今回作品より曲紹介記事を先行配信しています。このブログはリンクフリーです。(2019年6月15日更新)
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ゲーム音楽を弾こう!19~リハーモナイズ

前回まで叩き台となるベースアレンジの
作り方をやってきました。
今回はリハーモナイズ(コードのつけ直し)のテクニックを解説します。

リハーモナイズと一言でいっても
コード構成音を少し変えたり
代理コードに差し替えたりする程度のものから
全く違う流れや解釈を付加して
大幅な曲の改変を伴うものまで
かなり幅広いものがあります。

ここではソロギターアレンジ用途のリハーモナイズということで考えます。

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リハーモナイズとコード分析は表裏一体

リハーモナイズはコード分析と表裏一体であり、
同じ知識をそのまま転用可能です。

既存の進行を解釈→コード分析
既存の進行を変更→リハーモナイズ

ということです。

ですので
コード分析を解説したときやった内容と被る部分もありますが、
今回はもう一歩踏み込んでやっておきます。

リハーモナイズする上での注意点

一つ前置きとして
リハーモナイズ全般の注意点ですが
代理コードを使ったとしても
ボイシングやベースラインによっては
原曲からかなりイメージが変わってしまうことがあるので
実際に演奏しながら何度も響きを確認して行うことをお奨めします。

この作業はキーの流れやコード機能を感じ取る
『コード感』を鍛えるのにも非常に有効です。

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基礎的なリハーモナイズ手法

以下にリハーモナイズの具体的な手法を一つずつあげていきます。

同じキーのダイアトニック代理コード

代理コードはリハーモナイズの基本です。

とくに同じキー内のダイアトニックコードで
コード機能が同じものは高い互換性があります。
ただし、トニック系コードの差し替えはイメージ変化が大きいので注意してください。

例えばCメジャーキーなら

サブドミナントのFとDm
ドミナントのG7とBm7b5
これらはたいてい差し替え可能です。

トニックはキールートのCコードを変えてしまうとまずい場合が多いですが
CとEmとAmは一定の互換性があります。

マイナーキーでも同じように
ドミナントマイナー同士
サブドミナントマイナー同士
トニックマイナー同士
での差し替えが可能です。

ドミナント7th化

あらゆるタイプのコードをドミナント7thコード化することが可能です。
代表的なのがセカンダリードミナントなどです。
また後述しますが、ドミナント7th化はコード機能の改変を伴うことがあります。
ドミナント以外のコード機能→ドミナント
となります。

注意すべきは
やり過ぎると調性感が希薄化・均一化してしまうことです。
それを狙ってやる場合もありますが。

II-V(ツーファイブ)化

ドミナント7th化をもう一歩進めたもので
ジャズでは常套句です。
ドミナント機能のドミナント7thコードをV7と捉えて、そのコードを二分割、
II→Vという形にします。
三パターンあります。

メジャー型II-V
IIm7→V7の形です
次にIメジャーコードが来ることを示唆します。

マイナー型II-V
IIm7b5→V7の形です
次にImコードが来ることを示唆します。

セカンダリードミナント型II-V
II7→V7の形です
メジャーマイナーの調性感はあまりなくニュートラルな形です。
次にメジャーマイナー、どちらにも転べる感じです。

II-Vの実例

例としてCメジャーキーで
CM7→Fという進行があったとして
CM7をドミナント化して
C7→Fにしたとします。

このC7をさらにII-Vに分割する場合
以下の3パターンです。

メジャー系
Gm7 C7 F
下属調Fメジャーを感じさせます

マイナー系
Gm7b5 C7 F
かなり強い一時的転調感があります。

セカンダリードミナント系
G7 C7 F
この場合はこれが一番素直です

IV-V型

ちなみにですが
IIコードはIVコードで代理できたりするので
IV→V、IVm→V
とすることも可能です。

上のCM7→Fのリハモ例でいくと

BbM7 C7 F
Bbm7 C7 F

こうなって
Cメジャーキーからみると
bVIIコードが登場することになります。

裏コード

ドミナント機能をもつドミナント7thコードを
半オクターブ上(下でも同じ)のドミナント7thコードで代理します。

5度進行⇔半音進行の変換になります。
裏コードは元のコードから見ると
オルタードテンションの集合体になります。
例 G7 C→Db7 C

パッシング・ディミニュシュ

ディミニュシュコードを使ってベースラインをなめらかにしたり
微妙な響きを付加したりします。
例えば
CM7 Dm7→CM7/C#dim Dm7
のように長二度の順次進行にディミニュシュコードを割り込ませたりします。

