旧ブログから移行できていなかった記事とリンク切れなどが何カ所かあったので修正しました。このブログはリンクフリーです。(2019年3月16日更新)
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ゲーム音楽論04~初期ゲーム音楽の音色

前回までに同時発音数などの制約からくる
ゲーム音楽らしいアレンジの特徴について考えてきました。

今回はもう1つの大きな要素、
『音色』について考えてみたいと思います。
ゲーム音楽に使用されてきた音源については
ゲーム音楽史でも簡単に触れていますが、
もう少し掘り下げてみます。

 

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PSGと矩形波

ナムコの波形メモリー音源という『突然変異種』を別にすると、
日本では1982年頃からPSG(プログラマブル・サウンド・ジェネレーター)が登場してきて
ゲーム音楽の発展が始まります。

それまではBeep音(PCのマザーボードなどについている通知用の電子音)の発振周期をいじったりして
なんとか単音メロディーを出していた状態でした。

ゲームの世界に音楽をもたらしたPSGですが、
これの音色は矩形波(Beep音と同様のピーーという電子音)を
簡単なエンベロープ(立ち上がりや減衰など)加工をして作られていました。

それに加えてノイズ(全周波数が同時に出ているもの。
テレビやラジオの電波周波数があってない時のザーーっていう音。
爆発音とか打楽器を擬似的に表現するのに使われる)を出すことができました。
チップによっては、矩形波3音+ノイズで4音出せたものもあります。

ファミコンの内蔵音源

ファミコンの音源は矩形波二音+ノイズに加えて
三角波(矩形波よりアタックや減衰が緩やかなポーーという音)を出せたので
ベースパートを三角波でやることが多かったようです。

さらにファミコン音源の矩形波は
デューティー比を変えることで音色バリエーションもいくつか選択できたので
一般のPSGより表現力が高かったです。

 

ーーーーPSGは『最低限の音楽表現が可能になった』という意味で革新的でしたが、
上記のように音色バリエーションがほとんどなく、
高音部低音部のピッチ精度の問題もあり
綺麗に鳴る音域というのも制限されていました。

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波形メモリ音源

次に1980年頃からナムコがアーケードゲームで採用し、
コナミのSCC音源・ファミコンディスクシステム拡張音源・PCエンジンなどで使われた波形メモリ音源ですが、
こちらはPSGと異なり音色波形をプリセットしておいて使うという方式で、
音色の数や精度はチップのスペックに依存しています。

1980年代当時のものは低解像度の波形を極少数しかプリセットできなかった上、
強弱設定など細かいことはできませんでした。

なので、アタックの強弱感のある音色は全く適しておらず、
PSG様の矩形波ベースの音色に色づけとして
シンセ系・オルガン系のテイストが加味される『高級PSG』という趣でした。

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FM音源

そして1985年頃から普及したFM音源です。
これは簡単にいうとPSGをグレードアップして波形エディットを可能にしたもので、
PSGでは不可能だった正弦波、鋸波なども出すことができ、
エンベロープも音色・トラックごとに詳細な設定が可能になりました。

ピッチなどの精度も向上し、中音域以外でも音痴になることがなくなり、
ベースラインがボヤけたりしなくなりました。

ただ、音色はなんでも作れるかというと、
やはりギターや打楽器、生ピアノなど強弱感のある生楽器系や
波形が複雑に変化するディストーションギターなどは苦手でした。

逆にシンセベースやシンセブラスなどの音色は独特の魅力があり、
現在でも良く使われる音色です。

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初期のPCM音源

最後にFM-TOWNSやスーパーファミコンに採用されたPCM音源。
これは波形メモリー音源のグレードアップ版で、
生楽器などの音色をサンプリングしたものをプリセットして使いますが、
その音質(=サンプリングレート)や強弱感(ベロシティ)などの精度は
チップのスペックに依存します。

1985年頃からアーケードゲームでは
打楽器のみPCM音源というパターンがありましたが、
打楽器は音程が無く(厳密にはあるんだけど、ここではそこまでは突っ込みません)
サスティンや時間経過による波形変化も少ないため
サンプル数が少なくても変になりにくく
当時のハードでも使用することができたわけです。

スーパーファミコンの場合、
オーケストラやディストーションギターもある程度再現可能でしたが、
サウンド用のメモリーが少なく解像度が低かったため
生演奏の音とはかけ離れていました。

ーーーかけ離れていたんですが、
その音色が逆に個性になっていて聴くとすぐにわかる『スーファミサウンド』なわけです。
当時のサウンドクリエイターの努力で『個性』まで昇華できたんだと思います。

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音色の制約による影響

以上のようにスーファミ時代あたりまでは使用音色にかなりの偏りがあり、
作曲やアレンジにも大きく影響していました。
作編曲手法の具体的なことはまた長くなりますので、
今後すこしずつお話ししていこうと思います。

そのあとの時代はCDDAによる生録音再生や高解像度のPCM音源で
リアルな楽器音が出せるようになり、
同時発音数の制約もなくなっていって、一般の音楽に近づいていきます。
アレンジ手法もスーファミ時代までのゲーム音楽独特のものは比率がさがっていきます。

次回からは同時発音数や音色の制限と
メロディー=作曲法
の関係について考えていきたいと思います。

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関連リンク

ゲーム音楽論03~初期ゲーム音楽の開発環境

ゲーム音楽論05~ゲーム音楽のメロディー

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