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転調を考える【ゲーム音楽を弾こう!11】

前回はキー(調性)の判別についてやりました。

1つのキーで曲が完結していればそれほど苦労しないのですが、音楽というのは、よほどシンプルな曲以外は複数のキーが組み合わさって出来ています。

今回は『転調』について考えます。
転調は大まかに二種類あります。

  • 同じキーのなかで臨時記号が出て少し調性が揺らぐ『一時的転調
  • 調号が変わって本格的に別のキーに移行する『本格的転調

今回はこれを解説していきます!

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関係調と一時的転調

本格的な転調の考察は今回の後半にやりますが、ゲーム音楽に限らず、平行調・同主調・属調・下属調といった関係調への一時的転調は頻繁に出てきます。

セカンダリードミナントも関係調への一時的転調と考えることもできます。

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関係調とは

現在のキーと使用する音の互換性が高く、スムーズに転調できるキーを関係調といいます。

関係調同士は使用されるコードの互換性も高いので、コード進行によってはどちらにもとれる場合があります。

関係調には4種類あります。

平行調

メジャーキーの6番目の『ラ』の音をルートにとると、平行調のマイナーキーに、マイナーキーの三番目の『ド』の音をルートにとると、平行調のメジャーキーになります。

Cメジャーの平行調はAマイナー、Cマイナーの平行調はE♭メジャーになります。

平行調同士は調号が同一なので、使用する音もコードも同じで、シームレスに転調できます。
コード進行の中でコード機能が入れ替わるだけになります。

属調

元のキーに対して五度上(四度下)の調です。
Cメジャーの属調はGメジャーです。
調号は♯がひとつ増ます(または♭がひとつ減る)。

使用する音が1音しか違わないので、スムーズに転調できます。

下属調

元のキーに対して四度上(五度下)の調です。
Cメジャーの下属調はFメジャーになります。
調号は♭が1つ増えます(または♯が1つ減る)。

属調転調と同じく、使用する音が1音しか変わらないのでスムーズに転調てきます。

同主調

ルートが同一のメジャー、マイナーの転調です。
CメジャーとCマイナーが同主調の関係になります。

調号がいっぺんに3つ変わるのでコードの互換性としては弱いですが、メジャーキーの中でSDMとして同主調マイナーキーのコードは慣用句みたいに使われます。

とくにゲーム音楽では、何回か解説している『メジャー・マイナー複合調』も非常に多く、常用される転調です。

同主調と短三度転調の関係

同主調転調と短三度転調は表裏の関係にあります。

メジャーキーで短三度上に転調

例えばCメジャーキーから短三度上に転調するとE♭メジャーキーになりますが、これはCマイナーキーの平行調なのでCマイナーへの同主調転調と同様の効果になります。

メジャーキーで短三度下に転調

Cメジャーキーから短三度下に転調するとAメジャーキーになりますが、これはCメジャーの平行調であるAマイナーの同主調にあたります。

マイナーキーで短三度上に転調

Cマイナーキーから短三度上に転調でE♭マイナーですが、Cマイナーの平行調であるE♭メジャーの同主調になります。

マイナーキーで短三度下に転調

Cマイナーキーから短三度下に転調でAマイナーですが、これはCメジャーの平行調なので実質同主調転調です。

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『一時的転調』と『本格的転調』の判断

コード進行の中で上で、説明したような関係調をはじめとした他の調のコードが混じることはよくあるんですが、それを『本格的転調』ととるか『一時的転調=調のゆらぎ』として、同一キーのノンダイアトニックとして処理するかは、転調区間の長さだったり、使われ方だったり、メロディの動きだったり、分析する人の考えかたでかわってきます。

各自どこかで線引きするわけですが、自分の場合、臨時記号付きのコードが出てきたとき以下の可能性を考えます。

  • ハーモニック・メロディックマイナーのダイアトニックコード
  • セカンダリードミナント(Ⅱ-Vと裏コード含む)
  • パッシング・ティミニュシュ
  • ノンダイアトニック系代理コード
  • ドミナント7th化されたコード
  • 裏コード
  • 半音上や下からのアプローチコード
  • ディミニッシュの短三度、半音、全音ズラし(コンディミの解釈)
  • オーギュメント7thの全音ズラし(ホールトーンでの解釈)
  • 経過音的ベース音をもつオンコード
  • 経過音的内声を含むコード