ディミニュシュコードでのドミナント代理

例えばG7→Abdim(=G7b9)のように
半音上のディミニュシュコードでドミナント7thコードを代理できます。

ディミニュシュコードは短三度音程のみで構成されているので
短三度での平行移動が可能です。

例えばCメジャーキーでG7の代理や
G7→Amのパッシングとして
Abdimを使いたいとすると
AbdimのほかにBdim、Ddim、Fdimの三つのコードでも代用できるため
コード進行可能性は大きく広がります。

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やや高度なリハーモナイズ

ーーー以上が基本的なリハーモナイズ手法です。
以下に応用的なリハーモナイズ手法も解説しますが
ここから先は
曲自体の改変という度合いが強まるので
注意が必要です。

ノンダイアトニックコードでの代理

ダイアトニックコード内の代理コードが最も互換性が高いですが
ノンダイアトニックコードのなかにも代理コードとして利用可能なものも存在していて、
リハーモナイズでの使用も可能です。
ノンダイアトニック代理コードについては
ゲーム音楽を弾こう!08も参照してください。

ノンダイアトニック系を使用する場合は
かなりのイメージ変化を伴うので
何らかの意図があっての使用になります。

コードタイプの変更

コードタイプを変えて(たとえばC7→Cm7とか)コード機能を変えたり
一時的転調を付加したりするリハーモナイズです。

上で説明したドミナント7th化もこれにあたりますが、
ドミナント7th化に関しては
非常に多用するので基本手法の中に入れました。

ドミナント7以外への変換は大きくイメージが変わることが多いので
なんらかの意図があっての使用になります。

同系統の同主調コードへの差し替え

トニック系同士とか
サブドミナント系同士とか
コード機能の系統が同じ同主調のコードへの差し換えです。

TとTM
SDとSDM
DとDM

ということです。
よく使う例を挙げます

SD→SDM
全ての音楽ジャンルで非常によく使われます。
例えばCメジャーキーで
F→Fm7、Dm7b5

TM→T
マイナー進行で最後だけメジャー終止にする、
というゲーム音楽でも頻繁に登場する形です。
例えばCマイナーキーで
Ab Bb Cm→Ab Bb C

同一キー・同主調内の異系統機能コードへ差し替え

コード機能の系統は三つあります
トニック系
サブドミナント系
ドミナント系

このうちドミナント系とサブドミナント系は一定の互換性があります。
なのでその2つは差し替えをしても
曲の構造が全く変わってしまう
ということはそんなありません。

問題はトニック系とその他の差し替えでしょうか。

例えばSDからT
とか
TからSDMとか

トニック系がらみの機能コードの差し替えは
曲の構造を改変することになるので
そのつもりで意識的にやることになります。

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リハーモナイズの可能性は無限

ーーーここまでやってきて
『これって、もしかして、なんでもアリなんでは?』
と思われるかたもいるかもしれません。

そうなんです。
リハーモナイズはやろうと思えば
『解釈』によって何でも可能で
最終的には作曲と同じことになります。
調をまたいだリハーモナイズもダメということはありません。

重要なのはリハーモナイズの目的をはっきりさせて
その目的にあった最適なコードを導き出す、
ということです。

答えも一つではなく
全ては編曲者の感性次第です。

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ゲーム音楽のソロギター演奏でのリハーモナイズ

ゲーム音楽のソロギターアレンジのためのリハーモナイズということを考えると

まず、ゲーム音楽は原曲イメージが大切なジャンルなので、
原則、あまり極端なリハモはしません。
挑戦的アレンジという趣旨ならその限りではないですが。

ソロギター演奏といことでいうと

・演奏性を上げる
・ギターでより綺麗な響きが出るようにする

リハーモナイズの目的はこの二点に集約されると思います。
これって前回まででやった
仮アレンジを作るための基本的テクニックと全く同じ目的です。
なので、リハーモナイズは前回までの内容の延長線上のものとして
仮アレンジの一工程・次の本アレンジの下地として処理していくことになります。

本アレンジに入ってからも
使いたいテクニックや音運びが出てきたとき
それを実現するためにリハーモナイズは有効な手段になります。

ーーー次回からいよいよ演奏用の本アレンジ、
味付けの部分をやっていこうと思います!

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関連リンク

ゲーム音楽を弾こう!18~移調とコード・メロディの変更

ゲーム音楽を弾こう!20~アレンジの肉付けと簡略化

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