですね!今年は『夏曲』を何曲かお届けします。夏曲第1弾は、アウトランより『Splash Wave』フラメンコアレンジです。コード進行解説もあります。

アウトラン より『Passing Breeze』の曲紹介と演奏

アウトラン Passing Breeze【ギター演奏・コード分析46】【夏曲その3】
夏曲第3弾。アウトランより『Passing Breeze』を演奏します。ボサノバ・フラメンコに寄せてギター音楽化を試みています。コード進行、曲名の謎なども解説。

源平討魔伝

86年、秋冬はこれでしょう。
ナムコの和風タイトルです。

源平討魔伝

音楽は和楽器+メタルという感じで、ディストーションギター風の音色(FM音源はディストーションギターは苦手だった)が効いていて、当時ハードロック・ヘヴィメタル系の音楽に傾倒しはじめていたBGMは一発で気に入りました。

「地獄の沙汰も金次第」
「色即是空」
そして弁慶のヤラレ台詞「これで勝ったと思うなよ
などの名言を生んだ作品でもありました。

――こんな感じで、各社ともFM音源化してゲーム音楽に本腰を入れてきた熱い時代でした。
この時代のものは当時の記憶とともにアレンジの一音一音まで記憶しています。

ファミコンではドラクエが出ます

この時期、ファミコン最大の話題作はドラゴンクエストですね。

ドラゴンクエスト1

最初、画面の印象などからPC88の『夢幻の心臓2』のパクりじゃん?と思ってたんですが(というか、夢幻の心臓シリーズもウルティマのパクりかな)、ドラクエの素晴らしさはシナリオ、モンスターなどのキャラデザイン、そして音楽ですよね。

夢幻の心臓Ⅱ
(夢幻の心臓Ⅱ)

それまで『ファミコンでRPGなんて無理でしょ?』と思ってましたが、実際やってみるとその完成度は驚くべきものでした。
あれ、全部で64KBですよ?ちなみに、このページに載ってる画像1~2枚分の容量です。

ドラクエは音楽も最初から独特でした。
すぎやまさんの音楽はゲーム音楽にありがちな中二っぽさは皆無で格調高いですよね。(まあ、自分は中二ぽいのも大好きなんですが)
それが逆に新鮮でした。

ドラクエ1『序曲』の曲紹介と演奏

ドラゴンクエスト 序曲【ギター演奏・コード分析31】【新春特別企画】
ドラゴンクエスト『序曲』のソロギター演奏です。今回は新連載『ゲーム音楽を弾こう!』と連動する形で初心者向けアレンジとなっています。

ファミコン・ディスクシステム

1986年のファミコンのゲーム音楽で、自分の印象に残っているのは、主にディスクシステムのものです。

以前解説しましたが、ファミコンのディスクシステムには独自の波形メモリ音源チップが搭載されて、ファミコン単体よりかなり表現力がアップしていました。

当初はこれを知らなかったので、ビックリしたものです。

ゼルダの伝説

ディスクシステムと同時に発売されたタイトルです。
これのオープニングデモの音楽を聴いたときは衝撃でした。
最初、FM音源かと思ったくらいです。

ゼルダの伝説1

この作品で、それまで気にしていなかった任天堂のゲーム音楽の印象は全く違うものになりました。

ゼルダの伝説 メインテーマの曲紹介と演奏

ゼルダの伝説 メインテーマ【ギター演奏・コード分析07】
ゼルダの伝説の元祖オープニングタイトル曲。ボサノバ+フラメンコなアレンジです。他に曲紹介、近藤浩治さん紹介、コード進行など。

メトロイド

任天堂の名作タイトルです。
これは、めちゃめちゃ面白かったです。
アクション要素と謎解き(隠し要素が多い)と、クリアタイムでエンディングが変わるタイムアタックの要素があったり、ファミコンゲームだと一番ハマったもののひとつです。

メトロイド

音楽は、ゼルダの伝説と同様、オープニングデモが衝撃的に良かったです。
ゲーム中はあまりメロディーっぽい音楽はありませんが、知らない星で一人で危険な任務に挑む緊張感や、舞台の不気味さがよく出ていたと思います。

悪魔城ドラキュラ

そしてもう一つはずせないのが、悪魔城ドラキュラですね。
初代の1面BGM『ヴァンパイアキラー』はシリーズ通しての代表曲になっていて、何回もリメイクアレンジされています。

悪魔城ドラキュラ

このタイトルもディスクシステムでの発売でしたが、確か音源はファミコン本体のものしか使ってなかったような。
悪魔城シリーズの音楽は個人的に大ファンなので、演奏記事でも何回も取りあげているし、これからもちょくちょく演奏していくと思います。

一般の音楽への興味もどんどん増していました

1986年はゲームとゲーム音楽に一番ハマった年だったので、今回はゲーム音楽の話を中心にしましたが、一般の音楽への興味も引き続き増大していきます。

前回お話したように、フュージョンから始まって、洋楽のロック・ポップやメタルなども徐々に聴くようになります。

この年くらいから『FMステーション』や『ミュージックライフ』などの雑誌を読んで、FMラジオ番組や深夜にやっていたMTV(マイケル富岡さんの)、『ベストヒットUSA』などをチェックするようになっていました。

そして、1986年の後半から、いよいよ音楽と楽器演奏への興味が本格化してきて、やがて、それはコンピュータやゲームへの興味を上回るものになっていきます。次回はそのへんのことをお話しようかと。

ゲーム音楽の想い出 前回

音楽への興味の高まりとFM-NEW7でのPCゲーム体験【ゲーム音楽の想い出04】
ゲーム音楽の想い出 第4回は1985年の話です。この頃からBGMは音楽への興味を深めます。また、PCをFM-NEW7に買い換えてPCゲームの世界も体験します。

ゲーム音楽の想い出 次回

楽器を始めてゲーマーは引退?【ゲーム音楽の想い出06】
1986年の後半頃から管理人BGMは音楽への興味が大きくなって楽器演奏を始めますが、楽器にはまりすぎてゲームは引退状態に。プロギタリストを志望しますが……。

コメント