これらに当てはまらないものは、全て本格的転調と捉えて分析しています。

あと、微妙な判断になりますが、コード単体で上記の解釈が出来るものであっても、感覚的にⅠコードが変化していると感じたら本格的転調と考えて分析しています。

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本格的転調について

上でいろいろ挙げたように、セカンダリードミナントや単発のノンダイアトニックコードなどは、ほとんど『一時的転調』として処理できますが、次は一時的転調として処理が難しい『本格的転調』について考えてみます。

本格的転調は譜面でいうと調号が改めて指定されるようなケースです。

関係調への転調であっても一定以上の転調区間があれば、本格的転調として扱ったほうがいいケースが多いです。

当ブログのコード進行分析では本格的転調には■マークをつけてキーを指定しています。

■マークが出てきたらIコードが変わるので、度数表記のコードは全てそのキーに合わせて変化します。

例えば
■Cメジャーキー
Ⅴ7 Ⅰ7
■Gメジャーキー(属調転調)
Ⅱm7 Ⅴ7

となっていたら実際のコード進行は
G7 C7 Am7 D7
となります。

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関係調への転調と関係調外への転調

同じ本格的転調でも、関係調への転調と関係調外への転調ではその比重が異なります。

関係調への転調であれば、スムーズでさりげない感じになるので、それなりの区間にわたって転調状態が続かないと本格的転調という感じになりません。

関係調外への転調は明かな転調感を伴うので、例え1小節でも本格的転調と捉えたほうがいい場合が多いです。

よくある例で、同じ構成のコードが半音・全音・短三度などの間隔で上行・下行してどんどん転調していくものがありますが、こういうのは例えコードひとつ分のサイズであっても独立した調へ転調していると考えたほうがいいてしょう。

短三度転調に関しては、同主調がらみの一時的転調も多いのでケースバイケースで判断します。

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いろいろな転調

関係調以外への転調を解説しておきます

半音転調(長7度転調)

半音上(短2度)または下(長7度)への転調。

ポップス系の歌モノに多いですが、終盤にリフレインを半音上げて繰り返したりする手法が代表的です。

調号が5つ変わるのでコードの互換性はほぼなくなりますが、メロディーなどがシンメトリーな動きになることが多いし、ギターだと1フレットずらせばいいので把握は楽です。

全音転調(短7度転調)

全音(長2度)上または下(短7度)への転調。

半音転調と同様の使われかたもしますが、半音転調よりはシンメトリーな手法の比率は下がる印象です。

調号2つの変化なのでコードの互換性もそこそこあって『準関係調』といえるかもしれません。

長3度転調(短6度転調)

短三度転調は同主調転調とほぼ同じ効果ですが、長三度転調は全然関係ない調への転調という感じになります。
譜面上では調号4つの変化です。

半オクターブ転調(減5度・増4度転調)

裏コードは半オクターブの代理関係ですが、これは裏キーとも呼べるものです。

調号6つの変化でコードの互換性は全くなくなるし、半音転調ほどシンメトリーな使い方もしにくいので、かなりぶっ飛んだ感じになります。

なお、半オクターブ転調以外は、上にいく場合、下に行く場合で印象も変わってきます。

ゲーム音楽を弾こう! 前回

キー(調性)の把握【ゲーム音楽を弾こう!10】
前回までで、曲の分析に必要なコードとスケールの基礎知識をやりました。 いざ書いてみるとかなりの分量になりましたが、前回までの内容が理解できれば一通りの知識を習得できていること...

ゲーム音楽を弾こう! 次回

コード進行分析 初級編1 ドラゴンクエスト『序曲』【ゲーム音楽を弾こう!12】
前回まででコード分析やアレンジに必要な知識を解説しました。 今回から実際のコード進行分析の流れやっていきます! 1月にアップしたアレンジ例題曲のドラゴンクエスト『序曲』と、...

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